まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

僕は親友に恋をする

2015-12-11 | イギリス、アイルランド映画
 今朝、わし史上最大級にショックな出来事が… 
 雨上がりの朝、遅刻する~!と焦って駅から職場まで走ってたら、ぎゃ!?ツルっと足が滑って、気が付くと前のめりに地面に倒れてた…強打した顔右側と右足の痛みよりも、転んだことのショックでしばらく冷たい地面に倒れたままの私は、あたかも行き倒れの変死体…大丈夫?!と心配そうに近寄ってくる親切な人たちに、ひたすら恐縮しながら羞恥と気まずさで逃げるようにその場を立ち去ったのですが…今もショックをひきずってます。私、長く生きてますが子どもの頃から転んだことなどほとんどなく、打ったり折ったりしたこともないんです。我が身を守ることに関しては、とっても用心深い人間だと自負したので、よもやのアクシデントが何かの悪い転機になってしまうのでは、とビクビクしてます。
 忙しい年末、イライラしたりセカセカしがちになりますが、皆さま何卒ご用心くださいませ…
 心が落ち着いてくると、今度は打ち身の痛みが…こんなの怪我のうちに入らん!と、周囲はみんな冷たいですあったかいお風呂も、今夜は身に染みることでしょう。ボケ~っとせずに、気を引き締めたいと思います…

 師走の英国男優映画祭④
 「情愛と友情」
 中産階級出身のチャールズは、入学したオックスフォード大学で貴族のセバスチャンと出会い、親密になる。セバスチャンの家族が住むブライズヘッドに招かれたチャールズは、セバスチャンの妹ジュリアと恋に落ちるが…
 ノンケの親友に恋してしまうゲイ。あろうことか、親友は自分の妹と愛し合うようになって、ガーン!!!というのが、物語の大ざっぱな要約。どんなに愛しても、絶対に結ばれることがないと分かってる恋って、切なく虚しい、けど、どうせダメだからと最初っから諦められる恋なら、まだ救いがある。でも…好きなノンケが彼女も作らずいつも自分と一緒にいてくれて、どんなワガママも優しくきいてくれて、何の見返りも求めず献身的に支えてくれて味方でいてくれて、そのうえ酔った勢いとはいえキス!もさせてくれた男に、もしかしたらイケる?友だち以上になれるかも?と期待し、希望を抱いて気長にチャンスをうかがってたら、女に、それもよりにもよって自分の妹と彼が恋に落ちるのを目の当たりにするなんて!まさに、トンビに油揚げをさらわれた的な。そりゃないぜ~!もう誰も信じん!酒!酒じゃ酒!酒買ってこいー!!にもなりますよね~…

 ノンケの優しさに勘違いしたゲイが悪いのか。ゲイの恋を無意識のうちに煽った優しいノンケが悪いのか。絶望のあまりどんどんコワレてゆき、自滅の道まっしぐらなセバスチャンが愚かで哀れ。それにしても。チャールズの優しさは、ほんと罪ですよ。あれは誰だって勘違い、期待しますよ。人間、優しすぎるのも考えものです。チャールズの優しさこそ、セバスチャンにとっては酒よりも危険な毒でした。セバスチャンにとっては悲劇でしたが、あんな風に心が蕩けてダメになってしまうほど、私も誰かに優しくされてみたいものです。

 誰が見てもラブラブカップルな、チャールズとセバスチャンの仲良しぶり。男女の恋人同士でも、あそこまで一心同体な付き合いするのは稀ですよ。ほんと二人っきりの時は楽しそうで安らいでて、二人のため~世界はあるの~♪な甘~いムード。他人が入り込む余地なしなイチャイチャ緊密さは、ペッパー警部が見たらそろそろ君たち帰りなさい、と叱られるレベル。ブライズヘッドの噴水で、全裸で泳いでるシーンとかもそうでしたが…セバスチャンがゲイと知ってて、あーいう無防備なこと平気でするチャールズって、怖い男だな~と思った。セバスチャンの想いに、どこかでブレーキをかけることもできたでしょうに、そうはせずズルズルと曖昧な心地よい関係を続け、男としての愛はジュリアに向けながらもセバスチャンは失いたくないチャールズ、ズルい男!誰にでも優しく、常に受け身なチャールズみたいな男が、返って悪人よりも人を傷つけ悲しませるんですよね~。チャールズもセバスチャンのことを愛してたけど、ノンケなので肉体的には結ばれない。セバスチャンの代わりに、男としての愛はジュリアで満たす、みたいな関係とまでは言えないにしても、ほのかにそんな感じもしたのが腐的には面白かったです。

 チャールズが本当に愛していたのは、手に入れたいと願ったのは、セバスチャンとジュリアではなくブライズヘッドだったのでしょうか。セバスチャンに初めてブライズヘッドに連れて来られたチャールズが、その壮麗な館に圧倒され魅了されてる様子は、ほとんど恋の陶酔だったし。セバスチャンの家族の相克などどーでもよさそうで、ブライズヘッドに来ると幸せそうなチャールズ。そうなるのも解かるほど、ブライズヘッドが本当に美しんですよ!あんなお屋敷で大勢の召使たちにかしずかれて、優雅な貴族生活してみたい~。ごはんのたびに正装に着替えなきゃいけないのは、ちょっとしんどいけど。管理とか、大変なんだろうな~。ゆかしく高雅だけど、重々しく冷厳な空気が漂ってるところが、アメリカや韓国のドラマに出てくるゴージャスな成金豪邸とは違います。この映画の影の、いや、真の主役はブレイズヘッドなのかもしれません。なので、ジェイン・オースティン風な邦題が???“Brideshead Revisited”(ブライズヘッドふたたび)というオリジナルタイトルを、もうちょっと工夫してほしかったかも。
 出演者も、適材適所的に好演しています。セバスチャン役は、007最新作「スペクター」でも好演してたベン・ウィショー。

 羽生結弦かよ!いつもテディベアもってるのが笑えた。これまで見た中で、いちばんゲイゲイしい演技でした。さすがにベンがやると、リアルすぎます。かなりクネクネナヨナヨしてるので、そーいうのが苦手な人にはキモいかもしれません。でも、ガラス細工のデリケート演技は、冴えまくってます。気が強いけど甘えん坊で心が脆く、チャールズじゃなくても守ってあげたくなる可愛さ、痛々しさ。ベンのエレガントかつスタイリッシュな貴族ファッションも目に楽しい。最後はどこの修行僧!?みたいな風貌になるのも見所。後半になると、パタっと出て来なくなります。
 貴族一家の中に入り込んで、はからずも一家崩壊させる優しい疫病神チャールズ役は、「イミテーション・ゲーム」で暗号解読チームの一員を演じてたマシュー・グード。

 イミテーションゲームの時より、イケメンに見えました。優しそうで知的、でも優男って感じではなく、男らしいところが素敵。長身で恰幅がよく、スーツやタキシードがよく似合うところは、さすが英国男優。
 ジュリア役は、「キャプテン・アメリカ」シリーズのヘイリー・アトウェル。美人ですが男らしいというか逞しすぎて、貴族の令嬢に見えなかった。一家を支配する宗教き○がいな侯爵夫人役は、名女優のエマ・トンプソン。すっかり貫禄たっぷりなおばさまになりましたね~。末妹役の女の子、どっかで見たことあるな~と思ったら、フェリシティ・ジョーンズでした。イタリアでのんきに隠遁生活してる侯爵役は、ハリポタ校長の俳優マイケル・ガンボン。彼の愛人役は、かつて妖艶な美女だったグレタ・スカッキ。おばさん、いや、おばあさんになったな~。でも美人なのは不変でした。
 ブライズヘッドがあるイギリス郊外だけでなく、オックスフォード、ヴェニス、モロッコといったロケ地も美しく撮られていて、旅心を誘われました。
 ちなみに、この映画版に先立って、TVドラマ化もされているようです。「華麗なる貴族」という邦題で、チャールズ役はジェレミー・アイアンズ!こっちも観たい!

 ↑マシュー&ベン、軽いキスどまりなラブシーンが残念ベンは007だけでなく、「白鯨との闘い」「リリーのすべて」も来春日本公開!
コメント (2)
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イケメン悪魔の影武者

2015-12-10 | フランス、ベルギー映画
 師走の英国男優映画祭③
 「デビルズ・ダブル ある影武者の物語」
 湾岸戦争真っただ中のイラク。元軍人のラティフは、独裁者サダム・フセインの長男ウダイの命令で彼の影武者となる。狂気的なウダイから逃れられず、ラティフは地獄のような日々を送るが…
 いま大人気のイギリス男優。某映画雑誌で行われた人気投票では、大方の予想に反し、ベネディクト・カンバーバッチを抑えてトム・ヒドルストンが1位に輝きました。バッチ、トムヒ、もちろん素敵です。でも…誰がいちばん好きかと問われたら…トム・ハーディ?ジェームズ・マカヴォイ?ヒュー・ダンシー?マイケル・ファスベンダー?うう~。迷いと目移りと熟考を重ねた結果、やはり今はドミニク・クーパーかもしれない!という結論に達しました~。カッコいい、可愛い、若造でもおっさんでもないちょうどいい年頃、高い演技力、ワイルドで不良っぽいけどスマートで品があり、肉体美とラブシーンにおける大胆さエロさ、♂フェロモンの濃さは英国男優随一!ということで、僅差ながらもドミ公が暫定MY英国男No.1の栄冠に数あるドミ公の作品の中で、最も彼のファンが満足満腹になれるベスト作品は、やはり何といってもこの「デビルズ・ダブル」でしょう。

 サダム・フセインの長男ウダイと、彼の影武者になる軍人ラティフの二役を演じてるドミ公。ほぼ出ずっぱりで、どこを切ってもドミ公金太郎アメ映画。見た目は瓜二つ、でも性格は真逆な二人の男を、過激かつ繊細に巧妙に演じ分けていて、ほんと目がクギヅケになります。ウダイとラティフが同じ画面にいるシーンが多く、しかもベタベタしたり殴り合ったり密着して絡むシーンがほとんど。合成っぽさが全然ないのが驚異でした。どーやって撮影したんだろ?

 この映画のドミ公がね~。ほんとにカッコいい、可愛いんですよ~まず、スタイルが超いいんです。向井理もびっくりな小顔。そして、何着ても似合っててオサレ!小粋なブランドスーツ、軍服、アラブの民族衣装、リゾート風、ビキニパンツetc.どれもファッション雑誌から抜け出してきたかのよう。パーフェクトな着こなし。ハリウッドのセレブスターだと単なる悪趣味、コスプレになってしまうけど、ドミ公だとすべてが洗練されたハイセンスに。

 そして、ドミ公といえばのエロさ!この映画でも、これでもか!とばかりに脱ぎまくってます。ケツなんかフツーに出してますし。もう前張りなんかめんどくさくてしてなかったのでは。艶のある浅黒い肌と、腹筋もほどよく割れてる引き締まった肉体美。ただ脱ぐだけじゃなく、ラブシーンもエロい!

 それでセックスしたってことに?!な、不自然でサラっとしすぎなラブシーンと違い、この映画でのドミ公は動きといい体位といい、ほんとにヤってるとしか思えないリアルさ。あーいうシーンって、ほんとどーやって演じてるのか不思議。ウダイがパパのフセインに病院でお仕置きされるシーンや、ラティフがプールでピチピチビキニパンツはいてるシーンとかで、どんだけデカいの?!詰め物してる?!と、目を疑ってしまうドミ公の立派過ぎるイチモツに圧倒されます。さすが、かつて付き合ってた某有名ハリウッド女優をメロメロにしただけのことはあるわ。

 エロいだけでなく、ドミ公の演技力にも感嘆驚嘆。ウダイとラティフ、どっちかだけでもしんどいキャラなので、さぞかし大変だっただろうな~。無理やり影武者に仕立て上げられて、精神的肉体的に地獄を味わうラティフと、彼を寵愛と虐待の紙一重な扱いをするウダイ。ドMとドS、どっちもイケてるドミ公です。ウダイのドミ公、まさにやりたい放題なキ○ガイ腐れ外道なんですが、超ハイテンションでハッチャケまくってるイカレっぷり、怖いけど愛嬌もあるんですよね~。前歯むき出しの笑顔が、ウルトラキュートキャハハキャハハ♪なノリでハジけてトンじゃってるのが、何か笑えるし。甲高い声は、まるでジャパネット高田の社長。刃物とか銃もって暴れ狂ってる姿は、岡田あーみんの漫画に出てくるキャラみたい。ラティフに執着し、愛してる!だから絶対離さない!と束縛するウダイは、かなりヤンデレなBLで萌えます。ドミ公がドミ公とBL!というシチュエーションが、異様かつ妖しい。下劣で凶暴だけど下品に見えず、颯爽とした物腰、優雅な雰囲気は、まさに王子さまなドミ公です。

 これ、100%実話じゃないんだろうけど、当時のイラクは映画と似たような状況だったんでしょうね。フセイン一族の贅沢三昧な王侯生活がゴージャスかつ禍々しい。権力と金にあかせて暴虐のかぎりを尽くすウダイ、やることなすこと悪魔の所業なんですよ。自分にもっと似せるために、ラティフに整形させたり。チ○コの大きさまで揃えようと言い出すのが、戦慄で笑えた。影武者じゃなくて、ペット、いや、おもちゃ扱い。頭同様に下半身も狂ってて、市民の少女をナンパ、宮殿に拉致してクスリ漬けにし、死んだらゴミのように野原に死体遺棄とか。市民の結婚式に乱入(このシーンでの、ウダイ&ラティフのお揃いジャージが、超カッコよかった!あれ欲しい!)、花嫁を拉致して強姦したり。ノンストップな蛮行。もう誰にとっても疫病神なウダイ。彼に憎まれても愛されても破滅、みたいな。

 関わる人みんなに災厄をもたらすウダイですが、市民が平和で幸せそうにしてる中、あ、やっぱ出てきた~!的に、突然Mr.ビーンみたいに(ドミ公、Mr.ビーンにちょっと似てるし)ウダイがフラ~とヘラヘラしながら現れるお約束パターンが、まるでコントみたいで黒い笑いを誘います。悲惨な最期は、まさに因果応報です。あんな独裁者親子に支配されてたイラクの人たち、ほんと塗炭の苦しみだったんだろうな~。フセイン一族が滅んでも、イラクに平和が訪れてない現状が悲しいですね。とにもかくにも、日本の若い男優には絶対できないドミ公の激演、ファンならずとも一見の価値ありです。バイオレンスシーンがエグいので、苦手な人にはおすすめできませんが…

 ↑ドミ公ファッションショーの中でも、このジャージ?がとりわけオサレだった
 ウダイの愛人役、フランス女優のリュディヴィーヌ・サニエもエロい!アラブ女性役はちょっと強引でしたが、彼女もドミ公に負けじと痴女フェロモン出しまくってます。彼女にしては珍しく、あの巨乳をポロンしてなかったのが物足りなかった。時おり挿入される実際の湾岸戦争の映像が、当時を懐かしく思い出させます。

 ドミ公好きすぎて夢に出て来そうな最近名女優マギー・スミス主演の“The Lady in the Van”、ドリュー・バリモア主演の“Miss You Already”、降板したヘンリー・カヴィルに代わっての主役“Stratton”など、新作も続々♪
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耽美な校則違反!“一生女は愛さない”

2015-12-09 | イギリス、アイルランド映画
 師走の英国男優映画祭②
 「アナザー・カントリー」
 祖国を裏切りソ連に亡命中のイギリス人スパイ、ガイ・ベネットが米国から来た女性ジャーナリストの取材を受ける。老いたベネットは彼女に、イギリスの名門寄宿舎で過ごした日々について語り始めるが…
 いま大人気のイギリス男優ですが、80年代にも彼らは一大旋風を巻き起こしました。その火付け役となった映画が、この「アナザー・カントリー」と「モーリス」ではないでしょうか。第一次英国男優ブームの時、映画が好きになり始めたばかりのオコチャマだった私は、ケヴィン・コスナーとかトム・ハンクスに幼心をときめかせていて、目の肥えたお姉さまたちが騒いでいたイギリスの美青年たちには、あまり関心を向けていませんでした。彼らの魅力である耽美とか退廃は、当時の私には高尚すぎたのかもしれません。といっても、年老いた今も私の目は痩せてるままですがそれにしても80年代と今の人気英国男優は、まったく毛色が違いますよね~。ほとんどが舞台出身者なので演技が巧く知的、という共通点はありますが、今の人気英国俳優は耽美とか退廃とかいった、どこか近づきがたい特異さがなく、見た目も雰囲気も親しみやすい。強いて言えば、美男とイケメンの違い?そんな一世を風靡した英国美青年映画の金字塔を、久々に再観。初めて観た時には感じなかった面白さや魅力を再発見できました。

 イギリス上流階級の子弟たちが暮らす名門校の男子寮…腐女子にとっては、まさに夢の(妄想の?)聖なるBL楽園。醜いもの汚いものなど決して立ち入ることが許されない、女人禁制の美しきシークレットガーデンなのです。わしも死んだら天国じゃなくて、そこへ行きたいものですそんな美しく閉ざされたBLワールドで繰り広げられる、美青年たちの愛憎や友情(ハァハァ、やばい~鎮静剤ください)…彼らが織りなす蒼い苦悩、禁断の想いに腐心は切なくときめくのですが、あらためてこの伝説のBL映画を観ると、こんなん親兄弟、友だちとは絶対一緒に観れんわ~と背徳感、罪悪感にドキドキしながらコッソリ楽しむ、という隠微さがあまり感じられませんでした。おそらく、いろんなBL映画や小説を読み過ぎて腐りきってしまってるせいでしょう。過激で刺激的なBLに狎れてしまってる腐女子が観たら、むしろ清々しく恬淡な映画なのではないでしょうか。男同士のの性的なシーンはほとんどなく、BLじたいにはドラマティックな展開もない。もうひとつの腐女子のバイブル映画「モーリス」のほうが、画的にも内容的にもBL濃度が濃ゆいです。

 BLそのものよりも、1930年代におけるイギリス名門男子校内のライフスタイルとか因習、権力闘争のほうに重きをなしている映画です。当時、同性愛は罪なので大っぴらにはできないけど、わりと公然の秘密というか暗黙の了解な感じもあったのが意外でした。若い男子を狭い世界に閉じ込めて、禁欲を強いるほうが不健全で不自然ですもんね。リンリー警部シリーズの「寄宿舎殺人事件」で、ヘイ子も似たような感想もらしてましたが…男しかいないし、女よりキレイな男もいるし、男でもいいや、にもなるわな。BLのみならず、イギリスの名門校独特のルールや不文律、同じ生徒でもカースト制度みたいに身分差、格差が厳然とあって、それを若者たちが規律正しく冷徹かつ優雅に守っている、という平凡な庶民からすると別の惑星みたいな美しい異文化も、腐女子を惹きつけてやまみません。

 いじめや対立、傲慢さや選民意識も俗悪さがなく、あくまで冷ややかに優雅なところが、さすがイギリス。ストレートな物言いや行動はせず、いやみやイヤガラセもオブラートに包んで遠まわしな表現、手段をとるのも、教養や知的水準が高くないとできない高度さ。言動や考え方の早熟さなども、やはりアメリカや日本の学園ドラマのチャラチャラとは違います。まさに貴族と成金の違いというか。
 主人公のガイとハーコートの恋よりも、上級生に絶対服従な下級生の献身的な態度のほうに、私のBLセンサーは反応しました。ガイとハーコート、もうちょっとスキャンダラスに燃え上ってほしかったな~。ほとんど純愛でしたし。モノホンの腐女子は、やはりガイとハーコートよりも、ガイとトミーの友情のほうに萌えるのでは。クールなふりして、常にガイにことを心配したり助けたりするトミー。肉体的には結ばれないけど、あれも立派なBLですよね~。 
 メインキャラを好演した3人の俳優が、個性的で魅力的、そして当たり前だが、わ、若い!現在の彼らと比較するのも、また一興でしょう(ちょっと切なくもあるが)。まず、主人公ガイ役のルパート・エヴェレット。

 80年代の耽美で退廃的な英国美青年の代表格だったエヴェレット氏。オコチャマだった私の目には、彼はまるで不気味な宇宙人でした。まあ、トム・ハンクスやケヴィン・コスナーがタイプだった人間には、そうもなりますよね(笑)。年月を経て腐りきってしまった目で見ると、当時のエヴェレット氏の魅力、というか、個性の強烈さを高く評価できるように。でもやっぱ、今見ても宇宙人ですがたまに要潤に似て見えたけど。キャナメをものすご~く暗くエレガントにした感じ?奔放で驕慢、気位とプライドの高さはチョモランマだけど、傷つきやすくて甘えん坊な可愛さもあるガイを、チャーミングに演じてます。反抗的なところも、軽やかに茶目っ気があって素敵。タキシードとか正装が似合う。これは英国男優には絶対必要条件ですよね。「ヒステリア」で久々に彼を見ましたが、いい感じにチョイワル風な熟年紳士化してて、若い頃より好きかも。
 ガイの親友トミー役は、コリン・ファース。

 わ、若い!(当時23、4歳)けど、基本的には今とそんなに変わってない?スラ~っとほっそりしてるところが、恰幅のよい現在との大きな違いでしょうか。優等生の共産主義者で、男子寮内での権力争いには無関心、ガイにも素っ気ないけど、実は誰よりも情勢に敏感でガイのことも大切にしてるトミーを、クールかつ優しく演じています。ガイと一緒の時ふいに見せる、謎めいた悲しげな表情が可愛かった。若い頃から、すごく気難しそうだけど堂々としてて頼もしそうなファース氏。ぶっきら棒だけど過保護なお兄ちゃんキャラなトミーに、私もガイみたいに甘えたい~頼りたい~。でも、容易に他人に心を開かない彼に愛されるのは、至難の業っぽい。そういうところも素敵なファース氏です。エヴェレット氏との並んで歩くシーンとか、二人とも長身でスタイルがいいので、ほんと絵になるコンビでした。

 80年代の英国美青年の中では、地味な存在だったファース氏。でも私はそんな彼がいちばん好きでした。80年代組の中では、ファース氏が21世紀に入って出世頭となりましたね。若かりし日の「ひと月の夏」とかも、また観たいな~。
 ハーコート役のケイリー・エルウェスの瑞々しい紅顔の美少年ぶりにも瞠目させられます。ほんと、きれいで可愛い。ガイがすれ違いざまにスっとハーコートに恋文を渡すシーンと、ガイとハーコートが夜、小舟の上で寄り添うシーンがロマンチック!アナカン後、いろんな映画で美男ぶりを遺憾なく発揮したケイリーも、あの人は今になっちゃってますよね。現在も俳優してるのかな。今の彼、見たいような、見るのが怖いよう。
 元々は舞台だったアナカン。初演でエヴェレット氏が、後にコリン・ファース、ダニエル・デイ・ルイスもガイ役を、トミー役はケネス・ブラナが演じたんだとか。舞台版も観たいな~。それにしてもガイたち、学生なのにほとんど勉強してる様子なし。あくせくセカセカした受験勉強とか、そんな俗悪なこととは縁がない生まれついての貴公子たちの、優雅な怠惰さにも憧れます。スポーツも、サッカーなんて庶民のすること!イギリスの上流社会はやっぱクリケットなんです!

 かつて映画界を席巻した80年代英国美青年軍団の中では、ハリウッドでまさかのラブコメ帝王となったヒュー・グラント、オスカーを3度も受賞し世界最強の名優となったダニエル・デイ・ルイスが突出しましたが、今てっぺんに立ってるのは老朽化したヒュー爺でも、ほとんど仕事しないDDLでもなく、間違いなくファース氏でしょう。ゴキゲンな大ヒット作「キングスマン」の続編に、彼が再登場しますやうに!
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イケメンスパイで米ソ熱戦!

2015-12-08 | 北米映画 15~21
 007最新作「スペクター」を、初日に観て来ました~♪期待通り、面白かったです
 久々にピーターと観に行ったのですが。映画よりも、彼の最新下半身事情のほうがトンデモで、またドン引きさせられました。大人の、特に女性の方にどんなもんか聞いてほしい、ご意見を拝聴したいので、次回報告書をアップしてみたいと思います…
 スペクター公開記念!で、またまた英国男優祭りぢゃ~

 師走の英国男優映画祭①
 「コードネーム U.N.C.L.E.」
 60年代の冷戦時代。対立していた米ソだったが、核兵器拡散を目論む謎の組織の陰謀を阻止すべく手を組むことになり、アメリカのCIAからナポレオン・ソロ、ソ連のKGBからはイリヤ・クリヤキンが選ばれ作戦遂行の任務に就く。思想も性格も真逆は二人は、いがみ合いながらも組織への潜入を開始するが…
 アメリカでは評判も芳しくなくて興行もコケたらしいけど…わし的には、すっごく面白かったです!元ネタであるTVシリーズ「ナポレオン・ソロ」は観たことがなく知識もなかったのが良かったのかな?往年のファンの方々なら、オリジナルのほうが全然いい!という不満や失望も多々あるかもしれないけど、私は何の先入観もなかったので幸いなことに楽しめました。

 それにしても。映画はやっぱイケメンありき!ですよね~。どんなにすぐれた内容でも、ノーイケメンだと寂しい。逆に、しょーもない駄作でも、イケメンが出てたらノープロブレムになっちゃうし。この映画は、愉快な上にイケメンが二人。理想的じゃないですか!主演のイケメン二人、どっちも大好きなので、どうしても世間一般の評価より上になってしまいます。なので、いつもながら私の感想は独断と偏見すぎて何の参考にもなりません
 まず、アメリカのCIAエージェント、ナポレオン・ソロ役のヘンリー・カヴィル。

 ゴツっ!相変わらずゴリマッチョ、いや、ゴリラというより牛?猛牛系?筋肉つけずぎて、何もかもが太い!首がほとんどないし!スーツがぴっちぴちすぎ!今にもビリっと破けそうな筋骨隆々ガタイが素敵です。「寄宿舎殺人事件」の紅顔の美少年が、こんなイカちー男に変貌するとは。適度に濃ゆい端正な顔(たまにトム・クルーズに似て見えた)、放散してる♂フェロモンもカヴィたんの魅力。パリっとした高級スーツを常に着こなしてるダンディさは、すでに熟年男の風情。カヴィたん、確か嵐の松じゅんや二宮と同い年だったはず。大人っぽすぎやしませんか。スマートで軽妙洒脱、据え膳はきちんと食う好色男っぷりは、ロジャー・ムーアの007っぽかった。もうちょっと色っぽいシーン、あってもよかったのでは。「The Tudors」のチャールズ・ブランドンの時みたいなエロさがなかったのが残念。007といえば。ダニエル・クレイグとジェームズ・ボンド役を争い、若すぎるからと敗北したカヴィたん。年齢的には、今ちょうどいいのでは?まあ、スーパーマンもやってるから、もうあかんやろうけど…
 ロシアのKGBエージェント、イリヤ・クリヤキン役のアーミー・ハマー。
  
 デカっ!相変わらずタッパがすごすぎるアーミーくん。185、6㎝はあるはずのカヴィたんが、並ぶとチビに見えるし!「J・エドガー」でも、長身なはずのレオが子どもになってたし。ヒロインのギャビーとか、もう彼の半分しかないし!とにかくヌオォ~とデカいです。スーツでビシっとキメてるカヴィたんに比べると、ちょっと野暮なタートルネックとハンチング帽で、ファッション的にはナポレオンのほうが役得でしたが、キャラ的にはイリヤのほうが面白くてチャーミングだったかも。怒ると怖いBGMが流れてきて大魔神になるお約束が笑えた。車のトランクをもぎ取ったり、オートバイを投げ飛ばしたり、その怪力もはや人間じゃないし!ギャビーとの不器用なロマンスも微笑ましかったです。

 ↑ゴゴゴゴ…っと大激怒な大魔神に変身するところが笑えた
 ゴツ濃ゆ軽キャラなカヴィたんと、デカ薄い重キャラなアーミーくん、まさに米ソみたいな正反対なデフォルメ演技が楽しいのですが、惜しむらくはせっかくのWイケメンなのに、ぜんぜんBLのかほりが漂ってなかったことガイ・リッチー監督の作品って、ほとんどが女っけのない男祭り映画なんだけど、腐女子を酔わす腐臭(笑)はしないんですよね~。もうちょっとイチャイチャ仲良くしてほしかったかも。ゴツ男とデカ男のガチンコシーンは、なかなかの迫力。「MOZU」のトーリと壮亮がコドモのケンカに思えてしまうほど。

 男だらけの男祭り映画ばかりなのに、腐女子の萌えツボが解かってないところは不満ですが、ガイ・リッチー監督の作品は総じて好きです。この映画も、荒々しいバイオレンスと遊び心あるモダンさが融合して楽しかった。編集と音楽がシャレオツ(死語)でした。この映画も悪がナチスだったのですが、最近ほんとナチスがらみの映画が多いですよね。
 ギャビー役は、エディ・レッドメインやベン・ウィショー、マティアス・スーナールツが出演してる「リリーのすべて」や、マット・デーモンの新ジェイソン・ボーンのヒロインにも抜擢された売れっ子スウェーデン女優、アリシア・ヴィキャンデル。可愛いし美人だとは思うけど、何か地味?グっと印象に残るものがないというか。悪女役のエリザベス・デビッキのほうが、ゴージャスな氷の美女でインパクトあり。悪女ボスの夫役のイタリア人俳優ルカ・カルヴァーニが色っぽい男前!作戦の指揮官になる英国諜報員役が、ヒュー・グラント!80年代に「モーリス」で英国美青年ブームを巻き起こし、後にハリウッドでロマコメの帝王となったヒュー爺、すっかり枯れて萎れたな~。往年のファンには切ない現在の彼ではないでしょうか。後半チョコっとしか出てこないのは、ファンにとっては物足りなさを感じるか、彼の老いを痛感せずにすんでホっとするか。たぶんそのどっちも…あと、リッチー監督の友人の某有名人(元サッカー選手)がチョコっとカメオ出演してます。ぜんぜん気づかなかった!後で教えられて、え!と思った私です。
 それはそうと。かつてドイツが東西に別れていたことを、職場の若い子(ゆとり)が知らなかった事実に衝撃!ちなみにその子は、ドリカムがかつて3人組だったことも知らなかった。
 
 同じガイ・リッチー監督の「シャーロック・ホームズ」は大ヒットしてシリーズ化もされたのに。わし的にはアイアンマンとM字ハゲコンビより、こっちの若くてイキがいいコンビのほうが好きなんだけどな~。コケちゃったみたいなので、続編はないんだろうな~。残念。
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受話器の向こうの悪魔!“おたくの息子さんを…”

2015-12-06 | 韓国映画
 「あいつの声」
 人気キャスターのギョンベの一人息子サンウが、何者かに誘拐され身代金を要求される。ギョンベ夫妻と警察を嘲笑うかのように、犯人は彼らを翻弄するが…
 実際に韓国で起こった未解決事件をモチーフにした映画。怖い、不気味な作品でした。私、貞子とかジェイソンとかいったホラー映画やスプラッタ映画なんか鼻で笑っちゃうし、幼い頃もお化けやジェットコースターなど全然怖がらぬ可愛げのないガキだったのですが、現実に起きた殺人事件とかには異常に怯えてました。特に通り魔と、子どもの誘拐事件には。某有名事件が起きて日本中が大騒ぎになった日、ショックと恐怖で高熱を出して翌日は学校を休んだことを、今でもよく覚えてます。どんなに怖い小説も映画も、しょせん作り物。現実のほうが、はるかに恐ろしい…
 それにしても…この映画みたいな事件、現実に起きただなんて信じられない、いや、信じたくない。何の罪もない、いたいけな子どもが犠牲になることほど、悲痛な悲劇はありません。サンウくんが、これまた可愛らしい男の子だったので、よけい胸が痛んだ。サンウを、見るからに愛らしい美少年にせず、ふとっちょのドンくさい子にしたのは、かなり秀逸なキャスティング。肥満児なサンウが、ママの厳しいダイエット強制にウンザリしたり、優しいパパに甘える姿が微笑ましく、ほっこりさせられます。それだけに、悲劇がいっそう…世の中ほんと、不公平で神も仏もないな~と、暗澹とせずにはいられません。

 韓国の犯罪映画を観ていつも思うけど…韓国の警察、どんだけ無能なの?!と、サンウの両親じゃなくても憤りを禁じ得ません。とにかく、すごい適当で無気力。まともに調べる気も捕まえる気もなさそうなんです。手掛かりもチャンスもいっぱいあった。犯人の乗った車のトランクに、刑事が隠れてたのに!あんなに犯人に近づくことができたのに、まさか!ありえない!な失態に茫然。あれが事実なら、社会問題になってるはずですが。まあ、日本だってかつては、吉展ちゃん事件とか狭山事件とかで、信じられない失態を犯してますけど…さすがに現代の日本で同じ過ちは、いくらなんでも考えられない。韓国って、実際にも10人20人が殺されるって残虐な事件、よく起こるじゃないですか。そんなに殺されるまで犯人が野放しになってるとか、日本じゃありえませんよね~。犯人も許せないけど、警察の無能さもまた罪深い。取り乱すギョンベ夫妻に対する刑事たちの無神経で不寛容な態度も、刑事の資質より人間性を疑うレベル。捕まらなかった犯人が狡猾だったのではなく、警察があまりにも無能だったから。それが痛恨すぎて、いたたまれなくなります。

 ギョンベ夫妻を弄ぶ犯人からの脅迫電話が、おぞましすぎ。妙に丁寧な言葉遣い、感情のない声音、侮蔑を含んだ冷笑、『サンウを飢えさせます』『殺されてもいいと思ってるんですね。あなた本当にサンウの父親ですか』等、親の心を刃物で刺すような残酷な台詞とか…まるで犯人の目的は、金よりも二人を苦しめることのようだった。あんな目に遭ったら、私なら精神崩壊するわ~。あれは究極の拷問ですよ。自分が殺されるよりも、はるかに耐えられない苦痛と恐怖。まさに生き地獄!結局、金も奪われて、あげくは…日本では営利誘拐は絶対に成功しない、と言われてますが。韓国って、凶悪な人間がスルっと悪事を行えたり身を潜めたりできる土壌が、日本と違ってたくさんあるんだな~と、この手を映画を観るたびに戦慄してしまいます。何もかもに恵まれたギョンベ一家への、いや、底辺者は決して這い上がれない格差社会への怨嗟も、犯行の根底にあったように思えます。

 ギョンベ役を、名優のソル・ギョングが大熱演。最近作の「監視者たち」では、大杉連みたいなおじさんになってましたが、この映画ではまだちょっと若くて、何となく内野聖陽っぽく見えてカッコよかったです。でもこの映画の最大の話題、見所は、姿なき誘拐犯役を人気イケメンスターのカン・ドンウォンが演じてたこと。顔は見せず、主に声だけ。見せるのは後姿とか遠くに立ってる姿のみで、はっきりとした正体をいっさい現さない演出が、犯人の不気味で忌まわしい存在感を強烈に醸してました。

 底なしの絶望、容赦のない非情さ救いのなさは、まさに韓国映画ならではでした。こういう恐ろしい映画、たまには邦画でも観たいな~。もうオコチャマかジジババ向けの映画しか、日本では作れないのかな。もし日本でリメイクされるとしたら、理想妄想イルボンキャストは…
 ギョンベ … 内野聖陽
 ギョンベの妻 … 和久井映見
 犯人 … 向井理
 こんなん出ましたけどぉ~?姿をはっきり見せず、冷侮に満ちた声と嘲笑で内野&和久井をいたぶるムカイリー…いいですね~。ゾクゾクしますわ。意外と、いや、かなり適役かもしれません!池松壮亮、松坂桃李とかでもいいですね~って、単にわしが好きなイケメンにやってほしいだけ

 ↑あの東村アキコ先生もズッパマリしたというカンちゃん。すっかり映画俳優になっちゃってるみたいですが、もうTVドラマには出ないのかな。「1%の奇跡」のカンちゃん、好きだったな~。最新作の「黒い司祭たち」は、なかなかの問題作みたいなので日本公開が楽しみ♪
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遺産争族③~⑦ 意地汚いまね、しないでください

2015-12-03 | 日本のドラマ(連続)
 向井理主演の「遺産争族」第3話から7話まで観ました♪

☆加トちゃん?!
 タレントのブーム北川の葬儀で、実子と親子ほど年の離れた後妻がバトル。某大物お笑いタレントの近い将来?!
☆ニン♪伊東家の食卓!家庭内争議の裏技
 家族がギャーギャー騒ぐと、ううっと発作を起こしてあわや危篤、でもしぶとく三途の川は渡らず、いつの間にか元気になって何度も家族の間で争いを勃発させる伊東四朗が、やはり最凶キャラですよね~。たぶん彼、最終回になってもくたばらないと思う。一徳のほうが先に逝きそう
☆ヒマそうな研修医
 育生、病院でゆっくり独りで考え事してたり、家族に会ってたり。プライベートな時間もいっぱいあるみたいだし。研修医って、そんなに忙しくないの?
☆いっけいの壁ドン!
 死神社長に造反し、専務の室井滋に急接近する渡辺いっけい。室井&いっけいが繰り広げる濃ゆいコントが楽しい。私もいっけいに壁ドンされたい!福士蒼汰より、いっけいにされたい!

☆髪つかみ合い喧嘩
 ついに強欲な本音丸だしで仲間割れする三姉妹。いい年したおばはんたちが、小学生以下な喧嘩。醜悪で滑稽だけど、私あんな風にケンカしたことないので、何か羨ましい。やってみたい!
☆実家に帰らせていただきます!
 未提出、しかも真っ二つに破かれた婚姻届け!義理の父の陰湿な仕打ちに、さすがの育生もプッツン。実家に帰らせていただきます!って、大時代な台詞、しかも男が。なかなか見られないシチュエーションで笑えた。

☆意地汚いまね、しないでください
 自分と母親を捨て絶縁状態だった実父が、育生の前に現れて不穏な空気が。「サイレーン」でも好演してる売れっ子、光石研さんが善人そうだけど胡散臭い男役で、いい味だしてます。金せびりに来たに違いない、と誰からも疑われてる父に向ける、育生の冷たい目、よそよそしい態度が素敵。予感的中、義父の前で金に困ってるみたいなことを言い出した父に放った、育生の冷ややかで辛辣な台詞がチョベリグ(死語)!ムカイリーって、こんな他人を軽蔑しきった冷たい台詞が似合いますね~。結局いい人だった実父ですが、私が育生ならあれぐらいで許したりしないな~。

☆意外とキレやすい男
 人間、異様な事態に陥ると、もう笑うしかない心境に。耳障りすぎる、神経を逆なでする一徳&余の哄笑にキレた育生が、あんたらバカ!バカ!バカ!と罵倒アゲイン。嫁の親を指さしてバカ呼ばわりって、なかなかできないですよね~。
☆乱妻
 どんどんコワレていく余貴美子。前から離婚したかったのよおおお~ヒヘヘヘヘェ~♪と、死神夫もドン引きする狂乱姿がホラーでした。

☆コソ泥風でもイケてる
 自分に全財産を譲るという新しい遺言書を、入院中の爺に書かせる育生。でもハンコは家の爺の部屋に。夜中、こっそり爺の部屋にしのびこむ育生ですが、フードかぶってコソ泥風でも超おしゃれに見えた!
☆五郎丸いっけい
 室井滋と一緒に、育生が破廉恥な悪徳医者だという怪文書を作成する渡辺いっけいの、意味不明な五郎丸ポーズが笑えた。怪文書の低レベルな内容も笑えた。

★総括
 ほんとなら浅ましくて醜い話なんだけど、コミカル調で滑稽なところが好きです。三姉妹が、そろって悪賢くもなく陰湿でもなく、単純で浅はかな女たちなので、親近感を抱けます。あの三姉妹が冷酷な悪女だったら、とっくに犬神家の一族と化してますよ。
 育生の、優しさと屈折が入り混じったキャラも好き。でももう、最初の頃みたいに謎めいた男じゃなくなってきてて、優しい仮面の下に狡猾悪辣な本性を秘めてるのでは、という期待もハズれたみたいで残念。あんたらに毒されて、僕も金が欲しくなりましたよ、なんてウソぶいても、そうじゃないことはミエミエで、結局まるくおさめちゃうんだろうな~と思うと、やっぱりそうなるんだよなという予想通りさにガッカリもします。せっかく裏表がある冷たい役が似合う向井理なので、真っ黒とまでは言わないまでも、せめて灰色な役にしてほしかったな~。

 ↑このドラマでも、向井理のさりげなくて清潔感があるファッションが毎回楽しみ。早くも来春のNHK朝ドラ出演が決まったムカイリーですが…彼も毒にも薬にもならん、CMで稼ぐためイメージダウンを恐れて挑戦とかしない無難な俳優になるのかな~…
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黄金の女を取り戻せ!

2015-12-02 | 北米映画 15~21
 「黄金のアデーレ 名画の帰還」
 弁護士のランディは、母親の友人であるオーストリア出身の老婦人マリアから、ナチスドイツがマリアの家族から奪ったクリムトの名画“黄金のアデーレ”を取り戻したいと相談を受けるが…
 佳い映画でした!感動した!by 小泉純一郎(古っ!)。悲しい話で泣かせようとするお涙ちょうだい系は苦手ですが、こういう弱い立場の人が巨大な力にも屈せず、勇気と信念をもって立ち向かう系は清々しくて痛快です。アメリカ人も好きそうな話。かなりアメリカ人の自尊心をくすぐる内容だと思うし。オーストリアではほとんど門前払いな扱いを受けたマリアとランディを、受け入れて応援したのがアメリカ。アメリカって、寛大で公明正大!弱い者の味方な国!オーストリア?カンガルーが好き!とか言うアメリカ人の無知さが笑えた。それにしても。オーストリアにとっては、とんだ災難。いきなり国の宝物を奪われそうになって、迷惑困惑!頑として返却を拒むオーストリア側のメンツとか国の威信を守りたい気持ちも、よく解かる。でもね~やっぱ盗品、しかも世界中から憎まれてるナチスがらみ、というのはマズかった。あの絵にまつわる悲劇を知ったオーストリア人が、我々が持っててもいいんだろうかと疑問に思うのも当然。あんたらはナチスに加担した!多くのユダヤ人をナチス同様に虐げた!私は家族と祖国を失った!と、マリアが人情に訴えてきたのも効果てきめんでした。心あるオーストリア人なら、罪悪感と正義感から絵への執着心が薄まるだろうし、泥棒扱い、ナチスの仲間呼ばわりされてまで持っていたくないと思うでしょうし。もし奈良の大仏さまが他所の国から盗んできたものと判明し、その国が日本人を泥棒扱いし、返して!と訴えてきたら、そんなん返せばいいわ!と多くの日本人も思うだろうし(たぶん)…

 それにしても。今年はまるでナチス祭り?!なほど、ナチスがらみの映画が次々と公開されていますが。あらためてその極悪非道さに戦慄&悲憤。ユダヤ人虐殺のみならず、美術品泥棒まで。ナチスが悪魔なのは言うまでもないけど、ナチスの言いなりになってユダヤ人を虐げたオーストリア人の卑劣さ、醜さも正視に耐えない。仕方がなかった部分もあったとはいえ、あんな風になってしまうものなんですね。人間って怖い、弱い。マリアが母国を許せない気持ちも痛ましかった。あんな目に遭ったら、確かに帰りたくないですよね~…ラストの裁判の判決と、マリアが懐かしい生家で見た在りし日の家族、そしてアデーレの幻は、怒りと憎しみを乗り越えたマリアの母国への赦しを意味するように思えて、ちょっとホロリとさせられました。

 マリアが名画を取り戻したい理由が、お金じゃなかったのも観ていて爽やかでした。いま観てるドラマ「遺産争族」の遺産10億円どころじゃないお宝ですからね~。みみっちい成金一家の争いではなく、国家がらみの闘い。スケールが違います。訴訟を起こす現代のマリアと、ナチスドイツ時代のマリアが交錯する構成も、なかなか巧みでした。マリアと夫の国外脱出も、サスペンスフル。あそこも実話なのかしらん?映画風に話を盛ってるようにも感じたが。有名なクリムトと、モデルとなったマリアの叔母アデーレは、いったいどういう関係だったのかしらん?二人はほとんど出てこなかったので気になる。幸か不幸か、若くして亡くなったアデーレですが、もしあの肖像画にアデーレの魂が宿っていたら、あのままそっと故郷のウィーンに残っていたかったでしょうか、それともマリアのように自由の国アメリカへ行くことを望んだでしょうか。判決の結果をどう思うか、アデーレに問うてみたい。
 ヒロイン、マリア役のヘレン・ミレンが、またまた素敵マダム!

 80代の老女役にしては、ちょっと若々しすぎますが、颯爽と溌剌とした小気味よいミレンおばさまは、本当にカッコいい女性。キリっと毅然としてて、あの背筋ピーンな姿勢のよさに惚れ惚れ。たまに顔が、遺産争族の室井滋に似て見えたが。どんな悲しみにも苦しみにも屈しない強さが、全身からにじみ出てます。劇中の偉い大臣とか学者、裁判官よりも、はるかに威厳があるミレンおばさまasマリア。そりゃまあ、何てったって「クィーン」ですからね~おちゃめでシニカルな言動もクスっと笑えた。常に身だしなみを気にし、フェミニンさを保っているところが、老いさらばえた媼と違います。まさに一生涯現役女!なミレンおばさま。“ナチュラル”と“ほったらかし”は違うことも、いつもミレンおばさまには教えられます。

 ランディ役のライアン・レイノルズも想定外の好演。大女優ヘレン・ミレンの前で霞んでるかと思いきや、堂々たるW主演ぶり。スターになり損ねた感じの若い頃と違って、地味ながらもいい感じに大人の俳優に成長しているのではないでしょうか。まだでもセクシーなタフガイ役とかも十分できそう。最近人気の英国男優とは違う、いかにもアメリカ男!な朴訥な見た目も好きです。
 ウィーンでマリアとランディを助けるジャーナリスト役で、大好きなダニエル・ブリュールが登場

 ブリュっち、可愛い~彼ももうアラフォーですが、若々しいですね~。まだ青年っぽい。優しくて知的な熊さん、いや、最近はカワウソさんなブリュっち、相変わらず英語ペラペラでカッコいい。ますます国際的な活躍が嬉しいです。
 その他に、チャールズ・ダンス、ジョナサン・プライス、エリザベス・マクガヴァンなど、シブいメンツも小さい役ながら味わいある好演。
 ウィーン観光気分にもなれるのも、この映画の魅力。ウィーンにも行ってみたいな~。マリアたちが休憩してた観覧車のある公園は、あの有名な?

 ↑まさに女王さま!
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サイレーン③~⑦ お花畑刑事!

2015-12-01 | 日本のドラマ(連続)
 松坂桃李主演の「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」第3話から7話まで観ただよ…

☆ファンサービス?
 気のせいでしょうか?毎回、トーリくんのシャワーシーンや入浴シーンがあるような。トーリくんはガリガリなので、脱がないほうがいいかも…
☆パクリ?
 事件の概要や関係者の写真をボードに貼って、赤い糸でつなげて推理する偲。ん?これって、何か洋画か海外ドラマで見たことがあるような…
☆キャナメ!
 怪しい整形外科医役、要潤がキモ笑えます。ホストクラブの店長みたいなファッションが素敵。変態ロリコン役とか、よく引き受けたな~。彼もカラに成敗?されたようだけど、死体は見つかってないし、生存してるのかな?再登場が楽しみです。

☆無能刑事
 夕貴と偲が、お花畑で無能すぎるのが気になります。偲の変装は素人以下だし尾行も下手。危険な連続殺人鬼と見なしてるはずのカラに、素人の女の子たちを接近させて身辺を洗おうとしたり。夕貴はいくらなんでもカラに隙がありすぎ。何でもペラペラ部外者であるカラに喋ってるし。だいたいこの二人、まともに仕事してるシーンがほとんどないんですよ。非番や空いた時間にカラのことを探ってるらしい偲ですが。非番、空いた時間がありすぎじゃね?夕貴なんか、しょっちゅう道場で柔道してたりジムでスカッシュしてたり、カラとオサレな店でお茶やランチしてるし。警視庁の刑事がそんなにヒマなわけない!

 捜査一課に行きたがってる偲&夕貴ですが…ろくに仕事もせず手柄も立てず、大学のサークル活動みたいなノリで仕事と恋愛の公私混同してるオコチャマカップル、捜査一課には不要でしょ~。あんなのがもし入れたら、日本の警察は終わりですよ。それにしても夕貴みたいな女、いますよね~。大したことないのに自分を過大評価してて、異常に上昇志向が高く自己主張が強い女。夕貴をデキる女に見せることに失敗してるのが、このドラマの致命傷だと思う。

 夕貴って、基本は警察の女子寮に住んでるはずなのに、ほとんど偲の部屋か実家にいますよね?これも警察組織的には問題なのでは。残業とかもしてなさそうで、実家で仲良く両親と晩御飯食べてるシーンも多いし、私生活のファッションは体育会系女とは思えぬガーリーさだし、偲との恋愛とかも、とても刑事とは思えない。ほとんどスウィーツOLです。捜査一課捜査一課~って言ってるのも、地味な総務部から花形の企画部に行きたい~なOLのノリ。
☆日本の警察がこんなわけない!
 夕貴と偲の弟分みたいだったお巡りさんが、いつの間にか刑事になってたり。こいつがまた、夕貴&偲、チビデカ以上に無能そう。わき見運転でブレーキアシストするし。こんな刑事イヤだ~。

☆OLかよ
 捜査一課にスカウトされる夕貴。ええ~?!何で~?!どこまで人材不足なの。でも、偲との関係にケリがつくまでは、と返事を保留。いいご身分だな!捜査一課も待ってくれるだなんて、ありえねー!
☆ストーカー被害者に冷たい警察
 カラにそそのかされ、偲がストーカーしてると警察に訴えてくるカラの同居人の中年男(光石研さん、「遺産争族」にも出てますね)。対応する男言葉の女刑事が、ぞんざいで上から目線すぎ!まともにとりあってくれないなんて、桶川のストーカー殺人事件を思い出しました。

☆仕組まれたレイプ!
 カラの罠にハマり、レイプ未遂犯になってしまう偲。のこのこホテルに行ったり、カラに携帯盗まれたり、こいつホンマに刑事かよ~な偲のトホホぶり。素人が見ても矛盾点いっぱいあるのに、適切で鋭い追及をすることもなく全面的にカラを信じる夕貴も、刑事の資質に欠けてます。
☆コスプレ監禁
 監禁した夕貴に、府警さんの制服や乙女ちっくなミニワンピースを着せていたぶるカラ。意味が解らん~。お笑いシーン?
☆お父さん落下
 少女時代のカラ、橋の上から酔っ払いの実父を突き飛ばす。お父さんがゆっくり落ちていくシーンが、何か叙情的で美しかった。
☆キャナメ生存!
 監禁されてる夕貴の前に、あのロリコン変態整形外科医が現れ…キャナメ、やっぱ生きてたんですね!よかった♪
★総括
 出てくる刑事が、誰一人有能そうじゃないのが、笑えない。何もかもが軽すぎる。大人が楽しめる内容じゃない。視聴率ガタ落ちにもなりますよ。狂気のサイコサスペンス、警察ドラマを期待してた私がバカだったのでしょうか。海外のすぐれた刑事ドラマや、カッコいい女刑事を見慣れてる人には、とてもじゃないけど観てられないかも。
 木村文乃ちゃんの力量不足露見が残念。デキる女刑事役が向いてない、というのはまだいいとして、役作りの努力が全然見えてこない。トーリくんもカッコいいけど、それだけ。はじめの頃は独り気を吐いてた菜々緒にしても、もうコントにしか見えないし…最終回までの完観がキツいわ~…

 ↑細すぎる~。女より細い。トーリ、もうちょっと肉つけて!
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