紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

和歌山知事選告示、新人3氏が立候補17日間の争いに火ぶた 〈2022年11月11日〉

2022年11月11日 08時30分00秒 | 記事

 12月16日の任期満了に伴う県知事選挙は10日に告示され、27日の投開票に向け、17日間の選挙戦に突入した。今期限りで退任する現職、仁坂吉伸知事(71)=当選4回=の後任を選ぶ選挙で、届け出順にいずれも新人で、会社役員の本間奈々氏(53)=札幌市=、共産党県常任委員の松坂美知子氏(66)=和歌山市=、前衆院議員の岸本周平氏(66)=和歌山市、自民・立民・国民推薦=、の3人が立候補し、和歌山市内で第一声を挙げた。幅広い政党から推薦を受けた岸本候補に、松坂、本間両候補がどこまで迫れるか。9日現在の県内有権者数は79万3972人(男37万1503・女42万2469)。

カジノ反対、1次産業守る
本間奈々候補
 県庁前で第一声を放ち「カジノは県議会で否決されたが、火種が消えたわけではない。犯罪の温床となるカジノはいらない」と主張したほか、これまでの県知事選の低投票率をあげ「政治家同士が話し合い、候補者調整しているのが、県民に選択肢を与えていない。選挙前から構図が決まっている」と批判。「感染症対策をしっかりしながら、アフターコロナへ移行すべき」とし、子どもへの新型コロナウイルスワクチン接種の反対も強く訴えた。
 日本の食料自給率が低い状況から「まず十分に食料を行き渡らすことが大切。農業体験を通じた実践型・体験型教育で子どもに伝えることが大人の役割」とし、和歌山の第1次産業(農業・漁業・林業)を守り育てることの重要性を説き、水素エネルギーやIT産業、ロケット関連等の新産業の集積を図り、自然に恵まれ、歴史深い和歌山の魅力を生かした観光の活性化を目指すとした。
 巨大地震等の災害に備えるため物流や交通インフラ整備やシェルター設置、ひとり親家庭や貧困家庭への支援、環境破壊の太陽光メガソーラー反対なども掲げており、最後に「誇りを持てる和歌山をより良きものにしていきたい。若者たちには、ふるさと和歌山をともに作ろうではないかと訴えていきたい。ぜひ皆さんの力で押し上げてください」と支援を求め、街宣へ出発。この日は、和歌山市内を中心に巡った。

命と暮らし守る温かい県政に
松坂美知子候補
 南海和歌山市駅前で出発式を行い、松坂候補は「この選挙は自公政権が進める暮らしや社会保障を切り縮める政治を受け入れる県政から、命と暮らしを大切にする県政へ切り替えるチャンス。転換を実現させよう」と力強く第一声。県が進めようとしたカジノ誘致の火種を消すことを約束した上で自治体が本来専念すべき仕事「住民福祉の増進」へ▼物価高騰から暮らしを守り家計を応援する県政▼独自に子育てや医療、福祉を守る県政▼農林業を大切にして経済振興を図る県政▼ジェンダー平等を進める県政―の4つの転換を約束した。家計応援には「消費税5%への減税が特効薬。中小企業への支援と最低賃金の引き上げ、介護と医療の保険料引き下げを求める」、子育て・医療・福祉については「県の責任で高校卒業までの医療費無料、給食費無償化で子育て支援を充実させる。コロナ拡大のなか、発熱外来や入院病床を増やし保健所体制を充実させることが必要で、医療や介護、保育、障害福祉で働く方々の待遇改善を進める」、経済振興には「農林水産の生産量を増やし雇用拡大につなげる」と力を込めた。「日本共産党はずっと戦争反対を貫いてきた唯一の政党。4つの転換で県民の命と暮らしを一番に考える県政に変えよう。松坂は一人ひとりを大切にし、誰一人取り残さない温かい県政をつくります。大切な1票、支援で押し上げていただきたい」と訴えた。

私が県発展の起爆剤に
岸本周平候補
 午前10時前からJR和歌山駅西口前で出陣式を行い、仁坂吉伸知事や自民党の二階俊博代議士、世耕弘成参院幹事長、鶴保庸介参院議員をはじめ推薦した政党、県議、市町村長、連合和歌山など各種団体関係者、支持者が参集した。
 岸本候補は「皆さんと一緒に手をつなぎ、スクラムを組んで前へ進みたい。第一次産業と新しい観光産業の振興を両輪にし、その上に子育て支援の充実を重点を置きたい。子育て支援では学校給食費、子ども医療費を全県的に無償にできるよう取り組みたい。学童保育を充実させ、小学校区に子ども食堂をつくり、人口減少に歯止めをかけたい。和歌山の飛躍発展に向け、打ち出の小槌のような起爆剤はないが、私が起爆剤になる。皆さんも起爆剤になって私と一緒に爆発して下さい」と力強く第一声。
 選対本部長の尾花正啓・和歌山市長は「県と市町村は運命共同体。オール和歌山で岸本候補を支援しよう」、仁坂知事は「有能な岸本さんはやってくれると確信している」、二階代議士は「みんなの力を結集し、和歌山躍進のためお力添えを」、世耕参院幹事長は「和歌山を発展に導き、勢いを取り戻そう」、鶴保議員は「岸本さんには良い政治をしていただき、私たちがそれを支えていこう」と呼びかけ、頑張ろう三唱で気勢を上げた。
 その後、和歌山市や岩出市など街宣。管内入りは14日、24日の予定。


 その他の主なニュース

紀の国チャレンジド賞の自立更生者賞に片岡やゑ子さん(御坊市)

きのくにロボットフェスティバル実行委員会が第15回記念大会の実施概要を承認

美浜町のハウスキュウリ、選果機での出荷作業始まる

9日夜、御坊市消防団が夜間訓練