ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

チリ産のサーモンが危険というハフィントンポスト記事

2016年06月01日 | インチキ・疑似科学
Googleで「中国 養殖ウナギ」と検索すると「死体を餌にしている」というページがぞろぞろ出てくる。
これについては以前中国養殖ウナギにまつわるデマという内容で当ブログでも紹介した。
安定供給が望めない「人間の死体」なんて、いくら安く手に入ってもそれを餌にするわけがないし、そもそもウナギに食わせることを了解する遺族がいるかということを考えれば、これは昔流行った「KFCはカラスの肉」レベルの都市伝説の類であることは明白なんだけど、本気にしている人が多いのには驚いた。

似たような話で、先日ハフィントンポストが「日本のスーパーで売られているチリ産の鮭を地元の人が食べない理由」という記事を紹介したことから、「チリ サーモン」で検索してもネガティブな記事しか出てこない状態になっている。

しかし、チリ人が養殖サーモンを食べないという事実はないようだ。チリのサーモン養殖は以前バクテリアで壊滅的な打撃を受けて以来、抗生物質を多く使っていることは事実のようだが、養殖魚には多かれ少なかれ薬品は使用されている。
昔「養殖ハマチは薬漬け」という噂が広まった時には、寿司ネタは名前だけがハマチからブリに変わった。

チリ産養殖サーモンはノルウェイに続く世界第二位の30%以上のシェアを持っており、これがいうほど危険であればすでに大変な問題が世界中で起きている。

そもそも「XXは危険」「XXを食べてはいけない」という類の話を私は基本的に信用していない。ためしにXXに牛乳、チーズ、豆腐、小麦粉等何をいれて検索しても怪しい話がいくらでも出てくる。結局何も食べることができない、ということになる。

ここで面白いのは、米を入れて検索すると「アメリカでは米が危険だといってるやつがいる」みたいなのは出てくるが、日本の米が危険だという話はあまり見つからない。なぜか国産のものは安全で、危険といわれるのは(原料含め)輸入食品がやり玉に挙げられる。これは単なるバイアスだ。

こうした記事を見て、「養殖物は食べないようにしよう」「輸入物は食べないようにしよう」と思うのは勝手だが、皆がそうしたら天然資源は枯渇する。

ハフィントンポストは朝日系でそれなりに影響力があるメディアだから、この記事でチリ産サーモンの売上げはそれなりの打撃を受ける。それを生業としている人もいる。食の安全関係の話題はあっという間に拡散するものだ。

そこまでの覚悟をもって掲載しているのだろうか?


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