ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

言論弾圧コメディアワー

2010-09-08 03:46:03 | 時事

 先日、アフガニスタンで日本人ジャーナリストが現地の武装勢力に拘束され、5ヶ月ぶりに解放される、なんて事件がありました。正確な事の次第は、下にFNNのニュースを引用させていただきますんでご覧になってください。

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アフガニスタンで取材中に武装勢力に拘束され、およそ5カ月ぶりの9月4日に解放され、帰国した常岡浩介さんが記者会見し、事件が地方のイスラム武装勢力による犯行であることをあらためて強調した。
常岡さんは、「今回の事件はタリバンが行ったのではなく、地方軍閥、それも腐敗した人たちが中央の統制を離れて暴走して行ったと認識している」と述べ、犯行グループについては、地方のイスラム武装勢力「ヒズミイスラム」による犯行だとして、タリバンによる犯行であるとしているアフガニスタン政府とは異なる見解を強調した。(FNN )
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 まあ、無事で何より、だったんですが、解放直後に、またもツイッターの世界でこの件に関する面妖な噂話が持ち上がりました。非常に滑稽な実例なんで、ツイッターで見つけた人々の呟きをここにすべてコピペでご紹介したい気分なんです、が著作権と言うものがある以上、そうも行くまい。

 とりあえず噂の概要を書きますと、この件の真相を外務省が隠そうとしている、との説が出てきたのです。常岡さんが、「犯行を行なったのはタリバンではなくアフガンの地方軍閥である」と話しているのが気に入らないらしい、とのこと。日本政府はあくまで犯行はタリバンが行なったこととしておきたいのである、と。
 まず外務省から報道関係者に、「常岡さんをメディアに出さない様に」との通達があったとの噂が流れた。また、常岡さんが現地の日本大使館員から「拘束したのはタリバンだと言え」と強要された、との噂も。そして、「そういえば、解放直後の常岡さんにはテレビ局からの出演依頼が相次いでいたらしいのに、ある時を期して急にその話はなくなったようだ」との”内部情報”も。

 だけどねえ。そんな噂をツイッターで囁き合っているその頃には、特に先鋭的でもない大新聞の記事として、あるいはテレビのニュース番組で、「常岡さんは犯行がタリバンによるものではないと語った」なんて流されちゃってるのに、いまさら外務省は何を隠せるの?実際、常岡さんは、口止めなどされていないとのこと。
 それから、出演依頼がなくなって行ったのは、今回の解放劇に日本中があまり関心を持たなかったから、視聴率が優先のテレビ局が引いちゃった、それだけの話じゃないの?
 いや、そもそも国は何を画策して、犯行を行なったのがタリバンであるとしたがった訳? この事件に怒った日本国民の中からタリバンへの怒りがホウハイとして巻き起こり、国民全員の総意として憲法第9条の廃棄が行なわれ、自衛隊は正々堂々軍隊の名を名乗りアフガニスタンに遠征、正義のためにタリバン掃討作戦を炎のように繰り広げる、なんてことでも考えたって言うわけ?

 もともとは常岡さんの、「犯行を行なったのはタリバンではない」って主張が捻じ曲げられたりせずに報道されるだろうか?って懸念から生まれた妄想なんだろうけどさ。
 そりゃ、「国家の陰謀にツイッターをもって立ち向かう、正義の電脳戦士」としてあれこれ書き込んでいる間は楽しかったろうけど、あなた方はその間、たとえば関東大震災時に「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」なんて根も葉もない噂を流して大変な悲劇を生んだ、あのヒトビトと同種のヤカラだったんだからね。その事実、深く深く噛み締めて欲しいぞ。