報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「BOWの北紀行」 2

2021-11-30 19:58:20 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月2日09:00.天候:晴 宮城県仙台市泉区泉中央 レンタカーショップ]

 リサ達は泉中央駅から徒歩数分のレンタカーショップへ向かった。
 地下鉄泉中央駅周辺は、『泉副都心』と呼ばれ、仙台市北部地域の中枢として栄えている。
 愛原達がレンタカーを借りる手続きをしている間、リサは周辺の飲食店に目を輝かせていた。

 リサ:「おー!ホルモン!焼肉!」
 愛原:「この仕事が上手く行ったら、御褒美として焼肉食べ放題にしてやるぞ」
 リサ:「!」

 私の言葉に、リサは突然真顔になる。
 そして、こう言った。

 リサ:「『その言葉、後悔させてみせよう』」
 愛原:「は?」
 高橋:「某ウマ娘みてーなこと言ってんじゃねぇ!」
 愛原:「バカなこと言ってないで、早く行こう。高橋、運転シクヨロ」
 高橋:「了解です」

 高橋は運転席に、愛原は助手席に、リサは愛原の後ろに座った。

 リサ:「しゅっぱつおしんこー!」
 愛原:「クレヨンしんちゃんか!」

 春日部帰りの作者。

 高橋:「よっしゃ!きゅうりの糠漬けーっ!」
 愛原:「オマエもか!」

 こうして、リサ達を乗せたコンパクトカーが走り出した。
 その頃、その周辺の裏通りでは……。

 斉藤絵恋:「パール、早く!リサさん達が出発しちゃうよ!」
 パール:「慌てなくて大丈夫です、御嬢様。マサ達のルートは、おおよそ把握済みです。恐らくマサは将監トンネルを通り、そこから4号線を北上して、東北道に入る公算は大きいです」
 絵恋:「乗り物はどうするのよ!?」
 パール:「まもなく到着します」

 すると、どこからともなく、バイクの爆音が聞こえて来た。

 パール:「来ましたよ」

 そこへやってきたのは、サイドカー付きの大型バイク。
 そしてもう1台、大型バイクがやってきた。

 パール:「遅かったじゃねぇか」

 そして、絵恋に対してとはまるで別人のように口調がガラリと変わった。

 女性A:「悪い悪い。ちょっち寝坊してさ」
 女性B:「約束のバイク、持ってきたよ。……てか何で、サイドカーいるの?」
 パール:「仕事先の御嬢様が乗られるかんな」
 絵恋:「ど、どうも……」

 女性達は被っていたフルフェイスのヘルメットを取った。
 どちらもパールと大して歳の変わらぬ20代であったが、明らかに目つきなどが良くない。
 それはパールも同じであるが……。

 女性A:「へえ!埼玉で大金持ちの家でメイドやってるって本当だったんだ!」
 女性B:「『切り裂きパール』がねぇ……」
 パール:「その御嬢様の命令で、ある男を追ってるんだよ」
 絵恋:「パール、違うでしょ!」
 パール:「あっと!失礼しました!」
 女性A:「こんな大金持ちの御嬢様に、こういうバイクに乗せていいもんなの?」
 パール:「特に乗り物の指定は無かったから。ですよね?御嬢様?」
 絵恋:「ま、まあ、確かにそれは指定してなかったけど……。私、バイクなんて免許持ってないよ?」
 女性A:「何言ってんスか、おじょー様?免許なんて無くても、バイクはちゃんと走れまっせ?」
 女性B:「そうそう。女は度胸!」
 絵恋:「ええっ!?」
 パール:「昔の話ですよ。今は私も、こいつらもちゃんと免許持ってますから、御安心ください」

 そう言ってパールは、自分の免許証を見せた。
 相変わらず顔写真の目つきは悪く、明らかに殺人事件を行っていそうなものだった。
 しかし、確かに免許の区分に『大型自動二輪』とあった。

 女性A:「さすがに大人んなったら、免許取んなきゃダメっしょー」
 絵恋:「でも、私は免許持ってないし……」
 バール:「大丈夫ですよ、御嬢様。お嬢様には、こちらに乗って頂きます」

 パールはサイドカーを指し示した。

 パール:「こちらのサイドカーは、言わば車の助手席のようなものなので、ここに乗る分には免許は要りません」
 絵恋:「そ、そうなんだ。ちょうどオープンカーに乗る感覚かしら?」
 パール:「ま、そんなところです。しかし、オープンカーとは決定的に違う所があります」

 パールはサイドカーの中から、ヘルメットを取り出した。
 パール用のは黒いオープンフェイス型のものだったが、絵恋用は……。

 絵恋:「あら?かわいい」
 パール:「おー、良かった。御嬢様が気に入ってくださった」
 女性A:「いいチョイスだろ?」
 女性B:「これで御嬢様が気に入ってもらえなかったら、どうするんだ?」
 パール:「あ?オメェラ、ガタケ(泉ヶ岳の愛称)まで片道ドライブすっぞ!?」
 女性A:「か、カンベンしてくれよ~」
 女性B:「こんな所で『切り裂きパール』は怖過ぎるって!」
 絵恋:「ピンク色と花模様がいいわね」

 絵恋はそう言って、オープンフェイス型のヘルメットを被った。
 パールは黒いサングラスを掛ける。

 パール:「御嬢様もこれを」
 絵恋:「私はゴーグル?」
 パール:「直接風が当たりますので」
 絵恋:「それもそうか」

 絵恋はゴーグルを着けた。

 パール:「それじゃ、しばらく借りとくぜ」
 女性A:「いいよ。で、これで借金の方は……」
 パール:「分かった。もう少しだけ待ってやる」
 女性A:「あざーっス!」
 女性B:「よっ、大統領!」

 2人の女性は、もう1台のバイクに2人乗りして去って行った。

 絵恋:「お金貸してるの?」
 パール:「まあ、少し……。それでは、早いとこ向かいましょう」

 絵恋はサイドカーに乗り、パールはバイク本体に跨った。
 そして、エンジンを掛けて、一気に吹かす。

 パール:「では、出発します!」
 絵恋:「おおっ!?凄い加速!」
 パール:「一気にマサ達に追い付いてみせます!」
 絵恋:「バレないようにね!」
 パール:「分かってます!」

 この2人も県道22号線(仙台泉線)に出ると、そのまま北上して将監トンネルに突入した。
 このトンネルを出ると、国道4号線との交差点にぶつかり、それを左折して少し走れば、もう東北道の泉インターである。

 絵恋:「待っててねー、リサさん」
 パール:「待ってろよー、マサ」
 絵恋:「ハグしちゃう
 パール:「ぶっ飛ばす

 この時、高橋とリサは一瞬、背筋が寒くなったという。
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“大魔道師の弟子” 「両親の来訪」 3

2021-11-29 20:00:05 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[11月20日14:00.天候:晴 長野県北部山中 マリアの屋敷]

 稲生勇太:「ここが図書室でーす」

 昼食を終えたマリア達は、勇太の両親を連れて館内を案内することにした。

 マリア:「2階がメインですが、吹き抜けの3階まである2層構造です」
 稲生宗一郎:「凄い。大学の図書室もかくやと言った感じだ」
 稲生佳子:「こんな難しい本をマリアさんは読んでらっしゃるの?」
 マリア:「いいえ。さすがに私もここにあるものは、全部読めません。閲覧はできますが、どちらかというと預かり物の本が多いんです」
 佳子:「そうなの」
 宗一郎:「お、これは知ってる。ダンテの『神曲』じゃないか。……おお!日本語版もあるぞ!」
 マリア:「それは私達にとっての教科書です。全世界の言語に翻訳された本が蔵書されています」
 宗一郎:「それは凄い。どうしてこれが教科書なの?」
 マリア:「魔法門の創始者である大師匠様が創られた呪文が書かれているからです。『パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ』が代表例ですね」
 佳子:「何か、棚が鍵付きの蓋で覆われている部分があるけど、勝手に本が取り出せないように?」
 マリア:「そうです。あまりにも貴重なので、閲覧すらできないものもありますので」
 宗一郎:「そういうのは普通、書庫とかに保存しておくものなんじゃないの?」
 マリア:「いえ。あくまでも、私達では閲覧が許可されていないからであって、そうでない人もいますので」
 宗一郎:「ふーん……」
 稲生:(開いた途端、牙を剥き出しにして襲って来る“魔物の本”があるからとは言えない……)

 魔法使いの家などに、たまに蔵書されている呪いの本のことである。
 この屋敷の図書館では、だいたい本棚1つにつき、1~2冊はそのような呪いの本が収まっている。
 それを取り出せないように、鍵付きの蓋で覆っているのだ。

 宗一郎:「これらの本を整理するのも大変だね」
 マリア:「組によっては、入門直後、本の整理をすることからやらされる所あります」

 主に学歴の低い状態で入門した者など。
 ポーリン組のエレーナやリリアンヌなどが良い例。
 マリアは実質的に高校を卒業しているのと、勇太は文句無しの大卒である為、イリーナ組では本の整理は本当に散らかった時にやる程度であった。

 宗一郎:「そうなのか」
 勇太:「それじゃ、次に行こう」

 次に向かったのは地下のプール。

 勇太:「地下のプールでございます!」
 宗一郎:「プールまであるんて……!」
 佳子:「でも、少し薄暗くない?何だかナイトプールみたい」
 マリア:「もう少し明るくすることはできるんですよ。ただ、今は誰も泳いでいないので」
 宗一郎:「それもそうか。凄いね。プールまであるなんて。これは運動の為かい?」
 マリア:「そうですね。私達、魔法使いはどうしても頭を使う作業ばかりで、体力の方はどうしても落ちてしまうので。それとこれは、師匠が特別に造ってくれたものなんです」
 佳子:「イリーナ先生が?」
 マリア:「私、元々泳げなかったんです。昔、イジメの被害を受けていたトラウマで、水が怖くて……。そしたら師匠が、『魔法使いに弱点があってはならない』ということで、このプールで泳げるようになる特訓をすることになったんです。教えてくれたのは、勇太でした」
 宗一郎:「ほお、うちの勇太が……」
 佳子:「小学校の頃、スイミングスクールに通わせといて良かったわね」
 勇太:「学校の授業では困らなかったね。それだけで十分だと思ってたんだけど、まさかここで役に立つとは……」
 宗一郎:「まず、水への恐怖を克服することに慣れて、泳げるようになるまで、相当御苦労されたでしょう?」
 マリア:「はい。それはもう……」

 マリアはそう答えると、勇太へそっと耳打ち。

 マリア:「そういえば、わざとワンサイズ小さいスクール水着を着せやがったお仕置き、まだしてなかったね?」

 と、低い声で言った。

 勇太:「そ、それは許して~」
 宗一郎:「ん、何だい?」
 マリア:「何でもありません。とにかく、今は勇太のおかげで、素潜りまでできるようになりました」
 宗一郎:「それは凄いね。これで弱点が克服できたってわけだ」
 マリア:「はい。そういうことです」
 佳子:「大きなお屋敷で、何でも揃ってるのねぇ……」
 勇太:「そうだよ。それじゃ、お次は……」

 次は1階の西側、大食堂とは裏手の部屋に向かう。

 勇太:「ここはプレイルームです」

 ちょっとしたバーカウンターにビリヤード台、ダーツに、ブラックジャックやポーカーなどを行うトランプ台があった。

 勇太:「ちょっと気分転換したい時はここね」
 宗一郎:「なるほど」
 勇太:「お次は……」
 宗一郎:「待った待った。さすがに疲れたよ。まさか、こんなに広い屋敷とは……」
 佳子:「そうね。あなた達が修行している所とか無いの?」
 勇太:「基本的に土日は休みなんだよ」
 マリア:「(祝日は別だけど、師匠が面倒臭い時は『日本では休みだから』なんて理由で自習にしてたりとか……)ティールームに御案内します」

 マリアは稲生家の面々を先導した。
 ティールームは2階にある。

 宗一郎:「イリーナ先生はどちらに?」
 マリア:「恐らく、先生の部屋にいると思います」

 図面上は書斎ということになっているが、本棚の裏にベッドを隠してる辺り、イリーナの仮眠室だとマリアは勝手に思っている。

 マリア:「こちらです」
 宗一郎:「ほうほう」

 火の点いていない暖炉があり、1人掛けのソファが4つ、向かい合わせに置かれていた。
 この部屋にも仕掛けが隠されているのだが、当然今は作動しない。
 実は暖炉の中に仕掛けがあるのだが、勇太はチラッと見ただけだった。
 この広い屋敷、勇太でも、たまにどの部屋にどんな仕掛けがあるのか忘れることがある。
 即死トラップとかは作動しないようになっているのだが、それでもダミーは作動するので、たまにびっくりさせられることがあるる。

 マリア:「お茶とお菓子を持って来て」
 クラリス:「かしこまりました」

 マリアはメイド人形のクラリスに命じた。

 宗一郎:「何人のメイドさんが働いてるんですか?」
 マリア:「そうですね……。必要な時に稼働させるので、定数は言えないんですけど……。まあ、Maxで20~30人くらいかと……」
 宗一郎:「どこの王城ですか」
 マリア:「私が造った人形に、『魔法の糸』を通して、操り人形として稼働させるので、本物の人間のメイドを使うより気軽なんですよ」
 宗一郎:「それは便利なものだ」
 マリア:「勇太にも、1体専属で稼働させています」
 ダニエラ:「マリアンナ様の忠実なる人形、ダニエラでございます。今は勇太様の専属メイドとして、自主的に働かせて頂いております」
 宗一郎:「うぉっ!?いつの間に!?」
 佳子:「な、何だか威圧感が凄いわねぇ……」
 ダニエラ:「よく言われます。単なる身の回りの御世話係だけでなく、身辺警備もさせて頂いておりますので」
 勇太:(そして、僕の脱走防止の為の監視……)

 ダンテ一門でも、組によっては厳しい修行についていけず、脱落する新弟子が少なからず存在する。
 破門者はもちろん、脱走者を出すことは、師匠の恥とされている。
 しかも弟妹弟子が脱走した場合、責任は兄姉弟子も負うことになる為、勇太の入門当時は大変だった。
 即死トラップはさすがに停止されていたものの、ダニエラのみならず、他のメイド人形達が夜通し、勇太の部屋の周辺を監視していたものである。

 宗一郎:「そうだ。もし良かったらなんだけど……」
 マリア:「何でしょう?」
 宗一郎:「マリアさんの人形作りの部屋とかも、見せてもらえないかな?」
 マリア:「いいですよ。といっても、見た目は普通の人形作りの工房ですけど……」

 そして、そこが実質的なマリアの私室である。
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“愛原リサの日常” 「BOWの北紀行」

2021-11-25 19:49:50 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月2日08:24.天候:晴 宮城県仙台市青葉区中央 仙台市地下鉄仙台駅・南北線ホーム→南北線(泉中央行き)電車先頭車内]

〔2番線に、泉中央行き電車が到着します〕
〔The train is approaching at truck number 2.〕

 ホームに下りたリサ達は、そこで電車を待った。
 リサにとっては地下空間は、閉鎖されたアンブレラの研究所を彷彿とさせるので、あまり心地良い空間ではない。
 いくら明るく照らされた地下鉄のホームといったところで、それはほんの気休めに過ぎないのだ。
 リサはグレーのパーカーのフードを被り、そのポケットに両手を突っ込んでいた。
 そして、強風を巻き起こしながら、警笛を鳴らして電車が入線してきた。

〔仙台、仙台。東西線、JR線、仙台空港アクセス線はお乗り換えです〕

 ホームドアと共に、電車のドアが開く。
 仙台市地下鉄の中でも、最も乗降客数の多い駅ということもあり、この駅で降りて来る乗客は多かった。
 3人は先頭車に乗り込み、京王電車のよりも明るいピンク色の座席に腰かけた。
 これはツツジをイメージしているのだという。

 斉藤絵恋:「リサさん達、確かにこの電車に乗ったわね」

 隣の車両に乗り込み、連結器横の座席に腰かけ、そこから覗くようにして、先頭車のリサ達を監視する絵恋とパール。

 パール:「私の見込み通りでした。マサは私から逃げられません」
 絵恋:「何だか、あなたの方が怖いわね」
 パール:「恐れ入ります」
 絵恋:「いや、褒めてないし」

〔2番線から、泉中央行き電車が発車します。ドアが閉まります。ご注意ください〕

 ホームに発車サイン音が鳴り響く。

〔ドアが閉まります。ご注意ください〕

 ドアチャイムが鳴って、ドアが閉まった。
 更新前は気の抜けるようなドアブザー(ホェ~♪)だったが、今は東西線と同じく、ドアチャイム(ピンポン♪×4)に更新されている。
 電車はワンマン運転だが、仙台駅のようなターミナル駅では、運転士も座ったままではなく、立って直接乗務員室の窓から顔を出してホーム監視を行っている。
 ドアが閉まり切ると、運転席に座って発車のボタンを押すので、多少のブランクがある。
 インバータの音を響かせて、電車は暗闇のトンネルの中を走る。

〔次は広瀬通、広瀬通です。一番町、中央通りはこちらです〕
〔The next stop is Hirose-dori station.〕
〔日蓮正宗日浄寺へは、北仙台で。日蓮正宗妙遍寺へは、八乙女でお降りください〕

 リサ:「ふむ」

 リサは仙台駅の売店で買ったポッキーを口に運んだ。

 愛原:「早速おやつか?」
 リサ:「お腹空いたし、地下は嫌だし」
 愛原:「ま、それで気が紛れるならいいもんだ」
 高橋:「先生。レンタカー屋は、駅の近くに?」
 愛原:「ああ。歩いて行ける距離だ。まあ、またコンパクトカーになるけど、よろしく頼むな?」
 高橋:「先生の御命令でしたら、何でもOKっスよ」

 愛原達がそんな会話をしている間、絵恋とパールは……。

 絵恋:「ねえ、パール。リサさん達は車に乗るみたいよ?私達はどうするの?」
 パール:「御心配には及びません、御嬢様。幸い仙台には、かつての私のチームメイトがおりまして、その者から乗り物を借りる手筈になってございます」
 絵恋:「さすがは私のメイド」
 パール:「恐れ入ります」

 この時、絵恋はすっかり忘れていた。
 パールがかつて、高橋と同じ穴のムジナの人生を歩んでいたことを……。

[同日08:40.天候:晴 仙台市泉区泉中央 仙台市地下鉄泉中央駅]

 北に向かう電車から、地上が見えるようになるのは、台原駅を過ぎてから。
 正確にはまだ地下区間であるのだが、台地の地下を走るということもあり、半地下構造となる。
 具体的にはトンネルに窓が設けられており、そこから外部が見えるようになっているということである。
 そこから見える景色は、台原森林公園。
 旭ヶ丘駅もまた地下にありながら、ホームから外が見えるという不思議な光景が体験できる。
 駅名からして分かる通り、いずれも台地や丘地にも関わらず、地下トンネルで建設された為に、このようなことが起きているのだ。
 旭ヶ丘駅を出ると、ようやく地上に出たかのように見受けられる。
 このような言い回しなのは、黒松駅は半地下構造だからだ。
 さすがにホームには窓は無いものの、駅の前後は吹き抜け構造となっており、天気が良いと、そこから日光が差し込むという光景が体験できる。
 黒松駅を出ると、本格的に地上区間である。
 湿地帯の上を電車が走る場所があり、そこを真美沢堤という(仮に名古屋鉄道が開業させていたなら、駅名は黒松ではなく、真美沢堤となっていただろう)。
 その湿地帯を通過すると、再びトンネルに入る。
 しかしこれは地下トンネルではなく、山岳トンネルである。
 そこを通過すると、八乙女駅に到着する。
 かつては、ここが終点駅だった。
 そこから電車は、延伸部分を走行する。
 地上部分を走行するようになり、電車内に日差しが入るようになって、リサも安心した様子だった。
 但し、電車の窓にはブラインドは無い。
 日に当たる方が嬉しいリサは、ただの鬼ではないことが分かる。

〔泉中央、泉中央。お忘れ物、落とし物の無いようご注意ください〕

 電車は再び地下に入る。
 地下と言っても、やはり高台の町にある駅なだけに、本当に地下と言って良いのか分からない。
 とにかく、駅の出入口から見れば地下にある。
 電車はそのホームに入線した。

〔「ご乗車ありがとうございました。まもなく泉中央、泉中央、終点です。2番線到着、お出口は右側です」〕

 運転士の肉声放送が流れて来る。
 電車は無事、泉中央駅に到着した。

〔泉中央、泉中央、終点です〕

 愛原:「よし。じゃあ、レンタカー屋に行くか」
 高橋:「はい」

 リサはポッキーが入っていた空箱を持って電車を降りた。

 リサ:「オジさん、このゴミいい?」
 清掃員:「ああ、いいよ。ここに入れて」

 たまたま駅のゴミ箱のゴミ回収を行っていた清掃員に、空箱を渡すリサ。

 愛原:「もう食べ切ったのか?」
 リサ:「うん。腹5分目」
 愛原:「あれで!?」
 リサ:「あと3分目食べたい」
 愛原:「いやいやいや……」
 高橋:「どんだけ燃費悪いよ……」

 しかし、後を追う絵恋は……。

 絵恋:「ちょっとそこのあなた!リサさんから物をもらうなんて、いい度胸してるじゃない!」
 清掃員:「は???」
 パール:「御嬢様、リサ様はお菓子の空き箱を処分しただけですわ」
 絵恋:「リサさんの食べ残し、私がもらいたいなぁ……」
 清掃員:「さっきのお嬢ちゃんのゴミかい?きれいに中身は空だったよ?」
 パール:「でしょうね。御嬢様、リサ様が食べ残しをされるはずがございませんわ」
 絵恋:「うぅ……」
 パール:「それより早く参りましょう。リサ様達を見失ってしまいますわ」
 絵恋:「わ、分かったわよ……」

 2人の追跡者も移動を開始した。
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“大魔道師の弟子” 「両親の来訪」 2

2021-11-22 20:03:38 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[11月20日12:15.天候:晴 長野県北部山中 マリアの屋敷]

 山道を走っていたかと思った車が、突然脇道に入った。
 それは何かの林道のような道であったが、未舗装の道であった。

 稲生宗一郎:「おいおい!どんどん辺鄙な場所に入って行くぞ!?大丈夫か?!」
 稲生佳子:「随分とガダガタの道ねぇ……」
 稲生勇太:「いつもこんなもんだよ」

 そして、車はレンガ造りのトンネルに差し掛かる。
 道自体は1車線しか無いものだったが、トンネルもまたそうだった。
 旧天城トンネルなども石造りのトンネルで、洞内もガス灯を模したナトリウムランプが灯っているが、こちらは洞内には一切照明が無い。
 ロンドンタクシーはトンネルに入ると同時に、ヘッドランプを点灯した。
 ハイビームで前方を照らすが、それでも出口は見えない。

 宗一郎:「随分長いトンネルなんだな?」
 勇太:「若干カーブしているからというのもあるけどね」
 佳子:「何だか気味が悪いわね。こんな所で事故にでも遭ったら大変よ」
 勇太:「大丈夫だよ」

