ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

三洋ミニゴリラ

2006年11月13日 | ITS
すでにコメントでも紹介いただいているが、三洋から携帯ナビの新製品「ミニゴリラ」が発表された。

1.国内初のメーカーブランド商品
メモリータイプのPND(パーソナルナビデバイス)としては、わが国ではナショナルブランドでは初の登場となる。
他ナビメーカーは海外での発売を計画しているようだが(例:パイオニアAVIC-S1)、高額商品とカニバリするので国内導入の計画はないという。そういう意味でも(失礼な言い方だが)下位メーカーである三洋ならではの商品だ。
ゴリラブランドでポータブルを中心に展開をしてきた三洋がメモリータイプを出すことは、まずは自然の流れだと思う。ワンセグとの組み合わせというのも面白い。

2.市場の見通し
欧米であれほど人気のPNDだが、日本では市場を形成出来ないだろういうのがほとんどの業界関係者の意見だ。
そもそも、カーナビは日本で進化した。したがってわが国では車載専用タイプが当たり前になっている。しかもGPS単独では精度が悪かった時代からスタートしているので、業界関係者の間ではGPS単独機に対する不信が「通念」として存在する。

さらに、中級車以上には標準装備が普通になってきた。この流れが変ることは絶対にないだろう。

3.どこに商機をもとめるのか
後付ナビの市場は「中古車や大衆車への廉価ナビ」と、「標準装備では満足できない人の高級ナビ」の二極分化が進んでいる。
ミニゴリラはワンセグつきで9万円。現在の廉価ナビが10万円弱であることを考えると、その市場をある程度取る商品になるとは思う。

一方で、PNDのビジネスチャンスは軽自動車だ、と言い切る人もいる。
しかし、軽自動車は買い物や幼稚園の送り迎えという半径数十キロの使い方が中心で、そうそうナビが必要な場面はない。
そして、そういったユーザー(主に主婦)の自動車用品に対するサイフの紐は想像を遥かに超えて堅いのだ。
7-8万円という価格は極めて厳しい。

携帯可能でワンセグつき、というフューチャーがどう評価されるかは正直私もわからない。
しかし、もし買うのであれば差額13000円だったらワンセグ付きだろう。