ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

モバHOが離陸しないわけ

2005年07月07日 | ITS
モバHOが苦戦している。
契約者数は発表されていない。当面発表しないということらしいが、おそらく市場にインパクトがあるような少なさなのだろう。3年で200万人という目標に対して未だ1万人程度という噂もあるが、なにしろ公表しないんだからわからない。

一方でアメリカでは、サテライトラジオが完全に離陸した。
XMは400万人、シリウスも140万人の契約者を獲得し、既に損益分岐点を通過した模様だ。
市場はまだまだ拡大している。しかし、両者ともここに至るまでは資金不足という苦労があったのも事実である。

2006年2月追記:2005年度もXM・シリウスとも依然赤字とのこと。契約者は増えたが、コンテンツのコストがかさんでいるらしい。

北米のサテライトラジオは正のスパイラルに入ったわけだが、モバHOはどうなのだろうか?
私は1月の当ブログ記事「東京オートサロン」で、多分駄目だろうと予測した。
この見方は今も変わっていない。

映像コンテンツは、無料の地デジ1セグに勝てないだろう。
音楽コンテンツにしか可能性がないと思う。しかし、北米と我が国の市場環境の差を考えると、厳しいだろう。

北米は移動距離が長く、走行中にFM局を切り替える必要性が生じる。またジャンル別放送に慣れ親しんでいるため、その都度好みの局を選択しなければならない。好みのコンテンツをいつでもCDクオリティで聴けるということにとても価値があるのだ。
一方で、我が国のドライバーは通常の生活圏ではいつものFM局で間に合うし、何故かジャンル別放送というものにあまり需要がない。

さらに、北米のサテライトラジオの音質はCDクオリティーだが、モバHOはどうなのだろうか。
かなり重要なポイントだと思うが、同社のWEBサイトには明確な説明がない。(ということは?)
唯一、Q&Aに以下の記載があった。

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音楽放送を楽しみにしておりますが、その音質について教えて下さい。大体どの程度の音質が期待できますか?FM放送、AM放送と比較して頂けると判りやすいのですが。

-デジタルとアナログの違いもあるので一概にはいえないのですが、ノイズが入らない分いいというご意見をいただいていますよ。
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要は、ノイズのないラジオ放送だというのだ。使えるバンドの容量とチャンネルの数から、音質が犠牲(64kbps)になっているようだが、有料コンテンツである以上、これでは消費者も触手が動かないだろう。