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金正恩氏の叔父をめぐるゲームは続く

2014-01-05 | ラジオ
北朝鮮の指導者、金正恩氏の叔父にあたるチャン・ソンテク氏が処刑されたことで、この人物を当てにしていた中国、韓国、日本の政治家たちは手持ちのカードを霍乱された形となった。
これについて、ロシア科学アカデミー極東研究所のコンスタンチン・アスモロフ氏と、ロシア科学アカデミー経済研究所のゲオルギー・トロラヤ氏は、ロシアの声からのインタビューに次のように答えている。
先ずはアスモロフ氏の見解をご紹介しよう。
「金正恩氏には遂行すべきことが2つある。一つは国の繁栄と、もう一つは体制の安全を確保することだ。北朝鮮の枠内では汚職関係は何にもならない。このため汚職には危険が伴う。仮に汚職が実際かなり根を張るものであれば、若く衝動的な指導者は公開処刑と大量銃殺が汚職を行う、ほかの人間らへの強硬なシグナルとなるような決定を下すことができただろう」
アスモロフ氏の見解だ。

続いてはロシア科学アカデミー経済研究所の、ゲオルギー・トロラヤの見解をご紹介する。
「韓国ではチャン・ソンテク氏は、改革派の派閥を率いていたのではないかとの憶測が飛んでいる。ですがチャン・ソンテク氏の金正恩氏との対立がここまで達し、公開処刑や他のメンバーの訓戒処分までいくとは誰も思っていなかっただろう。
今や韓国は、北朝鮮で何らかの改革への動きを期待してはおらず、どんなにいやらしい人物であろうと、今政権に就いている金正恩氏と事を構えるしかないとの理解に達している」
トロラヤ氏の見解だ。

ロシア科学アカデミー極東研究所のアスモロフ氏は北朝鮮での処刑の後、韓国、日本は共通のゲームを開始したとの見方を示し、さらに次のように語っている。
「これは金正恩って奴は叔父さんを殺すなんて、なんてひどい奴だ、というフレーズに集約されている。このため軍事費は拡大されなければならない。北朝鮮にまつわるニュースは如何なるものでも日本、韓国のアナリストの手にかかると、北朝鮮からの扇動は大きくなるぞ、新たな核実験が行われるぞ、という話に代わってしまう」
アスモロフ氏の見解だ。

ロシア科学アカデミー経済研究所のトロラヤ氏は、中国がこのゲームで演じた役割について、次のような見解を示している。
「中国はここでは一番苦しい思いをしたサイドだろう。チャン・ソンテク氏は中国側に近い人物だった。中国はチャン氏は北朝鮮を中国型の改革路線に牽引し、金正恩政権から多少路線をずらしてくれるものと期待していたのだ。
中国にとってはチャン氏の失脚は、もちろんのこと大きな打撃だった。
現在中国は何も手出しができない。なぜなら関心があるのは北朝鮮、自国の国境、そして安全、朝鮮半島の安定維持だからだ。ですが苦々しい気持ちは、どうしても残ってしまった」
トロラヤ氏の見解だ。

北朝鮮のナンバー2とされた人物の処刑をめぐるゲームは、ともかくもまだ終わっていない。どのサイドも何を獲得できたのか、未だにしかと言えない状態にあるからだ。

金正恩の北朝鮮 独裁の深層 (角川oneテーマ21)
クリエーター情報なし
KADOKAWA/角川学芸出版

2013年12月24日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル