わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る74(壷9、轆轤で大壷を作る3)

2013-05-06 22:34:18 | 陶芸入門(初級、中級編)

2) 壷を挽く(轆轤のみで、土を繋ぎ合わせて大壷を作る)。

   大量の土を一気に轆轤挽きして作る作品には限界があります。いかに優れた轆轤技術を持った

   方でも、出来上がり高さが35~40cm程度にするのは、容易な事ではありません。

   それ故、上下二段(二分割)または三段(三分割)に分けて作り、継ぎ足して大きな作品を作る

   方が、容易で作品も比較的軽く作る事が可能です。

    ・ 但し、継ぎ足すやり方(技法)にも、幾つかの方法があります。大きく分けて筒状の物を

      二段重ねる方法と、壷の上下の部分を別々に作り、下部に上部を継ぎ足し、轆轤成形で

      繋ぎ合わせる方法があります。

   ① 同じ太さの筒状の土を二個轆轤挽きし、重ね合わせて背の高い筒を作り、形作る方法。

     轆轤技術で難しいのは、いかに土を薄く上に伸ばす事が出来るかと言う事です。

     それ故、ご自分の腕(技量)での作れる最高の高さを認識していると思います。

    ) 手首が入る筒状の物を、亀板上で二本轆轤挽きします。

        筒Aは底があり、高さ20~25cm程度、肉厚は2cm~2.5cm程度とします。

       筒Bは底なしで、高さ20~25cm程度、肉厚は2cm程度とします。

       筒AとBの口径は同じにし、高さが狂っている場合には水平にします。

    ) 筒Aの亀板を轆轤上に据え、筒Bを亀板のまま逆さにして、筒Aの真上に載せます。

       但し、筒Aが若干乾燥していないと、Bを載せた時に歪むかも知れません。

       真上に載せてから、糸を入れてBの亀板を切り離します。

    ) A、Bの繋ぎ目を、内外から手を添えて締め、更に轆轤を回転させながら接着します。

       その際、両手に濡れた布を巻き付けて使うと、水切れせずに作業ができます。

    ) ゆっくり轆轤を回転させ、全体に振れを無くします。更に、最上部の肉厚を薄くする為、

       土を挽き上げます。この状態で、筒の高さは、40~50cm程度に成るはずです。

    ) 後は、内側から手を入れて少しづつ膨らませて、好みの形にします。

  ② 切継ぎの方法。

    上記①の方法と同じ様な技法に、切継ぎの方法があります。

    大壷よりも中壷作りに向いている技法です。

   ) 一塊の土を轆轤挽きすると、その人の技量(腕)によって、高さが限定されてしまいます。

     例えば1kgの土では、手首が入る太さの筒で高さは、20cm前後に成りますし、1.5kg程度の

     土では25cm程度の筒に成ります。

    ) この筒状の上部を5cm前後切り取ると、頭が軽くなる為切り取る以前程度の高さまで土を

      伸ばす事が可能になります。即ち、底の周囲の肉厚を薄くする事で、背が高くなります。

    ) この下の土を若干乾燥させてから、切り取った上の土を載せる事により、その人の技量

      プラス約5cmの筒を作る事ができます。

      尚、轆轤挽きした土はかなり肉が薄くなっていますので、繋ぎ合わせる際に、作業し難い

      かも知れません。又、下を乾燥させる程、上は安定しますが、硬く成り過ぎて形作りで

      苦労します。

    ) 後は、内部より膨らませて壷を作ります。

 ③ 上下を壷の形にしてから、繋ぎ合わせる方法。

 以下次回に続きます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする