”Hyllning till livet”by Åsa Jinder
スエーデンのトラッド界を代表する演奏家である彼女。
Åsa Jinderの演奏は、北欧トラッドの世界ではおなじみの怪楽器、鍵盤バイオリンの紹介の時、その実例として、ここに映像を貼り付けたことがあったが。全く何度見ても異様な楽器であり、それを見事に操るÅsa Jinderの手つきも、なにやら楽器演奏というより妖術使い、といった風情の漂うものであった。
まあ楽器のとんでもなさは置いておくとしても、その、いかにも北国らしい清涼感あふれるメロディを高らかに歌い上げる彼女の演奏は、聴いているだけでこちらの魂まで浄化されるみたいで、心地よかった。さらにはそのルックス、ショートカットも凛々しい典型的な北欧系美人であり、なーにが文句があると言うのかい。
北欧トラッド聴き始めの頃は、Åsa Jinderのアルバムはどれも大愛聴したものだった。フォークロックっぽいサウンドをお供に、ほのかに憂いを含んだ美しいメロディを凛として編み上げて行く彼女は、まさに北方の美の女神だった。
その後、時は流れ、彼女の音楽もずいぶんロックっぽいものに変わってしまい、いつの間にか聴かなくなっていったのだったが。80~90年代頃の彼女の盤は、たまに取り出して聴いてみる事はある。北欧トラッドの美しさのエキスを抽出した、くらいのことは言ってもいい傑作盤ばかりである。