ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

初めてのさくら祭り in ワシントンD.C.

2015年04月14日 | ひとりごと
15日になりました。(ここアメリカでは)いくつになっても嬉しい、いくつになっても祝ってもらえる誕生日です。

で、今回の誕生日祝いはワシントンD.C.のお花見♪ ということで、行ってまいりました。
毎年この頃になると、いっぺんは見に行ってみたいもんだとブツブツと心の中で思いつつ、気がついたらもう花が散っていた、という繰り返しだったのですが、
アメリカと家族として繋がってもう23年が経つというのに、それも車で3時間ちょっとの、こちらでいうと近場に暮らし始めて15年も経つというのに、
しかも、桜はずっといつだって寄り添ってくれた花だというのに、いっぺんも行ったことがないっていうのはどういうこっちゃ?!ということで、
やっとやっと決心して、今年の誕生日はワシントンD.C.に連れてってくれぇ~!と夫に頼みました。

出発日は11日の土曜日。
ぐずぐず天気が続いた後の晴れ間でしたが、風が冷たくて寒いったらありません。
まずは今回の相棒ソプラノのポーレットと、5月のオーディションのための初練習をしにマンハッタンに行き、家に戻り次第、荷物をカバンに詰め込み出発!と、
まあ、いつものごとくのバタバタとした旅行の始まりです。
わたしたちが行こうと決めた週末がちょうど、満開+快晴と好条件が揃いそうだったので、ホテルの予約ができるかどうかが心配でしたが、なんとか無事に2泊を確保。
確定申告のためにウンウン唸りながら作成した書類も整い、それを郵便局に出して気分もすっきり!
出発です!

道中で気温が徐々に上がってきました。
ニュージャージーではつぼみさえも膨らんでいないので、気温とともに気分も上昇、ワクワクしてきました。
ワシントンD.C.の桜見物には何度も出かけている友人家族(今回ももちろん来ていました)から知恵をもらい、近辺の町から地下鉄で通うという方法をとりました。
目指すホテルのすぐ横に公共の駐車場があったので入り、ホテル客専用の5階に駐車し、専用通路からホテルへ。
ちなみに、ワシントンD.C.の週末の駐車料金はすべて無料なんだそうです。すばらしい!
フロント係の人に名前を告げ、部屋の番号を教えてもらおうと待っていたら…、
「名前が見つけられないのですが」と言われ、え?そんなはずはないです、ほら、予約終了のメールももらってるしと、夫が見せると、
「あ、これ、来週の予約になってますよ、ほら、18日」
「えぇ~!」

ということで、敢え無く宿無しとなったわたしたち。
係の人も気の毒がって、あちこちに問い合わせをしてくれたのですが、桜祭りの真っ只中の土曜日の夜に、ありませんて、そりゃ。
というか、あるんですよ、高~い料金なら。
でも、夫が予約したサイトは、キャンセルができないという条件付きだったのです。
ということは、幻の2日間のためのお金も払わなくてはなりません。
で、とにかくこの2日は、どこか泊まれるところを見つけて、さらにその分を払わなくてはなりません。
だから、できる限り安くしたい!けれども、誕生日のお祝いという事情もある。
ああ、なんて我々らしい始まりなのだ!と、ちょっと感動しつつ、45分ぐらい奮闘した結果、車で30分ぐらいのところにある町にホテルを見つけました。
地下鉄が使えるかなあ…なんてこともふと思いましたが、それはもう明日になってから考えようと気持ちを切り替えて、まずは腹ごしらえ。

ホテルのすぐそばの道端で、ノリノリのドラマーさんたち。


近くで見つけた寿司カウンターのある日本食のお店で食べていると、若い東洋人女性の店員さんとお客さんがちょっともめている様子。
カウンターで座っていた我々にも、話がチラッと聞こえてきました。
寿司職人の若い男性に、韓国語と英語のちゃんぽんで話しているその女性に、どうしたの?と英語で尋ねてみました。
すると、どこの国の人ですか?と聞かれたので、日本ですと答えると、すぐさま流暢な日本語で話し始めたのでびっくり!
まるで生まれも育ちも日本人のようですねと言うと、勉強しに5年ほど日本で住んでましたからと言うので、どこで?と聞いてまたまたびっくり!
なんと、大津だったのです!
わたしたちもだよぉ~とすっかり盛り上がり、会話が弾んだのですが、日本語が同じくペラペラの夫をなぜか無視する彼女…なんでだったんだろう…。

とまあ、ドタバタ騒ぎの始まりでしたが、なんとか無事にホテルの部屋に到着。
でも…別々の部屋で寝るのにすっかり慣れてしまっているわたしたちにはやはり、いくら大きなベッドでも、シーツや掛け布団を共有して寝るというのが難しい上に、
気温がニュージャージーよりも高く、乾燥しまくっていて、さらにはキャンセル料金やら明日の宿のことやらをついつい考えてしまって、
とうとうほんの少ししか眠れないまま、朝になってしまいました。

でも行くぞ!

車で15分ぐらい走ったところにあるワシントンメトロの始発駅。ここもやはり週末ですから、駐車代は無料です。なんて太っ腹!


30分ぐらい揺られて着きました。ワシントンD.C.名物メトロバス。


木曜日から来ていて今日は帰る予定の、ワシントンD.C.ベテランの友人家族と合流し、街中をちょいと散策。
チャイナタウンの門。


ワシントンD.C.って、マンハッタンに見慣れた目からすると、どこもかしこもデカくて広々って感じがします。




『WTF』WHAT THE F⚪︎⚪︎Kという、いわゆる「くそったれ!」とか「なんてこったい!」な時に使う言い回しが名前?のお店の前で、ふざけるお父ちゃんを撮る愛娘。


ホワイトハウスに近づいてきました。


映画やニュースで、目にタコができるぐらいに見てきた建物ですが、


ホワイトハウスの真向かいにある、なんちゃら将軍(名前を覚えるのが超~苦手!)の像。


ワ~イワ~イと嬉しそうなチューリップ。


『核廃絶』独りデモのおばあさん。


こちらは若者たちのデモ。


彼は、1947年からの、イスラエルによるパレスティナ人への迫害に抗議している人です。
  

この柵が、思ったよりも低くて驚きました。


ホワイトハウスを背にして。


家路に戻る友人たちと別れ、いよいよポトマック川に向かいます。
途中はずっとスミソニアンの建物が続き、




ちょっと寄り道。




赤十字のシンボルがある、けれども名前は別名の建物。


よく見る高い塔がどんどん近づいてきたのですが、夫に名前を聞かれて答えられず、マジで呆れられてしまいました…。


ワシントン記念塔。はいはい、覚えました!っつか、ただの棒みたいでなんか変…退屈なので、望遠で遊んでみました。
てっぺんの穴は赤く点灯しています。


さらに望遠。うん?誰かいる?


塔の裾の桜も満開!


凧揚げしたり座ったり、みんなそれぞれ楽しんでいます。




ずっと向こうにはリンカーン記念館が。


再びワシントン記念塔。


到着しました。すご~い人です。






ジェファーソン記念館をズームってみました。




川べりの岩に座って。


カモさん。


鵜さん。


飛行機がかなり近くをビュンビュン飛んできます。


では、べっぴんな桜をご覧あれ。




















ここにもべっぴんさん!


あ~嬉しかった!


造幣局。




ホロコースト記念館。




レンガがひたすら美しかった。


長男くんの大学の町にも、これとそっくりなアーチがあったなあ…。


鶴か?と思いきや…。


いやもう、半年分ぐらい歩いたので、ちょっと休憩して腹ごしらえ。


ここはちょっと入ってみたかったんだと、どんどんと歩いて先に行ってしまう夫。カメラを手にそれを追う、何の建物かさっぱりさっぱりな妻。




こんな観光の仕方もアリです。


もうちょっと頑張って夜桜と思い、戻りかけてみると、


別に日が暮れていくだけで、ライトアップとかも無いですよ、と言われ退散。


市庁舎が奥に見える広場から。なんとなくウィーンを思い出しました。






地下鉄に戻ります。


改札口にも桜。


なんとも雰囲気の良い構内。


昼間と違い、スカスカの車内。



そして翌日の月曜日。さらに気温が上がり快晴です。
キャンセルができないはずだった予約も、夫がなんとかうまく交渉してくれて解決。
そして同じホテルの同じ部屋で眠れるというので安心したのか、二人ともまずまずの安眠を得ることができました。

ホテルをチェックアウトして、今回は車でジョージタウンに行ってみることにしました。
川沿いの道はずっと石垣が続いています。


なんとも可愛らしい、けれども調べるととんでもなく地価(もちろん家も)が高い町、ジョージタウン。


消防署だって可愛い。


古い古い家の工事。


教会だって可愛い。




うちも古い(百年以上も前からの)レンガ造りなので、すご~く共感を持ってしまいます。






多分、5億以上はするっぽい家々。



リンカーンに会いに来ました。


リフレクティング・プールに水が張られていなくて少し残念。


どんどん近づいていきます。


会えた。




この柱の円周は、大の大人5人が手を伸ばして抱かえても届かないくらい大きいのだそうです。


ここだけギリシャ…な感じ。


記念館の右側に座って見ると、橋の向こう川に、アーリントン国立墓地が微かに見えます。




「I HAVE A DREAM(わたしには夢がある)」の演説をした、マーチン・ルーサー・キング牧師の記念。


記念館のすぐ上に、飛行機雲が扇状に広がっていました。


町中で見つけたコンポーストと、それを利用できる公共の畑。





今回の旅はこれでおしまい。
帰りの車の中で急に体調が悪くなってしまい、首の付け根や手に小さな鍼付きのタックをいっぱい貼ってもらって、さらには運転を全部夫にしてもらって戻ってきました。

今度また、できたら再来年の60才のお祝いに行けたらいいな~なんて…かなり厚かましい&気が早いおばちゃんです♪

『高浜原発差止仮処分事件』の決定が14日に出ます!司法が現実に原発を止めるという歴史的な裁判です!

2015年04月10日 | 日本とわたし
講演のためにトルコにおられる守田さんから、本当に嬉しいメールが届きました。
ぜひみなさんにもお知らせしたいと思い、ここに転載させていただきます。
まずその前に、これをちょっと読んでいただけますか。

『大飯原発の再稼働認めず!』樋口英明裁判長の判決要旨の全文です。ぜひ読んでください!
http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/c23cee97b8aefb95b510b0505f9c6072

樋口裁判長の判決要旨の全文より抜粋。

使用済み核燃料は、本件原発の稼動によって、日々生み出されていくものであるところ、
使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるためには、膨大な費用を要するということに加え、
国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく、
深刻な事故はめったに起きないだろう、という見通しのもとにかような対応が成り立っている、といわざるを得ない。

国民の生存を基礎とする人格権を、放射性物質の危険から守るという観点からみると、
本件原発に係る安全技術及び設備は、万全ではないのではないかという疑いが残るというにとどまらず、
むしろ、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに、初めて成り立ち得る脆弱なものであると認めざるを得ない。

極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と、電気代の高い低いの問題等とを、並べて論じるような議論に加わったり、
その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことである、と考えている。

たとえ本件原発の運転停止によって、多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、
豊かな国土と、そこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、
これを取り戻すことができなくなることが、国富の喪失であると、当裁判所は考えている。

原子力発電所で、ひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染は、すさまじいものであって、
福島原発事故は、我が国始まって以来、最大の公害、環境汚染であることに照らすと、
環境問題を、原子力発電所の運転継続の根拠とすることは、甚だしい筋違いである。


何度読み直しても胸の中が熱くなります。
このような素晴らしい判決が、この福井をきっかけに、全国津々浦々の裁判所で読み上げられるようになったら、それこそが日本の真の復興につながるのではないでしょうか。

前置きが長くなってしまいました。
それでは、どうして守田さんからのメールが嬉しかったのか、その理由を紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

「高浜原発差止仮処分事件」の決定が14日に出ます!(上)

守田です。(20150410 13:00トルコ時間)

イスタンブールのホテルからです。
こちらは今正午すぎ、日本との時差は6時間です。
午後のミーティングの前のわずかな時間で書いています。

高浜原発差止仮処分事件の決定が、14日に下されるそうです。
この審理は、昨年5月に、大飯原発の運転差止判決を出した樋口裁判長が担当してきました。
樋口裁判長は3月末で転任するため、その前に運転禁止処分を下すと言われていました
ところが、多くの人々が待ちわびた期日決定の知らせがこないままに、4月になってしまいました
やきもきされた方が多いと思います。
僕もその一人です。

どうなってしまうのかとドキドキしていたら、その後に、週刊朝日に次のような解説が載っていることを、舞鶴の知人が教えてくれました。
「樋口判事は3月末に定期異動するとされるが、関係者によると、その場合でも、裁判所法28条に従い高裁から特別な辞令を得て、異動後も決定を言い渡すことができる

まだ十分に望みはあると少しほっとしていたら、今日になって、ついに処分決定の期日が決まったという報が、担当弁護士から飛び込んできました。

これはすぐにお知らせせねばと、記事を書いています。
とくに裁判長が変わった等の報がないことから、期待された運転禁止処分が出される可能性が高いのではないかと思います。
ただし、その点はあまり明示的に書かれていないので、関係者の方たちがみな、慎重になっているのかもしれません。

ともあれ、注目すべき判断が14日に出されます
ご注目ください。
14日には、福井裁判所を応援し、歴史的瞬間に立ち会おうということで、
京都、滋賀、大阪、奈良から裁判所前に駆けつけて、集会を行おうという呼びかけもなされているので、それもご紹介しておきます。

僕は、トルコでこの報を受け取ることになりますが、この決定は、トルコへの原発輸出の問題とも大きく絡んでいます
安倍政権は、福島原発事故後、原発ゼロを訴える圧倒的な世論を前に、原発の延命をはかるために、いわば外堀を埋めるような形で原発輸出外交を繰り広げてきました
ただし、これは民主党政権のもとでもおこなわれてきたことで、安倍首相だけのパフォーマンスではありません。

もう少し大きな流れをみると、2000年代に入って以降、アメリカのブッシュ政権のもとで押し進められてきた原子力回帰政策と連動したものでした。
世界の原発は老朽化を深め、現在稼働年数が30年を超えたものがたくさん出てきており、
2020年までに新たに200基は新設しなければ現状を保てず、原子力産業そのものが衰退に向かう
と言われています。
この状況を打開するべく掲げられたのが、新たな国々への原発輸出の流れであり、アメリカはそのイニシアチブをとることで、原子力産業のリーディングカントリーの位置を再構築しようとしたのでした。

といっても、スリーマイル島事故以降、まったく原発を新設できなかったアメリカは、すでに製造ラインを失ってしまったので、
日本等が下請けし、世界各国に原発を売り回ることが模索された
のです。
かくして小泉政権のもとで、原発の世界への売り込みが路線化されました
このとき自民党幹事長などをつとめて、原発促進の旗を小泉元首相ともに振ったのが、現在の安倍首相です。
かくして2005年に「原始力政策大綱」が閣議決定され、2006年に原子力立国計画が出されました。

原子力政策大綱
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/taikou/kettei/siryo1.pdf

原子力立国計画
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/images/060901-keikaku.pdf

これは日本の中でも、高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ大事故や、JCO臨界事故等で、ひん死の状態にあった原子力産業を救い出す位置性をもったものでした。
あのとき明らかにこの国には、原子力政策から離脱できる可能性が生まれていたのに、
それを握りつぶしてアメリカの原子力回帰政策に従ったのが元小泉首相であり、安倍自民党幹事長だったのです。

それは、イラク戦争への全面支持以来の、アメリカへの全面追従の流れの中で強められたものでもありましたが、
一方では、ある種の独自性を持ったものでもありました。
この流れの中で、日本の原子力産業は、長年被ってきたアメリカの規制からも自由になり、国産原発による世界展開を夢見だしたのです。
経産省が、総合エネルギー調査会の原子力部会(2007年9月)で配布した資料に、その本音が現れています。

「日米間の原子力関係の歴史は、カーター政権以来、ともすれば米国が非核兵器国である日本の核燃料サイクルを押さえ込もうとする中、
日本は原子力の平和利用の模範生としてこれを死守する関係。
この間、米国のサイクル技術や高速炉技術は停滞」
「日本の原子力技術は、元々米国から受け入れた歴史があるが、米国では過去30年に亘って新規建設が滞る中、日本は逆風に耐えて着実に新規建設を実施。
この間、米国の原子力産業界の力が弱まる一方、日本の原子力産業会は力を蓄積」

(引用は『日本はなぜ原発を輸出するのか』p92より。元資料からでなくこの書からの孫引きです)

安倍政権が固執しているのは、小泉政権以来の、日本がアメリカの規制を離れて独自に原子力産業のリーディングカントリーに躍り出ようとする路線です。
アメリカ自身はどうかというと、その後、期待していた中国との原発建設での共同化が難航したこと等もあって、原子力回帰政策はまったくうまくいかずに次第に後退
電力自由化もこれに拍車をかけ、オバマ政権になって、完全に過去のものになりつつあります
しかし戦後レジュームを超えると主張した第一次安倍内閣は、この路線を押し進めることに固執してきました

そして今、安倍政権は、福島原発事故という大変な事態を経たのに、
その反省などまったくせずに、アメリカの後退をも尻目に、日本を世界中に原発を売り込む国家へと変えようとしています
いやそれどころか、福島原発事故の教訓から得た安全性を世界に売って、国際貢献するのだとすら豪語しています。
あの悲惨な事故を、宣伝トークに使いだしてすらいるのです。

しかし、福島原発事故はまだ収束しておらず、技術的な教訓をひきだすどころか、まだ原発の中の様子すら分かっていない状態なのです。
これほど平気に嘘を言い続けられる人物が首相であることに、私たちの最大の危機があるといえますが、
ともあれ岸信介氏を美化する安倍首相は、原子力政策でアメリカをも凌駕する夢をいだいて、原発輸出に邁進しているわけです。
しかし、その安倍首相の前に厳然として立ちはだかっているのが、日本民衆の原発をなくせという声です。
選挙等では、安倍政権は、この声と正面からぶつからないように慎重な歩みを続けてきました。
それであれほどの議席をとっていながら、原発の再稼働をこれまで押し進められなかったのです。
そのためにも安倍首相は、先に海外で原発を売りまくり、いわば外堀を埋めようとしてきました

ところが、原発を売り込む国が、国内ではひとつも原発を動かしていないのでは、まったく面子が立ちません
輸出で外堀を埋めようにも、再稼働がなされなければ輸出そのものも進めることができない
そのジレンマもあって安倍政権は、民衆の反対の声を恐れつつ、川内原発や高浜原発の再稼働を進める側に舵を切ってきたのでした。
それも、「安全性」は原子力規制庁に押しつけ、「避難計画」は地元自治体に押し付ける形においてです。
この責任の押し付けに規制庁が反発し、「新規制基準に合格したからといって安全だとは言わない」との明言を繰り返していることを、すでに何度も指摘してきました。
これらの流れから言えば、高浜原発の運転が禁止されることは、原発輸出政策にも計り知れない打撃になるのです。
何より重要なのは、昨年5月の大飯原発運転差し止め判決に続き、世界に、日本の原発の危険性が、司法判断として伝えられることになるからです。
特にトルコとの関係で大きいのは、高浜原発の製造者が、トルコに原発を作ろうとしている三菱重工であることです。
本当にこの点は大きい。
以上からみなさん、14日の決定にぜひご注目ください。

僕のこちらでの講演は12日シノップ、13日サムソン、14日イスタンブールと行うので、どれも直前になります。
ぎりぎり最終日に、「運転差止決定」の朗報を知らせられると良いと思っていますが、
ともあれ、こうした裁判が日本で行われていること、日本の内側から原子力政策を止めるための努力が重ねられ、これまで動かなかった司法をを揺り動かしていることをしっかりと伝えるつもりです。

長くなるので記事を二つにわけ、(下)で弁護団からのプレスリリース、若狭の原発を考える会・高浜・大飯原発再稼動阻止ネットワークからの現地行動の提起、週刊朝日に掲載された解説をお届けします。
福井地裁前集会に参加可能な方は、ぜひよろしくお願いします
僕もイスタンブールからトルコの方々とともに熱き思いで福井に思いを馳せます。


「高浜原発差止仮処分事件」の決定が14日に出ます!(下)

守田です。(20150410 13:30 トルコ時間)

続けて弁護団からのプレスリリース、若狭の原発を考える会・高浜・大飯原発再稼動阻止ネットワークからの現地行動の提起、週刊朝日に掲載された解説をお届けします。

*****

報道機関各位

BCCで送信しております。
重複ご容赦ください。

さくら共同法律事務所の弁護士河合弘之の担当の松田と申します。
お世話になっております。

以下、河合が共同代表を務めます大飯・高浜原発差止仮処分弁護団より案内です。
急なご案内になり恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

2015年4月9日
報道関係者各位
高浜原発差止仮処分事件仮処分決定日と記者会見のご案内

昨年12月5日に、福井県・関西地方に住む市民9名が、福井地裁に申し立てた、大飯・高浜原発差止仮処分事件ですが、
3月11日の審尋期日におい て、 高浜原発については審理を終了し、決定が出される旨、みなさまにお知らせしてまいりました。
このたび決定の告知日時が決まりましたので、ご案内申し上げます。

高浜原発3・4号機については、2月12日に、原子力規制委員会が合格証にあたる「審査書」を出しており、
これらの原発が再稼働されるのは時間の問題という、危険な状態にあります。
しかし、本件において仮処分決定が出た場合は、これらの原発を再稼働することはできなくなります。

仮処分決定は、判決とは異なり、直ちに効力を生ずるからです。
この決定には、日本中の国民・市民が期待を寄せており、当日は福井地裁に多くの市民が駆けつけます。
報道機関関係者の皆様におかれましては、司法が現実に原発を止めるというこの歴史的な裁判を、多くの国民・市民に知っていただくために、取材・ 報道いただきますようよろしくお願いいたします。


【本件仮処分申立ての経緯】
昨年5月21日に、福井地裁が出した大飯原発差止判決は、
福島第一原発事故の被害に正面から向き合い、全国の原発に当てはまる本質的な危険性を認定し、
大飯原発3・4号機の運転差止めを命じたもので、多くの国民・市民に支持されています。
現在、名古屋高裁金沢支部で、控訴審が行われているところです。
しかし関西電力は、この大飯原発差止判決を無視し、控訴審の結論を待つことなく大飯原発3・4号機と高浜原発3・4号機を再稼働することを表明し、
これらの原発の再稼働に向けての動きが、着々と進められています。
このような、世論と司法を無視する再稼働の動きを止めるべく、私たちは、大飯原発差止判決を出した福井地裁に、
通常の判決とは異なり、直ちに効力が生じる仮処分命令を求め、昨年12月5日に緊急に申立てを行いました。
(提出書面等詳細は仮処分の会サイトにも掲載 http://adieunpp.com /karisasitome.html

2015年4月14日(火)
14:00過ぎ   福井地裁前で、弁護団・申立団が、旗だしを行います。
15:00(予定) 記者会見・報告集会 決まり次第、ご連絡いたします。


大飯・高浜原発差止仮処分弁護団 河合弘之、井戸謙一、内山成樹、海渡雄一、青木秀樹、
望月賢司、只野靖、笠原一浩、鹿島啓一、中野宏典、藤川誠二
申立人 今大地晴美、水戸喜世子、松田正、石森修一郎、
長谷川羽衣子、西村敦子、水戸晶子、松本なみほ、高橋秀典
※東京でも弁護団による会見予定

問合せ先:
さくら共同法律事務所03-5511-4386(河合)/金沢税務法律事務所076-262-3628(鹿島)


*****

現地行動の呼びかけ

遅れていた仮処分判決告知が、4月14日(火曜日)14時ということになりました。
予定通り、裁判所前の集会が行われます。
京都、滋賀、大阪、奈良からも、自家用車の乗り合わせ、または、電車で参加したいと思います。
京都からの車は、10時スタートを予定しています。
具体的配車(集合場所、時間)は、参加者が決まった段階でお知らせします。
とりあえず、参加を募ります。
自家用車乗り合わせを希望される方は、
木原―090-1965-7102
高瀬―090-3034-7391
新開―090-3267-4278のいずれかまで連絡ください。
(3月に申し込まれた方も、改めて)

なお、この裁判の報告集会を、4月26日(日)午後1時半より予定しています(場所は現在探しています)。
こちらへもお誘いあわせの上ご参加ください。
よろしくお願いします。

若狭の原発を考える会・高浜・大飯原発再稼動阻止ネットワーク 木原壯林

*****

初の運転禁止仮処分?高浜原発の今後
【週刊朝日】2015年4月10日号
http://dot.asahi.com/wa/2015040100089.html
 
原発再稼働1番手とされる関西電力高浜原発3、4号機。
その雲行きが怪しくなってきた。
昨年12月、地元住民らが関電を相手取り、大飯原発3、4号機と高浜原発3、4号機の再稼働差し止めの仮処分を福井地裁に申請。
このうち高浜原発については、今春にも決定が出る見込みだが、仮処分が認められる可能性が濃厚だという。
元判事で、2006年に志賀原発の運転差し止め判決を出した、井戸謙一弁護士が解説する。

関電は、高浜原発3、4号機を止めるべきだという申し立て側の主張に、まともな反論ができていない。
前回の審尋で、関電が専門家の意見書を出すと言ったのに、裁判長がその機会を与えなかった。
その流れからすると、申し立てが認められないとは考えにくい


担当裁判長は、昨年5月に、大飯原発3、4号機の運転差し止め判決を出した樋口英明判事(62)。

このときは、「人格権を侵害される具体的な危険がある」と、踏み込んだ判決内容で再稼働を否定した
今回の仮処分申し立ては、3月11日に結審、まもなく決定を出す見通しだ。

樋口判事は、3月末に定期異動するとされるが、関係者によると、その場合でも裁判所法28条に従って、高裁から特別な辞令を得て、異動後も決定を言い渡すことができるという。

もし仮処分が認められれば、関電が取る方法は三つ。
ひとつは、保全異議や執行停止の申し立て
あるいは、本訴への持ち込み
最終手段として、決定を無視し、強引に再稼働させることもできるが、簡単ではない。

保全異議の決定だけでも、おそらく1年はかかる。
無理やり原発を動かせば、裁判所は関電に、億単位の間接強制金を課すでしょう。
そんなことをしたら、社長が株主から責任を追及されかねない

(申し立て弁護団の内山成樹弁護士)

形勢不利と見た関電は、「合理的な理由がないまま審理が終結したのは不当」(関電広報部)として、裁判官忌避を申し立てた
だが、福井地裁はすぐさま却下
3月20日には、名古屋高裁金沢支部へ即時抗告したが、申し立て弁護団によると、認められる可能性は低いという。
原発の運転差し止めの仮処分が認められれば、国内では初となる。
元経産官僚の古賀茂明氏が言う。

仮処分が出て高浜原発が止まったら、それが先例になり、全国の原発で同様の申し立てや訴訟が相次ぐ。
再稼働に何の迷いもない政府や経産省にしてみれば、そうした先例を絶対に許したくない。
時間をかけて最高裁まで争うでしょう


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守田敏也 MORITA Toshiya
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「国の暴走を止められるのはもう、地方の議会しかない。まずはあなたが住む町を守ってほしい」山本太郎さん

2015年04月10日 | 日本とわたし
統一地方選挙が、もう始まっていますね。
この約1ヶ月間で、800ほどの地方議会の選挙が行われるのだそうです。
先日、フェイスブック友の方から、今治の候補予定者の方の街宣の様子を撮ったビデオを教えてもらいました。
山本太郎さんが応援に駆けつけていて、いつものごとく、とても分かりやすい語り口で、今の日本の政治を話してくださっていました。
そのつながりで今度は、JR新宿駅西口で行われた合同街宣のビデオを観て、文字起こししたい気持ちがフツフツとわいてきたので、やってみました。

投票したって何も変わらない。
そう思っておられる方もいらっしゃると思います。
変えようにも変えられない。
だから仕方がない。

政治というものに自分の頭をちゃんと突っ込んでいなかった時は、わたしもそんなふうに思ってため息をついたりしていました。
でも、自分なりに、政治というものをしっかりと考え始めてからは、それがどんなに面倒くさいものであるかに驚いたり、ほとほと嫌になったりもしましたが、
変えようがない、というふうには思うことができなくなりました。
だって、変えられたからです。
それはとても小さな一歩なので、巨大な世界から見ると、いったいどこがどう動いたのかもわからないかもしれませんが、町が声を上げたのです。
『税金の行方に納得できない』『軍への異常な流用を減らし、教育に回せ』
ひとりひとりの議員に声かけし、話し合い、議会での様子を監視し、決議するまでにこぎ着けたのです。
そういう町がひとつ、またひとつと増えていけば、それが州につながり、さらには国に及ぶはずです。

国は、住む人がいてこそのものです。
人は、国のいろんなところで暮らしています。
地方という、それぞれの個性を持った土地をまず、暮らしやすく楽しめる場にする。
そのためには、人を大切にし、考えてくれる人や会社、システムを見つけて、応援しますという意思を伝え、実際に支えていかなければなりません。
巨大企業も巨大資本も、表向きはチャリティやボランティアのようなもので良い人ぶっていますが、基本的に人も自然も大切にしようなどと思っていません。
まず第一に儲かること。すべては二の次です。

そんな化け物がどんどんと、政治を麻痺させ、地球規模で毒を染み込ませています。
その毒が、市民の、それも弱い立場の、弱い体質の小さな子たちから、じわじわと傷つけ殺していくのです。

政治を見切りをつけることは、今はできません。
政治が何もかもを決めていくという現実がある以上、象を倒すアリを、身近な自分の町で見つけ、支えていくということを、コツコツとやり続けていかなければなりません。
生活のリズムが少し狂うだろうし、好きなように使っていた時間が減るだろうし、疲れも増すだろうけれども、
それでも大人なら、政治というものに自らの身を置くことを、ためらっている場合ではないと思います。

有識者会議ですでに話し合われているという『経済徴兵制』。
このことを知って、もう本当にのっぴきならない時に来ていると思いました。

↓以下、文字起こしはじめ(文体は所々省略したり、変えたりしています)

「生活の党と山本太郎となかまたち」
http://yamamototaro.org/event897/


4月19日から始まる、みなさんの地域で行われる選挙、統一地方選挙に興味を持ってほしい。
投票日は26日。(これは、東京地区の日程です)
区議会、市議会、町議会、村議会、いろんなところで選挙がある。
今、国会では連日、暴走が続いている。
安倍政権に変わってからの2年間、暴走の限りを尽くしていると言っても過言ではない。
そんなことはないだろう、と思うかもしれない。
だが、考えてみてほしい。
あなたの生活は少しでも楽になったか?
あなたは今、社会から必要とされているか?
会社に愛されているか?
周りの人たちから、そして社会から、必要とされているような政治が行われているか?
残念ながら、あなたが世の中から求められるような社会は、今の政治からは作られていない。
大企業、大資本のための恩返しだけが行われているといっても過言ではない政治が続いている

消費税、TPP、集団的自衛権、何から何まですべて企業益。
集団的自衛権は関係ないだろう。
いや、そうではない。
イージス艦一隻造るのに2500もの国内企業が関わる
戦闘機一機造るのにも1300社の国内企業が関わる
このためにはみなさんの税金をつぎ込み、いろんなところで不安定な状況を作ることが、企業の儲けにつながるということ。

企業が儲けないと俺たちの懐はあたたかくならないだろう。
そう思う人はいるかもしれない。
でも現実を見てほしい。
求人倍率が上がったという、その中身は?
正社員が減っている。増えているのは非正規
それによって笑っているのは大企業
安く、長時間、みなさんを働かせるような環境を、政治にプレッシャーをかけて作っている

実質賃金、19ヶ月連続で低下している
日本全体の99.7%を占める中小零細企業で働く、6割から7割の人たちが、そのような状況である。
これはもっと加速していく。
長時間労働、低賃金
経済界が、もっと安い労働力を大量にと、政界にプレッシャーをかけている
そこに後押しして出てくるのが、外国人労働者の流入
もうすでに外堀は埋められている。
外国人労働者を大量に流入させた場合、あなたじゃなくてもよくなっていく。
しかも、海外から流入してくる労働者は、人権侵害に及ぶような低賃金で呼ばれる人が多い。
研修生制度であるとか。
この国には、働く人々に人権さえも無いということが、どんどん広がっていこうとしている。
あなたの仕事を、代わりの人がいくらでもいるような状況を作られる。
それが今の政治。

ちゃんと調べてください。政治に向き合ってください。監視してほしい。
あなたが監視しなければ好き放題するのは当然
大企業から資金提供を受け、組織票をもらった議員たちが、国会の中で好き放題やれば、あなたのための政治など行われるはずがない
年収200万円以下のワーキングプアが1100万人以上
貯金ゼロ世帯、31%以上
貧困率は、6人から7人にひとり
貧困とは、月々10万2千円以下で暮らす人を、ざっくりと貧困という。

暮らせる?無理だ。

政治が変わらなければならない。
でも、今のところの国政、国会は、変わりようがない
ブレーキが無い。
圧倒的多数を与党が握っている。
野党はだらしがない。ひとつになって与党を引き摺り下ろすようなことをやっていない。
じゃあ、この国政の暴走はいつまで続くのか。
来年2016年の夏、参議院選挙が行われるまで、中の議席を入れ替えることはできない

あなたがお住まいの町を守っていただきたい
あなたの町で、あなたの声を、あなたの町の議会に届けて形にできる人たちを、あなたの一票で、そしてあなたがメディアとなって、それを広げてほしい。

国の暴走を止められるのは、もう地方の議会しかない
まずは、あなたの町を守るために、あなたが統一地方選に興味を持ってほしい。

本当にこのままでは大変なことになってしまう。
日本だけではない。
すでに国会は、大企業、大資本にコントロールされている
どんどん世界中に広がっているグローバリズム。
このグローバリズムから政治を取り返すために、世界中で人々が闘っている
でも日本ではどうか?
テレビ、新聞から、そのようなことはなかなか伝わってこない。
テレビのスポンサーは誰か、新聞のスポンサーは誰か、企業な
テレビをつければ、15秒バージョンでコマーシャルが流れる。
新聞を開けば広告が載っている。
新聞社を支えているのは、6割の広告収入
テレビ局を支えるのも広告収入
原発のことを、テレビでいろいろ言われるけれども、それに関連する企業たちの責任は問われていない
東京電力だけではない。
三菱も東芝も日立も、そこに資金提供していく三菱UFJ、みずほ銀行、大林組、鹿島、株主である日本生命、安田生命
その人たちが自分の腹を痛めずに、税金と電気料金から、みなさんを食いものにしてリスクを押し付けている
原発一基も動かずに550が過ぎた
エネルギーは足りている
この現実を多くの人たちに知られてしまえば、原発再稼動ができなくなる
原発再稼動の必要性はどこにあるのか。
エネルギーではない。
海外に原発を輸出するために、国内の再稼動が必要である。
原発の発電で生まれたゴミを、リサイクルできるという破綻した考え方を維持し続けるために、この原発政策は続けなくてはいけない
電力会社、そしてそれ以外の原発関連企業を守るために。
それがみなさんの健康、安全を守ってることになるか。
東南海、南海、首都圏直下、すべて連動して地震が起きてもおかしくないような状況。
今日かもしれない、明日かもしれない、1年後かもしれない、いつかはわからないが必ず起こるといわれている。
それに対する備えはできているか。
「安全だとは言わない」と、原子力規制委員長は言っている。
政治的な発言だと。
何も知らないまま、何も起こっていないようなことが日常のように繰り返されるが、政治の場では確実に、みなさんへの裏切りは進行している。
毎日毎日、この国の財産が切り売りされている

