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御坊市内一斉避難訓練に約4千人参加 〈2022年11月8日〉

2022年11月08日 08時30分00秒 | 記事


高台へ避難する住民

講演する菅原氏


 御坊市は5日の「世界津波の日」にあわせ6日に、南海トラフ巨大地震を想定した市内一斉地震津波避難訓練を行い、自治会や自主防災組織を中心に約4000人が参加した。市はドローンを活用した情報収集訓練、職員の情報伝達訓練を行い、自治会や自主防災組織は避難訓練、消火訓練など地域に応じた各種訓練に取り組み、防災意識を高めた。

 午前9時3分に防災行政無線で大津波警報を発令し、市は職員を対象に情報伝達訓練を行い、各家庭には地震から身を守る安全行動を身につける「ドロップ」「カバー」「ホールドオン」のシェイクアウト訓練の実践、避難所や避難経路の確認、備蓄品の見直しを呼びかけた。
 9月に(株)古田鉄工所=同市島、古田謹章代表=と締結した「ドローンを活用した連携協力に関する協定」に基づき、同社が所有する産業用ドローンを使い、同社事務所から薗地区の津波避難タワーまでドローンを往復させる情報収集訓練も行った。
 御坊第一地区や東正会、至誠会、名屋東、名屋西、小松原、北野口、下野口、北塩屋、楠井など自治会や自主防災組織が避難訓練や消火訓練などに取り組んだ。御坊第一地区町内会連合会では100人が美浜町松原地区の高台へ避難。各自で避難にかかった時間を計り、15分以内に避難できた人が大半で10分以内の人もいた。これまで御坊小や市福祉センターへの避難など避難場所を指定して毎年訓練を行ってきたが、コロナ禍の中、今回3年ぶりの訓練となった。畑崎照道会長は「訓練はいざという時に自分の命を守るために行っている。状況に応じて避難する場所を判断して自分の命を守るためにも訓練は大事」と話した。

マニュアルにとらわれない
災害伝承語り部講演会で研修

自主防組織連協

 御坊市自主防災組織連絡協議会は6日、市民文化会館で研修会を開き、災害伝承語り部で宮城県仙台市宮城野区福住町内会長、菅原康雄氏の講演「究極の減災をめざして」を聞いた。
 福住町は東日本大震災が起きる8年前から災害に備えるため独自の防災組織を作り、公的機関に頼らず活動、菅原氏は当初から組織代表として携わり、令和元年には防災功労者内閣総理大臣表彰を受けた。講演で菅原氏は東日本大震災やこれまでの活動を通して減災に向けての取り組みなどを助言。
 大災害時が発生し避難所生活で最重要課題となるのは、食べ物や飲み物ではなくトイレだとし、阪神淡路大震災で地震の直接の原因以外での死亡要因の一つに「トイレへ行かない」という報告があった事例も上げながらトイレを利用しやすい環境を作ることが重要。避難所運営は行政でなく地域のリーダーが中心でやるべき。マニュアル一点張りではなく融通を利かしての運営が大切になるとした。防災訓練をお祭り形式で実施することで子どもを含め多くの人が参加して実施することができ効果的になるともした。最後に「皆さんの町にふさわしいやり方があるはず。福住町の実践が少しでも参考になればうれしい」と呼びかけた。


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