以前にも書いたかもしれないけど、糸井重里が「今、これに興味がある」と発言すると、それがどんなものであれ、うさんくさいものに感じられてしまう、という感覚が私にはある。
それが幕府の埋蔵金であれ、バス・フィッシングであれ、新人のミュージシャンであれ、ともかく彼が興味を示し何ごとかコメントなどしようものなら、すべて基本が広告関係者である彼が仕掛けようとする”次のブーム”の撒き餌のように思えて油断ならない、信用すべからざるものに思えて来てしまうのだ。
今、売れているらしい”千の風になって”と言うんだっけ、「私のお墓の前で泣かないでください♪」とかいう歌にも、似たようなうさんくささが息ついている。
あの歌の仕掛け人というか、詩を見つけてきて曲をつけたのは新井満とかいう、これも広告会社の社員にしてシンガー・ソングライター、と言う立場の人物だそうで。言われてみればこちらも同様な怪しげな”匂い”がある。
それは、きれいな住宅を見せられ、「へえ、これは立派な家だな」とドアを開けて中に入ってみると、そのむこうには空白しかなく、建物は実は一枚の看板に過ぎなかった、というような、”でっち上げ”の空虚さである。
彼らには、心の底で大衆と言うものを、彼らが望む方向の消費活動に向けて誘導可能な”数量”としか捉えていない、そんな世界観がうかがえる。
そのような観念に立脚しての創造物であるからこそ、彼らの”作品”には、無理やり作り上げられた賑やかしの花火のうさんくささが終始、ついて回るのだろう。
先日来、マスコミをにぎわしている柳沢伯夫厚生労働相の一連の発言なども、大衆を”計量可能な数値”としか認識していない、そんな発想が根にあるからこそ、反発を生んだのではないか。(いまや、事が政争の場と化し、訳が分からなくなっているが)
私など、この大臣のコメント中で「健全」なる語が発せられたのを聞き、「お前にそんな事を決められるゆかりはない。何を偉そうに」と非常にムカついたものだ。と、書いているそばから、また腹が立ってきたのだが。
最近流行の、”権力の座にいる者にはとりあえずすり寄って、自分が勝ち組のメンバーと信じ込む”、そんな発想をする人々は、私が感じたような反発は感じなかったのだろうか。
それともやっぱり、「ああ、ウチの旦那様はやっぱり良い事を言う」などと陶然となっていたのだろうか。そうなのかも知れないなあ。ご主人様の御都合がまず大事。うまく仕込んだものだと思う。薄ら寒い話である。
○<柳沢厚労相>子ども2人以上「健全」発言、波紋に拍車
(毎日新聞 - 02月06日 21:20)
「女性は産む機械」と発言し釈明に追われている柳沢伯夫厚生労働相が、6日の記者会見で結婚したい、「2人以上子どもを持ちたい若者」を「健全」と表現したことが波紋を広げている。首相官邸は問題視しない構えだが、野党側は「子どもが2人以上いなければ不健全なのか」と一斉に反発。柳沢厚労相の辞任を求める動きがさらに勢いづいており、国会審議の正常化を前に新たな火種となる可能性もある。
厚労相は「若い人たちは結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」と指摘。国立社会保障・人口問題研究所の05年の調査で「いずれ結婚する」と回答した未婚男女の希望する子どもの数が平均値で2人を超えたことを踏まえた発言だった。
これに対し、野党側は「女性蔑視(べっし)が頭の中に染み付いているようだ。看過できない」(民主党の鳩山由紀夫幹事長)▽「かつての『産めよ増やせよ』とお国のために子どもを産んだ考えと同じようだ」(国民新党の亀井久興幹事長)--などと反発、厚労相の辞任を求め安倍晋三首相の任命責任を追及していく考えだ。
一方、「産む機械」発言では厳しい声が上がった政府・与党だが、今回は静観している。自民党の片山虎之助参院幹事長は記者会見で「少子化阻止は大きな国政上の課題。2人以上が望ましいとなるんじゃないか」と理解を示し、同席した矢野哲朗国対委員長が「(発言は)ごく自然ですよね」と差し向けると「自然だと思う」と同調した。
首相は同日夕、首相官邸で厚労相と協議後、記者団に「わが家も残念ながら子どもがいないが、いちいち言葉尻をとらえるより政策の中身をお互いに議論していくのが大切だ」と問題視しない考え。厚労相も記者団に「発言は不適切とかではなく、素直に聞いてもらえば分かる」と理解を求めた。【古本陽荘】
それが幕府の埋蔵金であれ、バス・フィッシングであれ、新人のミュージシャンであれ、ともかく彼が興味を示し何ごとかコメントなどしようものなら、すべて基本が広告関係者である彼が仕掛けようとする”次のブーム”の撒き餌のように思えて油断ならない、信用すべからざるものに思えて来てしまうのだ。
今、売れているらしい”千の風になって”と言うんだっけ、「私のお墓の前で泣かないでください♪」とかいう歌にも、似たようなうさんくささが息ついている。
あの歌の仕掛け人というか、詩を見つけてきて曲をつけたのは新井満とかいう、これも広告会社の社員にしてシンガー・ソングライター、と言う立場の人物だそうで。言われてみればこちらも同様な怪しげな”匂い”がある。
それは、きれいな住宅を見せられ、「へえ、これは立派な家だな」とドアを開けて中に入ってみると、そのむこうには空白しかなく、建物は実は一枚の看板に過ぎなかった、というような、”でっち上げ”の空虚さである。
彼らには、心の底で大衆と言うものを、彼らが望む方向の消費活動に向けて誘導可能な”数量”としか捉えていない、そんな世界観がうかがえる。
そのような観念に立脚しての創造物であるからこそ、彼らの”作品”には、無理やり作り上げられた賑やかしの花火のうさんくささが終始、ついて回るのだろう。
先日来、マスコミをにぎわしている柳沢伯夫厚生労働相の一連の発言なども、大衆を”計量可能な数値”としか認識していない、そんな発想が根にあるからこそ、反発を生んだのではないか。(いまや、事が政争の場と化し、訳が分からなくなっているが)
私など、この大臣のコメント中で「健全」なる語が発せられたのを聞き、「お前にそんな事を決められるゆかりはない。何を偉そうに」と非常にムカついたものだ。と、書いているそばから、また腹が立ってきたのだが。
最近流行の、”権力の座にいる者にはとりあえずすり寄って、自分が勝ち組のメンバーと信じ込む”、そんな発想をする人々は、私が感じたような反発は感じなかったのだろうか。
それともやっぱり、「ああ、ウチの旦那様はやっぱり良い事を言う」などと陶然となっていたのだろうか。そうなのかも知れないなあ。ご主人様の御都合がまず大事。うまく仕込んだものだと思う。薄ら寒い話である。
○<柳沢厚労相>子ども2人以上「健全」発言、波紋に拍車
(毎日新聞 - 02月06日 21:20)
「女性は産む機械」と発言し釈明に追われている柳沢伯夫厚生労働相が、6日の記者会見で結婚したい、「2人以上子どもを持ちたい若者」を「健全」と表現したことが波紋を広げている。首相官邸は問題視しない構えだが、野党側は「子どもが2人以上いなければ不健全なのか」と一斉に反発。柳沢厚労相の辞任を求める動きがさらに勢いづいており、国会審議の正常化を前に新たな火種となる可能性もある。
厚労相は「若い人たちは結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」と指摘。国立社会保障・人口問題研究所の05年の調査で「いずれ結婚する」と回答した未婚男女の希望する子どもの数が平均値で2人を超えたことを踏まえた発言だった。
これに対し、野党側は「女性蔑視(べっし)が頭の中に染み付いているようだ。看過できない」(民主党の鳩山由紀夫幹事長)▽「かつての『産めよ増やせよ』とお国のために子どもを産んだ考えと同じようだ」(国民新党の亀井久興幹事長)--などと反発、厚労相の辞任を求め安倍晋三首相の任命責任を追及していく考えだ。
一方、「産む機械」発言では厳しい声が上がった政府・与党だが、今回は静観している。自民党の片山虎之助参院幹事長は記者会見で「少子化阻止は大きな国政上の課題。2人以上が望ましいとなるんじゃないか」と理解を示し、同席した矢野哲朗国対委員長が「(発言は)ごく自然ですよね」と差し向けると「自然だと思う」と同調した。
首相は同日夕、首相官邸で厚労相と協議後、記者団に「わが家も残念ながら子どもがいないが、いちいち言葉尻をとらえるより政策の中身をお互いに議論していくのが大切だ」と問題視しない考え。厚労相も記者団に「発言は不適切とかではなく、素直に聞いてもらえば分かる」と理解を求めた。【古本陽荘】