まつたけ秘帖

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悪魔退治の聖拳

2021-03-07 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭⑦
 「ディヴァイン・フューリー 使者」
 幼い頃に父親を事故で亡くし信仰心を失った格闘家のヨンフは、自身の右手にあらわれた奇怪な現象に悩まされる。エクソシストであるアン神父は、悪魔を祓う力が神から与えられたとヨンフに告げる。ヨンフはアン神父とともに、邪悪な悪魔崇拝集団との闘いに身を投じることになるが…

 パク・ソジュン主演のオカルト映画。オカルトといっても、名作「エクソシスト」や「オーメン」のような目を背けてしまうほどの恐怖や、おどろおどろしい禍々しさなどは全然なく、ジャンプとかで連載してる少年漫画の実写化みたいなアクションファンタジーな映画でした。ぶっちゃけ、オカルトファンが観たらトホホな内容。かくゆう私もがっかりしました。全然怖くないのが致命的です。悪霊に憑かれた者たちが、ブリッジ歩行や天井・壁歩きなど、ほとんどエクソシストのパロディで失笑。主人公が不思議な力が宿った手で戦うのも、何だか地獄先生ぬ~べ~みたいだった。悪魔崇拝集団がこれまたわけのわからない連中で、いったいどういう組織なのか、何がしたかったのか、ヨンフがなぜ悪魔を祓う能力を授けられたのか説明不足すぎなのも、薄っぺらい映画にしてしまった要因かもしれません。

 韓国はキリスト教の国なので、悪魔がテーマのオカルトが製作しやすく、かつ馴染み深いのでしょうか。「プリースト」もでしたが、エクソシストのパクリみたいになっちゃうのが惜しい。キリスト教のもつヨーロッパの洗練が、韓国に合ってないというか。韓国らしいエグさや不気味さを活かしたオカルトは、どちらかといえば非キリスト教の土着系新興宗教を扱った系統のほうに多いように思えます。でも、この映画を観た人のほとんどは、そんなのどーでもいいのです。みんなオカルトではなくパク・ソジュン目当てなんだから!

 ヨンフ役のソジュンくん、カッコよかったです。彼をカッコよく見せるためだけの映画なので、彼のファンなら満足できます。格闘家役ということで、人気を博したドラマ「梨泰院クラス」では封印していた肉体美も惜しみなく披露してます。やっぱ韓流男優は脱いでナンボですから。鍛えぬいた、でも不自然な人工的バキバキシックスパックではなく、肉厚・堅肉な筋肉が素晴らしい。キレッキレの格闘にも瞠目。韓流男優ってほんとに強そうですよね~。カラダがすごいというのもあるけど、アクションの迫力と俊敏さも並大抵ではない。あんなキック、日本の俳優には無理ですもんね。

 服を着るとスラっとスマートでスタイル抜群なモデル風に。手足が長くて顔が小さい!ほんと恵まれた肉体の持ち主なソジュンくん。まさに非一般人な風貌。ラブコメが多い彼ですが、顔はイケメンというより個性的というか、酷薄で冷酷そうな面立ちなので、悪役とか似合いそう。彼の無表情って結構怖いもん。素晴らしい肉体と個性を備えた俳優なのに、アイドルタレントにやらせてもいいような役ばかりなのが惜しい。ヨンフの死んだ父ちゃんを追慕するファザコンぶりとか、父ちゃんが夢枕に出てくるとか、梨泰院のセロイと同じ。似たような役、無難な役ばかりではなく、若いうちに役者生命を賭けるような役や演技に挑戦してほしいものです。

 アン神父役は名優アン・ソンギ。アン先生、久々に見ましたが、すっかりおじいさんになりましたね~。もう悪魔と戦う力がなくなってきてる老人の悲哀がよく出てました。孤独な者同士、父子のような情愛をはぐくむヨンフとアン神父なのですが、個人的にはもっと年齢が近い俳優同士の兄弟的ブロマンス、な設定だったらな~と腐願望。

 悪魔崇拝集団を率いる謎の青年社長役のウ・ドファンは、冷酷そうで薄気味悪い悪人顔で役に合ってました。アン神父の助手役の俳優、どっかで見たことあるな~と思ったら、ソジュンくんが友情出演した「パラサイト 半地下の家族」のチェ・ウシクだった。今度は彼が友情出演?ラストに悪魔が登場するのですが、手下をやっつけただけで終了、これから真の戦いの始まり、to be continuedな終わり方は、かなり消化不良な余韻。続編なんかないと思うし、あってもそんなに観たくないし、すっきり一件落着な結末にしてほしかったかも。

 

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