まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

同棲時代 in U.S.A

2018-06-21 | 北米映画 80s~90s
 懐かしの80年代映画①
 「きのうの夜は…」
 真剣な恋愛ができない青年ダニーは、出会ってすぐに関係をもったデビーとは一夜限りの恋にできず、戸惑いながらも彼女と同棲を始めるが…
 80年代半ばのハリウッドでは、“ブラッドパック”と称されていた若手俳優たちが人気で、グループみたいに仲良く共演したり、単独で主演したりと活躍していました。そんなブラッドパック映画の金字塔、日本のTVドラマでパクられた青春映画の名作「セント・エルモス・ファイアー」でも共演していたロブ・ロウとデミ・ムーアが、80年代シカゴのビタースウィートなカップルを演じた恋愛映画です。
 お話は、劇中にガンガン流れる80年代のラブポップソングの歌詞そのもので、若者っていいよね~こんな他愛もないことで世界一幸せで世界一不幸になれるんだもん、と苦笑したり羨ましくなったり。設定とか台詞も、ちょっと男女7人夏物語っぽいというか、日本の80年代のトレンディドラマっぽくて、80年代に青春した人は懐かしさを感じる映画です。

 かなりラブコメテイストになってはいるのですが、軽い遊びがだんだん真剣になる過程が、なかなか丁寧にメロウに描かれていて、若かりし頃の自分と引き比べてみていろいろ考えさせられる一興さがありました。男と女の愛の温度差とか価値観の違いは、古今東西、今も昔も不変のテーマです。見てて虫歯になりそうなほど甘~くなったり、激しくぶつかり合ったりを繰り返すダニーとデビーにを見てると、恋愛ってやっぱ体力と気力が要るな~と思った。何でそんなことで大騒ぎするの?何でそんなしょーもないことで傷つけ合うの?と失笑し、そこは男が我慢するべきとか、そこは女が妥協すべきとか、冷めた考えをしてしまう私は、やはりもう恋愛などできない年寄り…若気のいたりって、愚かだけど素敵!打算とか分別なんて要らない!若いうちはいっぱいバカやって傷つけて傷ついて、衝動的で放縦な恋をすべきなのよ!私も若い頃はもっとバカになってりゃよかった!と、失敗を恐れるあまり安全を選び、今の後悔です…

 ダニーが、ほんとイラ&ムカ、な男なんですよ。いくらイケメンで根は優しくても、ガキっぽすぎ!24、5歳の設定だったと思うけど、20代半ばってあんなに子どもっぽいものなの?あんな中身が中学生みたいな男とじゃ、まともな恋愛できませんよ。少年っぽい男とガキっぽい男は違いますもんね。ツルんでる悪友とのやりとりも、あまりにも子どもじみてて笑えない、不愉快だった。男の友情っていいな、とは全然思えなかった。
 ダニーと違ってデビーは結構大人で、ナンダカンダでダニーに合わせてあげたり譲ってあげたりと、いい女だった。あんなコドモ男に期待したり夢見たりしてしまったのが、やはり若い女の浅薄さ、未熟さだったのでしょう。元カレもアレな男だったし、いい女なのにダメ男ばかりに引っかかるデビー、典型的なだめんずウォーカーでした。それにしても…恋愛だけなら、相手のことを知り過ぎない関係でいたほうがいいですよね~。同棲はイチがバチかの賭けだわ。

 ダニー役のロブ・ロウと、デビー役のデミ・ムーア、当時20代前半!当然のことながら若い!そして美しい!今はキワモノおじさん、改造人間おばさんと化している二人の、もっとも輝いていた頃の作品なのではないでしょうか。当時のロブ・ロウは、ブラッドパックの中では最もイケメンで、「ホテル・ニューハンプシャー」など良質の作品で好演してました。美男子だけど、たまにイチローに似て見えた(私だけ?)。デミ・ムーアは、ほんと美人!可愛いけどブリっこではなく、すでに大人の女の成熟が。ハスキーヴォイスもセクシー。他愛もない恋愛映画なんだけど、二人の脱ぎっぷりのよさ、ラブシーンの大胆さにはちょっと驚かされます。邦画は言わずもがな、ハリウッド映画でも今、あんなに脱いでセックスシーンできる男優女優、いないもんね~。Hの後、お互い全裸でキッチンをウロウロするシーンなど、すごく自然で良かったです。セックスの最中にシーツ巻いてたり、ヤった直後に下着しっかり着てたりなんて、すごく不自然ですもんね。二人の80年代ファッションも懐かしく、おしゃれにさえ見えました。
 ダニーの親友役のジェームズ・ベルーシは、ジョン・ベルーシの弟ですね。風貌も芸風もそっくりです。いい加減キャラと意地悪そうな顔が、ちょっと苦手かも。デビーの親友役は、トム・ハンクスの「ビッグ」でヒロイン役を好演してたエリザベス・パーキンス。デビーへの友だち思いな屈折ツンデレっぷりが笑えました。
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問題のあるホテル

2015-06-14 | 北米映画 80s~90s
 My Favorite 80年代映画②
 「ホテル・ニューハンプシャー」
 高校教師のベリーは、家族とともに念願だったホテル経営を始める。次々と降りかかる不幸や災厄を、ベリー一家は明るく逞しく乗り越えていくが…
 「ガープの世界」や「サイダーハウス・ルール」などのアメリカの人気作家、ジョン・アーヴィングの小説の映画化。私も多感な年頃に、アーヴィングにハマってたんですよね~。ファンタジックなまでに波乱万丈、奇想天外なストーリーは、常に死と暴力に満ち溢れてて、悲劇や凶事がこれでもか!とばかりに起こるけど、決してお涙ちょうだいにはならない突き抜けた明るさがあって、アメリカ人のタフさとかポジティヴさに感銘を受けたものです。

 この家族ドラマもアーヴィング節が炸裂してて、とにかく珍事変事凶事いろんなことが怒涛のように起きて、ジェットコースターのように一気に走る抜ける展開なので、長い話だけどアっという間にラストにたどり着いてしまいます。

 近親相姦、同性愛、いじめ、レイプ、事故死、テロや失明、自殺など、ベリー一家には問題だらけ、不幸・悲劇の嵐。なのに、すごいあっけらかんとしてるんですよ。みんなノーテンキで元気なんです。フツーの人なら立ち直れない、トラウマになるような経験をしても、落ち込んで沈んで立ち止まったりしないんです。劇中の台詞『開いてる窓は見過ごせ』、どんなに悲しいこと辛いことがあっても生きていこう!というテーマが心に響きます。
 リアルな悲劇と不幸を描いても、どこかおとぎ話のような語り口が独特。曲芸をするクマの“メイン州”や、オナラばかりしてる犬のソローが、人間以上に生と死について考えさせる存在になっているところも、哀しいフェアリーテールっぽさを醸しています。

 とにかく、ベリー一家の強さ、明るさ、前向きさが人間離れしてて驚嘆ものです。どんなに踏みつぶされても、したたかに元気に執念深く生きる雑草のような人たちなのです。優しいけど夢中人なパパ、長男はホモ、長女と次男は愛し合ってて、次女は小人。強烈な個性のファミリーが、仲良く楽しそうに不幸や悲劇と向き合う姿が、コミカルにドラマティックに描かれています。不幸や悲劇にも、必死に涙ながらに!なんて悲壮感は微塵もなく、サラっとシレっと負けないところが笑えます。そんなベリー一家や彼らに関わる人々を演じてる俳優たちが、なかなか豪華です。

 家族の中心である長女のフラニー役、ジョディ・フォスターの貫禄ときたら!当時まだ20代前半なのに、すでに姐御、いや、親分な風格です。風貌もキャラも、まさに“漢(おとこ)”な頼もしさ。実姉と愛し合う弟、実質の主役である次男ジョン役のロブ・ロウは、まだ少年っぽさが残ってて可愛い。この映画でもよく脱いでました。パパ役のボー・ブリッジスは、弟のジェフほど男前ではありませんが、優しそうで知的な素敵おじさま。
 最も強烈で美味しい役だったのは、後半のウィーン編になって出てくる二代目“メイン州”、クマのスージー役のナスターシャ・キンスキー。

