2) 壷を挽く(轆轤のみで、土を繋ぎ合わせて大壷を作る)。
大量の土を一気に轆轤挽きして作る作品には限界があります。いかに優れた轆轤技術を持った
方でも、出来上がり高さが35~40cm程度にするのは、容易な事ではありません。
それ故、上下二段(二分割)または三段(三分割)に分けて作り、継ぎ足して大きな作品を作る
方が、容易で作品も比較的軽く作る事が可能です。
・ 但し、継ぎ足すやり方(技法)にも、幾つかの方法があります。大きく分けて筒状の物を
二段重ねる方法と、壷の上下の部分を別々に作り、下部に上部を継ぎ足し、轆轤成形で
繋ぎ合わせる方法があります。
① 同じ太さの筒状の土を二個轆轤挽きし、重ね合わせて背の高い筒を作り、形作る方法。
轆轤技術で難しいのは、いかに土を薄く上に伸ばす事が出来るかと言う事です。
それ故、ご自分の腕(技量)での作れる最高の高さを認識していると思います。
) 手首が入る筒状の物を、亀板上で二本轆轤挽きします。
筒Aは底があり、高さ20~25cm程度、肉厚は2cm~2.5cm程度とします。
筒Bは底なしで、高さ20~25cm程度、肉厚は2cm程度とします。
筒AとBの口径は同じにし、高さが狂っている場合には水平にします。
) 筒Aの亀板を轆轤上に据え、筒Bを亀板のまま逆さにして、筒Aの真上に載せます。
但し、筒Aが若干乾燥していないと、Bを載せた時に歪むかも知れません。
真上に載せてから、糸を入れてBの亀板を切り離します。
) A、Bの繋ぎ目を、内外から手を添えて締め、更に轆轤を回転させながら接着します。
その際、両手に濡れた布を巻き付けて使うと、水切れせずに作業ができます。
) ゆっくり轆轤を回転させ、全体に振れを無くします。更に、最上部の肉厚を薄くする為、
土を挽き上げます。この状態で、筒の高さは、40~50cm程度に成るはずです。
) 後は、内側から手を入れて少しづつ膨らませて、好みの形にします。
② 切継ぎの方法。
上記①の方法と同じ様な技法に、切継ぎの方法があります。
大壷よりも中壷作りに向いている技法です。
) 一塊の土を轆轤挽きすると、その人の技量(腕)によって、高さが限定されてしまいます。
例えば1kgの土では、手首が入る太さの筒で高さは、20cm前後に成りますし、1.5kg程度の
土では25cm程度の筒に成ります。
) この筒状の上部を5cm前後切り取ると、頭が軽くなる為切り取る以前程度の高さまで土を
伸ばす事が可能になります。即ち、底の周囲の肉厚を薄くする事で、背が高くなります。
) この下の土を若干乾燥させてから、切り取った上の土を載せる事により、その人の技量
プラス約5cmの筒を作る事ができます。
尚、轆轤挽きした土はかなり肉が薄くなっていますので、繋ぎ合わせる際に、作業し難い
かも知れません。又、下を乾燥させる程、上は安定しますが、硬く成り過ぎて形作りで
苦労します。
) 後は、内部より膨らませて壷を作ります。
③ 上下を壷の形にしてから、繋ぎ合わせる方法。
以下次回に続きます。