まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

Adeiu,la vie

2006-07-11 | フランス、ベルギー映画
 雑誌の星占いとTVの血液型占いで、近々とても素敵なことがあるかも、と。
 お茶を淹れると、茶柱が。
 こりゃ、マジで人生最大の幸運が待ってるかも!?と、柄にもなく密かにウッキウキ気分に。
 家に帰ると、やはり待ってました幸運が。
 “○○(漫画のキャラクター)タオル、当選”
 懸賞など滅多に当たらない私なので、嬉しい珍事には違いないけど...
 タオルかよ。せめて、第一希望のPSPだったら良かったのに...
 私の幸運って、やっぱこの程度なんですね...
 

 「ぼくを葬る」
 メルヴィル・プポー、う、美しい...
 そんじょそこらのイケメンじゃないよなあ。ほんと、女も男も関係なく虜にしてしまう、ユニセックスな魅力です。
 冷たく傲慢かと思えば、優しく翳りのある言葉や笑顔で、女の心をズキュン艶っぽい瞳や唇で、男の股間もバキュン存在するだけで、誘惑的な男。過酷な運命でさえ、美しい夢幻にしてしまう...
 とにかく、メルヴィル・プポーの美しさと魅力に酔う、それだけの映画。

   アップにここまで耐えられる男優は、最近では珍しい。目がきれいだなあ。男の子との全裸のベッドシーンも、リアルだけどイヤらしくない。色白で痩身だけど、ガリガリではない、しなやかな体つきが、色っぽい。
 この映画のメルヴィルって。男の子にとっては、甘えたくなるクールでカッチョE兄貴。女にとっては、甘えてほしくなる可愛い美青年。ああ~YAOI理想形男子じゃ!
 病魔に犯されて、どんどん衰弱していく姿も、壮絶だけど、これ見よがしな熱演ではなく、あくまでフォトジェニック。本当に美しい男は、ゲロ吐いてのたうちまわっても、坊主頭にしても、何やっても絵になる!
 もちろん、ただ美しいだけじゃなく、メルヴィルの役者魂も素晴らしい。日本の同世代の男優(キムタコとか、おにぎりジョーとか)に、あの役あの演技は、無理だろうし。

 車の中での父親とのシーンは、かなり危険なムードでドキ!ちょっとメルヴィル、それは実のパパでしょ!?ジャンヌ・モローとの絡みも、祖母と孫というより、めちゃくちゃ年の離れた恋人同士みたいな雰囲気だし...
 フランソワ・オゾン監督らしく、お涙ちょうだい闘病ものとは全然違う、不思議な映画でした。
 余命いくばくもない主人公が、残された時間に周囲の人間とベタベタした愛情物語を展開するのでははく、苦悩も葛藤も絶望も独りで、自分以外のことは全て突き放して死に臨もうとする姿は、エゴイスティックだけど、潔い。
 夢物語の終幕のような美しすぎる最期。絶対ありえないけど、私もあんな風に美しく逝きたい~!

 それにしても。これって、マドモアゼル・オゾンが、メルヴィルに恋して作ったとしか思えない映画?聞けば、念願かなってのメルヴィル起用だとか。
 「バッド・エデュケーション」で、可愛いガエルを思うままに弄んだ?アルモ姐さんに負けてたまるもんですか!みたいな。
 アルモやオゾンにとって幸か不幸か?ガエルもメルヴィルも、女のほうが好きな男...そんな、現実では届くことのない、切ない気持ちや欲望が、嗜虐的な創作意欲となって、映画の中で思う存分、美青年たちにアンなことコンなことをさせてしまうのでしょうか。
 天才的オネエ監督たち、恐るべし!でも、男優を真に独創的に美しく撮れるのは、彼女?たちなのかもしれません。
 三島由紀夫も、ある作品の中で書いてましたが...同性をも魅了できる男こそ、本当に魅力のある男。豊かな才能と、厳しい観察眼を持つゲイ術家のインスピレーションを刺激するのは、男優にとって役者冥利につきることでしょう。
 今後も、アルモやオゾンが、どんなイケメンを愛と妄想の毒牙にかけて、いっそう魅力を発揮させるか、楽しみです。

   ↑ プロモで来日したメルヴィル
 
 
 
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アキヒト&コータロー 

2006-07-10 | 日本のドラマ(連続)
 先週の録画Mステを、まったり独りで観ました。

近畿キッズの顔丸
 あうう...何なの、この子。方向性が解からない。いったい何がしたいの?たぶん、彼のファン、いえ彼自身に尋ねても、明確な答えは返ってこないでしょう。
 もうイタすぎて、イチャモンつけるのも憚りが。可哀想というか。見て見ぬ振りしてあげなきゃ、みたいな。ますます浮腫んだ顔も、ヤバい感じ。
ミスチル
 近畿の顔丸と同じ画面に映ってOKなの?前に週刊誌とかで、顔丸の歌はミスチルのパクリ!と糾弾されたこともあったような...
 桜井、ますます小泉首相に似てきたような...「ほうき星」は、むかしのミスチルっぽくて良いかも。
木村カエラ
 やっぱ可愛いね。さっぱりした感じが好き。意外と小柄だったんですね。
ボニーピンク
 嫌われ松子で使われてる歌が聞きたかった。
ポルノ
 あいや~!リィウたん、じゃない、昭仁くんloveやっぱリィウたんに似てますね。可愛いぞ!カラダ鍛えてるのかな?何かガッチリした感じになってるような。でも目の下のクマが気になる...
 昭仁くんの広島弁訛りトーク聞きたかったのに、なぜか近畿顔丸が絡んできて、ううう。早送り!タモリ、余計なことすんな!
コッコ
 このキャラ、天然?作り?どっちにしても、ヘンな女だよなあ。水玉のワンピースは可愛かった。
アクア何とか 
 ボーカルがブサイクなので、早送りの刑...

 録画したのを忘れてた土ワイも、ついでに観た。
 小林ネンジ主演のガードマンシリーズ。愛しの小泉コータローが、唯一主役級の役をもらってる、貴重なドラマ!
 ドラマの内容は、ラストに犯人がビルの屋上で犯行を告白したりと、ベタな2時間サスペンス。容疑者役の内野朝陽(確か、ブタキョンの彼氏?)がイケメンだった。
 ガードマン制服のコータロー、カッコカワいい!こんなイケてるガードマン、いねぇよ!
 コータローって何やっても、血は争えないというか、それを消せない演技力の欠如というか、ほんと良家のボンボン!って感じ。
 このシリーズで楽しみなのは、コータローのファッション。私服が、いつもオシャレ。ガードマンの給料で、そんな高価そうな服、買えるの!?
 コータローが7番手ぐらいの脇役で出てる、よねくら猟子主演の連ドラも観なきゃ!
 でもコータローの出るドラマって、ロクなのがないから、最後まで観たためしがないんだよなあ。観たのは「義経」ぐらいかな。平家のボンボン御曹司、コータローにピッタリな役だった。
 まだ演技力は皆無に等しいけど、コータローのボンボン的魅力は、希少価値があるのでは。もって生まれた品こそ、コータローの武器!
 そこそこ演技が巧い役者なんて、吐いて捨てるほどいるし、競争も熾烈。なので、コータローには、他の追随を許さないほどの、おっとりと余裕のある大根役者という市場を独占することで、しぶとく芸能界をサバイバルして欲しいものです。
 
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愛があるから大丈夫なの

2006-07-08 | 北米映画 60s~70s
 台風が、西日本に接近中。いま、暗黒の空に、いかずちの妖光と轟きが。怖い...
 独りの部屋で、ビクビクしながら読んでいる週刊誌。
 『オリエンタルラジオ 赤坂御用地に不時着!』
 厳重注意で済んだらしいけど、世が世なら、不敬罪で銃殺刑ものだよなあ。でも、あっちゃん好き...TV局が悪い!
 『鈴香容疑者 彩香ちゃんに掛けられていた3000万円の保険金“事件後、彼女は突然太った”』
 最近は、鬼母か狂ガキのニュースばかり。すさんでる...
 『月9 亀梨くんを、おじゃま撮』
 最近のmy最大の謎・亀無し。近くのコンビニやゲーセンに、こんな子いっぱいいるぜ。うちのダミアンのほうが、100倍イケメンよ!
 ひえっまたカミナリが!きゃ、こわい♪とか言って、すがる胸もない...とめて そのショパン 彼にはもう逢えないの...Haah...小林麻美を気取って、アンニュイに溜息。ショパンじゃなくて、外から騒音ちっくなオレンジレンジの歌が。うるせえんだよ!
 Mステ録画したのを観て、寝ます...

「招かれざる客」
 最愛の娘が連れてきた恋人は、黒人だった...両親は、果たして彼を受け入れることができるか?
 往年の名作を、やっと観ることができました。
 今でも有色人種への差別・偏見は根強いのに、60年代のアメリカ社会で白人と黒人が結婚することは、まさに天変地異の異常事態だったことが、両親の狼狽&苦悩ぶりに見てとれます。
 両親が手放しで賛成できず、動揺するのも理解できる。彼らの葛藤も、とても人間的で、共感できます。
 人種間の問題よりも、浮き彫りになる父親と母親、男と女、親と子供の考え方のギャップが、興味深かったです。
 重苦しく深刻な調子ではなく、デリケートで深いテーマを、軽やかに優しく描いているところが、素晴らしい。アカデミー脚本賞を受賞したのも納得。
 ただ、みんな超いい人だったのが、やっぱ理想的すぎるかな、という感じも否めません。この映画の両親と子供のように、教養と理性と生活の余裕と思いやりがあればこそ、成就できる愛。世の中、そんな立派な人は稀だから、うまく行かないことのほうが圧倒的に多いんだろうなあ。
 公私ともに名コンビだったスペンサー・トレイシー&キャサリン・ヘプバーン最後の共演作。トレイシーは、これが遺作に。ヘプバーンは、2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。彼女のシャープだけど、感情の機微を細やかに表現する演技は、ほんと見事です。
 娘の恋人役は、黒人スターの先駆け的存在、シドニー・ポアティエ。知的で誠実そうで、どこからどう見ても善人。ちょっと優等生すぎるかも。ケチのつけようがないキャラです。
 my motherいわく。もし自分の娘が、デンゼル・ワシントンやウィル・スミスみたいなルックスの、いや、サンコンさんやニカウさんみたいでもいい、黒人の超エリート医者を連れて帰ったら、どうぞ結婚してやってください!と、諸手を挙げて&平身低頭で大歓迎するとか。逆に、キムタクや赤西みたいなイケメンの無職プー太郎は、絶対イヤ!だとか。

 
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検事JLT 熱い暗黒

2006-07-07 | フランス、ベルギー映画
 今夜は七夕、星合の夜です。
 織姫と彦星のように、あまたの恋人たちが、たまさかの逢瀬に歓喜の涙で濡れ合うことでしょうか。
 年に一度でいいから、逢いたい...という人よりも、年に一度だけ会ってすめばいいのに...な人しかいない私って、本当に寂しい悲しい人間です。What should I wish upon a twinkle little star...?

「Z」
 カンヌ映画祭パルムドール&アカデミー外国語映画賞をW受賞した作品。 
 軍事政権下にある架空の国で起きた、要人の暗殺事件。その真相を不気味に包み隠す、恐るべき巨大権力の暗闇...
 複雑に激しく入り乱れる極右、左翼...硬派で骨太な、政治色コテコテの映画ですが、エンターテイメント色も濃く、緊迫したサスペンス&ミステリータッチで、最後まで飽きることなく観られました。

 暴力的なデモや闘争の血なまぐささや、真相を闇に葬り去ろうとする当局の陰謀・圧力が、熱気と迫力ある映像で描かれていて、怖いです。人一人の命なんて、巨大な権力の前では、虫けら同然。権力に逆らう者は、害虫として駆除される。
 平和ボケの現代日本に生まれ育った私なので、こんなの映画の中だけ!と他人事に思ってしまいがちですが、それは危険でしょうか。むかし付き合ってた左翼思想の男に、東京のいたるところに監視カメラが設置されているのも、盗聴法も、国が我々を管理支配しようとしているのだ!その危険性に気づくのだ!と、説教されたことがあります。
 キャストも素晴らしかったです。

 暗殺される左翼政治家に、イヴ・モンタン。シブくて重厚だけど、どこか洒脱で小粋なおじさまの魅力が素敵。
 この映画でカンヌ男優賞を受賞した、検事役ジャン・ルイ・トランティニャンが、トレビアン!当時、彼は30代後半。「男と女」や「暗殺の森」前後の最盛期。クール&シャープ、知的でカッチョE!なぜか、メン・イン・ブラックみたいなサングラスをつけたままで、せっかくの男前を隠してるんだけど、でも薄く透けて見える目が、返ってその鋭さを際立たせていました。映画の始め頃は、あまり登場シーンや台詞がないんだけど、その存在感はビリビリ電気的。事件の真相を追究する姿の、冷徹な有能さが魅力的です。
 新聞記者役のジャック・ペランが、カッコカワいい。オーランド・ブルームを知的にした感じ?この映画の製作者でもあるペラン、可愛く優しい外見とは対照的に、とても硬派な男なんですね。似ていても、ヘナチョコOBとは違います。
 検事や記者の奮闘で、巨悪が追い詰められ、一掃されてメデタシメデタシ、かと思ったら、ラストにサラリと、とんでもないドンデン返しがあって驚愕&戦慄!勧善懲悪なんてない。彼らの闘いは所詮、蟷螂の斧に過ぎなかったのだ、という絶望感&無力感...
 同じコスタ・ガブラス監督の「ミッシング」や「ミュージックボックス」も、スリリングで怖い映画だったなあ。
 ちなみに“Z”とは、古代ギリシア語で、“彼は生きている”という意味だとか。
 
 
 
 
 
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ヒョク&ボムス 寄るな触るなハジけてトブさ!

2006-07-03 | 韓国映画
 自分の意志の弱さに、自己嫌悪です。
 たまに、わけもなく自虐的な気分になって、ストイックな課題を自分に強いることがあります。
 ちなみに、この7月は...①今月いっぱいは1日2食のみ②間食は絶対禁止③コーヒーは1日3杯のみ④休日はジョギング⑤夜10時以降は、何も食べない⑥寝る前に、英語の勉強&腹筋100回
 いつも最初の頃は、課せられた規律を守れてることで、何だか修行僧のような気分になって、清々しい自己満足に浸っていますが、3日ぐらい経過すると、何でこんなコトやってんだろ、バカバカし!でも...この程度も自分をコントロールできないほど、私はダメ人間なの!?と、葛藤。結局は、ひとつ、またひとつと脱落するという、妥協まみれな意志薄弱さに、トホホ。
 でも、一つか二つは、何とか死守しています。今のところは③と⑥が既に撃沈...早っ!
 自分にも他人にも甘い私なので、せめて自分にだけは厳しくなりたい。
 残り四つを守れたら、とてつもなく幸福になれる、でも破ったら、ちょっとだけ不幸になる、という願掛けをして、頑張ろう...
 
 「ジャングル・ジュース」
 その日暮らしなチンピラ二人が、コカインをめぐる暴力団や警察の抗争に巻き込まれて...
 「トレインスポッティング」と、日本のVシネマをチャンポンにした感じ?ノーテンキなハチャメチャぶりと、かなり血なまぐさいヴァイオレンスが、珍妙にブレンドされてる、みたいな。
 主役のチンピラ二人組が、チャン・ヒョク&イ・ボムスなのが嬉しい。
 チャン・ヒョクの、トボけたアホ顔&元気いっぱいハイテンションさが、可愛い。彼って、他の韓流男優と違って、どの映画も何となく違って見える、不思議な男。滑稽だけど、かなりエロいシーンもあって驚喜。必殺?の性技“風車”は必見!相手には、フツーにやってとボヤかれたけど、ヒョクなら私はOK!金目当てでババアとヤった後、トイレでゲーゲー吐いてたけど...いったい何をやらされたの?!
 見た目も特濃なイ・ボムスの、ピュア系なボケっぷりも強烈。キ〇タマが一個しかないってのが、笑えます。しょんべんチビったりもします。
 真人間にもヤクザにもなれない、ヒョク&ボムスのダメダメぶりが笑えるのと同時に、ヤクザと警察の残忍冷酷ぶりに、ううう...となってしまうシーンも多い。韓国のマル暴刑事って、ヤーさん以上に怖い...
 ちなみに、現在兵役中のヒョク、今年の秋にめでたく任務終了とか。いろいろ物議を醸した例の問題も、何だか懐かしい。どんな形で復帰するのか、楽しみです。
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Na shledanou

2006-07-01 | その他のヨーロッパ映画
 実録・乙女の事件簿「濡れたドライヴ~rainy day 待ちきれず...」(前編)
 朝は快晴だったのに、仕事が終わる頃には、どしゃ降りの雨。
 あ~まいっちんぐ。油断して、バイクで来ちまった。
Kくん『良かったら、乗りますか』
 後輩のKくん(阪神の金本似)が、親切なオファー。地獄に仏とばかりに、yes!と答える私。
 てっきり、私以外にもドヂでマヌケが同乗するとばかり思ってたので、助手席に私だけというシチュエーションに、あわわ!今さら、やっぱいいです、何て言えない。
 異常なまでに用心深いはずの私が、何という軽挙!パパとママに叱られる♪
 無口で無骨だけど、仕事ができて上下から尊敬&信頼されているKくんが、まさか大久保清になんかなるわけない。落ち着け!私は密かに自分を叱咤する。
 緊張すると、おしゃべりになる私の超くっだらない話を、聞いてるのか聞いてないのか、Kくんは無表情のまま。若い男にしては、異常にキレイな車内も、私を落ち着かせなくする。
 男は狼なのよ気をつけなさい~♪狼なんか怖くない~♪懐メロが、私の脳裏をグルグル。そんな時に、雨の外の風景は、ラブホのネオンだったり。
 Kくん、運転しながらチラチラと、あらぬ方へ視線を向けているではないか?ちょっと、どこ見てんのよー!焦る私。Kくん、何だか鼻息も荒いではないか?普段は冷静沈着なKくんに、いったい何が!?そして、不安(&ちょっと期待)に震える私に、何が待ち受けているのか!? 
 続く。

 「大通りの店」
 アカデミー賞外国語映画賞を受賞した、1965年のチェコスロバキア映画。
 チェコの映画は、初体験。オスカーを受賞しただけあり、なかなかの傑作でした。
 ナチス侵攻の脅威が忍び寄る、チェコの田舎町。お人よしの主人公は、ユダヤ人の老婆が経営する雑貨店の管理人になるが...
 冒頭から中盤までは、暗い時代の話とは思えないほど、ほのぼの&愉快な内容。
 おばあさん、ちょっとモウロク気味&耳が遠いので、緊迫した世情が全然わかってないところが、可笑しい。主人公と彼女の、噛み合わないトンチンカンなやりとりが、漫才みたいで笑える。
主人公『今日から俺が、ここの管理人ですよ、おばあさん』
おばあさん『ハイハイ、何が欲しいの?このボタンかい?』
主人公『そーじゃなくて、ユダヤ人は店を持てなくなったんだよ』
おばあさん『ハイハイ、今日は安息日だよ』
 ...みたいな調子で、おばあさんニコニコとボケまくり。それが、すごく可愛い。主人公が、そんな彼女に辟易しながらも、だんだん息子のように親しんでいく様子が、楽しく描かれていて、微笑ましくなります。
 でも!そんなほのぼのムードが、後半になると一転、まるで違う映画になったかのような、ヘヴィな展開に。
 ナチスのユダヤ人狩が熾烈化。おばあさんも連れていかれるのか!?不安感&緊迫感じわじわなムードになり、主人公同様、こっちもハラハラ。
 お人よしの主人公だけど、しょせん人間は小さい。絶体絶命の危機に陥った時、ハリウッド映画のように、勇敢なHEROになどなれない小市民的人間のリアルさが、悲しい...
 皮肉で悲惨な結末と、ファンタジックで幸福なラストシーンが、いつまでも胸に残ります。
 おばあさん役のイダ・カミンスカは、アカデミー主演女優賞にノミネートされたのも納得の名演(この年の受賞は、「バージニア・ウルフなんかこわくない」のエリザベス・テイラー。他の候補者も、ヴァネッサ&リンのレッドグレーヴ姉妹や、「男と女」のアヌーク・エメなど、国際的で面白いメンツ!)。
 それにしても。ほんとナチスって、悪逆非道なことばっかやってたんですね。アーリア人化政策だなんて、めちゃくちゃ過ぎて信じられない。あんな悪魔な法律がまかり通った時代に生まれなくて良かった...と、心から思います。
 
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