畠山澄男さん
令和4年度日高町文化賞の受賞者が決まった。文化功労賞に徳本上人の偉業を後世に残していくために絵解き説法を行うなど尽力した誕生院住職の畠山澄男さん(80)=志賀=が選ばれたほか、文化奨励賞に美術創作で全国や近畿クラスで活躍した紀央館高校2年の坂成海さん(17)=荊木=が受賞。4日午後4時30分から、町中央公民館2階大会議室で表彰式を開く。
志賀には文政7年(1824年)に開基された誕生院がある。南無阿弥陀仏の念仏をひたすら唱えれば極楽往生できると全国行脚し、説いて人々を救った念仏僧・徳本上人が生まれた地として、建てられたゆかりの寺院。
畠山さんは、その9代目住職を務めており、同寺には徳本上人の偉業を3幅19コマに描いた掛け軸があり、子どもから大人まで幅広く、徳本上人のことを知ってもらおうと、一コマずつを大型にした絵解き説法を県内外で披露して、30年ほど伝え続けている。
徳本上人だけでなく、日高町の文化財全般にも造詣が深く、平成21年4月から令和4年3月まで13年に渡り、町文化財保護審議会委員を歴任。豊富な知識と行動力をもって、文化財愛護精神の普及、文化財の保護や活用に献身的に取り組んできたほか、民生児童委員を7年務めるなど広く地域にも貢献してきた。
畠山さんは「徳本上人のことをわかっていただきたいと、取り組んできただけで、選ばれるとは思わず、ありがたい。今後も生きている限り続けていきたい」と話した。
坂さんは、令和3年4月から同校美術部に入部し、1年生から副部長、2年生から部長を務め、油彩画や立体作品と幅広く精力的に制作。すでに第46回全国高校総合文化祭東京大会や第42回近畿高校総合文化祭和歌山大会ともに美術工芸部門で立体作品を県代表として出品するなど活躍。現在は来年度の全国総合文化祭への立体作品と全国規模のコンクールに向けて油彩画を制作中という。
坂さんは「高校に入ってから立体作品の面白さにハマりました。中学1年の頃に受賞したことがあり、まさか2回目を受けられるとは思わず、うれしい。これを機に、また頑張りたい」と喜んだ。
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