[8月1日17時42分 天候:雨 東京都千代田区外神田 JR京浜東北線1719B電車・最後尾車内→JR秋葉原駅]
外はもう日が暮れたのかと思うほどの暗さになっているが、まだ雨は降っていない。
電車は夕方ラッシュの中を走っているが、まだ車内はそんなに混んでいなかった。
逆に、大宮方面の方が混んでいるようだ。
そして、電車は秋葉原駅に到着した。
〔あきはばら~、秋葉原~。ご乗車、ありがとうございます。次は、神田に、停車します〕
ここで電車を降りる。
元々が賑わう町の中心にある駅であり、終日多くの利用客で賑わう所であるが、夕方ラッシュの最中ということもあり、多くの利用客でごった返していた。
エスカレーターでコンコースに下りる。
周りの壁には、萌えキャラ達のポスターが等間隔に貼られている。
1階のコンコースに下り、中央改札口を出て左に曲がると、バスロータリーに出るのだが……。
愛原「わー、降って来た!」
バケツをひっくり返したような雨が降り始めていた。
外にいて傘を持っていない者は、慌てて駅構内に駆け込んで来るし、外に出ようとする者は立ち往生している。
私はスマホを取り出すと、それで新庄氏に電話した。
新庄「今、着きましたか?それでは、『風ぐるま』の乗り場に着けますので、お急ぎください」
愛原「分かりました」
『風ぐるま』とは、千代田区が運行しているコミュニティバスのことである。
同じバスロータリーの中から発車している。
見覚えのある黒塗りタクシーがそこに着いたのを確認すると、私とリサはダッシュしてその車に飛び乗った。
新庄「すぐに出発します!」
愛原「は、はい!」
車はすぐに発車した。
どうやら、直後にバスが来たようである。
シートベルトを締める間も無い。
新庄「大変でしたねぇ……」
愛原「まさか、このタイミングで降って来るとは……」
新庄氏はタクシーのスーパーサインの『予約』表示を消した。
これで、メーターが回ることになる。
愛原「思ったより、そんなに到着が遅れるわけではなさそうだな……」
私は時計を見て呟いた。
愛原「そうだ。パールにも伝えておこう」
新庄「良かったら、私から伝えておきますよ」
愛原「そ、そうですか?」
新庄「私も支部長ですからね、すぐに連絡はできるようにしてあるんですよ」
そう言って新庄氏は、右耳に着けているインカムで連絡を取った。
その時、私のスマホに着信が入る。
善場係長からだった。
愛原「はい、もしもし?」
善場「お疲れ様です。善場です」
愛原「善場係長、どうなさいました?」
善場「クリニックから、所長の検査結果が届きました。確かに、異常は無いようですね。これを踏まえた上で、今後どうするか決めましょう」
愛原「分かりました」
善場「明日、そちらにお伺いしても宜しいでしょうか?」
愛原「あ、はい。大丈夫です」
善場「午前か午後になるかはまだ分かりませんが、また御連絡させて頂きます」
愛原「分かりました。では、明日、お待ちしております」
善場「宜しくお願いします」
[同日18時25分 天候:雨 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家]
平日の夕方ラッシュ真っ只中であり、しかも大雨が降っているという状況であった為、道路状況も芳しくなかった。
あちこちで渋滞を起こしており、タクシーはいつもより長い所要時間で事務所に到着した。
新庄「申し訳ありません。いつもはこんなに時間は掛からないのですが」
愛原「この状況ではしょうがないですよ。迎えに来て頂いてありがとうございます」
車は1階のガレージに入ってもらった。
それなら雨に濡れずに済む。
メーター通りの料金を払い、領収証をもらう。
これは後で経費精算しよう。
車を降りる。
新庄「私も事務所に向かいますので」
愛原「じゃあ、一緒に乗りましょう」
エレベーターに乗り込む。
4人乗りの超小型エレベーターだ。
ホームエレベーターではないタイプでは、最小の機種。
先月末にメンテナンスが入ったが、そのメーカーでは、もうこのタイプの機種は製造していないと聞いた。
2階で新庄氏が降りて、私とリサは3階で降りた。
愛原「あれ?」
3階のダイニングに入ると、何故かメイド服を着たテラセイブのメンバーがそこにいた。
ルビー「お帰りなさいませ!」
ダイヤ「お帰りなさいませ!」
パール「お帰りなさいませ!」
愛原「は?」
リサ「おおっ、メイドカフェ!」
愛原「これはどういうことなんだ?」
パール「本日は特別です。いつもは私以外いません。今日は事務所開所初日なので、皆集まっただけです」
愛原「そ、そうなんだ」
パール「それより、脳検査の結果が異常無しで良かったです。夕食を用意しておりますので、どうぞ」

リサ「おおっ!今日はステーキ!」
リサ好みの大きなサイズである。
愛原「あ、ありがとう。どうしたの、この肉?」
パール「ルビーがコストコの会員証を持っていますので、そこから仕入れて来ました」
愛原「あ、他にもコストコの会員証持ちはいるのね」
リサ「早速、いただきまーす!」
愛原「そうしよう。……あ、因みに2階の事務所に新庄さんがいるから」
パール「事務作業と、他支部や本部との連絡でしょうね。ルビー、ダイヤ。あとは私だけで大丈夫」
ルビー「おけ」
ダイヤ「あとはよろしく」
ルビーとダイヤは階段の方から下りて行った。
愛原「普段はメイド喫茶で働いてるの?」
パール「そうですね。それ以外の所で働いているコもいますけど……」
愛原「ふーん……」
これも情報収集活動の一環なのだろうか?
愛原「明日、午前か午後かはまだ不明だけど、善場係長が来られることになってるから」
パール「承知しました」
愛原「俺の今後の事に対する相談だということだけど、ついでにテラセイブの事務所も見たいんじゃないかな?」
パール「そういうことですか。それでは、支部長にも伝えておきます」
愛原「その方がいい」
私は缶ビールを開けると、それを片手にステーキ肉に箸を付けた。
外はもう日が暮れたのかと思うほどの暗さになっているが、まだ雨は降っていない。
電車は夕方ラッシュの中を走っているが、まだ車内はそんなに混んでいなかった。
逆に、大宮方面の方が混んでいるようだ。
そして、電車は秋葉原駅に到着した。
〔あきはばら~、秋葉原~。ご乗車、ありがとうございます。次は、神田に、停車します〕
ここで電車を降りる。
元々が賑わう町の中心にある駅であり、終日多くの利用客で賑わう所であるが、夕方ラッシュの最中ということもあり、多くの利用客でごった返していた。
エスカレーターでコンコースに下りる。
周りの壁には、萌えキャラ達のポスターが等間隔に貼られている。
1階のコンコースに下り、中央改札口を出て左に曲がると、バスロータリーに出るのだが……。
愛原「わー、降って来た!」
バケツをひっくり返したような雨が降り始めていた。
外にいて傘を持っていない者は、慌てて駅構内に駆け込んで来るし、外に出ようとする者は立ち往生している。
私はスマホを取り出すと、それで新庄氏に電話した。
新庄「今、着きましたか?それでは、『風ぐるま』の乗り場に着けますので、お急ぎください」
愛原「分かりました」
『風ぐるま』とは、千代田区が運行しているコミュニティバスのことである。
同じバスロータリーの中から発車している。
見覚えのある黒塗りタクシーがそこに着いたのを確認すると、私とリサはダッシュしてその車に飛び乗った。
新庄「すぐに出発します!」
愛原「は、はい!」
車はすぐに発車した。
どうやら、直後にバスが来たようである。
シートベルトを締める間も無い。
新庄「大変でしたねぇ……」
愛原「まさか、このタイミングで降って来るとは……」
新庄氏はタクシーのスーパーサインの『予約』表示を消した。
これで、メーターが回ることになる。
愛原「思ったより、そんなに到着が遅れるわけではなさそうだな……」
私は時計を見て呟いた。
愛原「そうだ。パールにも伝えておこう」
新庄「良かったら、私から伝えておきますよ」
愛原「そ、そうですか?」
新庄「私も支部長ですからね、すぐに連絡はできるようにしてあるんですよ」
そう言って新庄氏は、右耳に着けているインカムで連絡を取った。
その時、私のスマホに着信が入る。
善場係長からだった。
愛原「はい、もしもし?」
善場「お疲れ様です。善場です」
愛原「善場係長、どうなさいました?」
善場「クリニックから、所長の検査結果が届きました。確かに、異常は無いようですね。これを踏まえた上で、今後どうするか決めましょう」
愛原「分かりました」
善場「明日、そちらにお伺いしても宜しいでしょうか?」
愛原「あ、はい。大丈夫です」
善場「午前か午後になるかはまだ分かりませんが、また御連絡させて頂きます」
愛原「分かりました。では、明日、お待ちしております」
善場「宜しくお願いします」
[同日18時25分 天候:雨 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家]
平日の夕方ラッシュ真っ只中であり、しかも大雨が降っているという状況であった為、道路状況も芳しくなかった。
あちこちで渋滞を起こしており、タクシーはいつもより長い所要時間で事務所に到着した。
新庄「申し訳ありません。いつもはこんなに時間は掛からないのですが」
愛原「この状況ではしょうがないですよ。迎えに来て頂いてありがとうございます」
車は1階のガレージに入ってもらった。
それなら雨に濡れずに済む。
メーター通りの料金を払い、領収証をもらう。
これは後で経費精算しよう。
車を降りる。
新庄「私も事務所に向かいますので」
愛原「じゃあ、一緒に乗りましょう」
エレベーターに乗り込む。
4人乗りの超小型エレベーターだ。
ホームエレベーターではないタイプでは、最小の機種。
先月末にメンテナンスが入ったが、そのメーカーでは、もうこのタイプの機種は製造していないと聞いた。
2階で新庄氏が降りて、私とリサは3階で降りた。
愛原「あれ?」
3階のダイニングに入ると、何故かメイド服を着たテラセイブのメンバーがそこにいた。
ルビー「お帰りなさいませ!」
ダイヤ「お帰りなさいませ!」
パール「お帰りなさいませ!」
愛原「は?」
リサ「おおっ、メイドカフェ!」
愛原「これはどういうことなんだ?」
パール「本日は特別です。いつもは私以外いません。今日は事務所開所初日なので、皆集まっただけです」
愛原「そ、そうなんだ」
パール「それより、脳検査の結果が異常無しで良かったです。夕食を用意しておりますので、どうぞ」

リサ「おおっ!今日はステーキ!」
リサ好みの大きなサイズである。
愛原「あ、ありがとう。どうしたの、この肉?」
パール「ルビーがコストコの会員証を持っていますので、そこから仕入れて来ました」
愛原「あ、他にもコストコの会員証持ちはいるのね」
リサ「早速、いただきまーす!」
愛原「そうしよう。……あ、因みに2階の事務所に新庄さんがいるから」
パール「事務作業と、他支部や本部との連絡でしょうね。ルビー、ダイヤ。あとは私だけで大丈夫」
ルビー「おけ」
ダイヤ「あとはよろしく」
ルビーとダイヤは階段の方から下りて行った。
愛原「普段はメイド喫茶で働いてるの?」
パール「そうですね。それ以外の所で働いているコもいますけど……」
愛原「ふーん……」
これも情報収集活動の一環なのだろうか?
愛原「明日、午前か午後かはまだ不明だけど、善場係長が来られることになってるから」
パール「承知しました」
愛原「俺の今後の事に対する相談だということだけど、ついでにテラセイブの事務所も見たいんじゃないかな?」
パール「そういうことですか。それでは、支部長にも伝えておきます」
愛原「その方がいい」
私は缶ビールを開けると、それを片手にステーキ肉に箸を付けた。