 そう話しているうちに、ふわっと浮くような感覚に襲われる。

 宗一郎:「おわっ、何だ!?」

 急な下り坂に入ったのだ。
 そして、突然目の前が明るくなる。
 出口が見えなかったのは、下にあったからである。
 急坂を降ったら、出口が現れた。
 そして、その出口を出ると……。

 佳子:「わぁ……!立派な御屋敷……!」

 3階建ての洋館が現れた。

 宗一郎:「まるでヨーロッパの貴族の屋敷だ。まさか、ここに?」
 勇太:「そう。ここに住み込みの弟子をやらせてもらってるの」
 佳子:「イリーナ先生がお住まいというのは納得だけど、こんな立派な御屋敷に勇太が住んでご迷惑じゃないの?」
 マリア:「そんなことないですよ」

 車は正面玄関前のロータリーをぐるっと回り込み、エントランス前で止まった。

 マリア:「到着です。お疲れさまでした」
 宗一郎:「本当に、こんな凄い邸宅に滞在させてもらっていいのかい?」
 マリア:「はい。師匠も歓待しております」

 エントランスからメイド服を着たマリアの人形達が数人やってくると、車のドアを開けた。

 勇太:「さあ、降りて降りて」
 ダニエラ:「お帰りなさいませ」
 ミカエラ:「いらっしゃいませ」
 クラリス:「遠路遥々、ようこそお越しくださいました」

 白馬駅では緊張していたマリアだったが、今度は勇太の両親が緊張する番だった。

 宗一郎:「ど、どうも……」

 そして、正面エントランスから中に入る。

 イリーナ:「やあやあ、よく来てくれましたねぇ……」

 イリーナはいつもの服装のままであり、いつもそうしているように、両目を細めて宗一郎達を出迎えた。

 佳子:「お、お世話になります」
 宗一郎:「先生程の御方であれば至極当然でしょうに、しかしあまりにも想定外の大豪邸に、少々緊張しております」
 イリーナ:「そうですねぇ……。今思えば、何もこんなに大きい家建てなくても良かったかなと、少々後悔しておりますのよ」
 勇太:「父さん。この屋敷は、何も先生方が住むだけのものじゃなくて、ダンテ一門が日本で何か儀式を行なおうとする時の拠点でもあるんだ。確かに通常なら、かなり広すぎる屋敷だけど、このキャパが必要な時は必要なんだよ」

 そしてもう1つ。
 魔界王国アルカディアとの出入口にも使用される。

 イリーナ:「勇太君、御両親は長旅でお疲れでしょう。まずは、ゲストルームに御案内致しましょう。そこでゆっくりお寛ぎください」
 宗一郎:「お心遣い、恐れ入ります」
 マリア:「ミカエラ」
 ミカエラ:「かしこまりました」
 佳子:「あら?あなたは、たまにマリアさんと一緒に来る……」
 ミカエラ:「メイド人形のミカエラでございます。求めに応じ、人形形態でも人間形態でも対応させて頂きます」

 現在はメイドの勤めの為、人間形態である。

 ミカエラ:「ご案内させて頂きます。お荷物、お預かり致します」

 ミカエラが両親の荷物をヒョイと両手で持ち上げる。

 勇太:「2階にゲストルームがいくつかあるんだ。そこだよ」
 宗一郎:「そうなのか」

 屋敷の東側2階に向かう。
 因みに勇太の部屋も、この界隈にある。
 ミカエラが持っていた鍵で、とある客室の鍵を開錠した。

 ミカエラ:「こちらでございます」

 中に入ると……。

 勇太:「僕の部屋より立派だ」

 さすがの勇太も、全部の部屋に入ったわけではない。
 勇太の身分は住み込みの弟子であるからして、けしてこの屋敷の管理を任されているわけではないのだ。

 宗一郎:「これはまた立派な部屋だ」
 佳子:「本当ね。クラシカルなデラックスツインって感じね」

 確かに、シティホテルのクラシックな雰囲気をモチーフにした部屋といった感じだった。
 それとて宿泊費はそれなりにするだろうが、さすがにスイートルームほどの部屋ではなかった。

 宗一郎:「こんな感じの部屋、シティホテルで泊まったら一泊数万円もするよ。本当にいいの?」
 マリア:「構いませんよ。気に入ってもらえたようで良かったです」

 しかし、ホッとするマリアの横で勇太がそっと耳打ち。

 勇太:「ホテルモントレの客室デザインを参考にしたって言わなくていいの?」
 マリア:「シッ、黙ってろ!」
 宗一郎:「えっ、何が?」
 マリア:「な、何でもありません!」
 クラリス:「皆様、昼食の用意ができてございます。荷物を置かれましたら、1階の大食堂で御案内させて頂きます」
 宗一郎:「そ、そうか。確かに、先生をお待たせしてはいけないね。佳子、行こう」
 佳子:「ええ」

 勇太達は部屋を出ると、今度は1階西側大食堂へ移動した。

 宗一郎:「こりゃまた大きな食堂だ。まるでバンケットホールみたいだ」
 イリーナ:「さあ、こちらへどうぞ」

 イリーナは最も上座である、長方形のテーブルの短辺部分且つ暖炉の前には座らなかった。
 座ったのは、その横の次席部分。

 宗一郎:「他に、どなたかいらっしゃるのですか?」

 宗一郎は空席となっている上座を見て言った。

 イリーナ:「恐らく本日は空席のままでしょう」
 宗一郎:「本日『は』?」
 イリーナ:「私はこの屋敷を預かっているだけに過ぎません。この屋敷の本当のオーナーは別にいるのです。言わば、私は表向きのオーナーなのです」
 勇太:「その席は大師匠様の御席なんだよ。ダンテ流魔法門の創始者、ダンテ・アリギエーリ様は、イリーナ先生の先生なんだ。僕達は孫弟子ということになる」
 宗一郎:「イリーナ先生でさえ凄い御方なのに、その御師匠様がいらっしゃるとは……」
 イリーナ:「私は1期生の中でも落ち零れでして、よくダンテ先生からは『お説教』されてますの。1期生の中では、『最も説教されている者』として有名だったりしますわ」
 宗一郎:「そ、そんな御謙遜を……」
 佳子:「そうですよ。うちの勇太や、マリアさんという御弟子さんを抱えていらっしゃるではありませんか」
 イリーナ:「『お前もいい歳だし、いつまでも自由気ままにやるんでなくて、弟子の1人や2人くらい取れ』と尻を叩かれまして……」
 宗一郎:「あ、はは……。そ、それはそれは……」
 イリーナ:「それより、昼食にしましょう」

 こうして、まずは昼食会が始まった。
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“愛原リサの日常” 「鬼の見た夢」

2021-11-22 15:53:44 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月2日06:30.天候:晴 宮城県仙台市青葉区中央 ホテルグリーンウエル4F客室]

 枕が変わったことで、リサは変な夢を見た。
 かつて日本アンブレラの研究所に閉じ込められていた時の事だ。
 キツキツのスクール水着を着せられ、実験動物としてのホオジロザメと戦闘実験をさせられたり、水着を破られて全裸になった所でプールに電気を流されて、それにどれくらい耐えられるかの実験をさせられたりした。

 リサ:(それと比べたら、ここは天国……)

 リサは大きな欠伸をして、スマホのアラームを止めた。
 部屋備え付けのワンピースタイプの寝巻を着ている。
 裾が大きく捲れて、白いショーツが丸見えになっていた。
 もちろん、今はこの部屋に1人だけなので、全く気にしない。
 リサは起き上がると、着ていた寝巻を脱ぎ捨て、ショーツ1枚の状態でバスルームに入った。
 LINEの通知音がベッドから聞こえて来たが、恐らく斉藤絵恋からのものだと思い、そのままスルーして顔を洗い始めた。

[同日07:00.天候:晴 同ホテル B1Fレストラン]

 昨日とは違うTシャツを着る。
 昨日と違って、黒いTシャツである。
 前面に、“Biohazard”のロゴマークが入っている。
 これは、リサがBOWとしての気合を入れる時に着ることが多い。
 愛原や高橋と合流して、朝食会場に行った。

 愛原:「朝食はパンとゆで卵が食べ放題か。なるほど」
 高橋:「先生、あっちにドリンクバーありますよ?」
 愛原:「よし。モーニングコーヒーと行くか」
 リサ:「食べ物……パンとゆで卵だけ……?」
 愛原:「食べ物はそうだな」
 リサ:「もっと食べたい……」
 愛原:「パンとゆで卵を食べればいいだろ」
 高橋:「昨夜、あんなに食っといて、もう腹減ったのかよ」
 リサ:「夕食と夜食は別腹。朝食はもっと別腹」

 リサは箱に入っているパンをまるっと取ろうとした。

 愛原:「チッチッチッ」

 愛原がリサの腕を掴んで、右手の人差し指を振る。

 リサ:「それじゃあ……」

 リサは箱に入っているゆで卵をまるっと取ろうとした。

 高橋:「チッチッチッ」

 高橋がリサの腕を掴んで、右手の人差し指を振る。

 リサ:「食べ放題じゃないじゃん!」

 リサ、瞳を金色に光らせ、口から牙を覗かせた。
 もっとも、牙に関しては、まだマスクをしているので傍目には分からない。

 愛原:「まあまあ。腹8分目って言うだろ」
 リサ:「こんなんじゃ、すぐにお腹空いちゃうよぉ……」

 リサはそれでも食パンやロールパンを二桁枚数に達するほど食べ、ゆで卵も10個くらい食べたという。

 愛原:「すげぇ……」

[同日07:30.天候:晴 同ホテル4F客室]

 愛原:「8時になったら出発だから」

 愛原にそう言われて、リサは一旦自分の部屋に戻った。
 パーカーを羽織る為、荷物の中からグレーのパーカーを取り出す。
 フードが付いているので、角が生えた時や耳の形が変化した時は被って隠す。

 リサ:「う……」

 リサに便意が訪れた。
 別に腹を壊した感じではなく、ただの生理現象である。
 先ほどの朝食がきっかけとなって、消化器官が元気良く稼働しているようである。
 だが、リサはトイレに行こうとしなかった。

 リサ:「ここで出したら、またお腹空いちゃう。昼食まで愛原先生から断食命令出ちゃってるから……」

 そんな短いスパンを断食というのは、大きな間違いであろう。
 だが、ますますリサの腹からはトイレを促す警報音が鳴り響いた。

 リサ:「思い出すな……」

 リサは研究所で受けさせられた過酷な実験を思い出した。
 人間に対して行えば、間違いなく人権無視の非人道的なものとして糾弾されること請け合いである。
 しかしリサ達はBOW(生物兵器)であり、人間ではないから人権は無いという理屈で、メチャクチャな実験であった。
 500ml浣腸され、どのくらい耐えられるかというもの。
 当然、人間から改造されたリサ・トレヴァー達は、全員が脱糞した。
 『2番』のリサもその1人であった。
 後になってリサは、その研究員を捕まえて重傷を負わせた。
 しかし、とどめを刺したのは、他のリサ・トレヴァーだった。
 なので、『2番』のリサは傷害の経験はあっても、殺人や食人の経験は無い。

 リサ:「うっ……くっ……!ダメ……!漏れそう……!」

 リサは無念の思いで、トイレに行った。

 リサ:「あはぁ……!」

 トイレが詰まるのではないかというほど、腹の中から中身が出た。
 だが、その快感は性感を刺激されたみたいであった。
 しかし、その次には絶望が訪れた。
 これで昼食まで、また空腹を耐えなければならないのだ。
 自分もまた、常に食欲に駆られる化け物に過ぎないのだと思い知らされることになる。

 リサ:「……やっぱり化け物なんだ……わたし……」

 リサは長く尖った両手の爪を見て、自己嫌悪の思いで呟いた。

[同日08:17.天候:晴 同ホテル→仙台市地下鉄仙台駅]

 ホテルをチェックアウトしたリサ達は、地下鉄の駅へと向かった。

 リサ:「え……地下鉄で行くの?」
 愛原:「そう。なるべく高速道路の近くがいいだろうと思って、地下鉄で移動するよ。なぁに、泉中央駅からはすぐだから」
 リサ:「地下の薄暗い所、やだな……」
 愛原:「まあまあ。市街地部分だけは我慢してよ」
 リサ:「市街地部分?」
 愛原:「ここの地下鉄は、郊外に出ると地上に出るんだよ。終点までずっと地下というわけじゃない」
 リサ:「そう、なんだ……」

 但し、東西線の東部を覗く。

 愛原:「だから、ちょっとの間、我慢してくれよ?」
 リサ:「でも、気を張り詰めると、お腹空いちゃうし……。さっきもね、いっぱい出ちゃったの」

 リサは腹をさする仕草をした。

 愛原:「腹壊したのか?」
 リサ:「そうじゃない。ただのお通じ。でも私、いっぱい出しちゃうと、その分お腹空いちゃうの。我慢したけど、我慢できなかった」
 愛原:「食べた分、ちゃんと出るなんて、健康的じゃないか!」

 愛原はリサの肩を叩いた。

 リサ:「え……?」
 愛原:「それでいいんだよ。だからリサの肌、つやつやなんだな?若いだけじゃないんだ」
 リサ:「そ、そう?」
 愛原:「別に、おやつくらい食べていいよ」
 リサ:「ほんと!?」

 リサはパッと顔を明るくした。

 愛原:「それでいいか?」
 リサ:「うん!」

 リサは断食から解放されたことに安心した。
 ……のか、今度は空腹を知らせるアラームが腹から鳴った。

 高橋:「早ェだろ!」
 リサ:「……ごめんなさい」

 リサもさすがにこれはそうだと思い、素直に謝った。

 愛原:「駅の中で、食べ物くらい買えるだろ。とにかく、早く行こう」

 リサ達は地下鉄の入口から駅の中に入って行った。
コメント
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