 超美女のナスターシャが、かぶりものをしてその美貌を隠してる!というところが、なかなか小粋な配役。ジョディ兄貴とレズシーンもあり。最近レズであることをカミングアウトしたジョディ兄貴、ロブ・ロウとよりもナスターシャとのラブシーンのほうがノリノリだったんだろうな
 あと、フラニーをレイプする性悪ハンサム高校生役と、ウィーンのテロリスト役の二役を演じてるマシュー・モディンもイケメン、好演。
 今は亡き名匠トニー・リチャードソン監督のユニークな演出、心に残る映像美、流麗な音楽なども素晴らしいです。
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この世は愛で廻ってる

2014-11-14 | 北米映画 80s~90s
 「ガープの世界」
 シングルマザーの看護婦ジェニーに育てられたガープは、さまざまな人や出来事と出会いながら成長する。やがて作家となったガープは、幸せな家庭を築くが…
 ロビン・ウィリアムズの急死は、世界中の映画ファンに衝撃と悲しみを与えました…
 「グッドモーニング、ベトナム」や「いまを生きる」、オスカーを受賞した「グッド・ウィル・ハンティング」など、数々の佳作秀作で名演を披露してきたロビンの出演作の中で、私がとりわけ好きなのが、人気作家ジョン・アーヴィングの小説を映画化したこの作品です。
 主人公ガープの波乱に富んだ人生を通して、病める現代アメリカ社会を明るく温かく、それでいて過激にシニカルに描いた悲喜劇です。全編かなりぶっ飛んだ珍妙エピソードがテンコモリなのですが、まずガープの出生がスゴすぎます。子どもは欲しいけど結婚したくない男も要らない看護婦のジェニーが、見ず知らずの瀕死の負傷兵をレイプ?して身ごもり生んだのがガープ。こんなフツーじゃない生まれ方をしたガープが、フツーの人生を歩めるわけもなく、次々といろんな人、いろんな出来事と遭遇し、喜びや悲しみを経験。それがポップにスピーディに、ちょっとファンタジックな味わいでつづられていて楽しいです。ガープ少年の描いた絵がアニメになって動き出したり、飛行機が家に突っ込んできたり、作家になったガープの描く小説世界とか、滑稽だけどどこか悲しい、不安や不吉な翳りもうっすらとかかっている感じが、病的で歪んだ価値観や、危険で有害な情報やモノが氾濫してるアメリカで、健全に無事に生きることの困難さを伝えているようでした。同じジョン・アーヴィング原作の「ホテル・ニューハンプシャー」もそうでしたが、病んだ社会で悲劇や不幸に襲われながらも、たくましく明るく生きるアメリカ人の強さ、前向きさには感服せずにはいられません。

 ほのぼの温かい幸福と、ショッキングな不幸がめまぐるしく交錯するガープの人生は、まさに禍福は糾える縄のごとし。愛する人たちが次々と非業な死を遂げたり、人間として耐えられない悲劇にも襲われる彼ですが、同時に愛し愛された愛に恵まれているその人生は、とても豊かに思えて羨ましくなりました。愛し愛されることって、傷ついたり傷つけたり憎んだり恨んだり、しんどいことも多いけど、やはり幸せなことなんだな~とガープを見ていて思いました。私なんか、傷つくこともほとんどなく、大きな不幸も悲しみもない代わりに、大きな幸せも喜びもない無難すぎる人生。胸躍る出会いも、胸が痛む別れもない。何てつまんない、退屈でセコい人生でしょう。ある意味、そっちのほうが悲劇なんじゃないかと。
 悲劇や不幸のオンパレードなのに、お涙ちょうだいにはしておらず、悲惨な中にもどこかブラックな笑いが。ガープの妻の浮気相手の末路とか、悲惨きわまりないのに滑稽で笑えます。
 ガープ役のロビン・ウィリアムズ、まだ若くて可愛い!

 すごい優しそうで、温かそうで、それでいていつも悲しそうで。彼の強すぎる感受性が、ガープのキャラに合ってました。自分がおかしなことをするのではなく、周囲のエキセントリックな人々や珍奇な出来事に対しての躁鬱的リアクションで笑いをとっています。笑えるんだけど、ほんと悲しみがつきまとってるんですよね。そこがロビンの持ち味で魅力ではあるのだけど、いい人なのに幸せになれないという不幸体質な役がハマリすぎて、実際の悲しい最期が重なって切なくなります。不幸で悲しいけど、活き活きとしたロビンの演技に胸が痛みます。急死が、かえすがえす惜しまれます。あらためてロビン哀悼…
 この映画、ロビンが主演なのですが、彼以上の好演と存在感でほとんど主役となってしまっているのが、名女優グレン・クローズです。

 ガープのママ、ジェニー役のグレンおばさま。これが映画デビューなのだとか。昔風で言うと“飛んでる女”なジェニーを、クールかつ珍妙に演じて目立ちまくってます。世間の目や常識などどこ吹く風で、颯爽としなやかに我が道を行くジェニー、すごくカッコいい女性です。ガープへの厳しくも優しい愛情も素敵でした。作家志望のガープよりも先に、何気なく書いた自伝書がベストセラーとなってしまうジェニー、フェミニスト運動のカリスマに祭りあげられてしまう展開が笑えるのですが、自分の舌を切り落とす狂信的な女たちとか、まるでオ○ムみたいな連中が不気味な空気を流し始め、やがて起こる悲劇を予想させます。
 常にナース姿、堂々と凛としつつも、ちょっとズレてる変人ジェニーを好演したグレンおばさまは、デビュー作で早くもアカデミー助演女優賞にノミネートされました。受賞しなかったのが不思議。いかにもな大熱演ではなく、サラっと自然で爽やかながらもパンチが効いてる演技が素晴らしいです。
 ジェニーの信奉者でガープの友人となるニューハーフ役、ジョン・リスゴーの強烈なヴィジュアルと、心温まる名演も忘れがたいです。
 映画のオープニング、ビートルズの“When I 64”が流れる中、ふわふわ空に浮かぶ赤ちゃん(ガープ)が超可愛いです。
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仮面の誘惑!逆玉殺人事件

2013-08-13 | 北米映画 80s~90s
 仕事帰り。ガソリンスタンドに寄ってたら、後輩のKくんから電話が。出ると、彼と最近付き合い始めたR奈ちゃんが、ごはん食べましょうと誘ってきた。正直なところメンドかったので、ゴメン~もう家の近くなんよ~と、さも残念そうに言うと、今度はKくんが出てきて、今からそっちに行きますから!と、断れない方向へ話をもっていき、結局わしんちの近くのファミレスで、3人で晩飯食いました。
 交際は順調で、とっても幸せそうなKくんとR奈ちゃん。喜ばしいかぎりですが、ちょっと、いや、かなり気になることが。それは、R奈ちゃんにマジ惚れし、プチストーカーと化してた、ケビンという男のことです。
 ケビンは高学歴で仕事も超優秀なのですが、ルックス偏差値は極めて低く、性格や言動にもかなり難がある青年。でも機嫌を損ねたら仕事が滞るので、彼の扱いにはみんな細心の注意を払っているのです。そんなケビンが、R奈ちゃんに恋を。はっきりイヤとは言えない優しくて小心者なR奈ちゃんの態度は、ケビンに悲しい思い違いをさせ、恋心は募る一方。毎晩のメールのみならず、最近は彼女の机に脅迫状のようなラブレターをしのばせ、ツイッターで呪怨のような片想いのつぶやきをマメに更新…
 付き合ってるってケビンにはっきり言って、諦めてもらえばいいじゃん!でも、R奈ちゃんはケビンを死ぬほど怖がってて、Kくんは一対一になると確実に殴る蹴るとまで言ってるほどケビンが大嫌い。なので、二人は私の立会いのもと、ケビンと対決したいらしい。おまえら高校生かよ。何で私が、そんなメンドいことしなきゃなんないの。他人の恋愛問題なんかに、首つっこみたくない。
 みのもんたに相談したいけど、おもいっきり生電話はもうやってないし。トラブルにならないよう、この問題を解決するにはどうすればいいでしょうか?

