アメリカの軍隊は空海戦コンセプト(Air Sea Battle)なるものを策定した。世界各地への米軍戦力の効果的な配備が定められた。
この件に関する戦略技術分析センターのワシーリイ・カーシンの分析を披露しよう。
空海戦コンセプトは3つの行動ラインを規定している。司令部の撃破、補給線の破壊、攻撃力の減殺。この3つだ。
しかし中国はすでに長年、敵方がこのような戦略を取ってくることを前提に戦力を強化している。中国は戦略的に第一の優先事項としてサイバー攻撃、また衛星兵器を使って敵方の司令部を破壊することを目指してきた。
中国は米軍の補給線、軍事インフラを高精度で破壊する能力を有している。反対にアメリカ側が中国の国防能力を破壊することは相当に困難だ。そのことに時間と資力を費やす間に、中国側は膨大に保有する非核高精度誘導ミサイルで延々と攻撃を続けることだろう。
アメリカは国内問題でアップアップだ。財政危機や資金難。そして保有戦力も世界各地に分散してしまっている。アジア太平洋地域が優先的な地位を占めていることは事実だが、しかしそれでも、冷戦時代に北大西洋に集中させたような規模の戦力は展開できない。仮に今そうすれば、その他の地域のプレゼンスがあまりに弱まってしまう。
アメリカがアジア太平洋地域に持つ同盟国は、韓国と日本だ。しかし韓国軍は北朝鮮からの防備に完全に特化しており、米軍に大規模支援を施せるような状態にはない。日本はどうだろうか。日本の自衛隊は、なるほど装備は第一級だ。しかしいかんせん規模が大きくない。そして攻撃的な性格の戦力であるともいえない。
では台湾はどうだろうか。台湾も充実した装備を誇る。しかしそれでも大陸中国がその気になればひとひねりだ。もしも自らの命運に直接関係ないところで米中軍事衝突が発生した場合、台湾はわざわざその僅かな戦力を持って参戦することはしないだろう。
また地域にはフィリピンという、広大な国土と豊富な人口を持つ国もある。ですがこの国と米国との関係を言えば、米国から護ってもらう側ということに尽きる。米軍に支援を施せるような国ではない。
中国の軍備拡張がこのまま続けば、2020年にも、中国軍はアメリカとの局地的な軍事衝突に勝利できるだけの力を手に入れるだろう。そのとき米軍は全戦力を当該地域に集中させることになるだろう。朝鮮戦争以来となる、自らに並ぶ大国との戦争だ。
勝敗の保証はもはや無い。
アメリカの最強の軍事同盟相手はEUだ。しかし太平洋での米中戦争に、EUがわざわざ参加するかと言えば、大いに疑わしいものがある。
東アジアにおける米国の国益を護るには、太平洋西部に米軍の戦力を相当程度集中させ、常駐させるしかないのだ。予算が削減されるということであれば、その他の地域、例えば中東における軍事プレゼンスを低下させるほかはないのだ。
太平洋における軍事バランスの修正は、国際政治また国際安全保障全般に影響するのだ、
※「米国」と言ったり「アメリカ」と言ったりで統一性無し
※原稿を読むリズムが一定しないので相変わらず聴いてて疲れるWアナウンサー
2013年12月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
この件に関する戦略技術分析センターのワシーリイ・カーシンの分析を披露しよう。
空海戦コンセプトは3つの行動ラインを規定している。司令部の撃破、補給線の破壊、攻撃力の減殺。この3つだ。
しかし中国はすでに長年、敵方がこのような戦略を取ってくることを前提に戦力を強化している。中国は戦略的に第一の優先事項としてサイバー攻撃、また衛星兵器を使って敵方の司令部を破壊することを目指してきた。
中国は米軍の補給線、軍事インフラを高精度で破壊する能力を有している。反対にアメリカ側が中国の国防能力を破壊することは相当に困難だ。そのことに時間と資力を費やす間に、中国側は膨大に保有する非核高精度誘導ミサイルで延々と攻撃を続けることだろう。
アメリカは国内問題でアップアップだ。財政危機や資金難。そして保有戦力も世界各地に分散してしまっている。アジア太平洋地域が優先的な地位を占めていることは事実だが、しかしそれでも、冷戦時代に北大西洋に集中させたような規模の戦力は展開できない。仮に今そうすれば、その他の地域のプレゼンスがあまりに弱まってしまう。
アメリカがアジア太平洋地域に持つ同盟国は、韓国と日本だ。しかし韓国軍は北朝鮮からの防備に完全に特化しており、米軍に大規模支援を施せるような状態にはない。日本はどうだろうか。日本の自衛隊は、なるほど装備は第一級だ。しかしいかんせん規模が大きくない。そして攻撃的な性格の戦力であるともいえない。
では台湾はどうだろうか。台湾も充実した装備を誇る。しかしそれでも大陸中国がその気になればひとひねりだ。もしも自らの命運に直接関係ないところで米中軍事衝突が発生した場合、台湾はわざわざその僅かな戦力を持って参戦することはしないだろう。
また地域にはフィリピンという、広大な国土と豊富な人口を持つ国もある。ですがこの国と米国との関係を言えば、米国から護ってもらう側ということに尽きる。米軍に支援を施せるような国ではない。
中国の軍備拡張がこのまま続けば、2020年にも、中国軍はアメリカとの局地的な軍事衝突に勝利できるだけの力を手に入れるだろう。そのとき米軍は全戦力を当該地域に集中させることになるだろう。朝鮮戦争以来となる、自らに並ぶ大国との戦争だ。
勝敗の保証はもはや無い。
アメリカの最強の軍事同盟相手はEUだ。しかし太平洋での米中戦争に、EUがわざわざ参加するかと言えば、大いに疑わしいものがある。
東アジアにおける米国の国益を護るには、太平洋西部に米軍の戦力を相当程度集中させ、常駐させるしかないのだ。予算が削減されるということであれば、その他の地域、例えば中東における軍事プレゼンスを低下させるほかはないのだ。
太平洋における軍事バランスの修正は、国際政治また国際安全保障全般に影響するのだ、
※「米国」と言ったり「アメリカ」と言ったりで統一性無し
※原稿を読むリズムが一定しないので相変わらず聴いてて疲れるWアナウンサー
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2013年12月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル