テニスに行って試合をしている時。
右のほうに打たれた球を必死で追いかけるものの、思い切り空振り。
うわっ。
情けない。
そしてちょっと恥ずかしい。
なんて思いつつ、横の溝のほうに行ってしまったボールを拾いに走っていく。
と…
溝のとこにあった段差で
グギ…グギグギ…ドデンッ!!
いててててっ!
足をひねって派手に転んでしまったよ。
それもただのひねりではない。
ひねったのを立て直そうとして反対にひねり、そしてまた立て直そうとして反対にひねったものの結局転んでしまったのだ。
一瞬の間に、ふら、ふら、ふらっと3回なってから倒れたっぽい。
後からM氏に聞くと、その姿はまるでバレリーナのようだったとの事。
まあ意図してやった優雅なのと、必死で助かろうと無意識にしたのとでは大違いなんだろうけどね。
くぅ~!
それにしてもいてぇ~!
痛くて立ち上がれない。
試合中だったので他の人に代わりに入ってもらい、しばらくボクはその場でうずくまる。
10年前、同じくテニス中に足をひねった愚妻の事が頭をよぎる。
あの時は、みるみるうちに腫れていって、じん帯損傷しちゃってたんだよな。
ボクもああなるのか?
イヤだ。
イヤ過ぎる。
その願いが通じたのか、少しすると痛みは引いてきた。
そしてもう何ともない。
良かった。
軽症だったよ。
すぐに試合に戻りましたわ。
みんなからは止められたけどね。
でももう本当に何ともないのよ。
ぴょんぴょんして、足をクルクルさせてみて、みんなにも納得してもらいましたわ。
そうして試合をしていき、テニス終了。
今日も楽しかった。
帰り際、みんなで軽く立ち話をしていく。
けど…
う~ん。
痛くなってきたような気がするぞ。
いや、気のせいなんだけどね。
本当に。
でも病は気からとはよく言ったもので、気にしていると何となく違和感があるように思えてきちゃうんだよね。
もしかしたら今ヒドくなっていってんじゃないのか?
ドンドン腫れてきてんじゃないだろうな?
そう思うと、怖くてもう足下を見れない。
そんな様子を見たM氏が、「本当は痛いんじゃない?」とニヤニヤしながら聞いてきた。
余程ボクに痛くなって欲しいんだろう。
他のみんなも「これ絶対に後から腫れてくるパターンだ」と言う。
「何しろバレリーナだったんだから」とも言う。
その誰もがボクの心配をしている顔ではない。
明らかに何かを期待している顔なのだ。
早く腫れて欲しいと願っているのだ。
くぅ~。
もう痛くないっての!
と言うものの、さっきみたいにピョンピョン飛んだり足を回したりしてのアピールは怖くて出来ない。
大丈夫とは思うけど、でもあまり無理しないほうがいいような気はする。
とりあえず「経過報告を楽しみにしてる」と言われつつ解散。
もちろん心配してるわけじゃなくって、聞きたいのは絶対に悪い報告のほうだ。
「あの後、腫れた~!」なんて言ったら大喜びするのだろう。
というか、ここを読んでいる全ての人がそれを望んでいると思うよ。
それから5時間経過した現在。
みなさんの期待を裏切り、全く腫れておりません。
ただ、ほんのり違和感はまだあったまま。
明日起きたらどうなっているのか…
不安に思いつつ、寝る事にしよう。