まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

スターは落ち目が大事

2021-02-03 | 韓国映画
 お松の韓流いい男映画祭③
 「チャ・インピョはどこへ消えたのか?」
 かつては2枚目俳優として人気を博したが今は落ち目なチャ・インピョは、そんな現実を受け入れずプライドと仕事への情熱はトップスタ―級で、マネージャーのアラムを振り回す毎日を送っていた。愛犬と散歩中、アクシデントに遭い泥まみれになったインピョは、仕方なく通りかかった休校中の女子高のシャワー室を利用するが…
 チャ・インピョが本人役で、よく引き受けたな~と呆れるほど自虐的な設定と演技でした。彼の出演作は「木浦は港だ」とドラマの「レディプレジデント」しか観たことがないのですが、それらの彼は確かに二枚目でカッコよかった。キザな金持ちの役が似合う俳優ですね。おっさんにはなったけど、今でも十分イケてますよ。若いだけのイケメン俳優より好きです。作品と役しだいで、シブい熟年男性の魅力を発揮できるはず。韓国には魅力的で実力ある熟年俳優、日本より多くいると思うし。この映画の中では、韓国の4大スターとしてソン・ガンホ、チェ・ミンシク、イ・ビョンホン、ソル・ギョングの名前があがっていて、やっぱその4人だよね~と納得しました。その4人と同列扱いされたがるインピョ氏ですが、心の底ではやっぱ自分は格下と知ってる感じが何だか哀れでした。そんな風に、いまだにスター気取り、スターと思い込んでるようだけど、実は自分が落ち目であることは痛感してる、でもそれを認めて諦めという楽な道を選ばず、必死になって輝きを取り戻そうとしている姿はひたすら滑稽なのですが、老いを言い訳にしてアレもできないコレもやらないな人たちは見習うべき前向きさだと思いました。

 でもそういうピュアな前向きさよりも、とことん勘違い、現実が見えない、昔の自分に執着、他のスターに嫉妬・憎悪、といった老いた男の生々しい醜悪さを嗤う内容にしたほうが、インパクト強烈で面白くなったはず。自虐的なんだけど、純真で真面目で善い人な面も強かったので、徹底的な自虐にはなってなかったのが惜しい。日本でいえばビートたけしのコマネチやシュウペイのポーズみたいに、インピョ氏は人差し指を振るのがトレードマークみたいで、それも自虐ネタになってるのですが、韓国における彼のパブリックイメージを知ってたらもっと笑えたかも、なシーンも多かったです。
 徹底的な自虐ではなかったとはいえ、よくやるな~ここまでする?という珍妙で恥ずかしい姿は、驚異的で賞賛に値します。いくら何でも、阿部寛や反町隆史とかは絶対にやらないでしょうし。とにかくコケにされまくるインピョ氏が、笑えるというよりイタいです。カッコつけてるのがイタいキムタクとは、また違ったイタさです。キムタクより全然カッコいいのに、あえて2枚目路線からの脱線を試みたインピョ氏の果敢さ、そして焦りがめでたく新境地に、とは結果的にならなかったのがイタい映画です。

 女子高のシャワー室を使用中、学校が崩落して全裸で生き埋めになってしまうインピョ氏、劇中ほとんど裸です。50過ぎてあの肉体美はスゴいわ。あの胸板の厚さ、腕の太さ、まるで北斗の拳のリアルバージョン。アラムに説得されても、絶対に救助を要請させないインピョ氏。いくらアソコ丸出しでマスコミの前で救出されたくないとはいえ、そんなこと言ってる場合じゃないだろ!頭おかしいんじゃないの?!と、笑えずイラっとするだけでした。女子高生のパンティをはいた姿もイタすぎる。愛犬と散歩中のインピョ氏に気づいて絡んでくるおばさん連中が、ありえないほど失礼で傍若無人。私がインピョ氏なら殴るわ。あんな人たちいるわけない、けど韓国にはいるかもと思ってしまう、映画やドラマでよく見る韓国人のものすごい下卑てて利己的な人柄って、決してオーバーな描写じゃないんだろうな。日本人のように人の目や心を気にしない国民性なのでしょうか。
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