とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

ホームドアの意外なデメリット

2007年12月01日 | 新聞×読み
  今日の朝日新聞朝刊神奈川版で、横浜市営地下鉄が15日からワンマン運転を開始する旨の記事がありました。

  ワンマン化の理由は人件費削減もあるでしょうが、緑線の要員捻出という側面もあると思います。

  交通局のプレスリリースは11月22日付で発表されており、少し踏み込んだ記事を書きたかったために遅れたのでしょうか。都営三田線東急目黒線が半ばこっそりという形で実施されたことに比べれば、事前に報道されることは評価できます。

  記事中には全線を無交代で乗務する運転士の負担など問題点も挙げられていますが、これは行路を組み直せば済むことでしょう。それよりもちょっと面白い記事がありましたので紹介します。


『転落防止ドア 広告契約減少招く』

  ホームドアが、ホーム広告の契約減少という経営改善を妨げかねない皮肉な結果を招いているという。
  市交通局統括営業課によると、ホームの広告掲載は6ケ月契約が普通で、値段は場所によって約10万~100万円。一般企業のほか、地元の病院や歯科医院などが主な広告主だ。
  しかし、今年1月からホームドアの取り付けが始まると、「ホームドアが邪魔になって広告が見えない」と、契約を更新しない広告主が出始めた。関内や横浜などの主要駅には約50面の広告スペースがあるが、空きが目立っているという。
  年間の広告収入は約6億円で、このうち駅構内の広告によるものは4億円弱にのぼるという。
  同課は「見えるように看板の位置を上げるには、巨額の費用がかかる。減収にならない方法を考えたい」という。
(引用終)

  同じようにホームドアを後付けした三田線やトーチカ丸の内線はどうなっているのかと思いますけど、わざわざ交通費をかけて調べに行く気力はありません。(^^;

  それならホームドアに広告を出せばいいんじゃないかというとそう簡単にはいかないようです。

  ホームドア広告は目黒線で一時期見られましたが今はありません。広告主が集まらないはずはなく、おそらく乗務員から反対されたのではと思います。

  かつて都営大江戸線が車体に広告を描こうとしたところ、乗務員の反対で実現まで苦労したという話を、以前に新聞で読んだ記憶があります。運転士の安全確認は目視ではなく、運転台の小さなモニター画面でのみ行なわれるため、車体に広告を描くとホームを歩く人影と重なって確認が難しくなるというのです。ひとたび事故になれば乗務員の責任が問われるのですし、反対は当然かもしれません。

  横浜市がホームドア設置にどれだけ費用を要したのかは分かりませんが、広告主に逃げられてはその費用の回収もままならないでしょう。これが私企業となれば設置に二の足を踏むのも理解できるというものです。

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