緊急事態条項の導入を目論み、その実現を確信している『一群の人々』は今、その悲願が達成される日に向かって、一年以上も前からカウントダウンを行っています。
緊急事態条項が憲法に導入されてしまうと、日本の民主主義は死にます。
どうか、お願いですから、この記事を最後まで読んで、20日後に行われる投票に、足を運んでください。
どうか、お願いですから、今回の選挙では、棄権したり、白紙票を投じたり、改憲を目指す自公、おおさか維新の会、次世代の党、日本を元気にする会の議員に、投票しないでください。
前回2013年の参院選で当選した、非改選121のうち、
自民(65)、公明(11)両党に加え、憲法改正に前向きな姿勢を鮮明にしている維新(5)、こころ(3)の4党で、84議席を確保している。
242議席のうち162議席で、「3分の2」を超えるため、今回の参院選で、この4党が計78議席を獲得すれば、
改選・非改選合わせて、「3分の2」以上を得ることになり、憲法改正の国会発議への環境が整う。
前回は自民、公明2党だけで、76議席を得ただけに、「改憲4党で78」というハードルは、「決して不可能ではない」(自民党幹部)との見方がある。
嗚呼っ…。
このような投票をお願いをする理由を、下記に書きました。
少し長いですが、どうか最後まで読んでください。お願いします。
日本会議の研究 (扶桑社新書)が教えてくれた、とても恐ろしく、大切なことについて、書きたいと思います。
https://www.amazon.co.jp/日本会議の研究-扶桑社新書-菅野-完/dp/4594074766?ie=UTF8&redirect=true&tag=kohakuironoza-22
自動保存されていたはずの、数日かけてコツコツ書き上げてきた、かなりの量の文章が、今朝になって消えてしまっていました。
今、呆然としつつも、さらに読みやすくまとめろ、との教えだと思い直すことにしました。
こんなことは初めてではありませんが、goo事務局に問い合わせた方が良いのかもしれません。
自動保存が、記事の内容によって行われたり行われなかったりするのか(まあ、もしそうならば、そうですとは言わないでしょうけれども)、
それとも、このような事故は何回かに一度、起こってしまうのか。
気持ちを持ち直さなければなりません。
さて、消えてしまった文章や、参考にと載せた記事や文献を、またここに書き起こすか否か…。
やっぱり、書かなかったことにして、最初からまた、書き直すことにします。
******* ******* ******* *******
『日本会議の研究』の著者、菅野氏は、約1年にわたり、ほぼ毎日、図書館に通い、古書を漁り、人に会い、現場に行き、ノートを取り続け、この本を書き上げました。
『その膨大な資料と取材を手元に置きながら、「書かねばならぬのにか書けなかったこと」が大量にある』と、〝むすびにかえて〟に記されています。
それでも、わたし自身で言えば、日本会議についてずっとモヤモヤしていた部分がはっきりと見えたし、
関わっている人物の人間像が、とても詳しく書かれていることで、わたしたちがたった今、直面している民主主義の破壊の危機を、実に生々しく実感することができました。
本の内容を、簡潔にまとめてくださった記事がありましたので、その一部を、ここに転載させていただきます。
↓以下、転載はじめ
菅野完氏による話題の書籍『日本会議の研究』に対し、日本会議サイドが出版差し止めを要求〔書評&社説〕
【やや日刊カルト新聞】2016.5.9
http://dailycult.blogspot.com/2016/05/blog-post.html
◆源流は、右派宗教団体『生長の家』の学生運動
巷で囁かれる「日本社会全体の右傾化 」についての嫌疑から、考察を始める菅野氏が「行き着いた」のが、「日本会議」だった。
現政権と密接な関係にあることが、予てから指摘されている日本会議。
菅野氏は、その成り立ちから、運動主体、思想的背景、関わる人物、現政権との関わりなど、あらゆる角度から、同団体の実態を解き明かしてゆく。
運動主体については、
70年代初頭、右派宗教団体で、天皇崇拝を掲げた、『生長の家』の学生信者による、右翼学生運動の闘士が元始、であることが明かされる。
そして、