政治?俺には関係無い。
とんでもない。
あなたのことなんだ。
今日行われている政治は、明日のあなたの生活に直結している、直撃する
当然だ。
政治でしか決定できないことが山ほどあるのだから。
国政でブレーキがかけられないなら、あなたの町の政治を変えてほしい
あなたの町の心ある候補者を知ってほしい。


子どもたちを戦場に送りたくない。
国会の有識者会議では、
奨学金を返納していない人、職についていない人たちを、2年間、インターンシップとして防衛省、いわゆる自衛隊、警察、消防などに出すのはどうだ
という話し合いがされている。
経済的徴兵制の話し合いがやんわりと始まっている
大学生のふたりにひとりが奨学金を受けている。
利息がつくものとつかないものがある。
奨学金を受けている者の7割は、親世帯の収入が減っているので、利息がある方を借りなければ大学に行けない。

それによって儲けている奴らがいる。
年間320億円の利息収入で儲けているのはメガバンク
年間40億円を超える延滞金で儲けてるのは、日立がやっているような債権回収会社
首が回らないような奨学金制度、学生ローンを使って企業を儲けさせ、未来を担う若者たちの首を絞めているというような状況。

原発ムラが隠し続けてきたこと→「原子力は軍事に転用できる技術の最たるもの!核兵器と原発は一心同体!」

2015年04月08日 | 日本とわたし
このニュースは、前々からチラチラと流れていたので、内容としては新しくないのですが、
日本で原発がここまで増えてしまった、増やしてしまった理由を、この記事の中に垣間見ることができます。

必要ではない、というだけではなく、極めて危険な上に維持や始末に莫大な費用がかかる、国の未来を暗くするお荷物の他の何物でもない原発。
そのことに気づかれないよう、コソコソと多くのことを隠し続けてきた原発社会の住人たちのこれまでの様子が、
そして重大事故が起こった後でさえも、何の反省も検証もすることなく、責任も取らず、ただひたすらにこれまで通りのノリで原発を使おうとする姿が、

この記事を読むと明らかに見えてくると思います。

もうこの人たちに、この国に、原発のようなものを扱わせてはいけないという気運を、日本全国の住民が持たなければなりません。
カナダの西海岸に、福島原発の事故の影響が及び始めました。
地球を汚し続けておいて、何を今更原発かっ!
そう世界が怒り出すのは、もう時間の問題です。

日本人であることを申し訳なく思ったり、恥ずかしく思ったりしなければならない未来にならないよう、
せめて全原発の廃炉を、この世とお別れする前に実現できるよう、今のこの稼働ゼロのチャンスを生かしたいです!


被ばく死 最悪1.8万人 原発攻撃被害 84年に極秘研究
【東京新聞】2015年4月8日
 
国内の原発が、戦争やテロなどで攻撃を受けた場合の被害予測を、外務省が1984(昭和59)年、極秘に研究していたことが分かった。
原子炉格納容器が破壊され、大量の放射性物質が漏れ出した場合、最悪のシナリオとして、
急性被ばくで1万8千人が亡くなり、原発の約86キロ圏が居住不能になる、と試算していた。
研究では、東京電力福島第一原発事故と同じ全電源喪失も想定していたが、反原発運動が広がることを懸念し、公表されなかった
 
81年に、イスラエル軍がイラクの原子力施設を空爆したことを受け、外務省国際連合局軍縮課が、外郭団体の日本国際問題研究所(東京)に研究委託。
成果は「原子炉施設に対する攻撃の影響に関する一考察」と題した63ページの報告書にまとめられ、
本紙が情報公開を通じて、コピーを入手した。
 
報告書は、出力百万キロワット級の原発が攻撃されたと仮定。
原発の場所は特定せず、
(1)送電線や発電所内の非常用発電機がすべて破壊され、すべての電源を失う
(2)原子炉格納容器が爆撃され、電気系統と冷却機能を失う
(3)格納容器内部の原子炉が直接破壊され、高濃度な放射性物質を含む核燃料棒などが飛散する

の三つのシナリオで検証した。

 
このうち、具体的な被害が示されたのは(2)の格納容器破壊のみ。
当時、米国立研究所が米原子力規制委員会(NRC)に提出した最新の研究論文を参考に、日本の原発周辺人口を考慮して試算した。
 
それによると、
緊急避難しない場合、放射性物質が都市部など人口密集地に飛来する最悪のケースでは、1万8千人が急性被ばくで死亡
ただ、被害は風向きや天候で大きく変わるとして、平均では3600人の死亡になると試算した。
5時間以内に避難した場合は、最悪8200人、平均830人が亡くなるという。

急性死亡が現れる範囲について、報告書は「15~25キロを超えることはない」と記述している。
 
長期的影響としては、放射性物質セシウムなどで土壌汚染が深刻化する、と指摘。
農業や居住など、土地利用が制限される地域は、原発から最大で86.9キロ、平均で30.6キロにまで及ぶ、としている。
 
最も被害が大きい(3)の原子炉破壊については、
「さらに過酷な事態になる恐れは大きいが、詳しい分析は容易ではない」と紹介。
福島原発事故と同じ(1)の全電源喪失では、実際に起きた水素爆発の可能性に触れ、「被害が拡大する危険性がある」と指摘しており、
報告書が公表されていれば、事故の未然防止や住民避難に役立った可能性がある
 
80年代は、70年代の二度にわたる石油危機を受け、国は原発建設を積極的に推進
国内の原発16基が運転を始めた

軍事攻撃が想定とはいえ、原子炉に重大な損害が生じれば深刻な被害が及ぶとのシナリオは、世論の不安を呼び、国の原子力政策に水を差す可能性があった
報告書にも、「反原発運動などへの影響」などと、神経をとがらせていたことをうかがわせる記述がある。
 
原子力資料情報室の伴英幸・共同代表は、報告書の存在を「知らなかった」とした上で、
「反対運動を理由にした非公開ならとても納得できない。
テロの脅威が高まる中、原発のリスクを国民にもっと知らせるべきだ」
と話している。


◆公表する理由がない
外務省軍備管理軍縮課の話 報告書は保存されているが、作成部数や配布先など詳しい経緯は分からない。
今後、公表の予定はない
積極的に公表する理由がない


◆原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず
軍事攻撃による原発の放射能被害を予測していた、外務省の報告書。
水素爆発した福島第一原発事故は、地震と津波が引き金とはいえ、報告書が指摘していた「全電源喪失」の危機が、シナリオ通りに再現された。
30年も前から、原発の潜在的な危険性を知りながら、反原発運動の広がりを恐れて公表を控えた外務省
原発推進を掲げた当時の国策の下で、都合の悪い情報をひた隠しにする、官僚の隠蔽(いんぺい)体質が浮かび上がる。(斎藤雄介)
 
「限定配布の部内資料(『取扱注意』なるも実質的に部外秘)」
「外務省の公式見解でないことを念のため申し添える」…。

高度な秘密性を裏付けるように、報告書には、当時の国際連合局軍縮課長が書いた「ことわりがき」が添えてある。
 
当時、同局の審議官だった元外交官の遠藤哲也氏(80)は、本紙の取材に「記憶が確かではない」としながらも、
ショッキングな内容なので、(非公表に)せざるを得なかったでしょうね」と話した。
同氏によると、一般的に、部内資料は省外への持ち出しが禁止されており、報告書が官邸や原子力委員会などに配布されていなかった可能性が高い。
 
作成された2年後の1986(昭和61)年には、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故が起きたが、
その時ですら報告書の公表はなく、原発の安全対策に生かされることはなかった
 
当時は、米ソが核兵器の開発を競う冷戦時代。
科学技術史が専門の吉岡斉・九州大教授(61)は、原発の軍事攻撃を想定した報告書が公表されれば、
国民の間で、核兵器と原発が一体的に連想されることを心配したのではないか」と推測する。
 
「国家と秘密 隠される公文書」(集英社新書)の共著者で、歴史学者の久保亨・信州大教授(62)も、
原子力は、軍事に転用できる技術の最たるもの」と指摘する。
久保教授が懸念するのは、昨年12月に施行された特定秘密保護法。
安全保障やテロ対策などを理由に、原発に関する情報が一段と制限され、「闇から闇へ葬られかねない」と懸念を示している。


「想定された値を超えない保証が無い。設計条件が整っていない。そういうもので原発はできている」後藤氏

2015年04月07日 | 日本とわたし
『高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について』
このビデオはシェアできないように設定されているので、ここに直接載せることはできません。
何回も聴き直していますが、守田さんが内容の要点をまとめながら文字起こししてくださったので、それをここに連続して転載させていただきます。

福島原発の事故でもう嘘がつけなくなったのか、重大事故は発生するけど精一杯の対応は考えました、という路線に変更したようです。
福島原発事故の修復のうち、最も重要な汚染問題や核燃料の始末に対して何の解決もできないままの人たちが、
いったいどのツラ下げてこんないい加減なことを決め、そのいい加減さをサラリと棚に上げて、こんなビデオを流せるのか…。

もう二度と、原発の重大事故など、日本の領土内で起こしてはなりません。
重大事故を起こしうる自然現象の可能性があるのなら、なおさらのこと、原発は稼働させてはなりません。
原発を取り巻く人間環境はまだ、ほとんど改善されていません。
これまでの原発社会が、どれほどいい加減だったか、それほど嘘にまみれていたか、それを知った今では、到底認めるわけにはいきません。

後藤さんはこうおっしゃっています。

「実際にはもっと⚪︎⚪︎だったので、後になってそうなった理屈を作る。
そんなことが日常になっている人たちと組織、
そういうもので原発はできている

例として、立地場所の地殻についても、今は三次元構造を調べろとなっている。
しかし、信頼性は極めて低いと考えている。
いくらでも計算なんかできるし、計算は無限に作れる
しかし、地層を調べたからと言って、そんなに簡単に予測が当たるとは思わない
実際には相当なずれがある。
こういう不確かなものをもって、断層があるとかないとか、揺れの力がどうかと、こういうことを全体像で見たときに、
現在の設計基準地震動があてにならないことは、この議論だけでもそう思う

地震学者はもっといろいろなことを言っている。
そうすると、想定された値を越えないという保証はないし、設計をするための条件が整っていない


↓以下、転載はじめ

原発再稼働に向けた新規制基準は大事故を前提にしている!
2015年03月28日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/3d3e4b0cb07ae7a68734a3b52c9c693f

守田です。

高浜原発再稼働に向けて、原子力規制庁は、新規制基準への合格内容を説明するために、3月3日から高浜町のケーブルテレビでビデオを流し出しました
以下から内容を見ることができます。
なお、原子力規制庁のHPにも、この動画がアップされています。

高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について
https://www.youtube.com/watch?v=azZk3mPHUrg

非常に重要な内容なので、文字起こししました。
長いので何回かに分けます。
今回は冒頭の、福島第一原発事故の教訓と、新しい規制基準のポイントを説明したところだけをご紹介しますが、重大な内容がさらりと語られています。
端的に、新しい規制基準では重大事故が防げないことを前提にしている、ということです。

すでに多くの方が、この点に対する批判を行っていますが、僕はもっとこの点をハイライトすべきだと思います。
福島第一原発の教訓を踏まえて、重大事故を絶対に起こさないようにする・・・とは言ってないのです。
起こさないように努力するが、それでも重大事故は発生しうる前提に転換したのです。
大事故がありうることを前提に再稼働を認めると言っているのです。

事実、規制委員会は繰り返し、「新規制基準に通ったからと言ってその原発が安全だとは言わない」と述べています
重大事故は起こり得るので対策した
安全ではないが、精一杯の対応は考えた、と言っているのです。
この点を、もっともっと多くの人々に伝えるべきです。

このビデオは、その点が短く説明されているので分かりやすいです。
ぜひこのビデオをご覧になり、原子力規制庁が新基準規制に通った原発でも、「重大事故は発生しうる」と述べていることをつかんでください。
これは事実上、重大事故の発生を完全に防ぐことはできないことを公言していることに他なりません。
そんなプラントの運転など、社会的に認めてよいわけがありません。

以下、ポイントを文字起こししました。ご覧下さい。

*****

高浜原発3号炉、4号炉設置変更に関する審査結果についての説明
原子力規制庁 山形浩史 原子力規制部安全規制管理官(PWR担当)

高浜原発の審査内容の前に、福島第一原発事故の教訓と、新規制基準のポイントを説明したい。

【福島第一原発事故の教訓について】
福島第一原発事故では、地震と津波により発電所の全ての電源が奪われ、原子炉を冷却できなくなった。
地震、津波などによって、安全機能の複数、非常用発電機、蓄電池、電源盤などがダメになった。
このような複数の喪失を起こさないようにすることが、第一の教訓だ。

また、福島第一原発事故では、事故の進展を途中で止められなかった。
最終的に、建屋の水素爆発を起こした。
放射性物質を閉じ込める格納容疑が壊れ、放射性物質が、発電所の敷地外まで大量に放出された。
これに対して、当時の規制基準では、格燃料が溶けてしまったり、放射性物質が大量に外に漏れるような重大事故を発生させないことを重視し、
重大事故の起きた後の対応が、十分にできていなかった

このため重大事故が発生しうると考え、あらかじめ可能な限り対策をとっておくべきというのが、第二の教訓だ。


【規制基準の変更について】
① 旧規制基準のポイント
想定しなければならない自然現象の種類が限定的だった。
例えば、地震についてはさまざまな想定していたが、津波についての基準はほとんどなかった
規制の考え方として、そうした自然現象は想定の範囲を超えることはほとんどないという考え方に立っていた

安全確保のために設備を多重化すること、例えば、注水ポンプを2台にと求めていた。
ところが、2台が同時に壊れることは考えていなかった
基準を満たせば、核燃料が溶けたり、放射性物質が外部に大量に放出する可能性のあるような重大事故につながることがないよう、対策を問題なく行うことができると判断していた
つまり基準を満たせば大きな事故はおきない
しかも、対策の中身は設備面での対策を重視していた、ということになる。

② 新規制基準のポイント
平成25年7月に新しく作られた規制基準は、こうした反省、教訓をしっかりと踏まえ、考え方を大きく転換している。
一つ目の見直しは、自然現象など、重大事故の原因になりうる事象の想定を厳格にしたことだ。
例えば、施設の設計にあたって、想定する地震や津波を厳しくするとともに、竜巻などの自然現象への対策森林火災、内部溢水などの対策を新設したり強化した
発電所内の電源が使えなくなった時のために、発電所内の非常用電源を手厚くするなど、電源確保の要求も厳しくした

その上で、対策はしっかりしているから事故は起こらない、という従来の考え方を大きく転換。
それでもなお事故が発生しうるという発想にたち、万が一、重大事故が発生したときに備えた対策を、あらたに求めることにした。
原子炉を止めたり、冷やしたりすることがうまくいかなかった場合でも、原子炉が壊れないように、事故を食い止めるための設備や手順、体制の整備
さらに、原子炉が壊れないための対策も失敗し、原子炉が溶けて核燃料が溶けてしまっても、外側の格納容器が壊れないようにするための対策を新たに求めている



福島の教訓に基づく重大事故対策などまだできるわけがない!
2015年03月29日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/8718f402298f072498d32eb7f59478f8
全体で29分のビデオの8分55秒から17分10秒までの分です。
当該ビデオを掲載している原子力規制委員会のHPも紹介しておきます。

高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について
https://www.youtube.com/watch?v=azZk3mPHUrg

原子力規制委員会
http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/tekigousei/shinsa_setsumei.html

ここで原子力規制委は、関電の対策への審査ポイントを説明しています。
福島第一原発事故の教訓に基づき、前半で重大事故防止策について、後半で重大事故が防止できなかった場合の対策について、となっています。
前回も述べたように、重大事故を防止できなかった時の対策を云々する時点で、つまり重大事故発生が完全には防げないと認めている時点で、再稼働はまったく認められませんが、
今回は、重大事故対策そのものも信用性が低いことを指摘します。
一番のポイントは、元原子炉設計者の後藤政志さんなどが繰り返し指摘しているように、
規制委が「福島第一原発事故の教訓」などと言っても、そもそも事故そのものがまだ解明されていないことです。
放射線値が高すぎて、全く内部が見られないからです。

それどころか、事故は継続中です。
汚染水の発生から明らかなように、格納容器のどこかが壊れているのは確実ですが、肝心のどこかが分かっていない
事故がどのように進展してどこが壊れたのかも分からないのです。
それでなぜ対策ができるのでしょうか

原子力規制委員会が打ち出した新審査基準は、今、分かっている事象だけへの対策を考えることであり、事故の全体への対策になっていないのです。
後藤さんはこれを、「事故のつまみ食い」と指摘しています。
福島第一原発事故の教訓を踏まえるというのなら、当たり前のことですが、事故のすべてが分かってからでなくてはなりません。
それでなければ、対策をしたなどとはとても言えません。
何せ、対策を施すべき対象が分かっていないのだからです。

その上で、最も大きなポイントである、地震対策への批判も行っておきたいと思います。

ここで規制委は、断層について述べていますが、しかし最近、断層について分かってきた知見として、
地層は固いものの上に柔らかいものが乗って構成されているのだけれども、下層と上層が必ずしも同時に動いてはいないと言う事実があります。
重要なのは、上層の柔らかい層が動かなかった場合は、その下で起こっている地震の揺れを断層として把握できないことで、
実際には、7割ぐらいが、このような構造になっているということです。
要するに、現代科学はまだ、断層を完全に把握できていないのです。

同時に規制委は、高浜原発の設計基準地震動を、550ガルから700ガルに引き上げたと言っています。
しかし、そもそも地震の揺れの大きさは、このように簡単に解析できるのか。
この点で重要なのは、8年近く止まっている柏崎・刈羽原発を襲った2007年中越沖地震の地震動です。
この原発の設計基準地震動は、450ガルでした。
しかし、実際には、1699ガルの地震動がここを襲ったのでした。
4倍もの揺れでした。
その後、東電は、地層の解析を行って、なぜ予想の4倍になったのかを説明していますが、
実は、後になって、4倍になった理屈など幾らでも作ることはできます

重要なのは、450ガルと解析したものが1699ガルと、4倍もずれていたということで、
むしろそこでは、現代科学ではまだ、地震動の揺れを正確に捉えることができないことの方が、クローズアップされたのでした。
にもかかわらず、この重大問題に目を伏せたまま、規制委は、今回も、550ガルから700ガルに上げたから重大事故対策になっていると語っています
しかし、実際に起こりうる地震が700ガル以内であるという科学的保証などないのです。
ここから明らかなことは、断層の把握の面から言っても、地震動の把握の面から言っても、原発を設計するだけの条件が整っていないことです。
したがって、今回の対策が、重大事故を引き起こしうる地震への備えになっているとはとても言えません

なお、今回の地震対策に関する検討は、後藤政志さんの以下の講演に学んで作成しました。
ぜひこちらもご覧下さい。

後藤政志(工学博士)川内原発が溶け落ちるとき-元・原子炉格納容器設計者が問う原発再稼働
2015年1月31日 薩摩川内市まごころ文学館にて講演 該当内容は27分30秒から36分23秒まで
https://www.youtube.com/watch?v=4QEwDJhrwFE&feature=youtu.be

以下、原子力規制委の説明部分の文字起こしを掲載します。

*****

新基準規制にのっとって関電がこうじるとした、重大事故を防止する対策に対し、原子力規制委の審査のポイントを説明する。

【地震への対策について】
地震への対策において重要なのは、想定する最大の揺れを評価すること。
その上で、発電所の重要な施設は、その揺れに耐えなければならない。
発電所を設計するために設定する地震の揺れの大きさを、基準地震動という。
この設定が適切に行われたかどうか審査した。
例えば、地震を起こす可能性のある敷地周辺の断層の評価で、関電は当初、若狭湾にあるFO-A断層とFO-B断層が連動して活動すると評価していた。
しかし、審査の結果、内陸側にある隈川断層の連動も考慮する必要がある、という結論に達し、3つの断層が連動して活動するものと評価することにになった。
その他、地震動の大きさを決める上で重要な、地震発生層の範囲などについても見直しが行われた。
その結果、基準地震動は、申請当初の最大加速度550ガルから、700ガルに引き上げられた。

【津波への対策について】
原子力発電所の津波対策は、福島第一原発事故の大きな教訓だ。
地震対策と同様に、想定する最大の津波である「基準津波」を設定した上で、津波が到来しても、原子炉の冷却機能など重要な機能を損なわないように防護する必要がある。
基準津波の審査では、海底の断層で発生する津波の想定を見直し、地すべりとの組み合わせを考量することを求めた
その結果、津波の高さが放水路の奥で最高6.7メートルとなり、対策を講じなければ、原子炉建屋など重要な施設のある3.5メートルの敷地に、津波が到達する可能性のあることがわかった。
そのため、放水口側に、高さ8メートルの防潮堤、水路の途中に、高さ8.5メートルのゲートを設定するなど、津波侵入を防ぐ対策を講じることになった。
審査では、ゲートの閉め方を多重化し、津波が到来した時に確実に閉められるようにする方針についても確認を行った。

新基準では、地震、津波以外にも、さまざまな自然現象や人為事象を想定するとともに、これらの組み合わせを想定することも求めている。

【新たに追加された竜巻への対策について】
審査では、秒速100メートルの竜巻に対して車両が飛ばされないようにする対策や、竜巻によって飛んでくるものから守るための対策を確認した。
海水ポンプ室を竜巻によって飛んでくるものから守るための設備を設置。
設備面の対応だけでなく、竜巻対策のための設備の操作手順、教育・訓練の定期的な実施、運用面の対応方針についても確認した。

【あらたに追加された森林火災対策について】
審査では、施設外の火災の熱による壁や天井の表面温度を押さえることや、有毒ガスが運転員の作業空間へ影響を及ぼさないようになっていることを確認した。
森林火災対策として、森林伐採により18メートル以上の防火帯を設定し、施設を森林火災から守るようにしている。
防火帯の維持、管理、初期消火活動のための手順、教育・訓練の定期的な実施。
このような運用の方針についても確認した。

【新たに追加された内部溢水対策について】
施設の内部には原子炉や、設備を冷やすための多くの水がタンクや配管にある。
これらの水が、例えば地震の影響によってあふれ出し、設備が浸かったり故障することが考えられる。
審査では、まず水に浸からないようにする。また、水に浸かったとしても故障しないことを確認した。
水や蒸気がかからないようにする。水や蒸気がかかっても故障しないことを確認した。
水に浸からないようにする堰や、水がかからないようにする保護カバーなどを設置した。
設備面の対応だけでなく、保護カバーの保守管理、水密ドアを閉じる手順、教育・訓練の定期的な実施など、運用面の方針についても確認した。

【電源の確保について】
福島第一原発事故の大きな原因は、地震と津波により電源のすべてを失ったことにあった。
このため、新規制基準では、電源設備について厳しい要求を課している。
常設の非常用電源を含めたすべての電源が喪失した場合、つまり、全交流電源喪失の場合の対策として、
すべての電源を喪失しても、原子炉の冷却に必要な電源を確保することを求めている
審査では、その対策として、例えば空冷式非常用発電装置や電源車を設置し、原子炉にタンクから水を注水するためのポンプの電源も確保するものとなっていることを確認した。
外部からの支援を受けられないときに備えて、発電所内に7日分の電源用燃料を確保することを確認した。



原子力規制庁・新規制基準の断層と地震動想定のあやまり(後藤政志さん談)
2015年03月30日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/a3f0e8c33a857d8a36a56280845eedc1
今回はその際に参考にした元格納容器設計者の後藤政志さんの講演内容の文字起こしを掲載することにしました。
内容的に重複しますが、重要な点なので、何度も押さえていただきたいと思うのです。

以下、文字起こしをお読み下さい。
いつものように、「守田がこう聴き取った」という内容であることにお踏まえください。

*****

後藤政志(工学博士)川内原発が溶け落ちるとき~元・原子炉格納容器設計者が問う原発再稼働~
2015年1月31日 薩摩川内市まごころ文学館にて講演 27分30秒から36分23秒まで
https://www.youtube.com/watch?v=4QEwDJhrwFE&feature=youtu.be


