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熊代氏(美浜町)に瑞宝双光章 〈2020年10月11日〉

2020年10月12日 08時30分00秒 | 記事


「みなさんに支えていただいた」と熊代眞一氏


 警察官や消防士、自衛官など危険性の高い業務に精励した人に贈られる第35回危険業務従事者叙勲の受章者が決まった。日高地方からは唯一人、警察功労で瑞宝双光章に、美浜町和田1783の4、元県警部の熊代眞一氏(72)が選ばれた。警察業務に献身的に務め、県民の安心、安全に尽力した。国が実施する伝達、拝謁は新型コロナウイルス感染状況を踏まえ検討中。県下の受章者は33人で、今回を含めて918人となった。

 熊代氏は那智勝浦町出身。高校卒業後、昭和42年4月に県警察官を拝命。その後40年以上の長きにわたり、主に交通・警務畑で活躍。常に地域住民とのコミュニケーションを心がけ、信念は「地域の人に沿った仕事」。剣道4段。
 田辺署を振り出しに、北、橋本、湯浅、有田、新宮、御坊署では通算7年勤めた。昭和58年に警部補になり、平成21年に湯浅署を最後に退職した。
 御坊署勤務のころ、暴走族の活動が盛んで、夜間の呼び出しは当たり前。細かく取り締まりや交通規制を行った。検挙、逮捕したほとんどが少年だったことから、その子らが大人になり、偶然会ったときは今でも話をするといい、人づてに「お世話になった」と言っていたのを聞くとうれしいという。
 新宮署では本宮の幹部交番に勤務。土地柄もあり、転落、山岳事故、遭難者の捜索が多く、30~40メートル下の谷底に車が落ち、救助のため、真冬の川に潜ったこともあった。
 有田署では、有田市を中心に発生したコレラの影響で、独居老人や母子家庭、漁業関係者を中心に訪問し、対策や予防措置を徹底的に呼びかけて回った。
 警務課は「縁の下の力持ち」と話す。留置所の管理や被疑者の処遇改善、職員教養や採用、福利厚生関係など仕事のしやすい環境になるよう尽力した。剣道や逮捕術の指導にも力を注いだ。
 熊代氏の話 上司、先輩、同僚、部下、そして家族に支えていただき、無事勤めてこられた。地域の人にも大事にしていただいた。ありがたいです。


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