ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ORSE問題がちょっと面白いことになっている。

2011年01月11日 | ITS
馬淵国交相は、11日の閣議後記者会見で、国交省所管の財団法人道路システム高度化推進機構(ORSE)について、組織の見直しを指示したことを明らかにした

一方でORSEは、そんな話は聞いていない、とレスポンスの取材に回答している。

そもそも、ORSEについては「天下り利権団体」というような批判がある。

しかし、そうした批判にこたえてORSEはセットアップ手数料525円を2005年から還元している。
「国交省がETC普及促進に熱心で、補助金まで付けているのは、天下り先のORSEを儲けさせるためだ」という安手のテレビドラマのようなことを主張する人がいるが、そこまでの話ではないだろう。

ただし擁護しているわけではない。ほとんど知られていないがORSEは車載器販売とETCカード発行に対して情報鍵発行料という名目で各々105円を徴収している。(10%は還元)また、セットアップはいまどき専用回線でしかできず、その機器はORSEから有償貸与となっているらしい。(WEB利用に切り替わっていました。1/12訂正)
それに加えてセットアップ一件あたり525円を徴収するのはあまりにがめつい。今までのセットアップ累計は4100万台に達するのだ。ORSEの事業内容・人員規模を考えれば、525円の還元なんてむしろ当然とも思える。

そもそもの問題は、我が国のETCが必要以上にセキュリティーを厳しくしたことにある。これが高コストとなっている。セキュリティーを厳しくした理由は、民間利用という幻に加えて、ハイウェーカードの深刻な偽造問題があった。
しかし、大がかりな偽造団が商売として成立するほど我が国の高速道路は高額だった、ということに問題の根本があったのだ。

馬淵氏がいっている「ORSEの問題」が何を指しているかはこの記者会見からは読めないが、ご自身の進退が懸念されるこの時期にあえて発言されたことには何か理由があるのだろうか?

最優先でやるべき課題は、ETCを今後をどうしていくのか、だとおもうけどね。