地震について、1月半ばのNHKの番組で、興味ある内容が出された。
地震には、海洋の中でプレートが大きく動いて起こる地震と、プレート内部に断層ができてそこで起こる地震とがある。
固い断層の上に柔らかい断層が乗っていて、固い地層が動くと上の柔らかい地層動いて、地表に断層が見えるようになる。
これで長さなどを測定して、計算して、活断層に対する予測を立てている。

ところが今回、テレビでやっていたのは、固い地層は動くが上の柔らかい地層は動かず、地表に断層が見えない場合だった。
こうしたことがあることは、前から知っていた。
私が驚愕したのは、最近の例を見ると、半分以上が見えない側だと言われていることだ。
分かっているのは、見える側だけで3割くらい
一生懸命に活断層かどうかと話をしているが、そもそも活断層は本当に把握できるのか
そう思ってやることは非常に危ない。

逆だ。
見えない場合はどうなるのかということを、中に組み込まなくてはいけない
今の原子力規制の問題点は、ここに活断層があると判断する。
二本離れたところにあったら、別々の活断層だと判断している。
今はそんなことは言いきれない。
繋げて考えなさいと変わった。
そもそも、活断層が見えないときにどうするかという問題がある

原子力の方では、こういう活断層をもとに評価すると同時に、震源がどこか分からないこともあるので、一応、活断層のないところも検討すると言っている。
ただし、その地震の大きさがマグニチュード6.5とか、小さなものを想定している
もっと大きなものを想定していない。
石橋克彦さんが主張していることだが、これでは評価が甘い
7.2とか7.3レベルをあらかじめ考えておくべきだ。
それ以外に方法がない。

2007年の中越沖地震による柏崎刈羽原発の揺れを参考にしたい。
この原発の設計基準地震動は、450ガルだった。
980ガルが1G、重力加速度だ。
450ガルは、自分の体重の半分の力で横に揺らされる。
60キロの体重の人なら、30キロの力で揺すられる。
これで原発を設計しています、ということだ。
ところが、実際にあったのは1699ガル、約4倍だった。
設計する側から言えば、壊れて当たり前だ。
壊れなかったらまあ運のいいことという値で、柏崎では軒並み壊れた。

ただし、原子炉や大きな配管などの、メインの部分は壊れなかった
それで東電は、地震に対して丈夫だとうそぶいた
とんでもない
地震は値だけでなく、揺れに違いがある。
大きく揺れる場合も小刻みに揺れる場合もある。
揺れの周波数が同じものは、共振して揺れが大きくなるので、一回の地震で大丈夫だなどというのは、まったく非科学的だ。

同時に問題なのは、なんで4倍も揺れたのかだ。
地震発生源から地表に来るまでに、減衰して450ガルになると考えて設計していた。
ところが4倍になった。
なぜかと東電が調べたら、まず地層のところで、揺れは1.5倍に評価すべきだったことが分かった。
同時にいろいろな層を伝わっていくときに倍化されていって、地上では4倍になったと言う。
あとだしじゃんけんもいいところだ。
最初は450ガルといって作った。
実際にはもっと揺れたので、後になって4倍にもなった理屈を作っただけだ。
そういうもので原発はできている

今は一応、地殻の三次元構造を調べろとなっている。
しかし、信頼性は極めて低いと考えている。
いくらでも計算なんかできる
4倍になる計算は無限に作れる
しかし、地層を調べたからと言って、そんなに簡単に予測が当たるとは思わない
実際には相当なずれがある。
こういう不確かなものをもって、断層があるとかないとか、揺れの力がどうかと、こういうことを全体像で見たときに、
現在の設計基準地震動があてにならないことは、この議論だけでもそう思う

地震学者はもっといろいろなことを言っている。
そうすると、そもそも、設計をするための条件が整っていない
想定された値を越えないという保証はない
津波も同じだ。



新規制基準の重大事故対策はあまりに非現実的でむしろ危険だ!
2015年04月06日
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/d4c8272d4c01e698efd2e68600b4b4af

「重大事故最終回をお届けします。全体で29分のビデオの17分10秒から24分40秒までの分です。

高浜発電所に関する原子力規制委員会の審査概要について
https://www.youtube.com/watch?v=azZk3mPHUrg

ここでは、重大事故が起こった時の対応について書かれています。
再三再四、指摘したように、このように重大事故が起こった時を想定しているだけで、私たちは原発の再稼働を認めることはできません。
少なくとも、新規制基準が、政府が言っているような「安全」を宣言したものではなく、
設計段階での安全対策がすべて突破された、という意味での重大事故が起こりうることを想定したものであることを、もっとはっきりと内外に示すべきです。
そして、この国に住まう人々に、そんな危険までおかして、足りないわけでもない電気を作る必要があるのかどうかを問い
その上で合意ができたというのであれば、重大事故を想定した避難計画を、しっかりと作るべきなのです。

実際には、現時点でも再稼働反対の方が多数派なのですから、そこまで事実を明らかにすれば、それだけで再稼働への道は完全に閉ざされるに違いありません。
ぜひ多くのマスコミの方に、この点をクローズアップした報道をもっとして欲しいと思います。
新規制基準は、安全どころか重大事故の発生を認めるものである、という点をです。
その点を踏まえた上で、ではその重大事故対策はどうなのかと検討してみると、それ自身もかなり非現実的なものでしかないこと、
そればかりか、むしろ大きな危険性をはらむものである点を、今回は明らかにしたいと思います。

ここで書かれているのは、重大事故が発生し、従来の原子炉を「止める」、核燃料を「冷やす」、放射能を「閉じ込める」機能が壊れてしまったときの対策です。
まず、「止める」対策では、制御棒=原発のブレーキが入らない時を想定しています。
その時に、水の温度を強制的にあげて出力を下げることと、ホウ酸水を投入することが言われています。
しかし、そもそももともとのブレーキ装置である制御棒が入らない、何らかのトラブルが発生しているのです。
それでどうして、これら二つの対策がうまくいくと考えられるのでしょうか
これはもう希望的観測でしかありません

「冷やす」対策でも、海水ポンプが壊れたら、移動式の大容量ポンプで対応すると言っています。
しかし福島では、これはまったくうまく行かなかったのです。
いろいろな要因がありますが、実際の配管があまりに複雑になっており、しかも事故時で、どこのバルブが正常でどこが壊れているかも分からない状態だったから、
実は、水は原子炉に向かわずに、ほとんど違うところに行っていたのでした。
しかも、ほんの少しだけ注水されたために、かえって炉内に大量に水蒸気を発生させました
それが核燃料を被覆しているジルコニウムと化学反応を起こさせて、激しく熱を出させました。
結局、それが被覆に亀裂を生じさせて、冷却するどころか、かえって放射性物質の漏れ出しを促進してしまったのですが、その事実自身がなかなかわからなかった。
水がほとんど入ってないことも、数年経ってからやっと解析されたのでした。

さらに、閉じ込める対策で極めて特徴的なのは、
「たとえば急激に原子炉の水が喪失し、水の補給が間に合わない場合、原子炉内の燃料が溶け」と、メルトダウンそのものはもう起きても仕方がないという言い方になっています。
その上で、格納容器内に水をスプレーすることで、下部に水を溜め、圧力容器を突き破って落ちてくる核燃料を水で受け止めるとしています。
これは、おなじ加圧水型原発である川内原発でもとられている対策です。

しかし、本当に水が溜まるのか。
というのは、もともと水を溜めるように設計したわけではないので、こういう「思いつき」には信頼性などないのです。
水が溜まらなければ、核燃料がコアコンクリート反応を起こし、激しく水蒸気を出しながらさらに潜ってしまう
一方で水が溜まっているのなら、反対に、かえって水と核燃料の接触で水蒸気爆発を起こす可能性ができてしまう
水をスプレーすることで危険性を増やしてしまうのです。
そうならないというのは、希望的観測でしかありません

また、水素対策も問題があります。
沸騰水型とは違って、加圧水型は、内部に窒素が充填してないので、水素濃度が高まると水素爆発を起こす可能性が沸騰水型よりもはるかに高いのですが、
そのための、水素を水に還元する装置を付けると言っています。
しかしこの装置は、川内原発の場合だと、1時間に処理できる水素量は1.2㎏に過ぎません
これに対して過酷事故では、500キロから900キロもの水素が出てくる
このため、こんな装置をつけても焼け石に水にしかならない。
そのためもう一つ、イグナイタという水素燃焼装置がつけられています。
水素濃度が上がる前に燃やしてしまおうと言うのです。

しかし、他の装置が次々と壊れる過酷な状態にあるわけですから、この装置が正常作動しない場合も十分あり得る
水素が出始めたので作動しようとしたら動かない。
必死になって何度か作動を試みてやっと動くようになったときは、水素が危険濃度を越えていて、作動したとたんに水蒸気爆発そのものが起こってしまう。
そうなったら、この装置は自爆装置になってしまいます
この場合、格納容器が内側から爆発を起こすのですから、考えられる最悪の被害が発生してしまいます
炉内の放射能のすべてが飛散してしまいかねないからです。
閉じ込めるどころか、内側から爆破で飛び散らせかねないのです。

このように結局、つけ刃的な重大事故=過酷事故対策は、まったく現実性がなく
むしろ、水蒸気爆発や水素爆発の起爆装置になりかねないような、新たな破局的危機を抱え込んだもの
でしかありません。
ブレーキが効かないときの応急対策といいつつ、むしろ絶望にむかってアクセルを強めかねないものでしかないのです。
繰り返し主張してきたように、過酷事故対策そのものが認められませんが、その中身を見ると、
重大事故時に、より破局を呼び寄せる可能性のあるものでしかなく、とうてい認められるものなどではないことをおさえておきたいと思います。

なお今回も、ポイントとなる視点は、後藤政志さんより学びました。
詳しくは以下をご覧下さい。

後藤政志(工学博士)川内原発が溶け落ちるとき~元・原子炉格納容器設計者が問う原発再稼働~
2015年1月31日 薩摩川内市まごころ文学館にて講演 1時間5分45秒から1時間23分40秒
https://www.youtube.com/watch?v=4QEwDJhrwFE&feature=youtu.be

これらを踏まえて、以下、関電の説明の文字起こしをお読み下さい。

*****

これまでは主に、重大事故の発生を防ぐ審査について説明してきた。
続いて、重大事故の発生に備えた審査について発表する。

重大事故の発生防止を講じたとしても、それでもなお重大事故は発生しうると考え、あらかじめ可能な限り対策をとり、
万一発生した場合には、事故の進展を食い止めるようにできるようにすることが大切だ。
その対策としては、
重大事故が発生してしまうような状態においても、原子炉を確実に「止める」対策、
核燃料が溶けることを防ぐために「冷やす」対策、
または、溶けた後においても「冷やす」対策。
放射性物質を格納容器内に「閉じ込める」対策、というステップで考えていくことができる。

この「止める」「冷やす」「閉じ込める」というキーワードに基づいて説明したい。

「止める」対策について
原子炉に異常が起きたときには、制御棒を入れて原子炉を止める必要がある。
しかし制御棒が入らない場合は、原子炉の出力を下げられず大きな事故につながる恐れがある。
これまでも、制御棒の挿入については厳しく審査してきた。
それでもなお、新規制基準では、制御棒が入らない、入れられない場合も想定して、原子炉を止める対策を求めている。
例えば、原子炉の水の温度を強制的にあげて出力をさげるという原子炉の性質を利用した対策や、原子炉出力を下げる効果のあるホウ酸水を入れる対策を確認した。

「冷やす」対策について
新規制基準では、既存の対策が機能しない場合でも、炉心への注水と減圧を行うとともに、原子炉の熱の逃がし場を確保することにより、原子炉内を冷やし、炉心を損傷させないことを求めている。
高浜発電所3号炉、4号炉では、例えば余熱除去ポンプが壊れた場合に、現場でも操作可能な弁をあけるとともに、追加した注水ポンプを活用して、炉心への注水を行うことになっている。
海水ポンプが壊れた場合に、移動式の大容量ポンプを用いて、海水を冷却器に送り込み、最終的に炉内の熱を海に逃がす手段を確保している。
原子力規制委員会の審査では、このように既存の対策が機能しなくても、原子炉を冷やすことができるかどうかについて審査した。

「閉じ込める」対策について
こうした「止める」「冷やす」ための対策を講じていても、さらに燃料の損傷に至るような事態が避けられない場合を想定し、放射性物質を閉じ込める対策を求めている。
たとえば、急激に原子炉の水が喪失し、水の補給が間に合わない場合、原子炉内の燃料が溶け、原子炉容器の外に溶け落ちて、格納容器内の圧力と温度が上昇する。
また溶け落ちた燃料がコンクリートを損傷し、格納容器の閉じ込め機能が失われる可能性がある。

高浜発電所3号炉4号炉では、格納容器の上部から水を噴射したり、格納容器内を自然対流により、冷却するための装置に海水を供給し、格納容器内の圧力と温度を下げることにしている。
格納容器のスプレーによる水は、格納容器の下に溜まり、溶融した燃料を受け止め冷やすことで、コンクリートの浸食を抑える効果もあるとしている。
さらに、核燃料が溶けると水が反応して水素が発生する。
一定の濃度を越えると、格納容器内の酸素と反応して、激しい水素爆発を起こす可能性がある。
高浜発電所3号炉4号炉では、水素爆発を防ぐ対策として、水素を強制的に燃焼させて減らす装置、電源がなくても水素と酸素を反応させて水に変える装置を設置している。
審査では、このように格納容器の破損原因となる圧力と温度の上昇、コンクリートの浸食、さらには激しい水素爆発を防ぐ対策が講じられていることを確認してきた。

これまで主に、ハード面の対策を中心に説明してきた。
そうした対策を有効に機能するためには、それらを使うための人がいるか、体制ができているか、手順は整備されているか、実際に使うための訓練がされているか、いわゆるソフト面の対策が重要だ。
審査では、重大事故の発生を想定した緊急時の体制や訓練として、注水活動、緊急時対策所での指示、情報把握の活動を確認していること。
人員の招集や機材の運搬に必要な、アクセルルートを確保することを確認している。

2015年04月07日 | ひとりごと
「今度の土曜日、庭で机を作ってもいいですか?」

まなっちゃんがおずおずと聞くので、そんなことにおずおずしないでいいんだよ、という気持ちをいっぱい込めて、

「机でもなんでも作りたいもんを作りんしゃい!」と答えた。

雨が降ると予報が出ていたのに、なかなかの上天気。
ただ、冷たい風がビュウビュウ吹き荒れている。
そんな中、ふたりは近所のホーム・デュポに出かけて行った。


希望の寸法に切り分けてもらい、さっそく作業開始!


と、ほんの数分経ったところで問題発生。
お気に入りの、IKEAで買った9ドルの電動ドリルが、全く役に立たない。
う~ん…。
かといって、手力でしようものなら、どうしようもなく時間がかかる。
ちょうど、うちにもちゃんとした電動ドリルが必要だと思っていたので我々が買って、ふたりに使わせてあげようということになった。

ドリルが手に入ったので、再び作業開始。


みるみるうちに出来上がり、まなっちゃんのお店『FLOWER FOR EVERYTHING』のウェブサイトのための写真撮影のために飾りつける。






彼女の夢は花。
彼女の花はどれも優しくて温かくて、見ているだけでほっこりする。
今はうちの3階でコツコツやっているだけだけど、いつの日か大きく窓が開き、そこから彼女の夢の花びらが、風に乗っていろんなところに運ばれていくのだろう。


さて、こちらは花より団子。うっとり…、


そして彼らは、毎年厳しい冬を越えて、まず最初に姿を見せてくれる花さんたち。








カエデの爺さんにも春が来た。


まん丸のお月さまが出た次の日、




裏庭に突如現れた若者たち。


ドアをバーンと開けてわたしが外に出ても、別にな~んにも気にならない様子。
そればかりか、網が外れているところから、堂々と畑の中に…。


ちょ、ちょっと、そこのあんた、とばかりに駆け寄っていくと、なんとも優雅なジャンプで外に出た鹿さん。
すごいなあ~と単純に感心しているわたしの横で、「もしかしてジャンプしたら畑に入れるって覚えたかも…」とボソッと言う夫。
そんな不吉なことを言わないでほしいもんだ。





よくよく見ると(こんなに近づいてもええんかいな…とこっちがビビるぐらいに近づいている)、まつ毛が長くて可愛らしい。




そして最後に、このおばちゃんは、今年の年末に開かれるカーネギーの、600席の中ホール(ザンケルホール)でのコンサートのためのオーディションを、ソプラノのポーレットと一緒に受けることにした。
曲は3曲。
プッチーニの『LA RONDINE』とプーランクの『LES CHEMINS DE L'AMOUR』とブラウンの『LOVE IS WHERE YOU FIND IT』。
彼女とは前に、隔月のコンサートで一度、一緒に演奏したことがある。
今度はあの舞台かぁ~…などと、演奏している自分たちを想像すると、もう今からワクワクどきどき♪
これぐらいの厚かましい夢を持つことが、オーディションへのエネルギーになる…かな?

今年から始めた新しい指慣らし。
スケールを全調、そしてバッハのインヴェンションを全曲、少し抑え気味の音で弾く。
わたしの師匠のそのまた師匠はなんと、指慣らしにショパンエチュードを全曲パラパラパラ~っと弾いておられた。
わたしには多分、一生かかっても無理だろうと、聞きながら思ったものだ。
まあ、人それぞれの能力に合ったことをすれば良い。
無茶は続かないのだから。
そして、続かないところに夢はやってこない。

さてと、やっとこさ確定申告の超~めんどっちい書類作成も終わったことだし、また練習に精出すか。

愚者の集まり→「安全対策が進んだのだから、事故が起きる確率は低くならなければおかしい」経産省幹部

2015年04月04日 | 日本とわたし
<核のごみ>「回収可能性」明記 経産省が基本方針改定案
【毎日新聞】2015/2/17
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150217-00000034-mai-bus_all

経済産業省は17日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定手順などを検討する作業部会(委員長・増田寛也元総務相)を開き、
核のごみを地中深く処分した後でも、将来世代が回収し、処理方法を決定できることなどを盛り込んだ、基本方針の改定案を示した。
核のごみの「回収可能性」を、法律で明記するのは初めて。

基本方針は、特定放射性廃棄物最終処分法に基づく。
改定は、東京電力福島第1原発事故前の2008年以来、7年ぶり2回目。
経産省は、一般から意見を募集したうえで、4月ごろの閣議決定を目指す。
改定案は、核のごみ処分について、「発生させた現世代の責任として、将来世代に負担を先送りしない」と明記。

核のごみを金属の専用容器に入れて、地下300メートル以上の深い地層に埋める「地層処分方式」を導入することを明確化した。

一方、処分地選定については、政府が前面に立って、科学的有望地を示すとしたうえで、
処分場を受け入れる地元の合意形成に向け、どのような「対話の場」が適切か、今後検討するとしている。

さらに、核のごみの「回収可能性」や、計画の「可逆性」といった文言を、初めて盛り込んだ。
ごみをいったん処分場に埋めても、将来世代が最新の科学技術で処理できることや、計画を柔軟に変更することなども明記。
処分計画に幅を持たせることで、受け入れ自治体の負担感を減らす狙いがある。

一方、ごみの処分方法の選択肢を確保するため、使用済み核燃料を処理せず、そのまま地下に埋める「直接処分」の技術研究を進めることも、初めて盛り込んだ。

処分地選定については、経産省の認可法人「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が02年以降、処分場受け入れ自治体を公募しているものの、難航している。
国内の原発などには、約1万7000トンの使用済み核燃料がたまっている
早期の原発再稼働を目指す政府にとって、核のごみ問題の解決は、喫緊の課題となっている。【中西拓司】

【ことば】高レベル放射性廃棄物の最終処分場
原発の使用済み核燃料の再処理で、ウランとプルトニウムを分離する際に出る廃液をガラス固化したうえで、
地下300メートルより深い地層に埋めて、半永久的に処分する計画。

廃液は、ガラス固化直後に、表面温度200度以上放射線量は、浴びると20秒で死ぬ毎時1500シーベルトと極めて高い。
約3兆円かけて、地上1~2平方キロ、地下6平方キロの施設を建設し処分する。
完成までには20年かかる見通し


いやはや、コレ↑のどこが将来世代に負担を先送りしないことになってるんでしょうか?
思いっきり丸投げではありませんか。
何もかもが見込みや見通しだらけ。
今あるごみ問題すら解決できないのに、まだ増やすという愚かしさ。
「地層処分方式」…地層深くというけれども、それが日本の風土や条件、そして地下の構造などから、全く適切ではないといわれているのに、
というか、原発などというようなものを建てることが、そもそも間違っているといわれているのに、
それをまだ、あのような悲惨な事故を起こし、何の解決の目処も立てられないままでいるのに、
それを認めず、反省もせず、責任も取らず、まるで明るい未来が待っているような文言をつらつらと書き並べられた『基本方針の改定案』なるものを読んで、
ああもう、本当にダメだなこの人たちはと、心底思いました。

だから、こんなことが、有識者会合で話し合われたりするのだと。

↓以下、転載します。

「原発事故の確率減」 コスト抑制 経産省強調
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2015032702000133.html
【東京新聞】2015年3月27日

経済産業省は26日、発電方式ごとに、かかるコストを検討する有識者会合を開き、
原発で発電する場合に必要な、コストの計算方法について話し合った。
経産省は、福島第一原発のような事故が起きる確率を、前回試算より低く見積もる案を提示
原発に必要なコスト全体を、抑えることにつながる提案で、委員から反対意見があがり、まとまらなかった
 
2011年の前回試算では、原発の建設から廃炉までの費用のほか、使用済み核燃料の再利用計画にかかる費用や、政府が自治体に配る交付金なども考慮。
この結果、1キロワット時の発電に必要なコストを「最低8.9円」とし、政府は「原発は低廉」と主張してきた。
 
この「最低8.9円」には、震災後に電力各社が行った安全対策費や、福島第一原発と同じ規模の事故に備えた費用も、一定の条件で推計して含まれている。
原発事故の確率は、40年に1回起きる想定になっている。
 
しかし、現在は、安全対策費も事故処理費用も、当時の想定を大幅に超え、原発コストの上昇要因になっている。
これに対し経産省は
安全対策が進んだのだから、事故が起きる確率は低くならなければおかしい」(幹部)と主張。
この日の会合で配った資料に、事故の発生頻度が「低減すると予想される」と書き込み、これが「反映されるような算定根拠を考える」と提案した。
 
委員の中には、
「個人的には事故の確率は半分ぐらいになっている感覚だ」(山名元・京都大教授)と、安易に同調する意見もあった。



「安全対策が進んだのだから、事故が起きる確率は低くならなければおかしい」
こんなどうしようもない思考こそが、原発ムラそのものなのですね。
だからこそ、今の今まで、厚顔無恥を通してこられているのですね。

まったく、おかしいのはあなた方の頭ですよ。
そんなおかしい(常識からかけ離れている無責任さが充満している)者がメンバーのほとんどを占めているのでは、何を話し合っても結果は同じ。
せめて、報道が金魚のフンに成り下がっていなかったら…と、口惜しくてなりません。

猫と鍵盤

2015年04月01日 | ひとりごと
くたぁ~~~。


っと、空ちゃんがのんびりと伸びている横で…、

なんだこりゃ?


あ…、


もしかして…、


煮こごりの中に前足を突っ込んで、ゲットした鶏肉をムシャムシャ…うめぇ~。

犯人(ニャン)発見!


ボ、ボ、ボク、知らん、全然知らん…。


いたずら盛りの男の仔たち。
こら~っと言いながら追いかける毎日ですが、こんなのを見たらやっぱり…。




さて、ただいまコンピューターとわたしの間には、新入りさんがだだーっと寝そべっております。


前回の作曲では、プリントアウトした五線譜に、鉛筆でコツコツ音符を書き込んでいったのですが、
その様子をずっと眺めていた夫が、次回はコレを試してみるべきだとうるさく言うので、名実ともに重たい腰を上げて購入しました。

部屋はもう白黒の鍵盤だらけ…。


で、勇んで使おうと思ったら、あると思っていたMIDIコードが見つかりません!
というわけで、まだ使い始めることができません。
でも、使い始めた途端に、パソコンの機能とうまくかみ合わなくてオロオロしている自分…というのもかなりアリそうなので、
使い始めてない今が、もしかしたら一番精神的には平和なのかも…などと弱気になっていたりする今日この頃です。

次の曲のテーマが、ぐるぐるぐるぐる頭の中で鳴っているので、それを早く抜き出してしまいたいのですが。
けれども、オーディションは来月なので、もう間に合わないかもしれません。
ま、その時はその時。
ケ・セラ・セラ♪

めちゃくちゃ急ですが、これほど酷い『原発災害対策指針』を通すわけにはいかないので!

2015年04月01日 | 日本とわたし
当日のお知らせで申し訳ありません!
4月3日締め切りのパブコメと、本日2日、夕方4時から開催される『政府交渉とパブコメ・セミナー』のお知らせです。

では、取り急ぎ、以下の案内を読んでください。
どれだけいい加減で酷い内容の指針か、まず知ってください。


SPEEDIを使わず、30km以遠は屋内退避?
原子力災害対策指針の改定にパブコメを!

2015年 03月 28日

FoE Japanの満田さんからの、『原子力災害対策指針の改定にパブコメを(締切:4月3日)』のお知らせです。

原子力規制委員会が、4月3日(金)まで、原子力災害対策指針改定に関して、パブコメを募集しています。
http://www.nsr.go.jp/procedure/public_comment/20150305_01.html

もともと原子力災害対策指針は、
避難の基準となる空間線量率が非常に高いこと、
原子力防災重点区域(UPZ=原発から30km範囲内)が狭いことなど、問題の多いものでした。
しかし、この改定案は、さらに問題の多いものとなっています。

以下に、パブコメ情報、および何が問題かのポイントをまとめてみました。
http://www.foejapan.org/energy/action/150327.html

お気づきの点があれば、ご連絡ください。
また、ぜひ、みなさまからもパブコメを出していただければ幸いです。

■ポイント1.
SPEEDIなどの放射性物質の拡散予測の活用について削除された


「SPEEDIのような大気中拡散シミュレーションを活用し、放射性物質の放出状況の推定を行う」という文言が削除されました。
モニタリングによる実測値によって、対策が判断されることになりました

これについて、原子力規制委員会では、
福島原発事故の際にSPEEDIは機能しなかったため」としていますが、
SPEEDIが機能しなかったのはSPEEDIの問題ではなく、運用する側の問題でした。

予測ではなく、モニタリングによる実測を用いるということは、
放射性物質が拡散して、空間線量率があがってから、すなわち被ばくしてから、避難や屋内退避を指示が行われるということを意味します。

パブコメ例:
福島原発事故時にSPEEDIが機能しなかったのであれば、運用を強化するための対策をとるべき。
実際に空間線量率が上昇してからの判断では、判断が遅くなる。
SPEEDIと実測モニタリングを組み合わせ、判断を行うべきである。


■ポイント2.
30km以遠の防護措置は屋内退避だけ
安定ヨウ素剤の配布は無し


新たに書き込まれた30km以遠の放射性物質の防護措置としては、
屋内退避だけで、ヨウ素剤の配布などは盛り込まれていません

パブコメ例:
30km以遠の防護措置として、屋内退避だけでは不十分である。
ヨウ素剤の配布や、早めの避難判断などについても、盛り込むべきである。

■ポイント3.
あいまいにされたPPA=プルーム(放射性雲)通過時の防護措置の範囲


現在の原子力災害対策指針では、
「プルーム(放射性雲=放射性物質を含んだ気体のかたまり)通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域(PPA)の検討」とし、
プルーム通過時の防護措置の必要性について記述してあり、それらについては、
「PPAの具体的な範囲および必要とされる防護措置の実施の判断については今後検討」とされています。
これが、報道などでいう30km以遠の対策に該当します。
今回の改訂案では、PPAの概念は削除されています

原子力規制庁文書によれば、「プルームに対応するための特別な枠組みを、新たに設定する必要はない」としています。
また、30km以遠について対策が必要な区域については、
「重点区域外に拡張される屋内退避の実施範囲は、予防的に同心円を基礎として、行政区域単位等の実効的な範囲で設定するべき」としています。
しかし、福島原発事故の教訓を踏まえれば、30kmをはるかに超えてプルームが通過し、影響は同心円に広がったわけではありませんでした

原子力規制委員会は、プルームによる放射能汚染の対策が困難であるため、検討を逃げ、PPAの文言自体を削除してごまかしたのです。

パブコメ例:
PPAの概念について指針に明記すべきである。
また、放射性物質の影響は、同心円上に広がるべきではないことを踏まえ、気象条件等も考慮し、SPEEDI等を活用することを明記すべきである。

■ポイント4:
高すぎる避難基準
遅すぎる避難指示の判断


もともと原子力災害対策指針で、即時避難の基準はOIL1=500μSv/時、一時避難の基準はOIL2=20μSv/時と、非常に高い基準が設定されています
OIL2は、観測してから1日程度で判断し、1週間以内に一時移転の指示が出されることになっています。
今回の改訂で、OIL2の測定方法が、さらに改悪されました

「緊急時モニタリングにより得られる空間放射線量率(1時間値)が、OIL2の基準値を超えたときから起算して、概ね1日が経過した時点の空間線量率(1時間値)で判断することが実効的」としています。

たとえ実測で20μSv/時を超えたとしても、その時点では判断せず、1日通過した時点の空間線量率が20μSv/時を超えてるかどうかで判断することになります。

パブコメ例:
OIL1、OIL2の基準が高すぎる。
また、OIL2である20μSv/時が観測されて1日経過した時点での空間線量率で判断するとしているが、20μSv/時は十分高い値である。
このような運用では、避難指示の遅れや被ばくの過小評価につながる。

★★★★★★★★

急ではありますが、以下のように、政府交渉とパブコメ・セミナーを開催します。
ぜひご参加ください。

【原子力防災に関する政府交渉&パブコメ・セミナー】
どなたでも参加できます。
パブコメ・セミナーは、今回の指針の改定のポイントの解説と、パブコメをその場で書いてしまうというものです。

◆日時:
4月2日(木)
【政府交渉】16:00~17:30
【パブコメ・セミナー】18:00~19:45

◆場所:
参議院議員会館 B107会議室

◆資料代:
500円 

◆問合わせ:
原子力規制を監視する市民の会/FoE Japan(090-6142-1807)

「神様、煙草やめるから日本中の原発止めてくれ。俺はどうなっても構わねえ、どうか日本を救ってくれ」

2015年04月01日 | ひとりごと
つい先日の、元気が無くなってしまう前のある日の午前中に、突然電話がかかってきました。
かかってきた時には外出していて、携帯電話の音声を切っていたので、かかってきたことには気づかなかったのですが、
着信の記録に、「え?」と思う人からの電話があったという知らせがあり、慌てて連絡をしてみました。
時差的にもう夜中になっていたので、またいつかの機会にと思いながらだったのですが、すぐにその人から電話がかかってきました。

「いやあ、はじめまして」

これが第一声の挨拶でした。
これまでも何度も会話はしていましたが、それはネット上のキーで打ち込んだ言葉だったので、生の声を聞くのは初めてだったのです。

いろんなことをいっぱい話しました。
元チョイ悪だった彼は、高校生の頃からいっぱい、いろ~んな経験があります。
中には、本物のヤッチャンだったという話もあり、ヤッチャンの脅迫ターゲットになって散々な目に遭わされた5年間のドロドロ感が微かに胸をよぎったりもしたのですが、
まあそんな気分をポイッと横に飛ばせるぐらいの強さが、年と共に備わったのか、すぐにまた平常心に戻ることができました。

彼は今、自ら祝詞を作り、それらを、腹の底から立ち上ってくるような野太い声で上げています。
そんな彼の声に合わせて、画面上に出てくる言葉を一緒に上げていると、本当に叶うような気持ちになります。

彼のフェイスブックには、こんなことが書かれています。

言霊力、ご存知でしょうか?

言霊力=言ったり、書いたりすると現実化するちから。

祝詞はその代表格。

ネガティブな発言は、悪く作用しますので、お気をつけを
m(_ _)m



「どんな物事にも魂は宿っている」
いつからこんな思いが心に宿ったのかは覚えていませんが、物心ついた時にはもう、石や木や草花に、話しかけたり祈ったりしていましたので、
この言霊についても、そしてそれが強く込められた祝詞についても、わたしもその力を信じています。

そんな彼からある話を聞き、しみじみといい話だと思ったので、受話器の向こう(かなり遠くの向こうですが)の彼の背中に、蹴りをガンガン入れました。
この話をフェイスブックでもなんでもいいから公開しなはれ!と。

最初は嫌だ!などと言っていた彼ですが、ちゃんと載っけてくれていました。
ここでも紹介させてもらいます。


俺がタバコをやめた理由と3・11
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=368309436703298&id=100005727332110&__mref=message_bubble

16ん時から吸ってた。
医者からやめるように言われても、誰に言われても、絶対やめるもんか!って思ってた。
酒と同じで、一生やめねえって思ってた。
んで、何故やめたか、知りたい?
以下、お読みください。

東京に小野照崎神社ってのがある。
「男はつらいよ」で有名な役者、渥美清さんが、「禁煙するから役者として成功させてくれ」って願掛けしたら、寅さんの話が来た、と。
スゲェ話だな…って思ってました。
だけど、オレは絶対やんねえな、って。
いくら渥美清さんを尊敬してても。

3・11があって、すぐ思ったのが↑の話。
地震や津波をやめてくれって、神様に頼むことは出来ねえ。
何故なら天災だから。
でも、原発事故は人災だ、こんな事は2度とあっちゃならん、絶対にだ!って思って、
オレが出来る事は何だろう?
そうか、タバコやめて神様に願掛けすっか!って。

んでも、3・11から2週間ぐらいは、グズグズグズグズしながらタバコ吸ってたよ。
でも、キッパリやめよう!って思って。
あの年の3月の終わりに、神社に行きました。

「神様、タバコやめるから、日本中の原発すぐ止めてくれ。オレはどうなっても構わねえ、どうか日本を救ってくれ」って。

この話、墓場まで持ってこうって思ってたけど、公表した方がいい、ってある人に言われましたので公開しました。(≧∇≦)


↑以上、紹介おわり


自分にできることはなんだろう…できることなんてあるだろうか…。

そう思っている人は多くはないかもしれないけれども、少なくもない、とわたしは思っています。

なぜなら、彼が言うように、原発事故は人災なのだし、あんな事は絶対に二度とあっちゃならん事なのに、まだやろうとしているトンデモな人間がウジャウジャいて、
おまけにそいつらは金も権力も有り余るほど持っている…。

稼働ゼロの今、このまますべての原発を廃炉作業に転換するという大きな決断をすべき時なのに、
これまで以上の無責任さといい加減さでもって、これまでと同じように原発を使うことしか頭に無いのですからひどいものです。

「神様、めちゃくちゃやめにくいけどやめるから、わたしはそれでかなり苦しい思いするけど、どうか父の命を救ってください!」

父が突然倒れ、救急車で運ばれた先の病院の小部屋で、末期の胃がんであと2ヶ月と宣告された時、即そう祈りました。
そしてコーヒーをやめました。
父は、わたしがコーヒー断ちをしたぐらいでは助けられなかったけれども、その時の、必死だった自分を思い出しました。

昨日書いた記事の中の、ガンジーの言葉がまた、ふつふつと甦ってきて、ちょっと苦笑いしています。
「あなたのすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない」

ほとんどは無意味である。
ここまではっきりと言われた日にゃー、などと自虐的な気持ちにもなりますが、
でも実はここから先に真実があるのですね。

「そうしたことをするのは世界を変えるためではなく、
世界によって自分が変えられないようにするためである」

自分のために、自分を大切に守るために、そしてそれはもちろん、周りの大切な人たちのために、
わたしたちを取り巻く社会や自然という環境を、それぞれの人たちがそれぞれに暮らしやすくするために、
『世界』という化け物