報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“戦う社長の物語” 「スーパーロイド大戦」

2017-10-17 19:03:16 | アンドロイドマスターシリーズ
[10月1日14:30.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区→大宮区]

 エミリー:「未確認武装ロボット、一定の距離を保ったまま追尾中!」
 敷島:「特定はできないのか?」
 エミリー:「それが、何度も通信を試みているのですが、向こうが拒否しています」
 敷島:「KR団は潰れたはずだし……。一体、何なんだ?」
 アリス:「…………」
 敷島:「アリーナ横に首都高の入口があったな。そこに入って振り切るか?」
 アリス:「ちょっと!トニーもいるんだから、ムチャしないでよね!」
 敷島:「分かった分かった。それじゃ、別の振り切る作戦行くか」

 敷島の車、八幡通り交差点で赤信号で止まる。

 エミリー:「恐らく……5台前後後ろの車に、未確認武装ロボットが乗っているものと思われます」
 敷島:「そうかいそうかい。ロボットは車の運転はできないから、その車に最低1人の人間が乗っているということになるな」

 敷島は先頭に停車している。
 しばらくすると、信号が青に変わる。
 が、敷島は車を発進させない。

 アリス:「タカオ?」

 当然、後ろの車からクラクションが鳴らされる。
 それでも敷島は車を発進させない。
 ついに痺れを切らした後ろの車が車線変更して追い抜いて行く。
 だが、それでも敷島は車を出さない。

 敷島:「エミリー、該当の車をスキャンしろ」
 エミリー:「はい!」

 5台後ろの車は大型の観光バスである。

 敷島:「ちっ!」
 エミリー:「社長!?」

 信号が黄色になった。
 と、そこで敷島が車を急発進させた。
 直後の観光バスが停車した。

 敷島:「狙い撃ちされるぞ!頭伏せろ!」
 アリス:「!!!」

 対向車線に停車していた黒塗りのミニバンから、マシンガンが掃射された。
 敷島、アクセル全開で対向車の横を通り過ぎた。
 そして、路肩に急停車する。

 敷島:「エミリー!行け!行け!行け!」
 エミリー:「はい!」

 エミリーは車から飛び出して、ミニバンに走った。
 ミニバンは赤信号を無視して、交差点に侵入した。

 シンディ:「逃がすもんですか!!」

 シンディ、右手を光線銃に変形させて車のタイヤに発砲した。
 タイヤがバーストして車はハンドル操作を誤る。

 シンディ:「あ゛!」

 ミニバン、ハンドル操作を誤って交差点の先頭に止まっていた観光バスと正面衝突した。

 エミリー:「バカ!撃つ角度とタイミングが違う!」
 シンディ:「ごめんなさい!まだ、光線銃使い慣れてなくて……」
 エミリー:「……ってか、お前、何してんの、ここで?」
 シンディ:「あっ!……えっと、ですね……それは……」
 敷島:「……えっ、このバス回送?良かった良かった。……おい、2人とも!さっさとこっちのテロリスト確保しろ!」
 エミリー:「はい!」
 シンディ:「了解!」

[同日18:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 浦和西警察署]

 敷島:「全く。とんだ休日になっちゃったよ」
 村中:「まあまあ。これも宿命だと思って。思わぬお手柄だったじゃないか」
 敷島:「何がですか。こっちは危うく死ぬところだったんですよ」
 鷲田:「キミが言うと、冗談にしか聞こえんな」
 敷島:「鷲田警視まで……。ってか、ここは埼玉県警でしょ?どうして警視庁の公安関係者がこっちにいるんですか?」
 鷲田:「それで察しが付かんのか?」
 敷島:「KR団の生き残りでした?」
 村中:「KR団とは直接関係無くても、奴らが起こした犯罪の数々は計り知れない。それを調べる為なのさ」
 鷲田:「ロボットを使った銃撃事件。それを追うのは、私らの仕事だ」
 敷島:「で、どうだったんです?」
 村中:「テロ関係者からしてみれば、キミの存在は警察以上に目の上のタンコブなんだよ。KR団を潰されて、その後押しを受けていた零細組織も悉く資金難で潰れたか、或いは我々に検挙されたかしたからね。その恨みつらみが、ああして爆発したみたいだ」
 鷲田:「今後もこういうことは起り得る。キミもそれを想定して、あの化け物ロボット2人を護衛に置いたのだろうが、まだまだだということだ」
 村中:「見た目はモデル並みの美人さん達だけどね」
 鷲田:「見た目だけだよ」
 敷島:「…………」
 鷲田:「ま、とにかく犯人は捕まえたから、後で感謝状くらいは届けるよ」

 シンディの不始末は不問だったらしい。
 バスには運転手が1人しかおらず、しかも怪我は全く無かったので。

 エミリー:「社長、どうでした?」
 敷島:「後で感謝状くれるってさ」
 エミリー:「車を防弾ガラス仕様にしておいて良かったですね」
 敷島:「対KR団用だったけど、まだ必要だったか……。車はどうした?」
 エミリー:「取りあえず奥様が運転して、お帰りになりました。明日、車を修理に出すそうです」
 敷島:「ああ、分かった。帰りはバスだな」
 エミリー:「シンディが夕食をご用意しておりますので……」
 敷島:「結局、シンディは何であんな所にいたんだ?」
 エミリー:「くだらない理由ですよ」
 敷島:「ん?」

[同日18:15.天候:晴 さいたま市中央区 浦和西警察署入口バス停→国際興業バス新都01系統車内]

 敷島:「何だ、そんなことか。会長も下らない思いつきをするもんだ」
 エミリー:「お坊ちゃまの為に動いて下さるというのは、とても光栄なことですが……」
 敷島:「全く……」

 そこへバスがやってくる。

 敷島:「バスに乗ったら、シンディに通信しておいてくれ」
 エミリー:「かしこまりました」

 敷島はバスに乗り込んだ。
 空いている1人席に座り、エミリーはその横に立った。

〔ドアが閉まります。ご注意ください〕

 ドアが閉まり、バスは夕闇が迫る中を走り出す。

〔♪♪♪♪。次は彩の国さいたま芸術劇場入口、彩の国さいたま芸術劇場入口でございます〕

 エミリー:「社長。劇場と言えば……ですが」
 敷島:「あいつらに来た例の話か?……あれは1度断っただろ」
 エミリー:「明日、また来社する予定になっています。今一度、お話があるものと思われます」
 敷島:「いくら人間には『飽き』があるとはいえ、ボーカロイドをそう簡単に飽きられちゃ困るってんだよ。『歌って踊る』基本コンセプトを無視した売り方は、俺の性に合わねぇ」
 エミリー:「…………」
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“戦う社長の物語” 「敷島家のオフ」

2017-10-17 12:11:05 | アンドロイドマスターシリーズ
[10月1日13:00.天候:曇 埼玉県さいたま市大宮区 某【ホワホワ】]

 敷島:「♪」

〔あっぱれジャパン♪はるなつあきふゆ〜♪……〕

 敷島:「四季の〜色♪染めあーげて♪……ってか。これ、うちのミクにもカバー曲として歌わせて……あ、いや、ダメか。年齢制限が……」

 敷島、一体どこにいるんだ?

〔リーチ!〕

 敷島:「お、また来た」

〔めでためーでーたぁーの♪祭りの夜♪……〕

 敷島が打ってる台、当たった際に流れる歌で【お察しください】。

〔……打ち上げろ♪どんどんどん♪〕

 敷島:「どんどんどん……プッw」(←マリンちゃんのコスプレをしたシンディが、右手をショットガンに変形させて発砲しているのを想像している)
 隣の台のオヤジ:「この兄ちゃん、さっきから何やってんだ?」(友情出演:ポテンヒットさん)

 そして……。

 敷島:「いやあ、大漁大漁♪たまにはこういう所に来るのもいいもんだろ?な?」
 アリス:「そうね……」
 敷島:「何だ、アリス?お前も昔、アメリカのカジノのスロットで荒稼ぎしたって言ってたじゃんか」
 アリス:「昔の話だから」

 店の外にある換金所。
 店の外にあるという所がミソ。

 敷島:「うむうむ。CRアンドロイドマスターって売り出してみようかな」
 アリス:「はい、ムリ」

 敷島、諭吉先生を何人か長財布の中に入れる。

 アリス:「Please.」
 敷島:「こういう時、メイドがいると楽だよな。トニーは今、エミリーが看ててくれてるし」
 アリス:「そうね」

 アリスは主にスロットをやっていたはずだが……。

 アリス:「んー!財布に入らない」
 敷島:「は!?」Σ( ̄□ ̄|||)

 パチンコよりスロットの方が当たればデカいのは昔の話だと思っていたのだが、そうでもないことをしてくれたアリスだった。

 駐車場に戻ると、エミリーが向こうからやってきた。

 エミリー:「お帰りなさい」
 敷島:「おっ、外に出てたのか」
 エミリー:「雨も止みましたので」
 敷島:「そうか。それにしても、雨が止んでもまだ寒い。よし。次に行こう」
 アリス:「今度はどこ?」

 敷島は車に乗り込みながら答えた。

 敷島:「昼飯がまだだろ。ちょうどパチに夢中で昼時は過ぎたから、店も空いて来てるだろ」
 アリス:「トニー、今度はママ達と一緒だからねー」
 エミリー:「チャイルドシートへの着席、完了しました」
 敷島:「じゃ、出発しよう」

 敷島は車を走らせた。

〔駐車券を、お入れください〕

 敷島:「アリス、駐車券」
 アリス:「はいな」

〔料金は、1500円です〕

 敷島:「アリス、無料券」
 アリス:「はいな」

〔ありがとうございました〕

 エミリー:「お待ちください。今、領収証を取ります」
 敷島:「別に、こんなもの経費で落とす必要は無ぇだろ。パチとスロは勝ったんだから」
 エミリー:「秘書としての仕事です」
 敷島:「今はメイド優先なのに、時々秘書に戻るなぁ……」
 アリス:「シンディとはそこが違うね」

[同日同時刻 天候:曇 敷島家]

 二海:「それではシンディ様、私はそちらの部屋で待機しております」
 シンディ:「ああ。休んどきな」

 メイドロイドの二海、手持無沙汰になって納戸へ引き上げる。

 シンディ:「何だな……。アタシも一緒に行けば良かったなぁ……」

 室内はとてもきれいに掃除されており、ハウスメイドとしての仕事が終わったことを意味している。

 ピンポーン♪

 シンディ:「あら、お客様?」

 シンディ、玄関に向かう。
 ドクター・ウィリーの秘密研究所にいた時は来訪者などあり得ず、インターホンは侵入者警報、パーラーメイドではなく、セキュリティロボットとしての役目を果たしていたのだが……。

 シンディ:「はいはい、はーい!」
 敷島峰雄:「やあ、孝夫の秘書さん。いや、ここではメイドさんかな?」
 シンディ:「四季ホールディングスの峰雄会長!」
 峰雄:「私の『孫』に会いに来たよー」
 シンディ:「ああ……申し訳ありません。只今、お坊ちゃまは社長ご夫妻とお出かけになられまして……」
 峰雄:「何と!?うぬぬ……私のサプライズから逃げようとは、さすがは『テロリストを泣かせた男』!」
 シンディ:「あの、もし宜しかったら、すぐに連絡して帰宅するように申し伝えますので……」
 峰雄:「いや、それには及ばん。……そうだ。キミ、持てる力で孝夫達を捜すことは可能か?」
 シンディ:「あの車にはGPSが搭載されていますし、それに私の姉も同乗しています。もちろん簡単です」
 峰雄:「よし。すぐに彼らを追うぞ。来てくれたまえ」
 シンディ:「かしこまりました。少々お待ちください」

 シンディは納戸で待機している二海にこのことを伝えると、すぐに外に出た。
 マンションの前には峰雄の車が待機していた。
 運転手付きの黒塗りのセンチュリーである。

 峰雄:「キミ、孝夫の秘書が居場所を突き止める。この秘書の指示通りに走ってくれ」
 運転手:「かしこまりました」

 峰雄はいつものリアシートに乗り、シンディは助手席に座った。

 峰雄:「ああ、そうだ。孝夫の居場所を捜すに辺り、彼らには私が向かっていることをバレないようにしてくれ」
 シンディ:「は?そうなりますと、姉と通信ができないことになりますが?」
 峰雄:「ヤツの車に搭載されたGPSで辿れるのだろう?それでやってくれ」
 シンディ:「か、かしこまりました。只今、GPSで検索します」

[同日14:00.天候:晴 さいたま市中央区 JR北与野駅高架下ジョナサン]

 敷島:「おー、晴れてきたな」
 アリス:「ほんと、今さらだよね」
 敷島:「明日のミクの撮影、野外だから助かるよ」
 アリス:「またグラビアの仕事なの?」
 敷島:「ボーカロイドは機能美(歌って踊る)だけでなく、造形美(見た目の美しさ)も喜ばれているってことさ」
 アリス:「そりゃそうだけど、何だか最近、歌の仕事が減っているような気がしてならないわねぇ……」
 敷島:「何でお前がそんなこと知ってるんだよ?」
 アリス:「シンディがボヤいてた」
 敷島:「くっそ!あいつ、秘書としての口の重さには欠ける所があるな。それ以外は完璧なんだが……」
 アリス:「それも完璧なエミリーを第一秘書に切り換えて良かったってことじゃない」
 敷島:「うーむ……」
 アリス:「元々シンディは、秘書としての役割には重点を置かれていなかったから。そこはまだエミリーの方が高性能ってことね」
 敷島:「やけに素直に認めるな?」
 アリス:「まあ、事実だから。それに……」

 と、そこへ敷島の仕事用のスマホが鳴る。

 アリス:「ちょっと!オフの時は仕事用のケータイもオフにしなさいよ!これだから日本人は……」
 敷島:「別にいいだろ。そこが日本人の良い所でもあるんだよ。ってかこれ、車の中にいるエミリーからだぞ。何かあったのか?」

 敷島は電話に出た。

 敷島:「どうした、エミリー?何かあったのか?」
 エミリー:「大変です!未確認の武装ロボットが接近中です!この車のGPSを辿って向かって来ています!」
 敷島:「俺の車の?そんなことできるの、ごく一部の限られた奴らじゃないか?シンディとか?」
 エミリー:「だったらシンディとすぐに分かるはずです。暴走したバージョン4.0の恐れもあります。至急、退避を!」
 敷島:「わ、分かった。すぐに店を出よう」
 アリス:「何かあったの?」

 敷島は電話を切った。

 敷島:「テロとの戦いは、まだ続くってことさ」
 アリス:「What’s!?」

[同日同時刻 天候:晴 さいたま市中央区 国道17号線上]

 シンディ:「あっ、社長達の車が移動しました!」
 峰雄:「一足遅かったか。キミ、バレないようこっそり追ってくれ」
 運転手:「か、かしこまりました!」
 シンディ:(センチュリーという時点で、結構目立つような気がするけど……)
 峰雄:「シンディ君、キミの追跡は絶対にバレていないだろうな?」
 シンディ:「もちろんです。車のGPS検索の際、わざと私の情報はカットしておきましたので」
 峰雄:「私のサプライズ、絶対に成功させるぞ」
 シンディ:(一体、何をしようというの?敷島ファミリーのことだから、何かロクでもないような気がする……)
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