報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「修学旅行2日目」 8

2024-09-04 15:34:40 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月9日21時00分 天候:晴 沖縄県国頭郡恩納村 シェラトン沖縄サンマリーナ・リゾート]

 私と高橋の部屋を、暴走したリサがドンドンドンと乱暴にドアを叩く。
 ピンポンピンポンピンポンピンポンとチャイムを連打したり、ガチャガチャと鍵の掛かったドアノブを回す。
 そして……。

 リサ「せんせぇーーーーーーっ!!!」

 部屋の外からはリサの私を呼ぶ声が!

 高橋「くっ……!こうなったら先生……!」

 部屋の中では高橋が、手持ちのマグナムを構えている。
 しかし、私の方はというと、ショットガンは用意していなかった。

 愛原「ま、待て、高橋!」
 高橋「で、ですが……!このままでは先生の身に危険が……!」
 愛原「分かってる!分かってるが、この事態を招いた責任は俺にある!」
 高橋「だからといって、みすみすこのまま先生を危険な目に遭わせるわけには参りません!」
 愛原「その気持ちは嬉しい!嬉しいが……」

 何故このようなことになったのか?
 私は自分のスマホを見た。
 そこには、私とリサのLINEのやり取りが画面に映し出されている。
 高橋と部屋飲みをしていた私は、リサからLINEか来たことに気づいた。
 それはどうもカラオケで金を使い過ぎたからなのか、お小遣いを足して欲しいというものだった。
 私が、それも金の管理だと最初は断ったのだが、その後もリサの鬼LINE。
 リサだけでなく、『魔王軍』メンバーからも、頼まれる始末。
 しまいには、

 リサ「わたしのパンチラ写真あげるからぁ~!」

 と、パンチラ写真を送って来た。

 

 ここで軽く説教してやれば良かったのだが、酒が入ってテンションハイになっていた私は冗談のつもりで、

 愛原「リサのJKぱんつくれたらお小遣いあげるっぱw」

 と、送ってしまった。
 そして、今に至る。

 リサ「せんせぇーーーーーーっ!!パンツ持って来たヨーっ!!でへへへへへへ!!!」
 愛原「ば、バカ!声がでけぇ!」

 レイチェルは何をしてるんだ!?

 高橋「先生!?今、アラームが『注意』になりましたよ!?」

 BSAAが製作したアプリ。
 近くに危険なBOWがいたら教えてくれる機能付き。
 普段は青(緑)表示の『No Enemy.』になっているのだが、今は黄色表示の『Be Careful.』になっている。
 付近のBSAA隊員は、次に赤色に変わった時にいつでも行動できるように備えよということになっている。
 そして赤表示になると、管轄内のBSAAが出動するることになっている。
 そうなったら大騒ぎだ。

 愛原「もういい!高橋、オマエはベランダに避難してろ!」
 高橋「し、しかし……!」
 愛原「俺がここで漢気見せてやる!早くしろ!命令だ!」
 高橋「せ、先生……」

 高橋は泣く泣くといった感じで、ベランダへのガラス戸を開けた。

 高橋「わぁーっ!?」

 その時、高橋が驚いた声を上げて尻餅をついた。
 その際にマグナムを落としたことで、暴発してしまった。
 幸い弾は開いた窓から外へ飛んで行っただけだった。
 この部屋は海に面しているから、海の向こうに飛んでいっただけだと思うが……。
 どうして、そうなったかというと、それまで部屋の外でドアをドンドン叩いていたはずのリサが、窓から侵入してきたからである。
 リサのヤツ、窓ガラスをブチ破って侵入しようとしたらしい。
 ところがその直前に高橋がガラス戸を開けたものだから、リサがそのまま部屋に飛び込んで来た形だ。

 リサ「せんせぇーーーーーっ!!」

 リサは人間形態から鬼形態へと変化していた。
 そして、スタッと部屋の床に着地すると……。

 リサ「待っててね。今、パンツ脱ぐから……」

 リサはスカートの中に手を入れると、穿いていたショーツを脱ぎ始めた。

 

 愛原「最初に送ってきた画像のパンツと違うようだが?」
 リサ「あれは地味だったから穿き替えて来た。あっ、あっちの方が良かった?」
 愛原「リサ、ちょっとそこに座れ」

 私はテーブルの前にある椅子を指さした。

 リサ「えっ?えっとぉ……」
 愛原「いいから座れ!」
 リサ「は、はい」
 愛原「いいか、リサ?今からお前に『男の浪漫の何たるか』をレクチャーしてやる。男というのは、そういう派手な下着よりも、カルバンクラインみたいな下着を着けてるコの方が好きだ!」
 リサ「ええーっ!?だって、先生が観てたエロ動画、『鬼ギャルアヘ顔列伝!!』のJK達はもっと派手なの穿いてたよ!?」
 愛原「あれはギャルだからだ。オマエはギャルじゃないだろ?」
 リサ「ギャルになれって命令するならなるけど?」
 愛原「ならんでいい!全く、オマエは俺の心が分かっていない!」
 リサ「ごめんなさい……」
 高橋「そうだそうだ!オメーは全く分かってねぇっ!」
 愛原「オマエも人の事言えないからな?」
 高橋「ええーっ!?」
 愛原「いいからお前は、ちょっと茶でも入れてくれ。リサの分も」
 高橋「は、はい!」

 高橋は部屋備え付けの電気ケトルに水を入れると、まずはそれでお湯を沸かし始めた。
 室内にはインスタントコーヒーの他、緑茶や紅茶のティーバッグも置かれている。

 愛原「お茶が入るまでの間、オマエの下着チェックだ。あれだろ?今穿いてる派手なヤツ以外にも、カルバンクラインとか、ナイキとかのスポーツインナーとかも持ってきてるんだろ?」
 リサ「うん、持って来てる。何なら、昨日はそれ着けてた」
 愛原「そういうのでいいんだよ、そういうので」
 リサ「そ、そうなんだ。じゃ、じゃあそれ持って来るね」
 愛原「もういいよ。酔いが醒めたから」
 リサ「えー……」
 愛原「それより、レイチェルはどうした?お前のさっきの態度からして、レイチェルが制止するもんだと思うが?」
 リサ「あー……」

 その時、私のスマホにLINEの着信があった。
 それは『魔王軍四天王』の1人、淀橋さんからだった。

 淀橋「愛原先生。リサがそっちに行ってたら、『レイチェルがガチクソ怒ってるから、早く部屋に戻れ』と伝えてください」

 とのことだった。

 愛原「……だってさ」
 リサ「頭が無くなりそうだねぇ……」
 高橋「自業自得だろうが!」
 愛原「……いいよ、俺も一緒に謝ってくる。元はと言えば、俺が変なLINE送ったのが悪いんだし」
 高橋「たかが冗談を、マジ受けしたリサがアホなだけですって」
 リサ「あぁッ!?」
 愛原「いいからいいから。お茶は後で飲む。リサ、行くぞ!」
 リサ「はーい……」

 どうもレイチェルは、リサが部屋から飛び出そうとしたのを制止したらしいが、リサに頭1発ボコられて気絶したらしい。
 BSAAの隊員1人を倒すとは、さすがはリサはラスボスクラスなのである。
 尚、その時のレイチェルのケガはグリーンハーブで治したとのこと。

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