ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

ロッキン・ルイジアナ!

2010-03-07 02:13:19 | 北アメリカ


 ”Dis Ain'tcha Momma's Zodico”by Travis Matte

 もしかして今、白人系のロックンロールと言うものが一番健全なありようを示しているのはアメリカはルイジアナ州南西部、ケイジャンの里ではあるまいか、なんて思えてくるのだった、こんなアルバムを聴いてしまうと。

 アルバムの主人公のトラビス・マッテはまだ若い白人の青年であり、ダイアトニックのアコーディオンとボーカルの担当。バンドはほかにベースとドラムと、このザディゴなる音楽でよく使われる、洗濯板をかき鳴らすパーカッション担当者がいるのみ、というシンプルさ。でも言われなきゃそんな小編成でやってるとは感じられない、キビキビとしたロッキン・カントリーを聴かせてくれるのだった。

 演奏されるのは、ルイジアナ州南西部、フランス系アメリカ人居住地域の大衆音楽の定番であるブルース、カントリー、ブギウギにワルツ。
 とにかくこのマッテ君、くっきりとした輪郭の音楽を奏でる人で、自身のアコのプレイもキビキビとしているし、歌声もやや甲高く鼻にかかってはいるが明るい声質で歯切れの良い、いつも湯上りみたいな爽やかな歌声を聴かせてくれる。

 ベース弾き氏がちょっとテクノなノリがある人で、ボコボコボコボコと定規を当てるように四角四面のビートを進行させてゆく。そいつに反応してカチカチと洗濯板がかき鳴らされ景気の良いドラムが弾めば、なんだか”野生のテクノ”みたいなコンパクトにまとまったノリが心地良いのだった。
 ハイライトは、あのキャンド・ヒートのヒット曲、”オン・ザ・ロード・アゲイン”だ。こいつは楽しい。マッテ君はこの曲をノリの良いロックンロールに仕上げてカチカチとシバきあげて行く。

 そうなのだ、なんかカチカチしているのだよなあ、マッテ君のノリは。アコーディオンのフレーズも、ときどきシンセっぽい響きが混じるように思えるのは気のせいか?結構、ウチではそんなの聴いているのかも知れないよ、いや、何の確信もないんだけど。

 という訳で、久しぶりにアメリカ南部の泥んこ遊びを楽しんだヒトトキだったのだ。




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