ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

秒速アルジャーノン

2009-08-22 21:01:57 | ものがたり

 ばかのぼくがぱんやさんではたらいているとだいがくのえらいせんせいがきて、ぼくのあたまをしりつしてあたまをよくしてくれるというのでだいがくにいきました。だいがくにいってしりつをうけるとその効果は即効的であり、また絶大なものであった。そして私は、知能に障害を持って生きてきた日々の何たるかを知りだいがくからかえってくると、ぼくはまたばかにもどっていました。せんせいはおかしいなこんなはずではなかったのになにがげんいんかしらべてみようといい、ぼくのあたまにちょうさのためのよびしょちというのをしてくれました。するとその効果は意外なもので、私の知能指数は、またも顕著な上昇を見せたのである。私は執刀医と共に、この件について様々な検証を加えてみたのだが、その途上で不意にぼくはまたばかにもどってしまったのでぱんやさんにもどりました。ぱんやさんではたらいていると、まただいがくのせんせいがきて、あのよびしょちのかていでいがいなこうかがあらわれたので、もういちどしりつをしようといいました。ぼくはもうしりつはいやなのでないていやがったのですが受けてみると、またも効果は絶大にして即効的なもので、私の知能は前回の処置時よりも、さらに向上していたのである。予備処置の過程のどこかに、知能の上昇を喚起するなんらかの有効な方策が存在しているのではないかと言う仮説を立て、だいがくのせんせいとぼくのあたまをずっといいままにしておくためになにかいいほうほうはないかなとはなしあっているうちに、ぼくはまたばかにもどってしまったのでぱんやさんにかえりました。だいがくのせんせいがまたやってきてもういちどとらいしてみようといいましたがぼくはもうだいがくにはいきませんでした。ただ、ぼくのあたまのけんきゅうのためのじっけんにつかわれていたねずみのアルジャーノンがしんでしまったというのでアルジャーノンのおはかに献花をお願いいたします、と書いて、私は、そのような文章を書いている自分に気付き驚嘆した。今回は、例の”処置”を受けることなく私の知能が回復しているのだ。原因は定かならぬとは言うものの、私の脳内に、私をこのまま高度な知能の状態にキープしておくための何らかの作用が起こっている可能性が高い。繰り返されたあの”予備処置”に、まぐれ当たりとも言うべきなんらかの効果は、やはりあったのではないか。私はパン屋を走り出、大学に向かう道を全速力でたりらりらんのほーいほい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。