スプリングマン

ウチの座椅子がヤバい。
ボクがいつも使ってるやつなんだけど、座ってる部分がペッチャンコになったんだよね。
それだけならいいんだけど、スプリング部分だけ盛り上がってんのが困る。

だから、お尻の前あたりは低く、後ろは高い状況になってしまってんの。
座り心地悪いんだよね～。

おまけにスプリングが痛いのなんの。
お尻の骨にゴリゴリあたってきて痛いんだよね。
他と同じ高さにしようと、スプリングを力一杯押してみるがダメ。
かなり強度なスプリングらしく、ビクともしない。

バカにすんな！
これだったら床に座ったほうがマシじゃい！
と思うんだけど、気付いたら座椅子に座っていて、ゴリゴリと痛くなっている。

おまけにこのまま使っていると、スプリングが飛び出してくる危険性がある。
座椅子カバーを突き破って、スプリングがビヨヨ～ンとね。
となると、お尻に刺さる可能性もデカイ。

さぞかし痛かろうなぁ。

スプリングってクルクルなってるから、一度刺さると簡単には抜けそうにない。
下手したら一生そのままってこともあり得る。
背中に座椅子を背負ったままの生活。

う～ん…
悪くないなぁ。

ヤドカリみたいで、オシャレな感じがするぞ。

疲れたらどこででも座ることが出来るという利点もある。
街中を歩いているときやテニスをしているときも、いつでもどこでも快適に座れる。
満員電車でギュウギュウなときも、ボクだけでは座れるのだ。
他の乗客が苦しむなか、優雅な時間をすごせるだろう。

草ソリをするときも段ボールなしに滑れる。
車で走行中、いい斜面があって滑りたくなったけど段ボールがなくて断念したって話はよく聞く。
そんな時でもボクは大丈夫。
いつでもどこでも快適に草ソリを楽しめるのだ。

背後から斬り付けられるってことはよくあるが、そんな時でも座椅子が守ってくれる。
座るだけでなく、盾としての機能も果たしてくれるのだ。
刀が座椅子の骨組みに食い込み、ボクは無傷でやりすごせるだろう。

ほらね。
軽く思いつくだけで、こんなにいいことばかり。
こうなってくると、早くスプリングが飛び出してきてほしくなるね。
楽しみだわぁ。

座椅子男として第２の人生を歩んでいこっと。
待ち遠しいなぁ。