報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「東武浅草駅」

2020-11-29 19:55:05 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月27日16:40.天候:晴 東京都台東区花川戸 東武浅草駅]

 
(夜の東武浅草駅外観。写真はウィキペディアより)

 車が東武浅草駅前に停車する。

 部下:「着きました」
 善場:「ありがとう。忘れ物だけ無いようにしてください」
 高橋:「了解」
 リサ:「はーい」

 善場の部下を除く3人が車を降りた。

 善場:「こちらです。行きましょう」
 高橋:「ああ」

 荷物を持って浅草駅構内に入る。
 構内はそろそろ夕方ラッシュの様相を見せていた。
 夏ならまだ余裕で明るい時間帯だが、もうこの時季は夜の帳が下りている。
 そして何より、肌寒くなっていた。
 善場はベージュのコートを着ていたし、高橋もジャンパーを着込んでいた。
 何しろこれから、東京よりもっと寒い所に行くのである。
 にも関わらず、リサは制服のブレザーを着ているだけで、特に上に何か羽織るようなことはしていない。
 BOWの体温は概して高く、寒さに強いからだろう(爬虫類は寒さに弱いはずだが、爬虫類系BOWハンターが雪山で活動した例がある。例、“バイオハザード リベレーションズ”)。
 とはいえ、さすがに学校に行く時は周囲に合わせてコートを着るようにしている。

 善場:「キップは1人ずつ持ちましょう」
 リサ:「私、窓側がいい」
 善場:「はい。じゃあ、10A。高橋助手は10Bでいいですか?」
 高橋:「ああ。姉ちゃんはどうなんだ?」
 善場:「私は11A。リサの後ろですね」
 高橋:「まあ、いいけどよ」

 今はABCDのアルファベット表記になったが、かつては全て数字のみで座席番号が表示されていた。
 その為、知らないとこの席番が窓側なのか通路側なのか判別できなかった(もちろん、窓口で指名買いをすることは可能だった)。
 これは小田急ロマンスカーとも共通する(西武特急はレッドアロー時代からABCD表記)。

 高橋:「こっちか」

 エスカレーターで改札階へ上る。

 高橋:「そういえば夕飯はどうするんだ?」
 リサ:「お弁当!?駅弁!」
 善場:「そうですね。これから乗る電車は車内販売は無いとのことなので、この駅で購入するのが無難でしょうね。一応、下今市駅で乗り換える時も多少の時間はありますが、そもそもその時間開いているかどうか不明なので」
 高橋:「なるほどな。売店はどこだ?」
 善場:「改札口を入った先です」

 まずは自動改札機を通る。
 ここから1番線、2番線から発車する通勤電車に乗る場合は、そのままホームに行けば良い。
 しかしここから特急ホームの3番線、4番線に行く場合はまた更に中間改札がある。
 特急改札口の手前を左に曲がると、売店があり、そこで駅弁が買えた。

 高橋:「ん?下今市駅で乗り換えってことは、またあの各駅停車の鈍行に揺られて2時間以上ってことか?」
 善場:「そういうことです。本当は会津田島まで直通の特急があるのですが、リサの学校が終わってからとなると、どうしてもそれには乗れないのです」
 高橋:「ガッコ、サボっちまえよ」
 リサ:「ヤダよ!」
 善場:「経費が節減できた分、駅弁などは好きな物を購入していいですから」
 高橋:「そ、そうか」
 リサ:「あ、電車が来た」

 4番線と5番線に上りの特急列車が到着した。
 ここまでの乗客達は4番線に降りて来る。
 5番線は、かつてここから発着していた快速や区間快速が使用していたが、今はそれが廃止された為、臨時ホームと化している(臨時列車の夜行列車ですらこのホームは使用しない)。

 リサ:「あれに乗るの?」
 善場:「そうですね。スペーシアに乗るのは初めてですか?」
 リサ:「初めて!」
 高橋:「俺もだな。……お、のり弁いいな。それとタバコ」
 善場:「到着するまでは、禁煙でお願いします」
 高橋:「分かってるよ」
 善場:「私は松花堂弁当にしましょう。リサは?」
 リサ:「すき焼き重」
 高橋:「1番高ぇモンじゃねーかよw」
 善場:「まあまあ。愛原所長の命を救うべく、献血したのはリサですよ。その功績を称えるべきです」
 高橋:「そ、そういうことか」
 善場:「でも、『2番』のリサ。『0番』のリサからのお願いです」
 リサ:Σ(゚Д゚)
 善場:「その血を悪用したりしないように。いいですね?」
 リサ:「は、はい」
 高橋:(リサに凄みを利かせやがった。本当に『0番』は人間なのか?)

 売店で駅弁やらお菓子やらタバコやら色々買い込む。
 売店の店員に聞くと、今からあの特急に乗って下今市駅に着く頃には、向こうの売店も閉店しているとのこと。
 それで今、ここで買い込むことにした。
 ジュースくらいなら、途中の自販機で購入できるだろうが……。

 係員:「はい、ありがとうございます」

 中間改札口にいる女性係員に特急券を見せて、特急ホームに入る。
 ホームの先に向かう度に細く狭くなっていく。
 それもそのはず。
 次の駅に向かう際、90度のカーブがあり、既に場内の時点でカーブが始まっているからだ。
 その為、1番線以外は6両編成までしか入れず、その下り寄りの車両には渡り板が設置される。
 もちろんこれは、電車とホームの間の隙間が尋常ではないからだ。
 1番線はギリギリ8両編成まで入れるが、それでもドア扱いできるのは上り方向6両のみという個性的な駅なのである。
 ドアが開いて係員により渡り板が設置されると、それを踏んで車内に入る3人。

 善場:「ここですね」

 デッキに1番近い席であった。
 進行方向左側。
 荷物を棚の上に乗せる。

〔♪♪♪♪。東武鉄道ご利用くださいまして、ありがとうございます。この列車は17時ちょうど発、特急スペーシア“きぬ”135号、鬼怒川温泉行きです。停車駅は、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部、栃木、新鹿沼、下今市、東武ワールドスクウェア、終点鬼怒川温泉の順に止まります。……〕

 リサ:「テーブルが2つある」
 高橋:「贅沢だな。こうやって、ひじ掛けから出すヤツもあるぞ」
 リサ:「おー!」

 リサはテーブルの上に自分の駅弁とお茶のペットボトルを置いて、駅弁の蓋を開けた。

 高橋:「もう食べるのかよ」
 リサ:「お腹空いた」
 高橋:「俺は……後で食う」

 高橋は、他に購入したお菓子なども絶対にリサが食べ尽くすと確信していた。
 しばらくして列車は、定刻通りに発車した。
 予想通り、90度カーブを徐行して進んでも尚、車輪を大きく軋ませながら。
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“愛原リサの日常” 「愛原への迎え」

2020-11-29 13:51:00 | 私立探偵 愛原学シリーズ
 物語を始める前に、愛原が付けた療養日記なるものがある。
 まずはこちらを紹介しよう。

「11月11日。瓦礫と化した建物を脱出した。その外は廃墟と化した町が広がっていたが、霧生市だろう。誰もいないその町を駆け巡る夢だったが、1人の少女が現れた。最初はリサ・トレヴァーの『1番』かと思ったが、どうやら違うらしい。『2番』のリサとよく似た少女が『1番』だという。だとしたら、これは10歳くらいの子なので確かに似ていない。それにしても、子供にしては不気味な笑いを浮かべる。私は走り去る彼女を呼び止めて、名前を尋ねた。すると、彼女は後ろを振り向き、不気味かつ無邪気な笑顔で答えた。『エブリン』と」

「11月12日。あの夢は見ていない。いつ見た夢なのか分からない。熱が下がらない。頭も痛いし、咳がヒドイ。コロナではないらしいが……」

「11月14日。何日め……?またしばらく意識が無かった。だけど、最初に見た夢をもう見ることはない。熱は……39度……。頭が重い」

「11月15日。先生の話をようやく聞けるようになった。どうやら私の体に入ったウィルスは変異して、まるでインフルエンザのような感じになったらしい。とても珍しいことらしい。検査をしたいからと、採血をされた。熱は38度」

「11月16日。リサや高橋からお見舞いの手紙が届く。何故か高野君からのメッセージは無い。熱は38度。しかし、頭痛は治まった。強いて言えばボーッとするくらい。咳もまだ出るが、果物などは食べれるようになった」

「11月17日。ICUから一般病棟に移される。但し、感染症の為か、入った病室は個室だ。まあ、咳をゴホゴホやっている状態で、大部屋には入れないか」

「11月18日。リサの夢を見る。リサも寂しがっていることだろう。早く退院したい」

「11月19日。やっと熱引いた。咳も収まっている。今日から流動食だが、何とか食欲も戻ったみたいだ」

「11月20日。今日からリハビリに入る。ずっとベッドで横になっていたから、起き上がるのも億劫だ。確か、新型コロナウィルスで入院していた患者も同じことを言っていたような気がする」

 中略。

「11月26日。時折微熱が出たり多少の頭痛がしたり、咳が出たりしていたものの、今日は全くもって健康だ。病院食も普通の食事になったし。明後日には退院できることになった。土曜日に退院なんて不思議な話だが、如何に私が特別な感染症だったかということだ。何しろ、BOWリサ・トレヴァーから直接感染させられたのだから」

「11月27日。今頃はリサ達もこの町に到着したはずだ。何しろ、片道3時間以上のこの町では、前泊は必須だろう。それにしても、気になることがある。私はリサ・トレヴァー『8番』の血反吐を浴びたことで感染した。『8番』に限らず、リサ・トレヴァーには自分の意思で自分のウィルスを活性化させたり、或いは無毒化させたりと自由にできるのだという。『8番』の場合は本当に私達を殺すつもりで感染させたのだから、ウィルスもさぞかし強毒化されたものだったろう。それを同じリサ・トレヴァー『2番』から血清やらワクチンやら作れたおかげで、私はこうして無事にいる。『2番』のリサには感謝する他無いのだが、それってつまりその『2番』のリサにもそのような能力があるということだ」

[11月27日23:00.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 福島県立南会津病院]

 愛原:「……はっ!」
 看護師:「愛原さん、どうしました?」

 愛原は変な夢を見て目が覚めた。
 ちょうどそこへ見回りの看護師がやってくる。

 愛原:「あ……いえ、何でもないです。ちょっと、変な夢を見ちゃって……」
 看護師:「ああ。明日はいよいよ退院ですから、ゆっくり休んでくださいね」
 愛原:「あ、はい。すいません」

 愛原は再び布団を被った。
 愛原が見た夢は、久しぶりに現れた『エブリン』を名乗る少女。
 愛原が懸念しているリサ・トレヴァーの能力くらい自分も簡単に使えること、そしてその能力はリサ・トレヴァーも敵わないことを自慢げに話していた。

 愛原:(大丈夫なんだろうか……?)

[同日16:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 時間は少し遡る。
 リサは急いで学校から帰って来た。

 高橋:「来たなー。急いで出発の準備をしろ。明日は先生のお迎えだ」
 リサ:「分かった!」

 とはいえ、予め先にできる準備だけはしておいた2人。
 リサは服は制服のまま行くつもりでいた。
 一応、ブラウスと下着だけ替えた。
 部屋のインターホンが鳴る。

 高橋:「はい!」

 高橋が応答すると、相手は善場だった。

 善場:「善場です。お迎えに参りました。準備はできましたでしょうか?」
 高橋:「大急ぎでやってるとこっス!」
 善場:「17時の電車に乗りますからね、急いでください」
 高橋:「了解っス!」

 そして準備を終えた2人は、大急ぎでマンションのエントランスに向かった。
 裏手の駐車場に回ると、高野を連行した黒塗りのハイエースではなく、アルファードが止まっていた。

 善場:「お迎えに参りました。さ、早く乗ってください」

 善場が合図をすると、運転席に座っている黒服の部下が電動スライドドアを開けた。

 高橋:「またこれで片道3時間以上掛けて向かうんスね」
 善場:「愛原所長のお迎えなら、これくらい平気じゃないですか?」
 高橋:「当たり前っス!」
 リサ:「当たり前」
 善場:「じゃ、行きましょう。お願い」
 部下:「はっ。それでは、浅草駅まで向かいます」

 部下はスライドドアを閉めると、車を出した。

 高橋:「案外、入院期間長かったっスね」
 善場:「まあ、そうですね。あのリサ・トレヴァーが感染させたウィルスということもあり、新型コロナウィルス以上の態勢でもって対応する必要があったので。実態はインフルエンザのようなものでしたが」
 高橋:「こいつの体ん中に、そんなのが入ってるんですか?」
 リサ:「無いと思うけどなぁ……」

 リサは首を傾げた。

 善場:「ええ。恐らく無いでしょう。『8番』はTウィルスを強化したものを愛原所長に感染させたのです。しかし、愛原所長は元々Tウィルスへの抗体を持っていました。通常の毒性でしたら、そもそも感染すらしなかったと思います。しかし、『8番』は強化したものを送り込みました。それが所長の体の中で変異し、結果的にはインフルエンザのようなものに変異したと考えられます」
 高橋:「何か、アホみたいな話っスね。いや、インフルエンザだって、ヘタすりゃ殺人ウィルスだってことくらいは知ってますよ。だけど俺達、ゾンビウィルスの中を走り回ったくらいだから、今更インフルエンザって言われてもなぁ……と」
 善場:「まあ、そうですね。そのお気持ちは分かります。あとは『2番』のリサの血から作ったものが功を奏したと言えましょう」
 高橋:「毒を以て毒を制す、ってヤツっスか」
 善場:「正しく、言葉通りですね。結果的にそれで愛原所長が助かったのですから、それで良しとしましょう」
 高橋:「うス」

