まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

心霊写真館のイケメン!

2017-06-21 | フランス、ベルギー映画
 お松の独りフランス映画祭②
 「ダゲレオタイプの女」
 撮影助手としてカメラマンのステファンに雇われた青年ジャンは、ステファンが一人娘のマリーと暮らす洋館で、異様なものを感じ始めるが…
 同じ黒沢清監督の「クリーピー」がとってもつまんなかったので、この作品もあまり期待してなかったのですが、想定外になかなかの佳作でした。怖くもないし、特に面白い内容ではなかったけど、恐怖映画らしからぬエレガントな雰囲気が良かったです。フランス映画で心霊もの、というのも珍しかったような。

 古めかしい洋館が、いかにも何か棲んでそうな妖しさ。明るく清らかな光が差し込んでるのに、何か潜んでそうな温室とか。何か映ってはいけないようなものが映りそうな大きな鏡とか。地下にある撮影アトリエの暗さとか。全般的にどこか冷ややかな空気感が、心霊的なムードを醸してました。お化けやモンスターが襲ってきてギャー!なシーンは皆無なので、怖いホラーやオカルトを期待すると拍子抜けするのでご用心。幽霊も、本物なのか、それとも心がコワれてる登場人物たちの妄想幻覚なのか、最初から最後まで曖昧にしてたところも、よくある心霊映画とは一線を画してました。心霊ものというより、心理ものといったほうがいいかも?
 幽霊の恐怖よりも、マリーと結託したジャンが、狂い始めたステファンを言いくるめて館を売っぱらおうと企むところが、実際にもよくある現実的な話で面白いな~と思った。年寄りから金や土地を巻き上げようとする悪人のほうが、幽霊よりも怖いですもん。
 主人公ジャン役は、お気にのボーギャルソン、タハール・ラヒム。

 ラヒムくん、もう30半ばなのに相変わらず若いですね~。大学生役もまだできるのでは?薄幸そうなところも不変で、不幸で不運な貧乏青年役やらせたらピカイチ。シャイで優しそうな雰囲気で母性本能をくすぐりながら、暗い野獣っぽさも時どき見せたりするラヒムくんが好きです。笑顔が無邪気で可愛い!暗い悲しい役がいちばん似合うけど、たまには「サンバ」の時みたいな明るいコミカルな彼も見たいです。
 この映画、ラヒムくんだけでなく、もう一人お気にのボーギャルソンが出てた!知らなかったので驚喜!不動産屋さん役で、マリク・ジディが登場!

 マリくんも、相変わらずカッコカワいいイケメン!クールだけど優しそうで知的な大人の男性って感じ。チョイ役かと思ってたら、わりと登場シーンは多く、ほとんどがラヒムくんと絡むシーンだったのが嬉しかったです。ビジネス関係にしては、二人が何だかいい感じに見えて萌え~。マリくん、でも可哀想すぎる役…あんなワケアリ物件、関わってしまったのが運の尽きでした…

 ステファン役のオリヴィエ・グルメのコワレ演技も見ものです。ラヒムくんとグルメおじさんといえば、「グランド・セントラル」でも共演してましたね。マチュー・アマルリックも出演してますが、超チョイ役でした。マリー役のコンスタンス・ルソーは、地味だけど透明感があって、ファッションが上品にオサレでした。
 モデルを金属の器具でガッチガチに固定、というダゲレオタイプ撮影も何か怖かったです。あれ、心身共に苦痛!乗っ取りとか拷問的撮影とか、幽霊が最も怖くないという変わった幽霊映画でした

↑最近は英語圏の映画にも積極的に出演してるラヒムくん。最新作は、ルーニー・マーラとホアキン・フェニックス主演の“Mary Magdalene”です
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 ↑マリくんの最新作は、キュリー夫人の伝記映画“Marie Curie”です
コメント (6)
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