1010 Radio

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日本の新たな核政策と周辺諸国の懸念をめぐって

2006-12-09 | ラジオ
久間防衛庁長官は緊急事態が生じた場合には、核兵器を搭載したアメリカ
の軍艦に日本への出港を許すこともありうると発言した。
この問題をめぐってロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。

久間防衛庁長官のこの発言は、日本が長年にわたって守り続けたてきた三
原則、つまり核兵器を作らず持たず持ち込ませずという原則に反するものだ。
また2ヶ月前に現職に就いたばかりの久間防衛庁長官は、日本の核政策の
変更を求める、政治家のグループと同じ考え方を示している。
日本の主要な政治的、軍事的同盟者であるアメリカが、軍隊の保持を禁じて
いる日本国憲法の改正を後押ししていることはよく知られているとおりだ。
一方で現在の日本の指導部の中にも、憲法改正を支持している者は少なくな
い。安倍首相自らが憲法を変えることを、自らの主要な政治的な課題の一つ
としている。

最近になって日本では憲法に関する論議が、益々活発化しつつある。
今年7月に北朝鮮が一連のミサイル発射実験を行い、また10月には核実験を
実施して憲法を改正する機運は一気に高まった。
そして日本は軍隊と核戦力を保持しないという、今までの政策を変更しようとし
ている。先に安倍首相は国会での質問に答えた中で、将来日本は最低限の核
戦力を合法的に保持する可能性があると語った。これに対して安倍首相は、こ
れは純粋に法的な可能性に限られるとの断り書きをつけているが、その一方で
日本国憲法は国を守るために最低限の戦力を持つ上で、特定の兵器の保持を
禁じているわけでないとの見解を示している。
こうして日本政府は憲法の解釈を少しずつ変えている。
事実上日本は歴史上初めて、大量破壊兵器保持の可能性を認めたことになる。

これは国際的な安全と安定にとって危険な兆候を示すものだ。
すでに日本は原子力発電を通じ、軍事目的での使用が可能なプルトニウムを充
分に保有していることを考慮に入れる必要もあるだろう。ちなみに専門家達は日
本が6000発の核弾頭を作り上げるだけのプルトニウムを持っていると考えている。
もしも日本が核兵器の開発に踏み切るなら、アジアでは制御不可能な軍拡競争
が始まるであろうことは間違いない。すでに少数の核兵器を保有している中国は、
真っ先に核戦力の増強に動くだろう。これに関連して中国政府は、日本が非核三
原則を守りアジア地域の安定と平和を守るために責任ある態度をとることを期待し
ていると表明している。また日本とは複雑な関係にある韓国も、こうした動きに注
目している筈である。さらにこれ以外のアジア諸国も、日本の軍事政策を懸念を
持って見守っている。

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11月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル