先日 東京のAさんが「あれからもう五年が経ったんですね!」とお電話でおっしゃいました。
自分でも半ば忘れていたのですが、もう少しのところでこの世とおさらばしそうになったあの時から私の考えは随分変わりました。
その結果、おもいがけなく西川 鯉を襲名させていただくことになり、今年は更に東京国立劇場での襲名披露を予定しています。
そんな中で、コロナ感染が拡大し厳しい状況が続いていますが、皆様のおかげで助けていただいた命なので、この状況を何とか潜り抜け、成功裡に終わらせなければと思っています。
自粛の中で、舞台に立つことの大事さ、嬉しさ、楽しさをひしひしと感じ、舞台の一つ一つを大切に愛おしんでつとめ、又、観賞することがどんなに必要で貴重なことなのかを学びました。その学びを生かして、一回り成長できれば、あの事故もコロナも全て私にとって価値ある栄養となってくれることでしょう。
そんなことを考えながら、昼は菖蒲の花を見てうっとり、夜は子供の頃に見たくらいの沢山の蛍を見てうっとり。京都に住まいする幸せを感じる皐月最後の日です。