 善場と高橋の会話を、リサは上機嫌で聞いていた。
 自分の血が命の恩人を救う結果になったこと、とても狂喜という言葉すら甘いほどだった。
 殺戮の為に造られたリサ・トレヴァーの中で、1人でも逆に命を救うことをしたのは『2番』だけであろう。
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“愛原リサの日常” 「からっぽの空」

2020-11-28 19:51:43 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月9日16:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

〔ドアが開きます〕

 ピンポーン♪とチャイムが鳴って、エレベーターが5階に到着する。

〔5階です。下に参ります〕

 エレベーターから降りて来たのはリサ。
 追われるBOWから逃げるのにマップ移動は好都合だが、こちらのリサにはエレベーターでマップ移動したところで、すぐに追って来るので無意味である。

 リサ:「ただいま」

 リサが事務所に入ると、事務所には高橋1人しかいなかった。

 リサ:「ただいま、お兄ちゃん。高野さんは?」
 高橋:「おー、リサか。アネゴなぁ……連行されたよ」
 リサ:「レンコー!?誰に!?」
 高橋:「善場の姉ちゃんだ。何でもアネゴ、アンブレラの関係者だったんだとよ。それで色々詳しく聞きたいってんで、任意同行だよ。ほとんど強制的な任意同行だ。で、何か容疑が固まりでもしたら、タイーホって流れだ」
 リサ:「高野さん、アンブレラだったの!?」
 高橋:「今思えば、確かにアネゴ、やたら詳しいと思った部分がいくつかあったけど……。まさか、ガチだったとは……」
 リサ:「先生には伝えたの?」
 高橋:「バカか。先生はまだ意識不明だろうが。どうやって伝えるんだ?」
 リサ:「あっ……そうか」
 高橋:「一応、ボスには伝えてある。先生がいらっしゃらなくて、アネゴもいないんじゃ、この事務所、回せねーからな。先生がお戻りになるまで、この事務所は休業だとよ」
 リサ:「そんな……」
 高橋:「俺にできることは、この事務所の掃除ぐれーだな」
 リサ:「それなら私にもできる」
 高橋:「……とりま、家に帰るか。ここにいたってしょうがねぇ」
 リサ:「うん……」

 リサと高橋は事務所をあとにした。

〔ピンポーン♪ 下に参ります〕

 エレベーターに乗り込む。

〔ドアが閉まります〕

 高橋:「取りあえず事務所には明日も行くけど、掃除と電話番くれーしかできねーな」
 リサ:「私は?」
 高橋:「オメーは学校に行け」

[同日22:00.天候:晴 同地区 愛原のマンション]

 夕食も終わり、リサはソファに座ってテレビを観ながらスマホをイジっていた。

 高橋:「おい。そろそろ、風呂入れ」
 リサ:「はーい」

 リサは白いTシャツ1枚に黒いスパッツ姿で寛いでいた。
 ゴロンとソファの上で転がって上半身だけ起こす。
 その時、高橋のスマホが鳴り出した。

 高橋:「!? 俺のか」

 高橋はテーブルの上に置いといた自分のスマホを取った。
 画面を見ると、相手は善場になっていた。

 高橋:「善場の姉ちゃんか。……はい、高橋」
 善場:「高橋助手。夜分遅くに恐れ入ります」
 高橋:「子供は寝る時間だが、俺はまだ起きてるよ」
 善場:「リサには夜更かしさせないようにお願いしますよ」
 高橋:「分かってる。今、風呂に入れる所だ。で、何の用よ?アネゴ、ついにタイーホか?」
 善場:「それはまだです。朗報ですよ。愛原先生の意識が戻ったそうです」
 高橋:「それ、ガチバナか!?」
 善場:「本当です。夜も遅いので、本当は明日連絡しようかと思ったのですが、なるべく早い方がいいと思いまして」
 高橋:「よっしゃあーっ!」
 善場:「高橋助手。近所迷惑な大声は出さないように。ですが、あくまで意識が戻ったというだけで、未だ予断を許さぬ状況ではあります。相変わらず熱は40度ほどあって、肺炎の危険性もありますし」

 今や常識だが、インフルエンザでも肺炎になることはある。
 そうなると命に関わることは、新型コロナウィルスと変わらない。
 なのでこの2つのウィルスが変異し、互いにタッグを組んで連係プレイでもしてこようものなら大変なことになるというわけだ。

 高橋:「見舞いには行けるのか!?」
 善場:「無理です。面会謝絶です。ただでさえ新型コロナウィルスのせいで、通常の面会も制限されている状態ですから」
 高橋:「うう……」
 善場:「ただ、病院から愛原所長の病状については逐一連絡がありますから、何か変化でもあればすぐに連絡しますよ」
 高橋:「た、頼むぜ」
 善場:「昼間は事務所でいいですか?休業状態ではあるでしょうが……」
 高橋:「まあ、そうだな。掃除と電話番くれーはしようかと思ってる」
 善場:「分かりました。昼間は事務所に電話します」
 高橋:「ああ、よろしく」
 善場:「『1番』の情報はありませんか?」
 高橋:「無ェな。逆にそっちは無ェのか?」
 善場:「高野事務員を乗せた“青いアンブレラ”のヘリは、確かに霧生市役所庁舎屋上にリサ・トレヴァーの姿を見たそうです。『7番』は県道上で倒しましたし、『8番』は栗原蓮華さんが仕留めました。『9番』は高橋助手が仕留めたんですよね?」
 高橋:「『8番』も『9番』も俺がとどめを刺した。だから、間違い無く死んだはずだ」
 善場:「そうですね。となると、残りは何番かということになりますが、『1番』の可能性が高いでしょう。『13番』以降はそもそも存在するのかどうかも不明ですから」
 高橋:「でも逃げられたんだろ?」
 善場:「そのようです。あの後、BSAAでも捜索しましたが、リサ・トレヴァーの遺体すら見つからなかったそうです」
 高橋:「アネゴ達、余計なことしやがって……」
 善場:「高野事務員は、『元アンブレラ関係者として、その負の遺産を片付ける義務があった』と供述していますが……」
 高橋:「そうなのか。他には?」
 善場:「バイオハザードの最中、霧生市に留まった本当の理由も話してくれました。日本アンブレラの一員として、『1番』を探していたということでした」
 高橋:「『1番』?結局見つかったのは、こっちの『2番』だろ?」
 善場:「BSAAの調査によりますと、実際に大山寺にいた形跡がありますからね。あいにくと証拠はありませんが。『2番』は当時研究所に留まっていたわけですから、高野事務員は『1番』の捜索を命じられていたとのことでした」

 だがその捜索が間に合わず、『1番』は栗原家を襲い、栗原兄弟を食い殺し、そして蓮華の左足も食い千切った(正確には食い千切ってはいないいのだが、ウィルスに冒されていたため、切断せざるを得なかった)。

 高橋:「もう一度、霧生市に行くのか?」
 善場:「いえ。あとはBSAAに任せます。『1番』は取り逃がしてしまいましたが、残る『7番』から『9番』まで倒すことができたのは、1つの勝利ですから」

 但し、その為に安全宣言が保留され、住民達の帰還が遅れたことは1つの敗北だろう。
 せめて、『1番』がもう霧生市にはいないという証拠でも見つかれば良いのだが。

 善場:「また後で電話します。愛原所長の意識が戻れば、あとは快方に向かうはずですから」
 高橋:「ああ、分かった」

 高橋は電話を切った。

 リサ:「お兄ちゃん!先生は!?」
 高橋:「喜べ、リサ!先生の意識が戻ったそうだぞ!」
 リサ:「やったーっ!いえーい!」
 高橋:「おおーっ!」

 2人はハイタッチで喜んだ。

 リサ:「後でお見舞い行かないとね!」
 高橋:「いや、さすがに見舞いはNGだってよ」
 リサ:「何で何でー!?」
 高橋:「コロナが怖いのと、先生の具合自体はまだ悪いからだ。さすがに熱が40度ってんじゃ、ムリポだな」
 リサ:「はいはい、私!私ならどんなウィルスでも平気だよ!」
 高橋:「誰もBOWが見舞いに来るなんて想定すらしてねーよ。だいたい、オメーは人間のフリして生きてることになってるんだから、そこで化け物になる必要は無ェな」
 リサ:「ええ~……」
 高橋:「とにかく、さっさと風呂入ってこい」
 リサ:「はーい……」

 リサは渋々、席を立った。
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“愛原リサの日常” 「苛む高橋とリサ」

2020-11-28 15:49:55 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月9日08:00.天候:晴 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校3年3組]

 リサ:「ぶー……」

 教室で1人落ち込んでいるリサ。
 そこへ斉藤絵恋が話し掛けて来る。

 絵恋:「おはよう、リサさん。……元気無いね?どうしたの?」
 リサ:「先生が感染しちゃった……」
 絵恋:「感染したって、まさかコロナ!?」
 リサ:「コロナの方がまだいいよ。何しろ、生物兵器リサ・トレヴァーの殺人ウィルスだもの」
 絵恋:「一体、何の話?」
 リサ:「仕事で霧生市に行ったら、そこで化け物に襲われて、先生が感染させられたの」
 絵恋:「そ、それで先生は?」
 リサ:「入院中。今も意識不明。私の血を使って血清を作ったの」

