高級感ある仕上がりの「九絵」をどうぞと杉浦さん
日高町志賀、「まるた酒店」(杉浦研太店長)は、クエにあう日本酒としてPRしている「九絵」の販売を始めた。取扱店が店じまいしたことで地域振興の観点から受け継ぎ、商品ラベルを変えたり、酒質をあげるなどリニューアルして開業にこぎ着けた。日本酒「九絵」はキレのある飲み口が特徴で、杉浦さんは「日本一を獲得したクエ鍋とともにクエの酒も一緒に知ってもらえれば」としている。
日本酒「九絵」は上撰、吟醸の2種類で湯川泰嗣さんが町役場産業課長を務めた際に関わって開発したもので、平成3年に柏の井上商店から発売。平成27年3月に同店が廃業したことを受け、湯川さんが販売していたが、経営する「ふる里ペンション湯川」も閉めることになった。白浜町や由良町などから声もあったが、クエの酒とあって、町内での引き継ぎ先を探していた。
一方で、この状況を聞きつけた杉浦さんが日高町の特産品でもあることから残していこうと一念発起。商標権変更なども含め町商工会の支援を受けながら、今年3月に酒類販売業免許申請を出し、5月20日に取得、同月25日に「まるた酒店」を開業した。これまで本業の畳屋の事務所として使っていた場所で木製の棚を設けたり、「九絵」の垂れ幕を用意するなど準備。商品も、これまでのものから一新し、黒を基調にして、吟醸を純米吟醸にしてランクアップさせるなど高級魚・クエに合わせ、高級感を出し、9月初旬から本格販売した。
中野BC(株)=海南市=が製造して、同店で販売する形態で、地域振興からも「九絵」の商標登録を取った商品。価格は据え置きで、「上撰 九絵」(1・8リットル)が2750円(税込み)、「純米吟醸 九絵」が2200円(同)。開業時間は午前9時~午後5時で日曜、祝日が休みだが、本業との兼ね合いから、電話での対応が主。当初、純米吟醸だけ60本を仕入れたが、知り合いや町内民宿などから注文があり、2週間ほどで売れ、今のところ順調だ。
「上撰 九絵」はさらりとした苦味も加わってスッキリとした仕上がり。秋はサンマなどの焼き魚にロック、冬は鍋料理に熱燗とオールマイティーな酒質で飲み飽きしない。「純米吟醸 九絵」は芯のある酒に仕上がる「山田錦」と濃醇で香豊かな「雄町」の定評のある2種の酒米のうまみを引き出しており、少し酸味のある優しい味わいな上、キレのある飲み口が特徴で、おすすめは冷酒という。
杉浦さんは「日高町のクエの知名度を全国に広げていきたい。上撰、純米吟醸ともにクエの脂にあう酒として売り出しているが、他の魚料理や鍋料理にもいい。歳暮など贈答品としても活用してもらえれば」と話している。
問い合わせは、まるた酒店(電話20・4349)へ。
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