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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

記念って?

2009-02-25 11:02:29 | 好きな絵本
日曜日にことり文庫さんへ行ったのは、お取り置きの本の、
受取のためでもありました。

夫が頼んだ写真集と、私が頼んでおいたこの絵本。

『ハンバーグーチョキパー』
長 新太・作 和田 誠・しあげ

年少版2009年3月号です。

長さんが残したラフスケッチを、和田誠さんが、福音館からの依頼で
絵を付けて、1冊の絵本に仕上げたものです。

同じような絵本として、こちらがすでに出版されていますよね。
 

こういうのは、「絵本」としてはどうなんだろうね?
と、こうめさんともちょっと話しました。

惜しまれながら逝ってしまった、長さんのアイデアをもっと楽しみたい、
もっと絵を見てみたいという気持ちは、もちろん私にもありますが、
下書きやラフスケッチは、やはり「下書き」であり、あくまでも「ラフスケッチ」
なのではないかなあとも思うのです。

和田誠さんが、長さんだったらどうするだろうと、考え抜いて
最良の選択をしたとしても、やっぱり手放しでは喜べないかなあ
という感じ‥でしょうか。

でもでも。
それでも、せっかくだし、年少版だし(価格が手頃なことと
ハードカバー化されないかもしれないから)
記念だからと、ことりさんに頼んでとっておいてもらった私です。

「記念だしね」と、こうめさんに言ってる私の隣で、小6女子が、
「記念って、なんの記念?」とシビアな発言。
「‥‥‥」な私。

はい。正直に言いますね。
記念って、記念とはー 買いたい・欲しい とはっきり言えない時に
使う言葉です。
類義語で、「機会に恵まれた」とか、「出会ってしまった」というのも
あります。たいていの場合、せっかくだからという言葉と共に使います・笑



『ハンバーグチョキパー』は、せっかくの記念本としてではなく、
もちろん充実の、長さんスタイルナンセンス絵本として楽しめました。

一本道を、お皿にのったハンバーグステーキが歩いてきて、
逆側から来た、同じようなハンバーグステーキとばったり出会って、
どちらも道を譲らずけんかになってしまうのですが‥
ふたり(ふた皿?)がごちゃごちゃやっている間、時間が確実に流れて
いることが、空の色の移り変わりからよくわかって、そこが、いいなあ
と思うのです。

ごちゃごちゃの解決には時間がかかりますものね。
最後には夕焼けのオレンジ色になっています。

きっと、長さんも、空の色をそんなふうにつけるのでは
ないかな、と思いました。




コメント (8)
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