[4月25日20:00.天候:晴 東京都江東区森下 レストラン“マジックスター”→ワンスターホテル]
キャサリン:「申し訳ありません。そろそろ閉店のお時間ですので……」
レストランのオーナーで、ダンテ一門の魔道士であるキャサリンが声を掛けて来た。
元はポーリン組にいて、階級が上がったので独立したのである。
稲生:「あっ、もうそんな時間ですか。では先生、そろそろ行きましょう」
イリーナ:「お会計よろしく」
稲生:「分かりました」
稲生はイリーナからプラチナカードを受け取った。
イリーナ:「マリア。飲み過ぎた。肩貸して」
マリア:「だから言ったじゃないですか、もう!」
マリアは仕方なくといった感じでイリーナに肩を貸した。
そして、支払いをしている稲生より先にレストランを出た。
イリーナ:「私はこのまま酔っ払って朝まで寝てるから。あなたがどのタイミングで寝るかは自由だからね。もち、『どこかへ遊びに行く』のも……」
マリア:「お気遣い、ありがとうございます」
と、そこへ稲生が慌ててレストランから出て来た。
稲生:「先生!これ、期限切れたカードですよ!?」
イリーナ:「うへっ!?」
マリア:「切れたカードはちゃんと処分しないとダメじゃないですか」
イリーナ:「あ……多分ローブの中だった。悪いけどマリア、立て替えといて」
キャサリン:「宿泊者の方でしたら、チェックアウト時にホテルのフロントでお支払いして頂くこともできますよ?」
イリーナ:「あ、その手があったか!」
キャサリン:「お部屋番号だけ控えさせて頂けますか?」
マリア:「B100号室です」
キャサリン:「それはエレーナの部屋よ」
稲生:「マリアさん、エレーナが知ったらキレますよ?」
マリア:「冗談です。501号室ですよ」
キャサリン:「はい。ありがとうございました」
こうして、やっと会計が終わった。
イリーナ:「ローブの中に入ってるはず……」
マリア:「そうでないと困りますよ」
それからロビーに向かう。
稲生:「明日の朝も、あのレストランで食べるんですよね」
イリーナ:「今度はカードを忘れないようにしなきゃ」
マリア:「お願いしますよ」
ロビーに行くと、リリアンヌがいた。
リリアンヌ:「フヒヒヒ……。皆さん、こんばんはです」
かつては酷い吃音証であったが、今はだいぶ治ったようだ。
これも偏に稲生のおかげなのと、鈴木のおかげだと言われている。
稲生:「リリィ。どうしたんだ?」
リリィ:「フヒ?週末は寮を出て、エレーナ先輩の所に泊まらせて頂いているんです」
稲生:「そういえばそうだったな」
リリィ:「ムッシュ鈴木が泊まっているというので、またゲームやらせてもらおうかと……。い、色々と……昔のゲームのリメイクとか出たみたいなんでぇ……」
稲生:「あー、そういえばそうだな。“バイオハザード”とかFFとかな」
リリィ:「“バイオハザード探偵 愛原学”をやってみたいです……フフフ……」
稲生:「いや、それ多分ゲームのタイトルじゃない!」
マリア:「てか、鈴木が泊まってるのかよ……」
リリィ:「フヒッ!?そ、そそ、そういえば……稲生先輩も、だいぶゲームが上手いとムッシュ鈴木に聞きました」
稲生:「ヒマな時にやり込んでるだけだよ。何か、あれが意外な魔法の修行になるんだって。よく分かんないけど……」
リリィ:「今度、是非一緒にゲームやってください……フヒヒヒ……」
イリーナ:「おお~、マリア?また新たなライバルが現れたわよ~?」
マリア:「何ですか、それは!リリィは鈴木とゲームやってろ!」
リリィ:「フヒッ!?は、はいー」
マリアはエレベーターのボタンを押した。
マリア:「だいたい、リリィはまだローティーンなんだから、勇太が靡くわけないじゃないですか!」
イリーナ:「でも勇太君の趣味的には、『小さい女の子』が好きなんでしょう?だからマリアに一目惚れしてくれたわけで……」
マリア:「いや、私そこまで小さくないですよ!?」
稲生:「まあまあまあ」
やってきたエレベーターに乗り込む。
稲生が代わりに5階のボタンを押した。
リリィが乗って来ることはなかった。
恐らくエレーナの部屋に向かうのだろう。
稲生:「でもマリアさん、少し体は成長しましたよね?明らかに背は伸びました」
マリア:「この前測ったら、160cmになった。昔着てた服が小さくなって着れなくなったよ」
イリーナ:「下着もね」
稲生:(確かにマリア、少し胸が大きくなったかな……)
エレベーターの中にある鏡にだけ、マリアの契約悪魔ベルフェゴールが映っている。
それだけでホラーなものだが、ここの魔道士達は完全に慣れている。
悪魔の力で体の成長を阻害していたのだが、その力を少し弱めたようである。
稲生とて高身長且つ大きな体躯というわけではないが、2人並んだ時のバランスを考えたのかもしれない。
イリーナ:「さあさあ。部屋に着いたら、私は寝るからねぇ」
マリア:「せめて寝巻には着替えてくださいよ?」
イリーナ:「分かってるって~」
角部屋なので、エレベーターからは離れている。
イリーナ:「それじゃあね、勇太君。私ゃ朝まで寝てるからね」
稲生:「あ、はい。おやすみなさい」
稲生は手持ちのルームキーを差して、502号室に入った。
デラックスシングルなので、ベッドはセミダブルである。
稲生:「さてと、まだ時間あるな。……タブレットでネットサーフィンでもするかな。ここ、Wi-Fi入るし」
スマホとは別にタブレットを持っている稲生。
魔界ではこの世界との通信はできないが、それでも魔法具として役に立つのである。
敵をスキャンして、その強さを測るとか……。
そしてこの後、好感度の1番高い魔女が稲生の部屋を訪れるのだが、それが誰なのかは予定字数に達したので、次回へのお楽しみとさせて頂く!
キャサリン:「申し訳ありません。そろそろ閉店のお時間ですので……」
レストランのオーナーで、ダンテ一門の魔道士であるキャサリンが声を掛けて来た。
元はポーリン組にいて、階級が上がったので独立したのである。
稲生:「あっ、もうそんな時間ですか。では先生、そろそろ行きましょう」
イリーナ:「お会計よろしく」
稲生:「分かりました」
稲生はイリーナからプラチナカードを受け取った。
イリーナ:「マリア。飲み過ぎた。肩貸して」
マリア:「だから言ったじゃないですか、もう!」
マリアは仕方なくといった感じでイリーナに肩を貸した。
そして、支払いをしている稲生より先にレストランを出た。
イリーナ:「私はこのまま酔っ払って朝まで寝てるから。あなたがどのタイミングで寝るかは自由だからね。もち、『どこかへ遊びに行く』のも……」
マリア:「お気遣い、ありがとうございます」
と、そこへ稲生が慌ててレストランから出て来た。
稲生:「先生!これ、期限切れたカードですよ!?」
イリーナ:「うへっ!?」
マリア:「切れたカードはちゃんと処分しないとダメじゃないですか」
イリーナ:「あ……多分ローブの中だった。悪いけどマリア、立て替えといて」
キャサリン:「宿泊者の方でしたら、チェックアウト時にホテルのフロントでお支払いして頂くこともできますよ?」
イリーナ:「あ、その手があったか!」
キャサリン:「お部屋番号だけ控えさせて頂けますか?」
マリア:「B100号室です」
キャサリン:「それはエレーナの部屋よ」
稲生:「マリアさん、エレーナが知ったらキレますよ?」
マリア:「冗談です。501号室ですよ」
キャサリン:「はい。ありがとうございました」
こうして、やっと会計が終わった。
イリーナ:「ローブの中に入ってるはず……」
マリア:「そうでないと困りますよ」
それからロビーに向かう。
稲生:「明日の朝も、あのレストランで食べるんですよね」
イリーナ:「今度はカードを忘れないようにしなきゃ」
マリア:「お願いしますよ」
ロビーに行くと、リリアンヌがいた。
リリアンヌ:「フヒヒヒ……。皆さん、こんばんはです」
かつては酷い吃音証であったが、今はだいぶ治ったようだ。
これも偏に稲生のおかげなのと、鈴木のおかげだと言われている。
稲生:「リリィ。どうしたんだ?」
リリィ:「フヒ?週末は寮を出て、エレーナ先輩の所に泊まらせて頂いているんです」
稲生:「そういえばそうだったな」
リリィ:「ムッシュ鈴木が泊まっているというので、またゲームやらせてもらおうかと……。い、色々と……昔のゲームのリメイクとか出たみたいなんでぇ……」
稲生:「あー、そういえばそうだな。“バイオハザード”とかFFとかな」
リリィ:「“バイオハザード探偵 愛原学”をやってみたいです……フフフ……」
稲生:「いや、それ多分ゲームのタイトルじゃない!」
マリア:「てか、鈴木が泊まってるのかよ……」
リリィ:「フヒッ!?そ、そそ、そういえば……稲生先輩も、だいぶゲームが上手いとムッシュ鈴木に聞きました」
稲生:「ヒマな時にやり込んでるだけだよ。何か、あれが意外な魔法の修行になるんだって。よく分かんないけど……」
リリィ:「今度、是非一緒にゲームやってください……フヒヒヒ……」
イリーナ:「おお~、マリア?また新たなライバルが現れたわよ~?」
マリア:「何ですか、それは!リリィは鈴木とゲームやってろ!」
リリィ:「フヒッ!?は、はいー」
マリアはエレベーターのボタンを押した。
マリア:「だいたい、リリィはまだローティーンなんだから、勇太が靡くわけないじゃないですか!」
イリーナ:「でも勇太君の趣味的には、『小さい女の子』が好きなんでしょう?だからマリアに一目惚れしてくれたわけで……」
マリア:「いや、私そこまで小さくないですよ!?」
稲生:「まあまあまあ」
やってきたエレベーターに乗り込む。
稲生が代わりに5階のボタンを押した。
リリィが乗って来ることはなかった。
恐らくエレーナの部屋に向かうのだろう。
稲生:「でもマリアさん、少し体は成長しましたよね?明らかに背は伸びました」
マリア:「この前測ったら、160cmになった。昔着てた服が小さくなって着れなくなったよ」
イリーナ:「下着もね」
稲生:(確かにマリア、少し胸が大きくなったかな……)
エレベーターの中にある鏡にだけ、マリアの契約悪魔ベルフェゴールが映っている。
それだけでホラーなものだが、ここの魔道士達は完全に慣れている。
悪魔の力で体の成長を阻害していたのだが、その力を少し弱めたようである。
稲生とて高身長且つ大きな体躯というわけではないが、2人並んだ時のバランスを考えたのかもしれない。
イリーナ:「さあさあ。部屋に着いたら、私は寝るからねぇ」
マリア:「せめて寝巻には着替えてくださいよ?」
イリーナ:「分かってるって~」
角部屋なので、エレベーターからは離れている。
イリーナ:「それじゃあね、勇太君。私ゃ朝まで寝てるからね」
稲生:「あ、はい。おやすみなさい」
稲生は手持ちのルームキーを差して、502号室に入った。
デラックスシングルなので、ベッドはセミダブルである。
稲生:「さてと、まだ時間あるな。……タブレットでネットサーフィンでもするかな。ここ、Wi-Fi入るし」
スマホとは別にタブレットを持っている稲生。
魔界ではこの世界との通信はできないが、それでも魔法具として役に立つのである。
敵をスキャンして、その強さを測るとか……。
そしてこの後、好感度の1番高い魔女が稲生の部屋を訪れるのだが、それが誰なのかは予定字数に達したので、次回へのお楽しみとさせて頂く!