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御坊市が公営住宅等長寿命化計画を今年度末までに策定 〈2022年11月13日〉

2022年11月14日 08時30分00秒 | 記事


現行計画は「建て替え」の庚申町団地


 御坊市は、令和5年度から10年間の公営住宅等長寿命化計画を今年度末までに策定する。次期計画で大きな課題となるのが「耐震性がない」と診断されている紀小竹、庚申町、富安各団地の建て替え問題。現行計画は6棟のうち1棟を用途廃止し、5棟を建て替える方針だが、建て替えとなると数十億円規模の事業費がかかるため、手つかずの状態。今後10年間を見据える中、戸数を大きく減らした上で建て替えるのか、建て替えずに用途廃止の方向に持っていくのかなど対応が迫られている。

 公営住宅は8カ所で計231戸、改良住宅(二戸一住宅含む)は26カ所で計527戸の総計758戸あり、今年3月末時点で入居者がいる戸数は568戸。現行計画では、耐震診断で「耐震性がない」と診断された紀小竹団地1号館(昭和30年築、24戸)は用途廃止し、同2号館(同44年築、35戸)庚申町団地1号館(同45年築、24戸)同2号館(同46年築、24戸)富安団地1号館(同44年築、32戸)同2号館(同45築、24戸)は建て替えとした。
 5棟すべてを建て替えとなると50億円以上の事業費が必要とみられ、国の補助金(2分の1補助)を活用しても市の財政負担は大きいため、現行計画策定から10年が経過した今も事業化には至っていない。次期計画では現行計画の方針を踏襲するのか、戸数を大きく減らした上で建て替えるのか、建て替えずに用途廃止の方向に持っていくのか対応が大きな焦点。
 この6棟については平成23年度から新規入居募集を停止しており、紀小竹団地1号館は約8割、他の5棟は約5割が空室となっている。5棟すべてを建て替えるのは財政的に非常に困難なため、戸数を減らした上で紀小竹、庚申町、富安各団地でそれぞれで1棟ずつ建て替えるか、大幅に戸数を減らして建て替えを12棟に抑えるか、用途廃止の方向に持っていくかなどが考えられるが、現時点で方針は定まっていない。
 さらに294戸ある二戸一住宅の対応も課題。現状は約8割が入居しているが、建築からすでに40年前後経過。現行計画では修繕対応しながら払い下げの方針を出したが、壁1枚の直接連結、2戸で1基の浄化槽を共同使用している構造上の問題などから「払い下げは非常に困難」との考えに転換しており、次期計画では修繕対応を続けながも空き部屋は募集停止にして用途廃止の方向に持っていくかなど対応を検討する。
 耐震診断で耐震性があると判断され、屋上防水など必要な修繕を行ったひまわり団地や、築20年程度と最も新しく、新規募集すればすぐ埋まる日高川ハイツ、グリーンハイツにしても日々の維持修繕費は年ごとにかさんできており、計画的に維持管理しながら長寿命化を図る方針だが、10年先を見据えれば大規模改修や建て替えなども視野に入ってくるとみられ、次期計画の行方が注目される。


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