報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“Gynoid Multitype Cindy” 「ロボット未来科学館・オープン2日目」 2

2016-04-30 21:44:09 | アンドロイドマスターシリーズ
[4月2日17:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区・ロボット未来科学館]

 閉館時間になり、ぞろぞろと来館者が退館していく。
「ご来館、ありがとうございましたー」
 シンディは他の人間のスタッフに交じってエントランス前に立ち、来館者を見送った。
「こんな大きな美人さんが、まさかロイドとはねー。残念だよ」
 中年男性が退館間際、シンディにそう言った。
「よく言われます。ありがとうございます」
 シンディは両手を前に組み、にこやかな顔で返した。
 既に前期型の頃の悪行について、一部の来館者には知られていたが、それを咎めてくる者はいなかった。
 シンディの存在自体が突拍子も無いので、一般の来館者には分からないのだろう。
 一応、公式な説明として、悪行に悪行を重ねたシンディは既にその前期型は廃棄処分としている。
 後期型は真っ新なもので、まだ血に染まっていない。
 メモリーは従来通りだが、あえて悪行を重ねていた頃の“記憶”を残させることで、贖罪を続けさせるというものだ。
 それはエミリーも同じ。
 エミリーの場合は日本に来てからの悪行はしていない為(旧ソ連時代の粛清のみ)、シンディより罪は軽いと思われている。
「館内ゼロでーす!」
 人間の警備員が来館者の全員退館を確認した。
 駐車場にはまだ何台か来館者の車が残っていたが、それは駐車場担当の警備員が対応することになっている。
「お疲れさまでした」
 シンディは人間のスタッフ達に頭を下げると、バックヤードに戻った。

「今日はお疲れさまでした。また明日も、よろしくお願い致します」
 井辺は控え室にいるMEGAbyte達を労った。
「お安い御用です」
「明日も歌えるなんて、ありがたいです」
「はい、頑張ります!」
「本日は、この研究所に泊まって頂きます。整備はここの研究スタッフの方が行ってくれますので、ご安心ください」
「プロデューサーもここに泊まるの?」
 と、Lilyが効いた。
「いえ……。あいにくと、ここには人間の宿泊設備がありません。私は大宮区内のホテルに一泊することになっています」
 敷島も続ける。
「井辺君の実家は岩槻だから、実家に泊まっちゃえばいいのにさ」
「確かに経費としては安上がりです。ですが、西区と岩槻区は離れています。何かあった時のことを考えて、なるべくこの科学館に近い所で寝泊まりしたいと思います」
 それでも大宮区まで出ないと、ホテルが無いという……。
 もっとも、平賀達が泊まったような高級ホテルではなく、ビジネスホテルなのだが。
 その平賀一家は今、東京に出ていて、宿泊先もそちらに移している。
 当然、一家の世話役兼護衛のエミリーもそっちに行っており、今日と明日は科学館にいない。
 今日は平賀が客員教授を務める大学に行き、そこで特別講義を行っているはずだ。
 ちょうどエミリーが同行していることもあり、実際にエミリーの体を開いて、中を見せるというのもすると言っていた。
「じゃあ井辺君、帰ろうか」
「社長、奥様は……?」
「あいつは残業してから帰るから、心配無いよ。キミのホテルまで送って、ついでに夕飯でも食うか。んで、また俺は科学館に戻る。すると、不思議とアリスが残業を終えて、帰ろうとしている頃なんだな」
「そんな良過ぎるタイミングですか」
 普段はそんなに表情を変えない井辺も、少し驚いてみせた。

(表情をそんなに変えないところは、エミリーそっくりね)
 シンディは敷島の車に乗り込みながらそう思った。
 敷島のハイブリッドカーに乗り込む井辺。
 オーナードライバーの場合は、助手席が2番目になるわけだが、そこにあえてシンディが座った。
 社内での立場は、社長秘書というシンディの方が上だったりする。
 尚、だからといってそのヒエラルキーは厳しいものではない。
 KR団やそれに準ずる考え方の人間から見れば、それは批判対象になるからだ。
「じゃあ、行くか。スーパーホテルだったな」
「はい。申し訳ありませんが、よろしくお願い致します」
「あいよ」
 敷島は車を発進させた。
 シンディが助手席に座った理由は、もう1つあった。
「♪〜」
 ここでシンディが自分のバッテリーを充電する。
 アルエットなどの最新機になれば、燃料電池を搭載しているので、そんなに充電を気にする必要は無いのだが。
「小さい仕事ではあるけれど、ちょくちょく声が掛かるようになった。さすがだな、井辺君?」
 敷島はハンドルを握りながら、ミラー越しに井辺を見た。
「ありがとうございます。社長」
「こりゃ、メジャー化も近いぞ」
「はい。結月さんではないですが、もっと頑張りたいと思います」
「違う違う。実はさ、西山館長がデイライトさん本社からの派遣だって知ってるだろう?」
「はい」
 日本法人ではなく、本場アメリカの本社である。
 本社直轄の研究所勤務だった。
「その館長がMEGAbyteをベタ褒めしていたんだ。デイライトさん本社に話が行ったら、こりゃいきなりミク達を追い越して海外デビューの話なんかになったりしてな」
「それなら……!」
 井辺は少し身を乗り出した。
 シートベルトが井辺の体を押さえ込もうとするくらいの勢いだった。
「私は英語力に自信がありますし、Lilyさんも英語への言語機能切り替えが可能です。いつでも海外デビューでしたら……」
「はははは!あくまで、夢の話だよ。現実的に有り得る話としては、デイライトさんやその関連会社からのCM契約とかの話はあるかもな」
 するとそこへ、シンディが割って入った。
「でも社長、それって結局、考えようによっては海外デビューみたいなものなんじゃないの?」
「ん?」
「いくら日本法人といっても、結局は外資系企業なんだから、そこから仕事が来るってことは、実質的な海外デビューみたいなものじゃない?」
「んん?そうか?」
 敷島は海外デビューというと、本当に外国に行って仕事をするイメージであったが……。
 外資系企業から仕事をもらったというだけでも、海外デビューと言って良いのだろうか?
「井辺君はどう思う?」
「えっ?いや……私は、その……。やはり日本法人だけでなく、本場アメリカ本社から仕事の依頼があって、そこで初めて海外デビューという気がしますが……」
「やっぱりなぁ……」
「まだメジャー化は、当分先の話になるかしらね?」
「申し訳ありません」
「いや、いいよ。メジャーという名の階段の駆け上りは危険だ。階段というのは、一歩ずつゆっくり登ってこそ安全なんだ」
「はっ!メモしておきます!」
 井辺は手持ちの手帳に、今の敷島の明言(?)をメモした。
「本当に真面目なプロデューサーさんね」
 シンディはクックッと笑った。
「それでいいんだよ。俺の人を見る目、いいもんだろう?」
「まあ、そうね」

 敷島の車は、街灯の明かりしかない道路を夜景の輝く大宮区へと走って行った。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“Gynoid Multitype Cindy” 「ロボット未来科学館・オープン2日目」

2016-04-29 21:00:16 | アンドロイドマスターシリーズ
[4月2日10:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区・DCJロボット未来科学館 シンディ、井辺翔太、MEGAbyte]

(※真に勝手ながら、形式を“大魔道師の弟子”みたいな感じに戻します)

 土曜日のロボット未来科学館は昨日、テレビやインターネットなどのメディアに公開されたこともあり、敷島の予想通り、客足は早かった。
 MEGAbyteの3人は、バックヤードにある会議室を控え室に充ててもらい、そこで午前と午後の2回に分けて行われるミニライブの準備をしていた。
 MEGAbyteの専属プロデューサーである井辺も一緒である。
「皆さん、社長と館長がお見えです。御挨拶を」
 井辺が敷島と西山館長を連れて、会議室に入った。
「おはようございます。今日はよろしくお願い致します」
 さすが3人ユニットの中では、設定年齢が最年長になっている未夢がスッと椅子から立ち上がり、西山館長に挨拶した。
「よろしくお願いします!」
「お願いします!」
 続いてLilyと結月ゆかりも挨拶する。
 西山は大きく頷いて、今日のミニライブに期待している旨の返事をした。
「井辺君、俺は館長について館内を回って来るから」
「了解しました。あとは、こちらに任せてください」
「じゃ、よろしく」
 敷島と西山が出て行くのを見送った後、ホッとするMEGAbyteのメンバー達。
「まさか館長さんが来られるなんて、思わなかったわぁ〜」
 それまでキリッとした顔付きだった未夢は、いつものおっとりした表情に戻っていた。
「それだけ期待されているということです。頑張ってください」
 井辺は咳払いをして答えた。
「そうね。今日もマスコミは来ているんでしょう?」
「ええ。週末の方がこういったパビリオン施設は賑わうので、その模様を取材したいのでしょう。ですから皆さんも、アピールするチャンスです」
「おお〜!わたし、頑張ります!」
 ゆかりは両手に拳を握った。
「よろしくお願いします。開演時間は11時です。時間になりましたら、シアターホールの方へ……」
 と、そこへ、ドアノブをガチャガチャやる音が聞こえた。
「ん?誰かしら?」
 未夢は右目を緑色に光らせた。
 元はマルチタイプの後継機として開発された経緯があるだけに、未だにスキャニングは可能のようである。
「ロイドの反応ね」
 未夢のスキャン結果に、ゆかりがポンと叩いた。
「あっ、もしかして、ここのスタッフロボットさんですかねー?ミク先輩が来た時、握手を求められたって話ですよ?」
「だとしたらルール違反じゃない?握手会は今日はやらないんでしょう?プロデューサー」
 Lilyが無表情で井辺に振った。
「そうですね」
 尚も外からドアノブがガチャガチャされる。
「私が出ます」
 井辺は入口のドアに近づいた。
 井辺がガチャッとドアを開けると、
「翔太さぁーん!!」
 井辺の胸に飛び込んでくる者がいた。
「萌っ!?」
 それは妖精型ロイドの萌。
「来てくれたんですねぇ!?嬉しいなぁ!どうしてボクの所にすぐ来てくれなかったんです!?寂しいですよ!」
 萌は世界的ロボット・テロ組織、KR団の秘密研究所に捕われていたが、同じくそこに拉致・監禁された井辺と共に脱出した、言わば戦友である。
「も、申し訳無い。あくまで今日は、MEGAbyteのプロデューサーとして来たものだから……」
「後で僕の飛行技、見せてあげますよ!苦手な2回転宙返り、できるようになったんですよ!」
「それは、おめでとう」
 井辺が苦笑し、Lilyが呆れている中、ゆかりはポンと手を叩いた。
「わあ!何だか楽しそうです!」
「萌にも皆さんと同じ、少しずつ学習していく人工知能が搭載されています。萌の凄い所は、まるでフィギュアサイズであるにも関わらず、複雑な人工知能をここまで超小型化できたことにあります」
 その特殊技術、実はデイライト社でも把握できていない。
 本来は萌をデイライト社で引き取りたかったが、どういうわけだか、敷島エージェンシーが手に入れてしまったため、デイライト社は敷島エージェンシーから萌を長期契約でレンタルしているという形になってしまった。
 本来なら分解して、その内部構造を調べたいらしい。
「後で皆さんにも見せてあげますよー」
 萌は得意げに言った。
「そうだ!萌、ちょっと協力してもらいたいことがある」
 井辺は何かを思いついたようだ。

[同日12:00.天候:晴 ロボット未来科学館1F・シアターホール]

 MEGAbyteは持ち歌の他に、先輩ボーカロイド達の持ち歌もカバーした。
 特に初音ミクの持ち歌である“千本桜”、他のボーカロイドもカバーしているのだが、このMEGAbyteもカバーした。
 その際、萌が持ち前の飛行能力を駆使して、天井から花吹雪を撒き散らすという大役を果たした。
 初音ミクよりマイナーなこの3人、集客は到底ミクには及ばないものの、そういった何気ない演出が、観客の心を掴んだようである。
 館長室のモニタで、この様子を見ていた西山と敷島。
「おー、これはかなり期待できるねぇ!まるで人間のアイドルユニットそのものだねぇ!」
 と、西山は絶賛していた。
「ありがとうございます」
「明日もあのコ達が来てくれるの?」
「はい。あと、明日は午後の部に限りまして、うちのMEIKOも参加させて頂きます」
「あのメジャーなボーカロイドにも来てもらえるの?」
「はい。たまたまで申し訳無いんですが、スケジュールの調整が効きましたので……。人間のアイドルにはできないことです」
「なるほど。機械である為、人間のような休憩とかも要らないわけだしね」
「そうです」

 シンディはバックヤードを通って、控え室に戻るMEGAbyte達についていた。
「ご苦労さん。次は15時からの午後の部だって。それまで休んでて」
 シンディは3人に言った。
「あの、私達は館内の見学はできないのでしょうか?」
 ゆかりが手を挙げた。
 するとシンディはクックッと笑った。
「あのねぇ、アタシ達はむしろ見学される側でしょう?見学するんじゃなくて、されに行きなさいな。もっとも、そこはプロデューサーの判断になるけどね」
「あっ、そっかぁ!」
 ポンと手を叩くゆかりだった。

 控え室に戻ると、井辺と敷島がいた。
「おー、ご苦労さんな、お前達」
 敷島が手を振って出迎えた。
「お疲れさまです!」
「話は聞いたよ。館内を回って、お客さん達と触れ合うのも営業だと思うから、限度を弁えた上でならいいよ」
「おお〜!ありがとうございます!」
「社長、私もついていた方がよろしいでしょうか?」
 と、井辺。
「基本的にはな。ただ、午後の部の流れについても打ち合わせしておきたいから……」
「じゃ、アタシがついてるよ。それにまあ、館内だったら、あいつらもいるから」
 シンディは窓の外を指さした。
 窓にはロール式のブラインドが下ろされているが、それでも分かるほどに、セキュリティロボット達がガッツリ“警備”しているのが分かった。
「ボーカロイドは、あいつらからも大人気だからねぇ……」
「ハハハハ……」
 呆れながら笑うLilyに、
「あらぁ……」
 照れ笑いをする未夢、
「はい、頑張ります!」
 と、何故かテンションアップのゆかりだった。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログ、リニューアルしました!

2016-04-28 21:16:39 | このブログについて
 いきなりですが、ブログをリニューアルしてみました。
 といっても、それまでの記事はそのままです。
 “冨士参詣深夜便”のコンセプトと、実際のブログ内容に相違が出てきましたので、装いを新たにしようと考えた次第です。

 元々は気になった新聞記事を取り上げて、私の私見を述べるみたいなことをしていました。
 そこでブログ名も、私の愛読紙である産経新聞に掛け合わせた名前にしたわけです。
 しかし実際はいつもそのようにしているわけではなく、また、いくら新聞には小説も掲載されているとはいえ、2作品が同時進行している事態になり、しかもそれがメインになりつつあるようでは、やはり違うなと思った次第です。
 更に信心の話についても、私は深く熱心にしているわけではありませんし、人に紹介できるほどの教学を持ち合わせているわけではない。
 自慢ではありませんが、御書を埃被らせてる有り様でしてね。
 こんな私が信心の話をするなど、おこがましいにも程があります。

 知人からの勧めもあり、何だかんだ言って2作品の小説ではどこかしらに行く描写が多いのと、リアルでもどこかに行ったことや、その時に乗った列車やバスの考察に字数を割いていることから、いっそのこと、それをメインにしたブログにしてはどうかということで、それに乗る形と相成りました。
 無論、大石寺登山や末寺参詣したことについては、いつもの通り、書く所存です。

 知人の、
「実際に大石寺に行った熱心にやっている人のブログと、キミのブログの内容は全く違う。まるで、違う寺……そう、観光地の善光寺とか薬師寺に行ったかのようだ」
 という指摘もありました。
「熱心にやっている人は、本当に信者の観点から。キミの場合は単なる旅行者、参拝者の観点である」
 とも。
 グゥの音も出なかった。
 ま、それに負けたからというわけでもないけど、ブログ全体を旅行記みたいにしてしまおうということです。

 尚、新タイトルのHOTとは、HOKKE our(法華ツアー)の略です。
 管理者をツアーコンダクターに見立て、閲覧者の皆様を脳内妄想ツアーなどにご案内させて頂く役回りということにしました。
 “冨士参詣深夜便”からの変更点は以下の通りです。

 『日記』→『ツアーコンダクターの独り言』:旅行記とは関係無い、それまでの日記的な記事を書いた時のカテゴリーです。
 『ユタと愉快な仲間たち』→『脳内妄想幻想ツアー』:魔道師や妖怪が登場し、人間界と魔界を行き来することから、幻想の世界へ向かうツアーとしました。
 『アンドロイドマスター』→『脳内妄想SFツアー』:時代は現代ながら、既に人間そっくりの姿と感情を持つアンドロイド(女性型はガイノイド)が登場するSFの世界へご案内致します。
 『旅行』→『リアル旅行記』:ツアーコンダクターの私が実際に現実世界を旅行した際の御紹介です。大石寺登山なども、このカテゴリーになります。

 尚、申し遅れましたが、ハンドルネームをアマチュア作家のペンネームである雲羽百三(くもは・ひゃくさんorももぞう)に統一致します。

 これからも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い致します。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小説の途中ですが、ここで御指摘内容について申し上げます。

2016-04-27 20:44:36 | 日記
 昨日……といっても、日付的は本日なのだが、創価学会員んっ?さんと法華講特別布教区のいおなずんさんより、私のつぶやきについて御指摘を賜った。
 私がつぶやいた内容は、概ね次の通り。

「昼食時、たまたま入ったラーメン屋が後で学会員経営の店だと分かった。その後で法華講員経営の焼き鳥屋の前を通ったので、浄化のつもりで夕食はそこにしよう」

 何で知ったかは申し上げられないが、少なくとも御不快にさせてしまったことに対して、真摯に受け止めると共に、今後の反省に生かしたいと思っている。
 ところが、話は……少なくともブログ外においてはこれで終わったわけではない。
 HN多摩準急先生より、私のPCメールで御指摘を頂いた。
 概ね次の通り。

「それで結局、そのラーメン屋は美味かったのか不味かったのか?焼き鳥屋は美味かったのか不味かったのか?学会員が云々、法華講員が云々の前にそれが抜けている。食べログとしては失格だ。また、小説にしてもほとんど感想がもらえていない。これは興味を持たれていないのと同等なので、やはり及第点とは言えない。何故なら、つまらないからだ」

 完全に反論不能となった。
 因みにまだその指摘については、まだ返信していない。

 とにかく、早めに御指摘頂いたことはありがたく思っている。
 このままだと、更に調子に乗って、嫌いな武闘派さん達と同じになってしまうことになっていただろう。
 それは良くない。

 それにしても、そもそもが管理者が本来、閲覧者用のコメント欄でベラベラ喋ること自体がおかしい。
 だったら、ツイッターでもやれって話だよな。
 その辺も少し考えることにしよう。

 いずれにせよ、閲覧者を不快な気持ちにさせるコメントを書いたことは、ブロガーとして落第でありましょう。
 改めまして、この場にお借りしてお詫び申し上げます。
コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“Gynoid Multitype Cindy” 「ロボット未来科学館・オープン当日」 3

2016-04-26 19:14:09 | アンドロイドマスターシリーズ
[4月1日15:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区・ロボット未来科学館 ※登場人物表記省略]

 初音ミク:「もっとずっと♪笑えるように♪流星にお願いしたら♪……」

 シアターホールで午後の部のミニライブを行う初音ミク。

 ゴンスケ:「えー、美味しいおイモ。おイモはいかがですか〜?」
 エミリー:「ただいま・無料・配布中・です」

 販売はダメだが、無料配布なら良いということになった。
 何故か配布を手伝うエミリー。

 シンディ:(さすがに、屋台ごと焼き払ったのはやり過ぎだと思ったか……)

 シンディはそんな姉の働きぶりに、そう思った。

 平賀未来(みく):「しんでぃ!目かられーざーびーむ出してー!」
 シンディ:「目からレーザービームですか!?申し訳ありませんが、今の私はそのパーツは搭載してなくて……。多分、ボーカロイドの誰かが持ってると思います。……あー、検索しましたが、ミクじゃないですね」
 未来:「あたし、もってないよー!」
 シンディ:「あ、いや、お嬢様のことじゃなくてですね、初音ミクのことです」
 海斗:「しんでぃ、空飛んで!」
 シンディ:「あ、はい。それならお安い御用です」

 シンディも平賀の子供2人に翻弄されているようだ。

 敷島孝夫:「明日と明後日は土日だから、もっと客が来そうですね」
 平賀太一:「ええ。明後日まででしたら、自分達も協力できそうです」
 敷島:「そりゃいい。それなら明日はMEGAbyteでも連れて来ましょうかね」
 平賀:「ボーカロイドのことは、敷島さんがいると任せて安心ですね」
 敷島:「ありがとうございます。これも平賀先生の協力あってこそ……」

[それから2時間後]

 エミリー:「ご来館・真に・ありがとう・ございました」
 シンディ:「ありがとうございました!」

 科学館の閉館時間は17時である。
 マルチタイプ姉妹はエントランスに立って、来館者の見送りを行った。
 さいたま市郊外にある為、大宮駅からは地元の路線バスがロータリーまで入って来るようになった。
 ただ、バスの本数は1時間に1本と、お世辞にも多いとは言えない。
 土曜・日曜ダイヤは30分に1本と、こちらの方が本数は多い。
 ここが始発・終着というわけではなく、他の行き先の途中で寄って来るという感じである。
 これとは別に、『ロボット未来科学館入口』という少し離れた所に、別の行き先のバス停もある。

 警備員:「館内ゼロでーす!」

 人間の警備員も一緒に館内を回って、来館者が全員帰ったことを確認する。
 敷島達もバックヤードに戻って、控え室となっている会議室に入る。

 敷島:「初日のイベント、全て終了です!」

 敷島が宣言するように言うと、シンディ達が拍手をする。

 敷島:「平賀先生方も、ありがとうございました」
 平賀:「いえいえ。これなら、科学館の先行きも安泰でしょう」
 奈津子:「明日からの土日は、もっと忙しくなりそうですね」
 敷島:「あいにくとミクはスケジュールがぎっしりなので、明日と明後日は無理ですが、幸いにしてMEGAbyteが空いているので、彼女らを呼ぶことにしました」
 平賀:「それはいいですね。明日に備えて、ミクの整備をしておきましょう」
 敷島:「いつもすいませんねぇ……」
 アリス:「シンディは帰る前に、整備してからね」
 シンディ:「かしこまりました」
 アリス:「アソシエイト・プロフェッサー奈津子。エミリーの整備をするんだったら、この施設の研究室を使っていいってさ」
 奈津子:「そうなの?助かるわー。シンディと一緒に整備できそうね。エミリー、ちょっと来て」
 エミリー:「イエス」

 ミク:「進め♪ガイノイド♪ずっと先へ♪もっともっと電圧上げてー♪」

 ミクは通用口の外、業務用駐車場で平賀夫妻の子供達に歌を歌ってあげていた。

 平賀:「おーい、ミクー。整備するぞー」
 ミク:「あ、はーい。よろしくお願いします。じゃ、ゴメンなさい」
 平賀:「お前達も中で待ってろよ」
 未来:「えー!」
 平賀:「えー、じゃない!……ミク、どこか調子の悪い所あるか?」
 未来:「大丈夫だよー、パパ」
 平賀:「いや、お前じゃない」
 ミク:「あ、えっと……ちょっと右足の動きが……」
 平賀:「よしよし。じゃ、ちょっと診てみよう」

[同日21:00.天候:晴 科学館駐車場]

 敷島:「どれ、じゃ一旦家に帰るか。平賀先生、ホテルまでお送りします」
 平賀:「どうもすいません」

 因みに奈津子はエミリーの整備だけ終わると、子供達を連れて、ロボット未来科学館入口バス停に向かって、宿泊先のホテルに戻っていった。
 幸い、この辺りから出る大宮駅西口行きのバスはパレスホテルの前である『ソニックシティ前』バス停に止まる。
 敷島達は車で来ていた。

 敷島:「アリス、早く帰るぞ。明日も早いんだから」
 アリス:「ちょっと待って」

 アリスは私服に着替えて走って来た。
 車に乗り込む。

 敷島:「アルエットや萌の整備はいいのか?」
 アリス:「うん。本格的な整備はアタシがやるけど、普段の整備はヒラ研究員でも大丈夫よ」
 敷島:「ふーん……。そうなのか」

 新型タイプなので、メンテナンスも楽なのだろうか。

 平賀:「おい、後ろから俺を襲うなよ」
 シンディ:「まだ疑ってるの?」
 平賀:「当たり前だ!」

 オーナードライバーの場合、上座はリアシートではなく、助手席になる。
 なので平賀がそこに座ったのだが、下座になる助手席の後ろがシンディという……。
 南里の法事に、シンディが呼ばれることはない。
 告別式にウィリーの名代としてやってきたのだが、持って来たのが御霊前ではなく御祝儀だったから、平賀やエミリーを激怒させた。
 もちろん、シンディは自ら率先して持って来たのではなく、ウィリーの命令で持って行ったのだが。
 エミリーが組み付いてこようとしたが、ひらりと交わして離脱したシンディ。
 もしあの時、エミリーが組み付いていたら、東京決戦は無かったかもしれない。

[同日22:00.天候:晴 埼玉県さいたま市大宮区・敷島家]

 敷島:「やっと着いた。軽く飯にして、風呂入って寝るか」
 二海(ふたみ):「お帰りなさいませ」

 メイドロイドの二海が出迎える。

 二海:「お坊ちゃまは、もうお休みになられましたよ」
 敷島:「いつもご苦労さんな」
 二海:「いえ、お役に立てて何よりです。明日もお出かけですか?」
 敷島:「科学館の週末の集客がどんなものなのか見ておきたい。場合によっては、ボーカロイドを更にうちの事務所に入れて、そこから科学館に派遣できるようになれば、固定の売り上げを確保できる。……あまり高くはできないけどな」

 ミクみたいに、本来ならもう東京ドームシティでライブができるようなトップアイドルが行くような所ではないのかもしれない。

 シンディ:「二海、ご苦労さん。あとはアタシが交代するから、アンタはもう充電に入って」
 二海:「はい。トニーお坊ちゃまは、もうお休みになりましたので」
 シンディ:「了解」

 二海はシンディと交代すると、3畳くらいの広さの納戸に入った。
 そこで充電する為、実質的な二海の部屋とも言えるだろう。
 夕食は既に二海が作って保存していた為、シンディはそれを温め直して出すだけで良かった。

 アリス:「アタシは先にシャワー浴びて寝るね」
 敷島:「ああ」

 取りあえず初日は無事に終わった感じだが、週末がどうなるかは分からなかった。
 だいぶメディアでも報道されていたようなので、かなり集客が見込める感じはしたが……。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする