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Met'sラインゴルトその2

2010-11-08 22:23:27 | その他
タイトル違いますが、前回記事↓が「その1」なので...

演出のロベール・ルパージュだったか、芸術監督のジェームズ・レヴァインだったかのインタビューで、「ワーグナーの上演当時は(舞台演出に)技術的な限界があり、本人も不満を持っていたが、今回のプロダクションは彼の望みを実現させるものになったと思う」というような話がありましたが、まさにそう感じました。
現在のヨーロッパの歌劇場でのプロダクションは、聴衆がそのオペラを(少なくともストーリーを)知っていることを前提としていて、かなり恣意的で過剰に修飾(変更)されたものが多く(まあ、どうかして過去のものとの違いを出したいということなんでしょうが)、元々の作品(の意図)を知らないと、話が意味不明になってしまう可能性大。
そういう意味ではMetの演出は、逆に奇をてらってないというか、万人向けというか、分かりやすいものが多いですね。

ただまあ今回の演出も、SFファンタジーゲームみたいな趣があるのは否めませんが(笑)
(以下ネタバレ有り)
ラインの黄金や『指環』やローゲ(火の神、『炎』の化身)が光るのはともかく、フライア(←ふれいやさんの名前のドイツ語名)を巨人族に奪われて『老い』に脅かされた神々の胸が、カラータイマー(ここ読んでらっしゃる方でコレを知ってる人いるのか... 笑)みたいにぴこぴこ光るのはいかがなものかと...
あと、アルベリヒが化けた大蛇も、やり過ぎの感が。
ヴォータンと絡む尻尾はともかく、頭は映像でも良かったのでは?
上手くセットを使ってたのに、最後はディ○ニーランドのアトラクションみたいになっちゃって、もったいなかったです。

とは言え、非常に「アトラクティヴ」で楽しめる演出なのは間違いなく、過去の『リング』演出の中でも革新的でありながら原典が尊重されていて、ワーグナーが思い描いていたものに最も近いんじゃないかと思います。
『ラインの黄金』では特に最初のライン川のシーンが退屈になりがちですが、このセットで表現された幻想的な情景(出演者の動きや音に反応する特殊な素材が使われてました)と出演者の命がけの演技(笑)で、全く飽きさせずに観せてくれました。
もちろん、全て、素晴らしい演奏があってこそなんですが。
本当に宙吊りで歌うとは思ってなかった(笑)
(宙吊りで演技してたのはほとんどスタントだと思いますが、ラインの娘たちとローゲだけは腰にロープをつけて歌ってました)
同様に、場面転換の音楽の間も、常に何かが動いている状態なので、舞台から全く目が離せません。
そういう意味でも、ゲームに似てたかな。

(まだつづく 笑)

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