報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

本日の雑感

2013-09-29 19:53:28 | 日記
 ポテンヒット氏からコメントを頂戴している。氏は趣味の競輪で黒字を計上したようである。乗り鉄をされるとのことで、そのうちそのレポを期待したいところである。
 昨日抜いた親知らずがあった部分が腫れて痛く、朝食と昼食はゼリー飲料しか口にできなかった。幸い腫れを引かせる薬と痛み止めが処方されているので、その薬が少しずつ効いてはいるのだろう。夕食はウインズ近くの立ち食いソバ屋で、ソバを食えるようにまではなった。但し、冷たいのは染みるので、温かいソバの方だ。
 さすがにまだ固いものは食べられそうにない。明日も、麺類やお粥中心の食生活となるであろう。私は平均体重より軽い痩せ型なので、あまりこれ以上体重を落としたくはないのだが。潰瘍性大腸炎患者の特徴である。この病気で肥満体の人がいたら、是非とも見てみたい。同じ病気の安倍総理も、肥満体ではないだろう?むしろ総理の椅子を投げ出した第1次内閣の時は今よりもガリガリに痩せて、顔色も物凄く悪かった。私もその時期があったから、安倍総理の気持ちは物凄く分かる。
 しかし、消化器科に歯科と通院している私は、1ヶ月の支出で医療費が多くを占めている。まるで、医療費を稼ぐ為に働いているようなものだ。こんな状態で、折伏や法統相続はちょっとムリっぽそうだ。何度も既に書いているが、体の具合が良くなったのは退転中のことだ。むしろ信仰を再開してから、今度は歯科の世話になるようになったのだが……。どうも私は、宗門の信仰が合わないらしい。顕正会で世間に迷惑を掛けるのがお似合いのようだ。
 まあ、だからといって、今さら戻るつもりは無いがね。もっとも、顕正会が宗門復帰を果たしたら話は別だ。幸い今のお寺は、御僧侶も信徒もさほど別の信徒に立ち入ることも無いので、気は楽である。何しろ自分の所属組織の名前、つい最近知ったくらいだからなぁ……。
 あまり干渉されたくない信仰者の方、うちのお寺に来ます?もっとも、悩み事がある人は逆にお勧めしません(大笑)。
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親知らず 北陸ではなく 私の歯 2

2013-09-28 20:09:36 | 日記
 今日は親知らずを抜いてきた。何だろうね、子供の頃に乳歯を抜いた経験があるのだが、あれよりも痛くて大変だ。何しろ、ようやく血は止まったが、未だに痛みがある。さっき、痛み止めを飲んだところだ。
 明日は仕事なので、早いとこ、この痛みと腫れが引いてほしいものである。本当に困ったものだ。
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きっと終わりは大団円 拍手の合い間に

2013-09-27 19:46:14 | 日記
 “妖狐 威吹”より。更に続き。

[13:15.日蓮正宗大石寺・奉安堂 とある女子高生]

「あのー、すいません。ちょっとこういうものの持ち込みは……」
「ダメですかー?一応、剣道部なんですけど……」
「だから、木刀をむき出しのまま持ち込んじゃダメって、前にも言ったでしょう」
「はーい」
 任務のオバちゃんに注意された。とはいえ、心の中でアッカンベーをした私。何でこんなもの持ち歩いてるのかって?そりゃもう護身用に決まってんじゃん。
 まあ、奉安堂の中まで持って行く必要は無いか。私は入ってすぐの所の、ベビーカーやお年寄りのカート置き場の所にでも置こうかと思った。が、
「誰か捕まえてくれーっ!」
「ん?……な、何あれ?」
 背後で叫び声がし、振り向くと戦隊ヒーローのようなコスプレをした5人組がこっちに向かって走ってきた。
「さあ、皆さん!顕正会に残された時間は少ない!広宣流布が達成されるまで、あと20メートルであります!」
 お笑い番組のロケ?なわけないよな。テレビクルーなんていないし……。って、違うか。
「ふーん……」
 私は置こうとした木刀を手にした。

[同時刻 同場所 稲生ユウタ]