 「マスカレード 甘い罠」
 ハンサムなヨットマン、ティムと出会った大富豪の令嬢オリヴィアは、彼と恋に落ちる。しかし、オリヴィアの継父トニーは二人の結婚を妨害しようとする。そんな中、トニーに銃で脅されたティムは、誤ってトニーを射殺してしまい…
 青春映画の名作「セント・エルモス・ファイアー」など、80年代に人気スターだったロウ・ロウが、人気も美貌も絶頂期に主演したラブ・サスペンス。ロブ・ロウの色男ぶりとセクシー演技を楽しむ、ただそれだけ、それ以上でも以下でもなく、それ以外の意味はない映画です。なので、彼の非ファンにとっては、何だかなあな映画かもしれません。私は、セントエルモスや「ホテル・ニューハンプシャー」とかのロブ・ロウが好きなので、この映画も終始ニヤリ&苦笑しつつ楽しめました。
 「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンを意識したかのようなロブ・ロウが、とにかくコレデモカ!と脱ぎまくり、女たちと濡れ合ってます。肉体美もベッドシーンも、なかなかエロいです。最近のハリウッド映画は、濡れ場もおとなしくなってますから、ひと昔前の大胆で激しいセックスシーンは、何だか返って目に新鮮。

 ロブ・ロウ扮するティムの、ラブマシーンぶりが見事です。熟女の人妻とは出会って10秒後に、オリヴィアとは5分後ぐらいには合体します。早っ!プリケツも丸出し、優しくもネットリと女たちを蕩かすロブ・ロウのラブ・テクニックは必見です。
 しかしながら…エロ演技は頑張ってるロブ・ロウですが、ウブな金持ち娘を誘惑して殺そうとする悪い男には、ぜんぜん見えなくて。こういう役には、冷酷な魔性っぽさとか、暗い野心とか情念がこもってないと。ただ美男なだけじゃダメなんです。アラン・ドロンのような、ダークで狡猾で胡散臭いオム・ファタールの魅力が、ロウ・ロウにはないんですよねえ。ロブ・ロウ、ずっとアホみたいな顔だし。ただの人のいいイケメンヤリチン兄ちゃんにしか見えませんでした。
 かんじんのお話も、火サスや土ワイレベルです。練った伏線や小道具もないし、キャラも薄っぺらいし、話の展開もメチャクチャ雑です。ラスト近く、ネズミのせいでヨットが大爆発とか、ティムの共犯者のマヌケな末路とか、ほとんどギャグとしか思えないシーンに呆笑。上質の犯罪映画を期待すると、ガッカリします。フランスでナタリー・バイ主演の「愛しきは、女/ラ・バランス」という秀作を撮ったボブ・スウェイム監督、いったいどうしちゃったの。

 オリヴィア役のメグ・ティリーは、ちょっと稲森いずみ似?彼女の色ボケ暴走が怖いです。美人ですが、ファッションが超ダサい。お嬢様なのに、何であんなチープでセンス悪い服を…ティムを愛人にする人妻役は、SATCで人気の熟女キム・キャトラル。美しいヌードを披露してます。オリヴィアの幼なじみの警官マイク役のダグ・サヴェントは、ちょっとブラッドリー・クーパーっぽくてイケてました。彼も白ブリーフ一丁でマッチョな肉体をさらしてますが、あれって何の必然性もない脱ぎだよなあ。ボブ・スウェイム監督って、ゲイなの?必要以上に裸になってたロブ・ロウといい、この映画ってゲイにもアピってるのでしょうか。ティムとマイクの絡みをもっとネチっこく描けてたら、腐女子受けしただろうに。

↑ガーン!最近のロブ・ロウ。つってもこれは、マイケル・ダグラスとマット・デーモンがゲイカップルを演じてる新作「恋するリベラーチェ」のロブ・ロウです。オネエ役なのかな?ゴリマッチョなマットが脱がされまくっているという、ファン垂涎映画です♪早く観たい☆
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ときめき☆BL学園

2009-11-30 | イギリス、アイルランド映画
 最近、心身が軽くヤバくて不安です...
 しょっちゅう箸とかサプリ瓶の蓋とかボールペンのキャップを落としてしまう。お茶やコーヒーもよくこぼす。手にどこか異常があるのでしょうか。単なる注意散漫ならいいのだけど...
 あと、なぜか洗濯機のことを冷蔵庫と言ってしまう。これ、どうしても治らないんですよ~!今に言葉だけでなく、冷蔵庫の中に汚れた下着入れたり、使い道まで間違えそうで怖い...Go to hospital!でしょうか

 「同級生」
 YAOIの原点、BLの本場といえば、やっぱイギリスの高校です。
 イングランド南部ハンプシャーにある町ベイジングストーク。両親と暮らす高校生スティーヴンは、ゲイであることに悩んでいた。そんな中スティーヴンは、ゲイの発展場である公衆トイレで、陸上部の花形選手ジョンと出会い驚くが...
 明るい笑いとビターな切なさがブレンドされた、なかなかの佳作でした。YAOIが萌える系のBL映画ではないかも。ゲイ映画にありがちな背徳の淫靡なエロシーンもないし、BL小説や漫画特有のノーテンキな内容でもない。YAOI女の妄想話ではなく、オリジナルタイトルの“Get Real”が示す通り、ゲイの現実を描いているリアルフィクションです。さえない主人公が魅力的なヒーローと両想いに、という設定は、限りな~く乙女ちっくな少女漫画ですが。
 昔に比べれば寛容になったとはいえ、今も同性愛者に対する差別偏見は根強い。望んでゲイに生まれたわけではないのに、間違っている!汚らわしい!と見なされる理不尽さ、怖さ。自分を偽らねばならないスティーヴンの閉塞感が、深刻な暗さではなく明るいユーモアで包まれているのが出色です。
 
 ハリウッド映画やフランス映画で、大都会の自由で快適なゲイライフを見慣れているせいか、スティーヴンとジョンの隠れキリシタンも真っ青な隠れゲイっぷりが、かなり神経質にも思えた、が、保守的なローカルだとあんな風にならざるを得ないんだろうなあ。それにしても。自分たちとは違った価値観や性向を持つ少数派を、我々のほうが優れている!正しい!と証明するみたいに攻撃したり蔑んだりする狭量な人たちって、ほんと怖いですよね。同性愛より、よっぽど醜いと思う。
 悩むスティーヴンですが、彼ってすごく恵まれてもいる。文才があるし、もやしっ子だけどまあまあイケメンだし(演じてるベン・シルバーストーンって、「オレンジカウンティ」の頃のコリン・ハンクスみたいで可愛かった)。女の子に好かれて味方になってもらえるし(性格もルックスも♂の臭いや危険性を感じさせないスティーヴンみたいなゲイって、女子に安心感と癒しを与える。もしスティーヴンが男性的な魅力のあるゲイだったら、逆に憎しみを覚えるけど)。世の中、ブサイクで才能もなく女子に忌み嫌われるゲイって、いっぱいいるだろうし。スティーヴン、ロンドンにでも住めば、間違いなくハッピーなゲイライフを送れるよ。
 堂々と愛に生きたいスティーヴンと、コソコソ恋愛を必死に保とうとするジョン。二人の噛み合わなさが滑稽で悲しい。二人っきりの時は甘~いけど、人前では冷たくスティーヴンをシカトしたり都合よくあしらったり。ジョン、卑怯だなあ、ズルいなあ、と呆れましたが、でも理解はできるんですよねえ。悪い意味で、とても人間的というか。ジョンがもうちょっと私好みのイケメンだったら、もっと楽しめたんだけどなあ。
 
 ジョンとの悲恋が、痛みと同時に誇りと勇気をスティーヴンにもたらすラスト、とても爽やかで後味がよかったです。他人に嫌われるよりも、自分自身を忌むほうが辛い。そこから脱却し、前を向いて進もうとするスティーヴンに、エールを送りたくなりました。
 スティーヴン&ジョンよりも、女性キャラがすごく素敵でした。スティーヴンに好意を抱く同級生の女の子(ちょっとケイト・ウィンスレット似で美人)も、スティーヴンのママも、いざというとき女はこうでありたい、と思わせる優しさと強さがあって好感。スティーヴンを汚いホモ扱いする男子生徒たちを、彼女たちが蔑み返し恫喝するシーンは、とても痛快だった。そして誰よりもナイスキャラだったのは、隣家に住むクールな太っちょ娘リンダさん。スティーヴンとの親友、姉弟みたいな関係とやりとりが、愉快で微笑ましかったです。リンダさんみたいな友達、私も欲しいなあ。彼女みたいなソウルメイトいるだけで、スティーヴンって幸せ者だと思った。
 これ日本でリメイクするんだったら、スティーヴン=林遣都、ジョン=池松壮亮がいいなあ。ヘタレ美少年のケントくん&文武両道の優等生の壮ちゃまのハイスクールBL!なんて、まさにYAOI殺し!想像しただけで萌えるぜ


 
 
 
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