師走のbeau garçon映画祭⑤
「社会から虐げられた女たち」
19世紀末のパリ。上流階級の令嬢ウジェニーには、霊が見え霊と話すことができるという霊能力があったが、それを狂気と見なした家族によって精神病院送りとなってしまう。厳格な看護婦長ジュヌビエーヴは、ウジェニーにも厳しく接するが…
邦題が内容と合ってないし、センスが悪いと思います。精神病院での治療が確かに虐待、いや拷問に近い非道さでしたが、これは女性だけでなく男性も同じ扱いを受けたはずだし。当時の女性の社会的地位の低さや不自由さ、生きづらさがウジェニーの過酷な運命を通して描かれていましたが、虐げられたというより軽んじられたというほうがしっくりきます。でもほんと、づくづく思いました。今の時代に生まれてよかったと。もちろん現代にだっていろいろ問題はありますが、昔に比べたら権利も声高に主張できるし、よりよい人生を送る手段やチャンスもありますもん。
ウジェニー、不幸なことに生まれるのが100年早かった。美しく聡明で、向上心と好奇心が旺盛で行動的な女性だったのが、返って仇となりました。バカでブスで従順だったら、あんな目に遭うことはなかったでしょうし。それにしてもウジェニー、利発なのに不器用というか性格がまっすぐすぎるというか、あんなに気味の悪いオカルト言動したら、誰だって怖がるし怪しむし警戒もしますよ。もっと静かに心霊と向き合えばよかったのに。周囲をごまかす機転や知恵があればよかったのに。自分に正直に自由に生きることを目指したいけど、そればっかギャーギャー求めてると単なるヒステリーと見なされます。自分を抑えたり韜晦する術も必要だと思いました。
女性の生きづらさを訴えるフェミニズム、心霊現象や霊との対話などオカルト、狂気の治療と人体実験のホラー、ちょっと詰め込みすぎな感がなきにしもあらず。監督は抑圧された女性の苦しみ、試練を描きたかったけど、一般受けのためにオカルトとホラーの要素も加えたのでは、と観ていて思いました。ウジェニーとジュヌビエーヴがそれぞれ自室で夜に衣装を脱ぐシーンがあるのですが、下着だけになるまでにすごい時間と手間がかかって、毎日毎日死ぬまでこんなことしなやきゃいけないなんて、ほんと大変!可哀想!
ヒロインのウジェニー役は、「J'aime regarder les filles」や「ブラックボックス」でピエール・ニネの相手役を演じたルー・ドゥ・ラージュ。ヒラリー・スワンク+戸田恵梨香、みたいな顔の美人です。時代劇でも現代的な魅力の女優。すごい気が強そうなので、メンタル強靭な不屈の女役が似合います。霊が降りてきてイタコ化する狂乱ぶりや、検査や治療シーンでは一糸まとわぬ全裸姿にも堂々となるなど、女優魂も相当なものです。Wヒロインである看護婦長ジュヌビエーヴ役は、この映画の監督も兼ねているメラニー・ロラン。まだ若く見えるので、厳格で支配的なベテラン看護婦役にはちょっとそぐわないと思ったけど、鬼女かと思いきや実はいい人だとわかったら、優しそうで賢そうな彼女には合ってる役だと思い直しました。ラスト、可哀想なことになったけど、何でそうなるの?とも。当時だとああなっちゃうのでしょうか。
ウジェニーの弟役が、「Summer of 85」でキラキラBLを演じたバンジャマン・ヴォアザン。可愛い!やっぱ彼、ちょっと竹内涼真似?紳士ファッションにおひげ、大人な風貌ですがまだ少年っぽいです。20代前半ですからね~。若さは隠せません。Summer of 85同様、可愛いけどねっとり眠たげな目つきがエロい。自分の容姿に自信がないみたいな発言してましたが、何言ってんのと思いました。弟はブサイク設定?なら、すごいミスキャストです。美人の姉ちゃんに甘える姿も可愛い!シスコンなのかなと思いきや。姉ちゃんが真夜中に、ドアの隙間から目撃したのは何と!男と抱き合い熱い口づけを交わす弟!BLキター!またしてもBLなバンジャマンくんでした。彼のBLそのものは話にまったく関係なく、弟くんの出番もそんなに多くないのが残念でした。弟のBLを知って驚きつつイタズラっぽい微笑みを浮かべるウジェニー、そういうところも当時の常識にとらわれない女性だということが分かります。精神病院での地獄メニューな治療が怖すぎ。特に氷風呂。あんなん死ぬわ!
↑ 期待のボーギャルソン、バンジャマン・ヴォアザン。まだ25歳。アラフォーになったら色っぽい男になりそうですね。新作の“Illusions perdues”は、バルザック原作の時代劇で、グザヴィエ・ドラン、ヴァンサン・ラコスト、ジェラール・ドパルデューらを脇に従えた堂々の主演作です!
「社会から虐げられた女たち」
19世紀末のパリ。上流階級の令嬢ウジェニーには、霊が見え霊と話すことができるという霊能力があったが、それを狂気と見なした家族によって精神病院送りとなってしまう。厳格な看護婦長ジュヌビエーヴは、ウジェニーにも厳しく接するが…
邦題が内容と合ってないし、センスが悪いと思います。精神病院での治療が確かに虐待、いや拷問に近い非道さでしたが、これは女性だけでなく男性も同じ扱いを受けたはずだし。当時の女性の社会的地位の低さや不自由さ、生きづらさがウジェニーの過酷な運命を通して描かれていましたが、虐げられたというより軽んじられたというほうがしっくりきます。でもほんと、づくづく思いました。今の時代に生まれてよかったと。もちろん現代にだっていろいろ問題はありますが、昔に比べたら権利も声高に主張できるし、よりよい人生を送る手段やチャンスもありますもん。
ウジェニー、不幸なことに生まれるのが100年早かった。美しく聡明で、向上心と好奇心が旺盛で行動的な女性だったのが、返って仇となりました。バカでブスで従順だったら、あんな目に遭うことはなかったでしょうし。それにしてもウジェニー、利発なのに不器用というか性格がまっすぐすぎるというか、あんなに気味の悪いオカルト言動したら、誰だって怖がるし怪しむし警戒もしますよ。もっと静かに心霊と向き合えばよかったのに。周囲をごまかす機転や知恵があればよかったのに。自分に正直に自由に生きることを目指したいけど、そればっかギャーギャー求めてると単なるヒステリーと見なされます。自分を抑えたり韜晦する術も必要だと思いました。
女性の生きづらさを訴えるフェミニズム、心霊現象や霊との対話などオカルト、狂気の治療と人体実験のホラー、ちょっと詰め込みすぎな感がなきにしもあらず。監督は抑圧された女性の苦しみ、試練を描きたかったけど、一般受けのためにオカルトとホラーの要素も加えたのでは、と観ていて思いました。ウジェニーとジュヌビエーヴがそれぞれ自室で夜に衣装を脱ぐシーンがあるのですが、下着だけになるまでにすごい時間と手間がかかって、毎日毎日死ぬまでこんなことしなやきゃいけないなんて、ほんと大変!可哀想!
ヒロインのウジェニー役は、「J'aime regarder les filles」や「ブラックボックス」でピエール・ニネの相手役を演じたルー・ドゥ・ラージュ。ヒラリー・スワンク+戸田恵梨香、みたいな顔の美人です。時代劇でも現代的な魅力の女優。すごい気が強そうなので、メンタル強靭な不屈の女役が似合います。霊が降りてきてイタコ化する狂乱ぶりや、検査や治療シーンでは一糸まとわぬ全裸姿にも堂々となるなど、女優魂も相当なものです。Wヒロインである看護婦長ジュヌビエーヴ役は、この映画の監督も兼ねているメラニー・ロラン。まだ若く見えるので、厳格で支配的なベテラン看護婦役にはちょっとそぐわないと思ったけど、鬼女かと思いきや実はいい人だとわかったら、優しそうで賢そうな彼女には合ってる役だと思い直しました。ラスト、可哀想なことになったけど、何でそうなるの?とも。当時だとああなっちゃうのでしょうか。
ウジェニーの弟役が、「Summer of 85」でキラキラBLを演じたバンジャマン・ヴォアザン。可愛い!やっぱ彼、ちょっと竹内涼真似?紳士ファッションにおひげ、大人な風貌ですがまだ少年っぽいです。20代前半ですからね~。若さは隠せません。Summer of 85同様、可愛いけどねっとり眠たげな目つきがエロい。自分の容姿に自信がないみたいな発言してましたが、何言ってんのと思いました。弟はブサイク設定?なら、すごいミスキャストです。美人の姉ちゃんに甘える姿も可愛い!シスコンなのかなと思いきや。姉ちゃんが真夜中に、ドアの隙間から目撃したのは何と!男と抱き合い熱い口づけを交わす弟!BLキター!またしてもBLなバンジャマンくんでした。彼のBLそのものは話にまったく関係なく、弟くんの出番もそんなに多くないのが残念でした。弟のBLを知って驚きつつイタズラっぽい微笑みを浮かべるウジェニー、そういうところも当時の常識にとらわれない女性だということが分かります。精神病院での地獄メニューな治療が怖すぎ。特に氷風呂。あんなん死ぬわ!
↑ 期待のボーギャルソン、バンジャマン・ヴォアザン。まだ25歳。アラフォーになったら色っぽい男になりそうですね。新作の“Illusions perdues”は、バルザック原作の時代劇で、グザヴィエ・ドラン、ヴァンサン・ラコスト、ジェラール・ドパルデューらを脇に従えた堂々の主演作です!
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