 くそっ!何てすばしっこい奴らだ!誰も追い付けないし、取り押さえられない。これが“魔の通力”ってヤツなのか?このままだと、内部に入り込まれてしまう……。
「ごめん……ごめんよ……。肝心な時に役に立たなくて……」
 妖力を完全に失い、人間同然となった威吹は、それでも並以上の体力を持ち合わせているはずだが、ついにバテてしまい、石畳の上に倒れこんだ。
「いいよ!取りあえず先に行く!」
 僕はそのままケンショーレンジャーを追った。
 と!
「あ、あれは……!」
 階段を登った先にある正面入口。ワッペンの半券はそこでちぎって、任務の人に渡して入るシステムになっている。そこにブレザーの制服姿の女子高生が、木刀を両手に握って待ち構えていた。確かあのコ、僕と同じお寺の……。前に御講の時に見たことがある。
「あ、あれは栗原江蓮ちゃん!彼女も来てたのか!」
 藤谷班長が後ろから息を切らして言った。
「彼女ならやってくれるかもしれない!」
「えっ?」
「彼女は剣道段持ちで、埼玉県でも指折りの女子剣道部の猛者だ」
「ええっ!そんなに凄いの!?」
「もっとも、普段の素行は【お察しください】」
「はあ!?」
 次々と返り討ちにされるケンショーレンジャー。
「ケンショー・ブルー・タイフーン!」
 ガーン!(←木刀で頭を1発叩かれる音)
「いてぇよォ……グスン……」
 レッド、ブルー、ピンクと倒されて行く。
「嗚呼、そこのカワイイJKのお嬢さん。その制服、10万円で売ってくれませんか?」
 バキッ!(←木刀で【以下略】)
「せ、せめてスク水を15万円でぇ……ガクッ!」
「さあ、そこの黄色いオッサン!最後はアンタだよ!?」
 凄い凄い!栗原さんってコ、1人で4人倒しちゃった!さすが剣道部の猛者!
「は、はわわわ……。し、しかーし!私にはまだ奥の手が残されているのであります!」
「なに?」
 ケンショー・イエローはダ本と呼ばれる勧諌書の原稿をばら撒くと、その中に隠れて消えた。
「忍者か、あいつは!?」
「仲間見捨てて逃げやがった……」
 すると遠くから、
「待てっ!待てーっ!」
「威吹!?」
 ケンショー・イエローは遠くまで逃げたわけではなかったようだ。体力の回復した威吹に、逆に追われる立場になってしまった。
「威吹!」
 僕も追おうとしたが、藤谷班長に手を掴まれた。
「稲生君、もうすぐ御開扉だ。あとは任務者の人達に任せよう」
「で、でも、威吹が……」
「どうせ残り1人だ。1対1なら、妖力が落ちた威吹君でも対応できるだろう」
「は、はあ……」
「栗原さん、大活躍だったね?」
 藤谷班長が言うと、
「報酬はどこから出るの?」
 だって。
「またまたぁ……」
 苦笑いする藤谷班長。こういうコだったのか。

[13:30.日蓮正宗大石寺・三門前 威吹邪甲]

 エセ妖怪退治屋め。残る1人になったのなら、オレが決着つけてやる!それにしても、木刀で倒したあの娘……どことなく、昔オレを封印した巫女に似てるな……。まあ、あいつは剣の心得は無かったけど。
「ああっ!私のマシンが何てこと……!」
 三門前に止まっていた、あの白い車はほとんど原型が無くなっていた。
「どうやら万策尽きたようだな。本当はこの爪で引き裂いてやりたいところだが、この寺の境内にいるうちは妖力が回復しない。殴打でカンベンしてやる」
 オレは右手だけでパキッと指の骨を鳴らした。
「は、はわわわ……」
「念仏……もとい、法華経を唱えるまで待ってやっても良いが?」
「そ、それでは五座三座の勤行をぉ……」
 ザシャアアアッ!(←ポテンヒットさん、ごめんなさい)
「キサマ!会員には一座しかやらせないくせに、自分は五座三座かぁ!!」
 そこへ黒い服を着た男が5人ほどやってきた。藤谷氏の着ている物と形は一緒だが、こちらはもっと威圧感がある。誰だ?
「う、うわっ!お前達は、妙観講……!」
 あっという間に黄色い装束のエセ妖怪退治屋は、黒い服の男達……。妙観講っていうのか?その集団に連れて行かれてしまった。
「さんざん御山を荒らしやがって、覚悟しろ!」
「キミ、ケガは無いかい?」
「は?はあ……」
 1人の黒服が話し掛けてくる。
「いつもはもっと静かなお寺なんだ。ああいうのは、本当に珍しいことだから。誤解しないでね」
 どうやらボクを信徒ではない一般人だと思っているらしい。まあ、間違ってはいないけど……。

[17:15.民宿・日ノ出山荘前 稲生ユウタ]

 御開扉に参加した後、また少し休憩して、今度は六壷の夕刻勤行に参加した。六壷とは大石寺でも最古の堂宇で、もちろん今の六壷は建て直されたものだけど、僕の生まれてくるずっと前……つまり、威吹が既に生きてた頃は、客殿と一緒だったらしい。だからなのか、今でも六壷と客殿が隣り合ってるのは……。
「おっ?妖力回復した?」
 日ノ出山荘付近は今現在、大石寺の境内からは外れているからなのだろう。やっと威吹は元の妖狐の姿に戻った。
「これなら、あの5人ボク1人で倒せるのになぁ……」
「はははっ」
 僕達がここにいる理由はタクシーを呼んだから。東京行きのバスは、もう大石寺の近くからは出ない。直接、バスの営業所まで行く必要があった。
「取りあえずタクシーで、バスの営業所の近くまで行こう。あの辺は結構食べる所があるから、そこで夕食を取ろう」
 と、藤谷班長が言った。
「あっ、タクシー来ましたよ」
 予約していたタクシーがやってくる。大柄な藤谷班長が助手席に座って、僕達は後ろに座った。すぐにタクシーが走り出す。
 因みに1人大活躍の栗原さんは六壷の勤行には参加せず、御開扉が終わったらすぐ下山バスに乗って帰っていった。
「どうだった?初めての御登山は?」
 藤谷班長が聞いてきた。
「あ、はい。とても充実した1日でした」
「はははは。まあ、今日はエラいイレギュラーがあったけど、いつもはあんなんじゃないから」
「はい」
「来月は支部登山があるから、今日みたいな添書登山とはまた違う雰囲気を味わえるよ」
「そうですか」
 威吹にとっては苦行かもしれないけど、また是非来たいな。
「ん?」
 タクシーは駐在所の前を通って、国道を左折した。すると三門の前に出るわけだが、そこで警察が現場検証みたいなことをしていた。何かあったのだろうか?あのケンショーレンジャー絡みかな?

[同時刻。富士急静岡バス“やきそばエクスプレス”16号車内 栗原江蓮]

 全く。久しぶりに登山してみたら、何か変な連中が来たし……。うちのお寺大きいから、個人的に添書登山しても、誰かしらいるとは思ってたけど……。ま、イレギュラーな変態集団、あたし1人でブッ倒したわけだから、英雄扱いだよね。
「ん?」
 その時、あたしは下半身に違和感を感じた。
「どうしたの?」
 隣の席に座る班長が聞いてくる。
「い、いや……。ちょっとトイレ行ってくる」
 あたしはバス車内にあるトイレに入った。そこで気づく。
「ああーっ!?」
 スカートの下、何もはいてない!な、何で!?……はっ、まさか、あの緑のオヤジ……!あたしの前に倒れて、何かしてたけど……!?
 あ、あいつ……!絶対コロス!!

[同時刻 アルカディア王国共和党本部トイレ 横田高明]

 ハァハァ……。つ、ついにやりましたよ……。JKの生パンティ。魔界で修行した甲斐があるというものです。ハァァァァ……ッ!

                
***


 それぞれの思いを胸に下山した人々。罪障を捨て、功徳を積むそのお寺は清浄にして白蓮華なる地である。折りに触れ機に触れ、どんどん御登山させて頂こうではないか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 因みに、特盛くんとエリちゃんの動向ですが、エリちゃんは特盛くんの紹介で御受戒を無事に済ませたそうです。で、その日は御受戒した宿坊に宿泊。同じく登山していた同志達と、富士宮市街に繰り出して御受戒祝いのドンチャン騒ぎをしたとかしないとか。
 ケンショーレンジャーと遭遇しなかったのは、幸か不幸か……。
 ん?特別出演のポテンヒットさんとますぶちさん?【お察しください】。てか、大変申し訳ありませんでした。
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前回の続き

2013-09-27 15:19:48 | 日記
 “妖狐 威吹”より。前回の続き。

[13:00.日蓮正宗大石寺・三門前 特盛くん&エリちゃん]

 キキキキキキィィィィィッ!ガッシャーン!!
「うわっ!?」
「特盛っ、テメー!どこ見て運転してんだよっ!ああっ!?」
「キ、キレないで~、エリちゃん……。てか、な、何でこんな所に軽トラが~???」
「んなところに路駐してんじゃねぇよ!誰だよ!?」
 やっとエリちゃんを折伏して、御山に連れてきたってのにぃ……。
 西富士道路の大渋滞で、エリちゃんの機嫌がかなり悪くなってる。このままだと僕の所属する塔中坊に御受戒してもらう前に怒って帰ってしまうかもしれない。
「あれ?大宮ナンバーだぁ……」
「軽トラで大宮からここまで?どんだけだよ!」
 僕達は車から降りた。どうやら、軽トラには誰も乗っていないようだ。
「と、とにかく警察に電話しよう……」
 僕はケータイを取り出した。
「つかさ、ナビに上条駐在所って書いてあるじゃん。すぐ近くみたいだから、直接行ったら?」
「そ、そうだね」
 僕達は再び車に乗り、上条駐在所に向かった。それにしても良かったぁ~、物損事故だけで……。

[同時刻。同場所。 ポテンヒット&ますぶち(駐車監視員役として特別出演)]

「ぽ、ポテンヒットさ~ん……生きてますぅ……?」
「近くの駐在所って……。直接行ったら、当て逃げじゃんかよ、ああっ……?ガクッ……」
 路駐の軽トラを取り締まっていたら、特盛くんの車にぶつけられて跳ね飛ばされたその軽トラの下敷きになったお2人……(すいません!こんな役で!)

[13:10.日蓮正宗大石寺・奉安堂前 稲生ユウタ]

「いいかい?威吹はケンショーレンジャーに見つからないように、売店の食堂にでも避難してるんだ」
「分かった」
 僕はそう言ったが、御開扉の時は売店も結構手薄になりそうな感じだ。ちょっと心配な気もする。かといって、勝手に塔中坊に入るわけにもいかないしなぁ……そこの信徒でもないのに。
「ちょっと、誰ですか、あなた達!?」
 その時、近くで任務者の大声が聞こえた。
「うわっ!?」
 そこにいたのは……。
「見て御覧なさい。やはり妖怪は本門戒壇の大御本尊様を害さんとしているようであります」
「性懲りも無ェ野郎だぜ!」
「私の分析によりますと、その妖怪は法華講員に成り済まして奉安堂内部に入るつもりのようですね」
「出たーっ!ケンショーレンジャー!」
 まさか信徒が集結している奉安堂の前に現れるなんて!
「ここは1つ、妖怪より先に奉安堂内部に入り、命を賭してでも大御本尊様を御守りするべきかと思われまするが、皆さんどうでしょう?」
 パチパチパチパチパチパチ……。
「うわっ!伏せ拝してるぅ!?」
「きもっ!!」
「というわけで皆さん、いいですかー?」
「オッケーだぜっ、イエロー先生!」
「ぇ準備は万端ですね、ぇイエローパパ」
「私の分析によりますと、スタートダッシュが肝心ですね」
「イエロー、アタシに任せて~」
「いざ!」
「ケンショー・ダーッシュ!(×5)」
「こ、こらーっ!」
 まずい!顕正会員が勝手に奉安堂内部に!
「くっ!妖力さえ戻れば……!」
 だがその時、奇跡は起きた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ポテンヒットさん、ますぶちさん、重ね重ねすいません……。
 因みに実際の奉安堂は、二重三重の警備を突破して、内部に入ることはまずムリです。ましてやレンジャーのコスプレって……。
 ちゃんと御受戒してから登山しましょう。
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私の小説は、もちろんフィクションです。

2013-09-27 02:35:03 | 日記
 “妖狐 威吹”より。前回の続き。

[11:55.日蓮正宗大石寺・大講堂 稲生ユウタ]

「……これを持ちまして、本日の話とさせて頂きます。ご清聴、感謝致します」
 僕は他の信徒の人達と一緒に拍手をした。
「それでは御題目三唱を致します」
 僕達が拝聴した部屋には、御本尊様が御安置されていない。そんな時はどうするのかというと、奉安堂の方を向いて行うのである。
「どうだった?」
 御題目三唱が終わって、信徒の人達が三々五々散っていく中、藤谷班長が話し掛けてくれた。
「ええ、浅井会長の話よりいいですね。終末論が出てこないだけでも、聞いていて安心しますよ」
 と、僕は答えた。
「うんうん。そうだろう」
 班長は大きく頷いた。そして続ける。
「この後、御開扉が13時30分からだから、“売店”で何か食べよう」
 売店とは何も、駅のキヨスクみたいなものじゃなく、要は仲見世商店街のことである。土産物屋から、食堂まである。
「威吹もいいですか?」
「いいよ。売店は宗外の人もOKだから」

 僕達は大講堂の外に出た。
 思わず、ケータイを取り出しそうになる。違う違う。威吹はケータイを持ってないし、そもそも使えない。何か最近、ようやく公衆電話が使えるようになったっぽいけど。
 じゃあどうするのかというと、こんな時の為に威吹からもらったものがある。犬笛だ。これを吹くと、どんなに遠くても、威吹の耳に届くというものだ。まあ、威吹は犬じゃなくて狐の妖怪だから、狐笛かな。まあそれはいいとして、僕が笛をくわえると、まだ吹いてもいないのに“広布の広場”の方から威吹が必死の形相で走って来た。そんなに慌てなくていいのになぁ……。それとも、お腹が空いたかな?ああ見えて、結構大食漢だし。
「ユタぁ!助けてーっ!!」
 助けて?それはいつも、僕のセリフなんだけど……。さしずめ、ドラえもんに泣きつくのび太君みたいな。
「どうしたの?“任務”の人に不審者扱いされた?」
「変な装束を着た5人組……妖怪退治屋に追われてるんだ!」
「はあ!?」
 何言ってんだ、コイツ!?
「赤とか黄色の派手な装束……けんしょーれんじゃー?とか何とか……」
 威吹は肩で息をしていた。威吹の発言に、藤谷班長が反応した。
「ケンショーレンジャー!?ま、まさか……」
「え?」
「噂は本当だったのか……?」
「な、何がですか!?」
「うん。顕正会の浅井会長以下、幹部達が5人揃って、お忍びで戦隊ヒーローのコスプレをし、法華講員達に嫌がらせをしているという噂だよ。ネットでしか見聞きしないから、デマだと思ってたんだけど……」
 今は追ってきていないようだった。さすがに信徒が多くいる場所にまでは来ないみたいだ。

[12:15.日蓮正宗大石寺売店・西山食堂 稲生ユウタ]

 取りあえず、腹ごしらえをすることにした。威吹は定番のきつねうどん。妖狐が油揚げを食べるところが、妙にしっくりくる。
「え?今回の奴らの目的は、威吹君退治?」
 藤谷班長は豚汁定食を食べながら、威吹の話を意外そうに聞いていた。
「ふーん……。そもそも奴らがこの御山に来ること自体、想定外なんだけど……」
「そやつら、妖怪退治屋じゃないんですか?」
「違う違う。ただのアホでおバカな変態集団だ。気にしなくていいよ」
 威吹の質問に、班長は苦笑いをして否定した。
「結構、霊力がある感じでしたが……」
「カルト教団に入れ込んでいる者のほとんどは霊感がある。それを教えてくれたのは君達だよ」
 なるほど。そういうもんか。威吹も僕の霊力が目的で近づいてきたけども、顕正会を辞めて、ここに御受戒してから霊力が下がったって嘆いてたもんな。余計な霊力を削ぎ落とすことで、魑魅魍魎に狙われなくする、これも立派な御守護だろう。
「でも、これからどうします?また襲ってくるかもしれませんよね?」
 僕は現実問題を班長に振った。
「任務者の人に話しておきますか?」
「いや、話したところで信用してもらえないだろうし、奴らは噂通り、戦隊ヒーローのコスプレをしていることから、かなり目立つとみた。威吹君の着物みたいにね」
 確かに御僧侶以外で着物なんて、威吹くらいしかいない。だからこそ、ケンショレンジャーに狙われてしまったのかもしれない。
「とにかく、単独行動はしないことにしよう」
「でも、御開扉の時はどうします?」
「その時は、売店の中にでもいてさ……」
 全く。面倒なことになったもんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 もう1度書きますが、あくまでフィクションです。
 因みに今、売店は区画整理中でして、一部の店舗が移転したりしています。この話を書いた時は、まだ工事前です。
 次回、ケンショーレンジャーがついに奉安堂内部へ突入!?……なわけありません。
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