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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

本焼きの目的

2009-06-24 23:14:10 | 窯詰め、素焼、本焼の話し
本焼きは、陶芸の、最後の工程に成ります。

 (尚、本焼き後に、上絵付けで、絵を描く事も有ります。)

本焼きとは、1200℃前後~1300℃の範囲で、焼成する事で、素焼や、楽焼など、低い温度で

焼成する事とは、違います。
    
本焼きの目的は、

1) 土を焼き締め、実用に耐える強度にする事。

  ① 土は、高温になると、収縮し密度が増し、物理的(機械的)強度が強く成ります。

   土は、元は花崗岩などの石でした、それが日光や、雨、風、熱水などで、数万年を経て、

   風化、分解され、粉々に成り、川や、池などに、堆積した物と、考えられています。

   それ故、高温に成る事により、最初の岩(花崗岩)に、戻った事に成ります。
  
  ② 吸水性が、極端に無くなり、水漏れを少なくさせます。

  ③ 実用に耐える、硬さや、強度と成ります。

  備前焼に代表される「焼き締め」は、釉を掛けなくとも、この段階で、十分実用に耐える作品と

  成ります。

  「焼き締め」は、薪などで焼成する事が多く、灰などで、釉薬とは、違った表面の模様が

  自然に、出て来ます。 
 
2) 釉を高温で熔かし、土(素地)の表面を、ガラス質で覆う事です。

  ① ガラス質で覆う事により、更に物理的、化学的強度を増します。

   ) 素地を、ガラス質で覆う事により、物理的強度が、増します。

   ) 酸や、アルカリ、その他洗剤などに対して、化学的強度が、増します。
  
  ② 汚れに対して、処置し易いです。

   ) 食器など、汚れを落すのが、容易に成ります。

   ) 釉で覆う事により、更に吸水性が、少なく成り、油などの汚れより、守ります。

     (貫入釉などでは、表面の「ひび」から、水がしみ込む場合も有ります。)   

  ③ 色や絵付けが出来ます。

    各種釉薬で、色付けをしたり、好みの絵(下絵付け)を描く事が、出来ます。

    色や絵を描く事により、作品に変化が出ます。

  ④ 表面が、ガラス質ですので、手触り(触感)が、良い。

 以上の利点が有りますので、一般的には、釉を塗って、焼成します。
  
 陶芸の本焼き 

本焼き 本焼きの目的

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