不快指数MAX!猛暑ですが、皆様お元気でしょうか?
暑いけど寒気がする事件が頻発してますね。特に、子どもが被害に遭う虐待事件には、暗澹とさせられます。
息子の背中に火をつけた鬼父。木箱の中に幼子を閉じ込めて殺した鬼母。子ども二人を白骨になるまで放置した鬼母。非道い、非道すぎる。悪魔や鬼を親にもってしまった子どもが、本当に可哀想。何とかして彼らを、悪魔や鬼から救うことはできなかったのでしょうか。でも、あまりにも非道い虐待事件が多すぎて、さほど衝撃は受けなくなってるのが怖い...
無垢な子どもを傷つけることほど、憤りを感じる犯罪はない。木下あいりちゃんを殺したペルー人鬼畜男も、結局は“悪魔のせい”というふざけた動機がまかり通ったように、死刑を免れました。大切な子どもたちを害する罪は、どんな理由があっても許されない、という社会になってほしいです...
「BOY A」
10歳の時に殺人を犯し服役、24歳になって出所する青年エリック。彼はジャックと改名し、保護司テリーの親身な支援のもと、新しい人生を歩み始める。親友や恋人もできたジャックは、過去と素性を偽っていることに苦悩するが...
実際にイギリスで起きた、少年二人による幼児虐殺事件をモチーフにした作品。あの事件は、本当に衝撃的でした。日本の酒鬼薔薇事件同様、少年犯罪もここまできたか~と、戦慄せずにはいられなかった。
この作品、なかなか胸にしみる、そして痛ましい内容でした。非道い少年犯罪が起こるたびに、加害少年を憎悪し糾弾せずにはいられませんが...もちろん、彼らの犯した罪は赦しがたいし、厳しい罰を受けて一生をかけて償い悔やむべきだとは思う。同時に、家族や学校、地域社会がもっと彼らに関心をもち、温かいまなざしを向けていたら、犯罪は防げたのでは、と思わせる事件が多いのも事実。人間って、生まれながらに悪人なんていないと私は信じてます。育った環境で、子どもは健全にも異常にもなるんだよなあ。16歳の時に母親を撲殺し、少年院出所後に大阪で姉妹を惨殺し、25歳で死刑になった山地悠紀夫の哀れな生い立ちなども、ジャックに重なりました。
両親はネグレクト、学校では冷淡で無関心な教師、不良によるいじめ。心身ともに傷つき孤立したエリックに、誰も救いの手を差し伸べない。エリックの孤独を癒した唯一の人間が、共犯者となるフィリップだったのが、エリックにとって運命的な不幸だった。フィリップの狂気に、ズルズルと引きずられてゆくエリックの姿に、誰かが彼らを何とかできたはずなのに、と暗澹とさせられます。悪魔少年なフィリップですが、兄に性的虐待を受けてまともな精神状態を育むことなんてできないよなあ。彼だってある意味、被害者。彼の末路も悲惨すぎ...
大人になって初めての社会生活に戸惑いつつ順応し、優しい人々に囲まれ愛する人にも恵まれ、幸せになりながらも偽りの自分に苦悩するジャックですが...彼の苦悩には違和感も覚えた。彼が苦しんでるのは、今の、将来の自分。重い過去への悔恨や反省、被害者への罪悪感がほとんどないのです。人は過ちを犯しても、やり直す権利はあると思う。けど、後悔や贖罪の気持ちを抱き続けることが条件なのでは。そういうものが欠けてたジャックの不安や苦しみ、そしてジャックが選んだラストの行動は、哀れだけど自己中心的にも映った。真面目に働き、人命救助までするジャック。それで過ちがチャラになると無意識に思ってるようだった。そんなジャックに、真の意味で更正は見出せなかった。元犯罪者の更正について、いろいろ考えさせられました。
すべてが暴露され、せっかく手に入れた幸福が崩壊。社会の厳しさ恐ろしさに直面してしまうジャック。刑務所での自由のない静かな服役ではなく、それこそがジャックの受けねばならない罰だったのでしょうか。幸せになってほしい、けど幸せになってはいけない、そう伝えたくなるジャックでした。それにしても...もし私たちの生活の中に、酒鬼薔薇が現れたら?ジャックのように、優しく純粋で真面目な、しかもイケメン青年として。正体を知らなかった頃と同じように、彼と接することはできるでしょうか?私には無理だと思います...向井理とか福士誠治みたいな男子と恋に落ちてハッピー、でも後で彼らが酒鬼薔薇だと判明したら、なんて想像してしまった(いっとき、酒鬼薔薇が我が町に住んでる!って噂があったし)...
保護司テリーとその息子の、近づきたいけど近づけない距離感ある親子関係も、現代社会を象徴するものだった。とんでもないことをやってしまうテリーの息子に唖然、でも気持ちは痛いほど解かって、彼を責めることはできない。ああ、満たされない通じ合えない愛情って悲しい、怖い。
ジャック役のアンドリュー・ガーフィールドの、繊細な演技とイケメンぶりが良かったです。ちょと濃い目な可愛さと、シャイな笑顔に萌え~。ぎこちない童貞喪失シーンも胸キュンでした。ジャックの親友になる同僚の男子も、結構イケてた。テリー役は、「マイネーム・イズ・ジョー」でカンヌ男優賞を獲ったピーター・ミュラン。彼の深みのある好演も印象的です。「ダブリン上等!」も秀逸だったジョン・クローリー監督の、ちょっとファンタジックな色合いのある柔らかい雰囲気と、胸を衝く緊迫感ある演出が冴えてました。
↑アンドリュー・ガーフィールドくん、その最近のフィルモグラフィに吃驚!何と、新スパイダーマンに抜擢されてた!鳶マグより断然アンドリューくんのほうがイケメンなので、楽しみですね♪さらに、ちょっと前に読んで感動した、カズオ・イシグロの小説「私を離さないで」映画版の主人公も彼が演じてる!デヴィッド・フィンチャー監督の新作「ソーシャル・ネットワーク」にも出演。要チェキの英国若手俳優だ!
暑いけど寒気がする事件が頻発してますね。特に、子どもが被害に遭う虐待事件には、暗澹とさせられます。
息子の背中に火をつけた鬼父。木箱の中に幼子を閉じ込めて殺した鬼母。子ども二人を白骨になるまで放置した鬼母。非道い、非道すぎる。悪魔や鬼を親にもってしまった子どもが、本当に可哀想。何とかして彼らを、悪魔や鬼から救うことはできなかったのでしょうか。でも、あまりにも非道い虐待事件が多すぎて、さほど衝撃は受けなくなってるのが怖い...
無垢な子どもを傷つけることほど、憤りを感じる犯罪はない。木下あいりちゃんを殺したペルー人鬼畜男も、結局は“悪魔のせい”というふざけた動機がまかり通ったように、死刑を免れました。大切な子どもたちを害する罪は、どんな理由があっても許されない、という社会になってほしいです...
「BOY A」
10歳の時に殺人を犯し服役、24歳になって出所する青年エリック。彼はジャックと改名し、保護司テリーの親身な支援のもと、新しい人生を歩み始める。親友や恋人もできたジャックは、過去と素性を偽っていることに苦悩するが...
実際にイギリスで起きた、少年二人による幼児虐殺事件をモチーフにした作品。あの事件は、本当に衝撃的でした。日本の酒鬼薔薇事件同様、少年犯罪もここまできたか~と、戦慄せずにはいられなかった。
この作品、なかなか胸にしみる、そして痛ましい内容でした。非道い少年犯罪が起こるたびに、加害少年を憎悪し糾弾せずにはいられませんが...もちろん、彼らの犯した罪は赦しがたいし、厳しい罰を受けて一生をかけて償い悔やむべきだとは思う。同時に、家族や学校、地域社会がもっと彼らに関心をもち、温かいまなざしを向けていたら、犯罪は防げたのでは、と思わせる事件が多いのも事実。人間って、生まれながらに悪人なんていないと私は信じてます。育った環境で、子どもは健全にも異常にもなるんだよなあ。16歳の時に母親を撲殺し、少年院出所後に大阪で姉妹を惨殺し、25歳で死刑になった山地悠紀夫の哀れな生い立ちなども、ジャックに重なりました。
両親はネグレクト、学校では冷淡で無関心な教師、不良によるいじめ。心身ともに傷つき孤立したエリックに、誰も救いの手を差し伸べない。エリックの孤独を癒した唯一の人間が、共犯者となるフィリップだったのが、エリックにとって運命的な不幸だった。フィリップの狂気に、ズルズルと引きずられてゆくエリックの姿に、誰かが彼らを何とかできたはずなのに、と暗澹とさせられます。悪魔少年なフィリップですが、兄に性的虐待を受けてまともな精神状態を育むことなんてできないよなあ。彼だってある意味、被害者。彼の末路も悲惨すぎ...
大人になって初めての社会生活に戸惑いつつ順応し、優しい人々に囲まれ愛する人にも恵まれ、幸せになりながらも偽りの自分に苦悩するジャックですが...彼の苦悩には違和感も覚えた。彼が苦しんでるのは、今の、将来の自分。重い過去への悔恨や反省、被害者への罪悪感がほとんどないのです。人は過ちを犯しても、やり直す権利はあると思う。けど、後悔や贖罪の気持ちを抱き続けることが条件なのでは。そういうものが欠けてたジャックの不安や苦しみ、そしてジャックが選んだラストの行動は、哀れだけど自己中心的にも映った。真面目に働き、人命救助までするジャック。それで過ちがチャラになると無意識に思ってるようだった。そんなジャックに、真の意味で更正は見出せなかった。元犯罪者の更正について、いろいろ考えさせられました。
すべてが暴露され、せっかく手に入れた幸福が崩壊。社会の厳しさ恐ろしさに直面してしまうジャック。刑務所での自由のない静かな服役ではなく、それこそがジャックの受けねばならない罰だったのでしょうか。幸せになってほしい、けど幸せになってはいけない、そう伝えたくなるジャックでした。それにしても...もし私たちの生活の中に、酒鬼薔薇が現れたら?ジャックのように、優しく純粋で真面目な、しかもイケメン青年として。正体を知らなかった頃と同じように、彼と接することはできるでしょうか?私には無理だと思います...向井理とか福士誠治みたいな男子と恋に落ちてハッピー、でも後で彼らが酒鬼薔薇だと判明したら、なんて想像してしまった(いっとき、酒鬼薔薇が我が町に住んでる!って噂があったし)...
保護司テリーとその息子の、近づきたいけど近づけない距離感ある親子関係も、現代社会を象徴するものだった。とんでもないことをやってしまうテリーの息子に唖然、でも気持ちは痛いほど解かって、彼を責めることはできない。ああ、満たされない通じ合えない愛情って悲しい、怖い。
ジャック役のアンドリュー・ガーフィールドの、繊細な演技とイケメンぶりが良かったです。ちょと濃い目な可愛さと、シャイな笑顔に萌え~。ぎこちない童貞喪失シーンも胸キュンでした。ジャックの親友になる同僚の男子も、結構イケてた。テリー役は、「マイネーム・イズ・ジョー」でカンヌ男優賞を獲ったピーター・ミュラン。彼の深みのある好演も印象的です。「ダブリン上等!」も秀逸だったジョン・クローリー監督の、ちょっとファンタジックな色合いのある柔らかい雰囲気と、胸を衝く緊迫感ある演出が冴えてました。
↑アンドリュー・ガーフィールドくん、その最近のフィルモグラフィに吃驚!何と、新スパイダーマンに抜擢されてた!鳶マグより断然アンドリューくんのほうがイケメンなので、楽しみですね♪さらに、ちょっと前に読んで感動した、カズオ・イシグロの小説「私を離さないで」映画版の主人公も彼が演じてる!デヴィッド・フィンチャー監督の新作「ソーシャル・ネットワーク」にも出演。要チェキの英国若手俳優だ!