干し

朝。
車を走らせていた。
右隣の車線では軽自動車が走っている。
ボクの車と同じくらいのスピードで走っていたんだけど、信号待ちで停
まった時に少しだけ軽自動車のほうが前に停まった。
と…
ん？
その軽自動車のサイドミラーのとこにぶら下がっている物があった！
プランプランと揺れているその物体。
オレンジ色をしているその物体。

なんと、ミカン！

しかも、駅のキオスクで売ってそうなビニールのネットにはいったまま
のミカン！
それがプラ～ンとぶら下がったままになってんの。
なんじゃありゃ？
どういう意図で助手席側のサイドミラーのとこにミカンをぶら下げてい
るんだろう？
干し柿ならぬ干しミカンでも作ろうとしてんのかなぁ。
気になったので運転席を見たら、運転手は二十歳前後の女性だった。
若いのに干しミカンを自分で作って食べるとは…
なかなか粋でよろしい。
いや、もしかしたら若い人の間では助手席のサイドミラーに果物をぶら
下げて走るのが流行ってるのかもしれないぞ。
フロントに白いフワフワおいたり、シフトレバーをクリスタルにしたり
と、どう考えても格好良くないのが一部では流行っているから、これも
そういったやつかもしれない。
だとしたらボクも真似して流行に乗り遅れないようにしなきゃな。
明日にでもミカンを買って…いやいや、力の差を見せつける為にもミカ
ンなんて言ってないで、メロンあたりをぶら下げよう。
これで流行最前線！