まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

嫁VS姑 愛の人体実験!

2009-02-16 | 日本映画
 さっきTVつけたら、ニュースで新橋の酔っ払いオヤヂが記者会見、というシュールな映像が目に飛び込んできました。何このおじさん?さんまのカラクリTV?と思ったら、あわわ、市井のリーマンではなく、G7後の中川財務相だったのでした。酩酊というより、大丈夫なの?!脳溢血なのでは?!と、ヒヤヒヤしてしまうデンジャラスな顔&喋り方でしたよねえ。
 お酒、飲んでもいい。誰にだって飲まなきゃやってらんない時がある。偉い政治家の先生なら、なおさらのこと。でも、飲まないほうがいい時と場所ぐらいわきまえるのが、常識と分別のある大人。ましてや中川さんは、一国の大臣。フツーのサラリーマンが重大な仕事中あんなだったら、即ジ・エンドです。
 あんな醜態を世界中にさらすぐらいなら、記者会見なんかドタキャンしたほうが、まだマシだったのでは?周囲も何とかできなかったのかなあ。みっともないとか情けないとかのレベルじゃなくて、見るに耐えない醜さだった...
 日本に戻ってからの中川さんVS民主党の小競り合いも、バカバカしすぎて笑うに笑えない。作り物オバカの羞恥心など足元にも及ばないリアルな天然さで、国民を青ざめさせる先生がたを見ていると、どうして日本がダメになってしまったのかが理解できるようで、背筋が凍ります...

 お松の独り懐かし邦画映画祭③
 「華岡青洲の妻」
 有吉佐和子の大ベストセラー小説を、増村保造監督が映画化。
 武家の娘・加恵は、美しく賢い女として誉れ高い医者の妻・於継に憧れていた。その於継から、修行中で留守の息子・雲平の嫁にと求められた加恵は、喜んで華岡家に嫁ぎ、献身的に於継に仕える。だが雲平が帰還すると、優しかった於継は加恵に冷たくなる。麻酔薬の研究に没頭する雲平に、於継と加恵は競って人体実験を申し出るが...
 うう~ん、げにも恐ろしきは女!な内容でした。まさに命がけの嫁姑戦争。於継と加恵の捨て身っぷりが、ほんと壮絶です。麻酔薬を呑んで混沌悶絶、ボロボロになればなるほど嬉々としてる女ふたりの自己犠牲は、ほとんどホラーの域です。女って、愛する男のためには怖いものなんかないんですね。でもあの二人、雲平への愛を競ってる以上に、どっちが女として上かを競ってるかのようだった。男への愛+意地とプライド=女にとっては命より大事なもの。それを守る戦いって、女を最強にしてしまうんですね。
 於継も加恵も、派手に罵り合ったり解かりやすい憎悪をぶつけ合ったりせず、あくまで表向きは貞女賢婦な姑、従順で献身的な嫁という姿勢を崩さないところが、返って不気味なんですよねえ。二人の言動に含まれた毒と敵意は、互いと観客にしか解からないところが、ほんと怖いです。
 
 よく考えてみれば。いちばん怖いのは、雲平なのかも。実験のために、猫を大量殺戮!動物愛護団体から猛抗議を受けそうなシーン満載!ひどい目に遭う猫ちゃんたちに合掌。猫好きの人は、絶対観ちゃダメ!な映画です。猫では飽き足らず、あげくは母と妻で人体実験なんて、世が世なら犯罪者な雲平ですが...大事な使命や仕事に燃える男は、冷酷にも狡猾にもなれる、いや、ならねばならない。雲平を見てると、何だか母と妻の競争心を煽ってるようにも。初夜のシーンで、加恵の胸をはだけて乳を揉む雲平ですが、男の欲情というより医者としての興味、みたいな感じで、ほんと仕事バカなんだなあと苦笑。
 女って強いけど、しょせんは愚かで悲しい生き物。結局は男の手のひらの上で踊らされるんだよなあ。でも、愛する男のためにあえてそうなるのが、女にとっては幸せなのかも...なんて言うと、田島ヨーコ先生とかに叱られるでしょうか
  往年の大女優ふたりの、冷たく熱い嫁姑バトルが見ものです。
 加恵役は、若尾文子。なかなか凄絶な熱演でしたが、耐え忍ぶ女の役は、彼女には似合わないような気も。どんな役でも何かエロいところが、さすが若尾アヤパン。
 於継役は、高峰秀子。“賢く嫁をイビる方法”という本でも書いてほしいほど、鬼姑の手本みたいな冷厳さでした。
 雲平役は、市川雷蔵やっぱカッコいいですねえ。医学のためなら女房も(ついでに母親も)殺す~♪な冷酷男を、優しく凛々しく演じてました。女に命を捧げさせる男の役には、やはり雷蔵ぐらいの魅力とカリスマがある俳優でないと、説得力がない。
 紀州弁が、何か可愛いです。○○のし~とか、観終わった後に伝染しちゃいそうです。
コメント (5)
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