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御坊市財政見通し 最悪、令和4年度に財調基金枯渇 〈2020年10月4日〉

2020年10月05日 08時30分00秒 | 記事


2年連続でマイナス10%シーリングを設定した財政課


 御坊市は令和3年度予算編成方針をまとめ、部課長に通達。財政課は家庭の貯金に当たる財政調整基金が「最悪、令和4年度に枯渇する」との厳しい見通しを出した。前年度の「令和3年度に枯渇」から1年延びたが、厳しい現状に変わりはない。特に来年度は新型コロナによる地域経済への影響、国勢調査による人口減少等で市税や地方交付税が大幅に減収すると予測しており、少しでも同基金の取り崩しを抑えるため、2年連続でマイナス10%シーリング(予算要求限度額)を設定するなど経費節減を求め、ふるさと納税など収入アップにも努める。

 財政調整基金は財源不足を補う重要な財源。枯渇して身動きが取れなくなれば赤字再建団体に転落する恐れがあり、常に余裕のある基金を確保しておくのがベスト。ピーク時の平成25年度は30億5千万円あったが、26年度以降は交付税や市税の伸び悩みに加え、大型事業もあり、決算時で26年度1億2千万円、27年度5千万円、28年度3億6千万円、29年度3億円、30年度4億3千万円、令和元年度2億円と6年連続で取り崩しており、当該年度の収入で支出を賄えないのが常態化している。
 基金残高は昨年度末で16億1400万円。今年度は新型コロナに伴うひだか病院への支援、市民へのコロナ支援対策などで予算上8億1700万円を取り崩しているが、決算時点では不要額などが生じ、3~4億円程度の取り崩しで済む見通しのため残金は12~13億円程度と予想している。来年度は新型コロナによる地域経済への影響で市税が、現在実施している国勢調査による人口減で地方交付税が、それぞれ億単位で減収すると予想。
 さらには新庁舎建設事業が本格的に始まり、来年度当初で3億2千万円の支出を予定し、固定資産税評価替えによる減収なども重なり、予算編成は例年以上に厳しさを増す。基金から年6億円程度の取り崩しが続けば2年で枯渇することから、できるだけ取り崩しを抑えようと、昨年度の予算編成時に初設定した「一般財源ペースで前年度当初予算比マイナス10%のシーリング」を今年度も継続。前回は対象外だった都市間交流といった政策的ソフト事業も対象に加え、前年度の節約額3~4000万円をさらに上回りたい考え。
 一方、明るい見通しとしては、ふるさと納税が今年度も前年度比2倍以上の伸びを続けていることから3億円以上の収入が見込まれるほか、10月から施行した最終処分場埋立物環境保全負担金条例に基づき徴収する環境保全負担金も1億8千万円見込まれるため、ある程度の財源不足は補えそう。財政課は「全ての事務事業で先例や既得権にとらわれることなく、時代に即した真に必要な事務事業を見極め、歳入規模に見合った財政規模への転換を図ることが必要不可欠」としている。


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