 リサは『8番』と同じBOWである。
 その同族の血を使って、血清やワクチンを作ることは可能だ。
 リサは何度もそれに協力している。
 本来なら愛原が感染したものは、数時間から数日で死に至るものらしい。
 リサは『1番』とは殆ど面識が無いが、『8番』や『9番』のことは多少知っている。
 特に『8番』が毒素を放って対象者を感染させる攻撃法は、以前から知っていた。
 そして、どんな毒なのかも知っていた。
 そんなリサの知識は大いに役に立ち、愛原の一命を取り止める結果に繋がった。

 絵恋:「良かったじゃない」
 リサ:「でも、まだ意識が戻らない」
 絵恋:「それは心配ね」
 リサ:「私が、もっと早く動いていれば……」
 絵恋:「あ、あんまり気落ちしないでね。愛原先生が早く治ることを祈ってあげようよ」
 リサ:「うん……」

[同日10:00.天候:晴 同区菊川 愛原学探偵事務所]

 事務所内の応接室で対峙する高野芽衣子と善場優菜。
 茶を持って来た高橋は、その異様な雰囲気に圧倒された。

 善場:「御用件は1つです。あなたは、“青いアンブレラ”の構成員なのですか?」
 高橋:「は!?」

 高橋は高野を見た。

 善場:「BSAAに要請して、“青いアンブレラ”の霧生市入市隊員リストを確認させて頂きました。その中に高野事務員の名前がありました。“青いアンブレラ”は民間軍事企業ではありますが、入社条件は旧アンブレラの関係者または家族とのことです。あなたもそれに該当するということですね?」
 高橋:「な、何だって、アネゴ!?」
 善場:「バイオハザードの最中の霧生市。あなたは大山寺の境内で愛原所長や、そこの高橋助手と偶然出会ったと言います。しかし、こちらの調べでは、当時霧生市内にあった新聞社にあなたの名前はありません」
 高橋:「な、何だって!?」
 善場:「“青いアンブレラ”に所属し、霧生市内の新聞記者を装って愛原所長達に近づいた理由を説明して頂きます。……庁舎で!」

 善場は黒服の部下2人に合図を送った。

 高野:「あーあ。もう少し、この事務所で働きたかったんだけどなぁ……。もうここが潮時か」
 高橋:「あ、アネゴ!?」
 高野:「マサ、悪かったね。後で先生にも謝っといてくれる?」
 善場:「おとなしく来て下さるのなら、手荒なことは致しません」
 高野:「ええ、いいわ」
 高橋:「た、タイーホなのか!?」
 善場:「それはまだです。今はただの任意同行です。が、何か容疑が固まり、逮捕状が取れればそうなります」

 高野は善場達により事務所の外に連れ出され、ビルの前に停車していた黒いハイエースに乗せられた。

 高橋:「アネゴ。タイーホだけは勘弁しろよ?」
 高野:「さあ、どうでしょう。先生が戻ってくるまで、事務所の方、よろしくね?」

 ハイエースのスライドドアが閉められる。
 フロントガラスと運転席、助手席の窓以外はスモークガラスになっているので、ドアを閉めたら中の様子が分からない。

 高橋:「弁護士、呼んでいいんだよな?」
 善場:「もちろんです。高野事務員は前々から怪しいとは思っていましたが、ようやく尋問に漕ぎ付けることができました。本当は……あなたも少しは怪しいとは思っていたのですが、どうやらシロのようですね」
 高橋:「悪かったな、疑わしくて!ダテにネンショー(少年院)や少刑(少年刑務所)出てねーよ!」
 善場:「あなたは探偵協会に、このことを報告してください。ほら、ボスと名乗る人からよく電話が掛かって来るでしょう?」
 高橋:「ああ……そうだな」
 善場:「あなた1人で事務所を維持するのは大変でしょうが、そこは取りあえず協会にサポートしてもらいましょう」
 高橋:「先生さえ戻って来てくれれば……」
 善場:「意識が戻り次第、連絡するよう病院には伝えてあります。それを待ちましょう。症状としては、インフルエンザのようなものだそうです」

 実際、愛原の体からインフルエンザウィルスによく似たウィルスが検出されているという。
 『8番』から感染させられたウィルスがそれなのか、或いは元々感染していたのかは不明だ。
 しかし、他に愛原の体から『8番』が放ったウィルスらしき物は検出されなかった。
 リサの血で作った薬がよく効いているのだろうが、何しろリサ・トレヴァーなどのBOWが体内に有しているウィルスはとても変異性の強いものだ。
 それが愛原の体の中で、インフルエンザに近いものに変異したのだろうか。

 善場:「愛原所長は重症ではありますが、重態ではありません。意識さえ戻れば、あとは快方に向かう一方のはずです。だから、愛原所長の意識が戻るまで耐えてください」
 高橋:「分かってるよ。先生の留守を預かるのも、弟子の勤めだろう?」
 善場:「そういうことです。では、失礼します」

 善場が助手席に乗り込むと、車が走り出した。
 車はデイライトの事務所ではなく、デイライトを管轄している政府機関に向かうという。
 即ち、善場が本当に所属している機関である。
 そこで高野は激しい尋問をされるのだろう。

 高橋:「くそっ!」

 高橋は急いで事務所に戻ると、世界探偵協会日本支部関東地区本部に電話を掛けた。

 ボス:「うむ、私だ」
 高橋:「ボスっスか?俺、愛原先生の弟子の高橋っスけど……」
 ボス:「ああ、高橋君か。愛原君のこと、聞いてるよ。業務中の災害ということで、協会からは見舞金が支給されることになっている。だから、費用のことについては心配御無用だ」
 高橋:「それと、もう1つあるんです」
 ボス:「何かね?」
 高橋:「アネゴが……。高野芽衣子が逮捕されそうっス」
 ボス:「高野君というのは、愛原君の事務所に雇われている事務員のことだね?」
 高橋:「そうっス」
 ボス:「何をしたのかね?痴漢をボコボコにして過剰防衛とか?」
 高橋:「そっちの方がまだマシっス。善場の姉ちゃん……NPO法人デイライトに、アンブレラの関係者だったってことかバレて連行されたんス」
 ボス:「何と……!旧アンブレラは世界中にバイオテロの素を振り撒いたということで、テロ組織に認定されるほどだ。例えその構成員個人が何もしていなくても、関係者というだけで逮捕される国もあるということだ。“青いアンブレラ”は一度は逮捕されたものの、その後に課す刑罰が無くて釈放された者達が殆どだと聞く」

 日本では暴力団組員というだけで逮捕されることはないが、外国ではマフィア構成員というだけで逮捕される国もある。
 旧アンブレラの関係者というだけで逮捕されるというのは、つまりそういうことだ。

 ボス:「日本の司法組織はそこまで厳しくはないものの、しかし日本の法律に違反していたことが分かったら、それで正式に御用とはなるだろう」
 高橋:「善場の姉ちゃんもそう言ってました」
 ボス:「うむ。愛原君が正式に業務に復帰できるまで、愛原学事務所は休業としよう。キミは愛原君の容体だけを気にしていれば良い。事務所のことは我々に任せなさい」
 高橋:「は、はい」
 ボス:「元気を出すんだよ」

 そう言ってボスの電話は切れた。

 高橋:「くそっ……!」

 高橋は電話を切ると、自分の机の席に座って頭を抱えた。

 高橋:「俺が不甲斐無いばっかりに……!先生……!」
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“愛原リサの日常” 「霧生市から離脱」

2020-11-28 11:18:56 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月7日18:00.天候:晴 某県霧生市中心部 霧生電鉄南北線地下トンネル→霧生中央駅]

 市役所などの官庁街は“青いアンブレラ”の攻撃により、BSAAが介入できず、そこから離れなくてはならなかった。

 高橋:「どうなってんだ、一体!?」
 善場:「私にも分かりません!とにかく、ハート2から避難しないことには……!」

 高橋は意識を失った愛原を背負い、霧生電鉄南北線の地下トンネルを善場達と一緒に走っている。
 先導するのは善場と栗原蓮華。
 霧生電鉄は市街地区間のみ地下を走る。
 この部分だけは、まるで地下鉄のようだ。
 これがバイオハザードの最中だったり、パンデミックが過ぎた後でもしばらくはクリーチャーが跋扈していただろうが、今はその死体すら白骨化して転がっている。
 一応、攻撃力の強い善場や蓮華が、前から来る敵に警戒していたが、杞憂に終わったようだ。

 栗原蓮華:「次の駅が見えて来た!」
 栗原愛里:「霧生銀座駅?」

 もちろん、東京の銀座とは無関係である。
 埼玉の大宮駅東口にも飲み屋街としての『南銀座』、風俗街としての『北銀座』があるが、要は繁華街としての名前である。
 霧生市にも銀座と称する繁華街があるということだ。

 善場:「この駅でもまだハート2のエリアですね。もう1つ隣の駅に行きましょう」

 ホームには南行の電車が停車しており、こちらは2両編成だった。
 しかし、繁華街の駅ということもあって、バイオハザードの最中に惨劇が繰り広げられたことは、構内の様子を見れば想像に難くない。
 まだ白骨死体だからいいようなものの(骨体くらいなら理科室のガイコツで皆見ているだろう?)、腐乱死体だったら愛里などは大変だろう。

 愛原:「うう……」
 高橋:「先生。もうしばらくの辛抱です。頑張ってください」

 幸いこの駅は2面2線の対向式ホームである為、進路上に電車が止まっていても、その横を通って進むことができた。
 『2番』のリサが善場の横にやってくる。

 『2番』:「『0番』さん?」
 善場:「! どうして知ってるの?」
 『2番』:「何となく分かった。この町にいるリサ・トレヴァーが、あなたに対してだけ反応が違ったから」
 善場:「あら、そう。……確かに私は『0番』よ。それがどうしたの、『2番』さん?」
 『2番』:「『8番』が先生にどんなウィルスを感染させたか、何となく知ってる。同じリサ・トレヴァーの私の血を使えば、薬が造れるはず。だから、私の血を使って」
 善場:「ありがとう。でも、それは元リサ・トレヴァーの私も同じよ。私の血も使えば、最強かもね」
 『2番』:「おー」
 善場:「その為には、早いとこBSAAと合流しないと……」
 『2番』:「“青いアンブレラ”、悪い人達じゃないと思ったのに……」
 善場:「それも含めて、後で確認しないとね」

 ようやくハート2エリアを抜け、霧生中央駅に辿り着いた善場達。

 BSAA隊員:「早くこちらへ!」

 既に救助隊員が待ち構えていて、ストレッチャーを用意していた。
 それに愛原が寝かされる。
 BSAAの救助隊員達は地上出口へ向かった。

 善場:「“青いアンブレラ”が攻撃してきたっていうけど、それはどうして?」
 BSAA隊員:「分かりません。彼らによれば、『ターゲットを発見した。総攻撃するので、こちらに任せてほしい』の1点張りで……」
 善場:「霧生市内における作戦指揮は全てBSAAが執っているはずよ。LS役の“青いアンブレラ”がそんな勝手なこと……」

 LSとはLogistic Supportの略で、後方支援のことである。
 市内に展開して直接作戦を行うのがBSAA、それに対して後方支援を行うのが民間軍事企業たる“青いアンブレラ”である。
 もちろん先遣隊の派遣など、“青いアンブレラ”が前に出ることもあるが、BSAAから顧問を招聘して主な作戦遂行を委任するのが現状のはずだ。

 BSAA隊員:「そうなんですが、“青いアンブレラ”は独自に何か調査していたらしいのです」
 高橋:「あの屋上に『1番』がいたのかもしれねーな」
 善場:「ええっ?」
 高橋:「今頃はビルと一緒にバラバラになっていたりしてな」

 地上に出ると、BSAAのヘリコプターが着陸していた。

 蓮華:「『1番』の捜索は中止ですか?」
 善場:「ええ、そういうことになります」
 蓮華:「ここまで来て……。せめて、私達の家がどうなってるかだけでも確認できませんか?」
 善場:「ふーむ……」

 善場はBSAA救助隊員に尋ねた。

 善場:「これから、どこの病院に搬送しますか?」
 BSAA隊員:「会津地方の災害拠点病院になりそうです。今、最終的な搬送先を決めているところです」
 善場:「そうですか。いずれにせよ、方角的にはこのコ達の家の近くは通ることになるわけですね」
 BSAA隊員:「は?」

 しばらくして愛原の応急処置が終わり、愛原はストレッチャーのままヘリコプターに乗せられた。
 その後で高橋が乗り込む。

 善場:「2人とも。この人達に頼んで、あなた達の家の上空を通る時、少し低空飛行してもらうことになったから。それで家の様子を見るだけ見て」
 蓮華:「あ、はい」

 栗原姉妹が最後にヘリコプターに乗り込むと、すぐに離陸した。
 離陸してしばらくしてからも、善場や『2番』のリサは周囲への警戒を怠らない。
 何せ、離陸したヘリをロケランで吹っ飛ばしたBOWも存在するからだ。
 それからしばらくして、BSAA隊員がやってきた。

 BSAA隊員:「“青いアンブレラ”からの報告です。ターゲットたるリサ・トレヴァー『1番』の殺処分に失敗したとのことです」
 善場:「失敗したとは?」
 BSAA隊員:「市役所庁舎が崩壊し、そこを捜索しましたが、全くそれらしき遺体は見つからなかったと」
 善場:「でしょうね。何しろ『1番』はここにいる『2番』と同じ。ヘリからの機銃掃射くらいでは倒せないでしょう」
 BSAA隊員:「スゴい化け物ですね」
 善場:「凄い化け物なんですよ。……だから、取り扱いには十分注意しませんと」

 善場は心配そうに愛原を覗き込む『2番』のリサを見て答えた。
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