政治運動から撤退した『生長の家』本体の、「路線変更を良しとしない古参信徒たち」による『生長の家』原理主義者」が、日本会議や、その周辺に蠢いていることが示され、
安倍政権が、この『生長の家原理主義者/生長の家政治活動関係者』という特殊なインナーサークル」の、「強い影響下にある」、という構造を暴き出している。
◆「一群の人々」の“悲願”は、「憲法改正」 「明治憲法復元」
著者が、
「生長の家原理主義者ネットワークをはじめとする一群の人々」として名を挙げたのは、以下の人物である。
括弧内は、現在の肩書、及び
過去の経歴だ。
・椛島有三
〈日本会議事務総長/日本青年協議会(日本会議の事務局/日本会議の企画・立案・遂行担当組織)会長/
長崎大学学生協議会議長/生長の家信徒学生を中心とした九州学協執行部委員長/生長の家の学生活動家〉
・衛藤晟一
〈参議院議員/首相補佐官/日本会議幹部/日本青年協議会副代表/
生長の家信徒学生を中心とした九州学協執行部副委員長/生長の家の学生活動家〉
・百地章
〈日本大学教授/集団的自衛権を合憲とする官邸御用達の憲法学者/美しい日本の憲法をつくる国民の会(日本会議フロント団体)幹事長/『二十一世紀の日本と憲法』有識者懇談会(日本会議フロント団体)事務局長/朝日・グレンデール訴訟を支援する会代表者/
全日本学生文化会議(「生長の家学生信徒及びその周辺に集まる民族派学生の運動が母体」)結成大会実行委員長)〉
・高橋史朗
〈明星大学教授/日本青年協議会幹部/
生長の家学生会全国総連合委員長〉
・伊藤哲夫
〈安倍晋三ブレーン/日本政策研究センター所長/
生長の家青年会中央教育宣伝部長/生長の家教団職員〉
著者は、
これら安倍政権周辺に巣くう「一群の人々」が、政治活動から撤退した後も、精力的に政治活動を続ける「生長の家原理主義者」であることを、調べあげてゆく。
『椛島有三=日本青年協議会・伊藤哲夫=日本政策研究センター・教団グループ=谷口雅春先生をしのぶ会』が、
「安倍政権を支える生長の家政治運動」の3つのラインであることを、 パズルのピースを埋めるべく、大量の歴史的資料を探索し、実証してゆく。
この「生長の家原理主義運動」に、「政権と近しい政治家や学者が参画している」 と指摘する菅野氏はまた、
安倍晋三が、2006年に、総理総裁に「上り詰めた」際、
安倍自身の党内の権力基盤の脆弱さが、日本会議や「生長の家原理主義者ネットワークをはじめとする一群の人々」が、「安倍の周りに群がり影響力を行使でき」た原因である、と分析する。
同書内では、愛国心を持つ若者が、日本青年協議会の学生組織に勧誘され、運動員として用いられている実態も、明らかにしており、
当該組織で活動していた人物からは、その教化プログラムについて、「カルトなんですよ連中は」との証言も引き出している。
最終章では、
椛島有三・衛藤晟一・百地章・高橋史朗・伊藤哲夫という、「一群の人々」を束ねているリーダー格の人物について、
学生協議会初代議長・生長の家青年会副会長の経歴を持つ、“カリスマ”安藤巖の名を挙げる。
菅野氏は、
「稀代のオルガナイザー」、「天才的組織人」と評される、
「神の子」 安藤巖の持つ「不思議な力」と、
「類稀なる策士・運動家・オルガナイザー・名演説家としての実績」、「人格的魅力」、
「谷口雅春との個人的紐帯に裏付けられた権威」には、「誰も逆らえないだろう」と指摘している。
◆安易な陰謀論ではない
菅野氏は、阿佐ヶ谷ロフトで発言したように、同書に於いても、
「日本会議について知るためには、そうした幼稚で拙速な陰謀論的総括と、誤解を排す必要がある」と記述し、
安易な宗教的陰謀論に陥ることに、警笛を鳴らしている。
「巨大組織・日本会議」ではないと言及。
特殊思想を背景とした、「ごく一握りの一部の人々」による「地道な市民運動」の「結実」が、「政権を支え国憲を改変するまでの勢力となった」と指摘した上で、
「民主的な市民運動」が、「日本の民主主義を殺すだろう」と皮肉る。
「非民主的な思想を持つ人々」による、愚直なまでの「民主的な市民運動」が、民主主義を脅かすに至った現状を、憂慮しているのだ。
◆「我が世の春」
「一群の人々」の一人である百地章は、 5月2日に放映された、NHKクローズアップ現代プラスの「改憲 いま人々は」と題した回で、こう発言している。
「首相が、突然(憲法改正の議論に)入って来たわけではなく、これまでの運動の中で首相が誕生した」
↑以上、転載おわり
上記にある、安東氏の存在は、わたしにあることを思い出させました。
高校2年に発生し、医者からも見放された難病に苦しんでいた自分に、あなたは必ず治ると断言し、言葉通りに救ってくれた新興宗教のこと。
指導を受けたすべてのことを、真面目に、疑う心を持たず、必死になって取り組み続けた自分のこと。
地獄のような毎日から解放され、興奮し、喜び、自分が得た体験を、機会が与えられればどこにでも出かけて話したこと。
専従にとの誘いに、数日かけて悩み、結局は断りの返事をしたこと。
安東氏の病との闘いは、わたしと同じく高校2年の年から始まり、それは7年にも及びました。
周りでは、(古い言い方ですが)青春を謳歌し、能力を活かして成長していく同年代の人たちが居て、
その姿を横目で見ながらの闘病には、並々ならぬ心の強さが必要だったと思います。
彼の再生に関わった宗教がもし、成長の家で無かったら…。
成長の家の創始者・谷口雅春氏が説いたものがもし、ウルトラナショナリズムで無かったら…。
彼の、まだ柔らかだった心に楔を入れたのが、
・第二次世界大戦期に急速に右傾し、
・「皇軍必勝」のスローガンの下に、金属の供出運動や勤労奉仕、戦闘機を軍に献納するなど、自身の教団を挙げて戦争に協力し、
・GHQが、日本を弱体化するために、日本に押し付けた無効の憲法を、即時に破棄し、大日本帝国憲法(明治憲法)に復元しなければならない”と説き、
・「明治憲法復元運動」を起こした人物、谷口雅春氏で無かったら…。
信仰によって病を癒し、長崎大学に進学し、そこで出会った椛島有三と共に、学園正常化有志会を結成し、
「デモ反対・全学連反対」のビラを配ろうとした時に平手打ちをくらい、倒れ、徹夜して作った2千枚のビラを踏みにじられるという暴力に遭っていなかったら…。
安東氏の持つカリスマ性と能力は、別の方向に活かされ、今のような民主主義の破壊は、ここまで進んでいなかったかもしれません。
とにもかくにも、今、わたしたちが直面している(大勢の人はまだ、直面していることすら気づいていない)危機は、
極めて非民主的な思想を持つ人々による、民主的な市民運動によってもたらされたものであることを、肝に命じなければなりません。
それゆえに、とても闘いにくい。
その市民運動は、多岐にわたり、非常に長い年月をかけて、良かれと思う人々によって、コツコツと行われてきたものだからです。
菅野氏は、〝むすびにかえて〟で、そのことについて、こう書かれています。
本書で振り返った、70年安保の時代に淵源を持つ、安藤巖、椛島有三、衛藤晟一、百地章、高橋史朗、伊藤哲夫といった「一群の人々」は、
あの時代から休むことなく運動を続け、様々な挫折や失敗を乗り越え、今、安倍政権を支えながら、悲願達成に王手をかけた。
この間、彼らは、どんな左翼・リベラル陣営よりも頻繁にデモを行い、勉強会を開催し、陳情活動を行い、署名集めをしてきた。
彼らこそ、市民運動が嘲笑の対象とさえなった80年代以降の日本において、めげずに、愚直に、市民運動の王道を歩んできた人々だ。
その地道な市民活動が今、『改憲』という結実を迎えようとしている、
彼らが奉じる改憲プランは、『緊急事態条項』しかり、『家族保護条項』しかり、おおよそ民主的とも近代的とも呼べる代物ではない。
むしろ本音には、『明治憲法復元』を隠した、古色蒼然たるものだ。
しかし彼らの手法は間違いなく、民主的だ。
私には、日本の現状は、民主主義にしっぺ返しを食らわされているように見える。
やったって意味がない、そんなのは子供のやることだ、学生じゃあるまいし…と、
日本の社会が、寄ってたかって散々バカにし、嘲笑し、足蹴にしてきた、デモ・陳情・署名・抗議集会・勉強会といった、
「民主的な市民運動」をやり続けていたのは、極めて非民主的な思想を持つ人々だったのだ。
そして、大方の「民主的な市民運動」に対する認識に反し、その運動は確実に効果を生み、安倍政権を支えるまでに成長し、国憲を改変するまでの勢力となった。
このままいけば、「民主的な市民運動」は、日本の民主主義を殺すだろう。
だが、もし、民主主義を殺すものが「民主的な市民運動」であるならば、民主主義を生かすのも「民主的な市民運動」であるはずだ。
賢明な市民が連帯し、彼らの運動にならい、地道に活動すれば、民主主義は守れる。
絶望するには、まだ早い。
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選挙まであと20日。
こんな短い期間で、50年以上もの間、「民主的な市民運動」をやり続けてきた、極めて非民主的な思想も持つ人々に対抗し、勝たねばなりません。
「民主的な市民運動」の中には、日本会議の考え方に近い人たちが緩やかに連携し、各地で多様な運動を広げているものがあります。
それは本当に多岐に渡り、ターゲットになった物事のほとんどは、陳情や苦情を取り入れたり、変更を余儀なくされたりしています。
例えば、
日本会議国会議員懇談会副会長の下村博文・前文科相に、「子ども」を「子供」か「こども」に統一するよう求める要望書が手渡された、というニュース。
もともと、この『子供』の『供』という漢字について、文化庁の国語課は、
「『子供』の『供』には従者の意味がある、という教育評論家の説が広がり、『子ども』が使われるようになっていたのではないか」という認識を持っていました。
けれども、その要望書には、
「『子ども』と書かずに『子供』と書かなければならない。
なぜならば、漢字と仮名の交ぜ書きは、「国語破壊」「文化破壊」につながるから」という内容が記されていたました。
そしてその後、13年6月、文部科学省と文化庁は、「子供」と「子ども」が混在していた公文書の表記を、「子供」にするよう周知徹底したのです。
このような細かなことに対する要望書や陳情は、日本津々浦々の議員や議会、そして公の機関に、日々送りつけられています。
それは、それだけの人員と、そういう人たちをまとめる事務能力が、非常に高度であることを証明しています。
そして、そういうことが可能な団体には、数の力というものが存在します。
日本会議 / 日本青年協議会の進める『国民運動』のスタッフとして活動している人たち、あるいはそこに足を運ぶ人たちが、
先日の『改憲1万人集会』のようなイベントをもり立て、その結果が新聞に載り、それが政治家の目には『世論』として映るのだと、菅野氏は分析しています。
その確実な動員力、マネージメント能力、そして直接アンケートなどを送りつけ、じわじわと圧力をかけてくる手法などに引き寄せられた議員には、
様々な用件で集客や票集めをしたり、議会への陳情を通りやすくしたりするよう依頼し、その成果と引き換えに、票集めをちらつかせる。
だから
多くの国会議員は、自分たちにとって「日本会議」は、繋がっておく価値が大きいと考えるのですね。
そうやって議員の多くが、日本会議になびいていった…。
そのことを、報道が全く報じなかったとはいえ、知らずにきてしまった現実を、わたしたちは認めなければなりません。
票を何票集める。
参加者を何人集める。
このようなことを、次から次へと有言実行する日本会議。
そのような団体に支えられている自民党の「平成27年党運動方針」には、
(↓以下、『日本会議の研究』より抜粋)
「憲法改正を党是とする保守政党としての誇り」が全面に打ち出され、
国会議員一人あたり、4000人の党員獲得をノルマ化する。と記されている。
さらに、
日本青年協議会の機関誌『祖国と青年』(2015年4月1日に発売されたもの)名物の『憲法の事案です!』漫画コーナーには、
『改憲戦艦ヤマト』という、実にくだらない、よく2015年にもなって、こんな陳腐な「ヤマト」パロディを、恥ずかしげもなく描けたものだと思う漫画の最終コマに、
『憲法改正まであと480日』と記されていた。
これは、日本青年協議会による、『改憲へのカウントダウン』ではないのか…。
日本青年協議会は、2016年の参院選挙に勝利し、改憲を実施するぞと宣言している。
その日本青年協議会は、『日本を守る会』の事務局であった40年前から今現在に至るまで、
手堅い運動手法で、自分たちの運動目標を、着実に政策化し続けている。
彼らが取り組んだ運動のほぼ全てが、立法化、あるいは政令化され、現実のものになっている。
その彼らが、『改憲』という最終目標にむけ、2015年4月の段階で、明確にカウントダウンを始めていたのだ。
(↑以上、抜粋おわり)
日本会議、あるいは日本青年協議会、あるいは崇教真光、あるいは神社本庁、倫理研究所、キリストの幕屋、モラロジー研究所などの宗教に属し、
思想に陶酔している人、賛成している人、別にどちらでもないが反対ではない人、こちらになびいている方が都合が良かったり、その方が楽な人たちが、
いったいどれだけの票を集めることができるのか、そのことを今さら危惧したところで、仕方が無いことです。
ならばわたしたちは、そのようなものに属していない人たちに呼びかけ、この恐ろしいカウントダウンを阻止しなければなりません。
50年以上もの市民運動の成果と対峙し、わずか20日の間に、勝つ方法を考え、それを実行しなければなりません。
子どもは飼い慣らすべきものだと公言し、
子ども条例制定に反対し、
昭和憲法が、美しい伝統を阻害する要因となっているため改憲し、
行き過ぎた家族間や権利の主張を抑え、
靖国神社参拝などで、国家の名誉を最優先とする政治を遂行し、
国家の名誉を担う人材を育成する教育を実施し、
国防力を強めたうえで、自衛隊の積極的な海外活動を行い、
もっと各国との共存共栄をはかることを目指す集団に、
わたしたちの国を、支配されないようにするためには、7月10日の選挙では、なんとしても結果を出さなければなりません。
あきらめてなんかいられません。
今の子ども、それから未来の子どもたちに、国家の名誉のために生きるよう強制するような社会、経済徴兵が行われる社会を残してはなりません。
フェイスブックやツィッター、インターネット上の勉強会など、まだまだ間に合います。
どうか、目を通し、知り、自分に一番合った行動を選んだり、集会に足を運んでみてください。
それが難しい人は、投票という行為で、日本の民主主義を救ってください。
******* ******* ******* *******
最後に、岩上さんが、今回の選挙の真の争点、改憲の説明を、ちゃんとやろうとしない、すっトボケの安倍政権について、わかりやすく解説してくださっているので、それを転載します。
参院選まで、とうとう3週間を切りました。
まだまだ、やれることがある。
この選挙の真の争点は、間違いなく改憲です。
そのことを、1人でも多くの有権者に伝えたい。
真の争点を国民が知れば、改憲勢力は大敗するでしょう。
だからこそ、安倍総理はここへきて、争点ぼかしに必死になっています。
「どの条項を改正するのか、まだ決まっていない」などと、トボケているのです。
トボけるのは、トボケなくてはいけない理由があるからです。
選挙前に真の狙いを説明したら、国民の大多数が反対することでしょう。
だからトボけるのです。
自公ら改憲勢力の狙いは、緊急事態条項です。
それを、ここへきてごまかし続けている。
なぜか。
中身がわかって同意する人間は、普通はいないからです。
改憲は、一条ごとに、改憲の発議を、衆参両院がそれぞれ行い、国民投票にかけられます。
だから、9条がかけられ、自衛隊の存在を認めていない形の2項だけ改められても、現行の憲法のすべてが否定されることはありません。
国民主権も、基本的人権も、権力分立も残ります。
平和主義も9条だけでなく、憲法の前文にも明記されており、自衛隊が合憲的存在になったからといって、平和主義まですべて否定されるわけではありません。
自民党の憲法草案は、トンデモないシロモノですが、これを全面的に実現しようとしたら、何回も憲法発議を行い、何回も国民投票にかける必要があります。
大変手間と時間がかかり、その間に、国民に、憲法に関する情報が行き渡って、自民党の改憲草案は酷すぎないか?と、理解が進むでしょう。
理解されてしまうと、この国を、全面的に改造することは難しくなる。
だから、一挙にやってしまいたい。
そこで、彼らが目論んでいるのが、緊急事態条項です。
僕は、緊急事態条項を導入しようとする、彼ら改憲勢力を、繰り返し、睡眠薬強姦強盗に例えてきました。
緊急事態条項が改憲で導入され、実際に発令されると、現行の憲法秩序はまるごと眠らされ、麻痺して、無効化されます。
人権が停止され、圧倒的な力を手にした独裁権力は、政令という名前の実質的な法律を、国会にかけることなく、好き勝手に乱発し、この国の法体系を、まったく別のものに変えていきます。
これは、睡眠薬強姦強盗の手口そのものです。
よく考えてみてください。
「これ、お試しで飲んでみて。そのあと、ボクが何を君にするかはまだ決めてない」と変な男に言われて、
女性の方は、そんな怪しいものを(あるいはそれが強力な睡眠薬だとわかっていて)、飲みますか?
緊急事態条項は、国民全員の人権をスリープさせる、睡眠薬です。
眠ってしまって、抵抗できない間に、
モノを取られたり収用されても(財産権の侵害)、
身体を好きなようにされたり(人権の侵害)、
命を奪われたり(生存権の侵害)しても、
抵抗しようがありません。
司法に訴えても、緊急事態条項には、国民は、公権力に服従する義務がある、と刻まれているのですから、異議申し立てする側が、違憲になってしまいます。
司法による救済も期待できず、言論の自由もなくなるので、声をあげることもできません。
しかも、この独裁条項には、出口も期限もありません。
いつまででも、期限の延長ができてしまいます。
睡眠薬の追加投与ができて、永遠に、目覚めることができなくなるのです。
我々国民の人権は、終わりなき眠りにつかされ、終わりなき独裁が、その上に君臨します。
こうなれば、どんな意味のない、無謀な戦争の遂行も、可能になります。
自衛隊は、米軍の指揮下にあり、属国の二軍として動かされますが、
そんな馬鹿げた米軍のための戦争に、反対しようにも、緊急事態条項によって、終わりのない人権スリープ状態におかれてしまえば、
何が起きているのかもろくに知らされないまま、服従を強制され、抵抗できず、隷従するほかなくなります。
我々は、眠りこけた奴隷と化すのです。
だから、そんなクスリ(改憲の条項)は、飲ませる前に中身を明かさない。
睡眠薬強姦強盗の手口ですね、これは。
参院選で、議席の3分の2を取り、改憲の発議が可能になるまでは、絶対に明かさない。
これは、犯罪者の手口です。
ちなみに、憲法9条本丸論も、間違いです。
緊急事態条項はお試し、とっかかりで、本丸は9条だと、いう言い方は、悪気はないのかもしれませんが、誤解を招きます。
民進党の岡田さんは、しきりに、本丸は9条だ、という言い方をしますが、多くの人に、決戦は今回の参院選ではなく次回だと、勘違いさせてしまう可能性があります。
一番大切な本丸は9条で、緊急事態条項は出城だから、この前哨戦は負けても、次の戦いに勝てばいいなどと、油断を誘ってしまうのです。
9条は心臓だとして、何よりも大切に守りたいと思っていても、睡眠薬をのんで、全身が麻痺したあと、心臓を守れますか?
守れません。
財布も守れません。
操も守れません。
脳も守れません。
自分の命も守れません。
家族も守れません。
ほかの国の人々の命も守れません。
緊急事態条項を飲んだら、もうその時点で、終わりなのです。
そして、卑劣極まりない政治的睡眠薬強姦強盗は、何を飲ませるかを誤魔化しながら、3分の2確保に、ひっそりこっそり邁進しています。
何が入っているか、国民に教えないで、コップに睡眠薬入りのドリンクを注いでいるわけです。
自分は立法府の長である、とか、最高権力者である、などと、国会で叫んでいる安倍晋三氏こそ、
この卑劣極まりない睡眠薬強姦強盗の、首魁なのです。