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日高地方に革製品美容室 野尻悠貴さん(土生)が開業 お気に入りの革靴が復活 〈2022年1月29日〉

2022年01月29日 08時30分00秒 | 記事


革製品の美容室を開業した野尻さん


 「お気に入りの革靴を長く履き続けてほしい」-。日高川町土生のシュウシャイナー(靴磨き職人)、野尻悠貴さん(25)が同地内役場前で革製品の美容室「STILL SHINE(スティルシャイン)」を開業している。大学生の頃から始めた靴磨きの趣味が高じ、これまでサラリーマンなどの傍ら行っていたが、本格的にスタート。県内に靴磨き専門店はほとんどなく、「あの靴が履ける」と地域内外の人に喜ばれそう。現在は出張と預かり業務で店舗は4月オープン予定。バックなど革製品全般のケア、修理(リペア)を行っている。

 野尻さんは京都での大学時代、アルバイト代で購入した革靴を手入れしたことがきっかけで靴磨きの魅力にはまった。路上で靴磨きを始め、手入れの方法を自分で調べたり、路上で先輩職人に教わったりしてノウハウを身につけ、多くの道行くサラリーマンらの足元をきれいに。大学卒業後、姫路市でサラリーマンとなり、22歳の時に帰郷してからも副業で靴磨きと革製品のリペアをしていたが、昨夏「STILL SHINE」の名で本格的に始動した。
 開店予定の店舗は、バーのような雰囲気になる。来店客にはカウンターで飲み物を提供し目の前で職人技を披露。「靴磨きは顔の化粧と似ている」と野尻さん。皮の種類や状態に合わせて客と相談しながら丁寧にケア。汚れを落とした後、専用の液体やクリームを皮に染み渡らせブラシをかけ、大切な革靴を甦らせる。より一層美しくなる「鏡面磨き」の技も駆使する。
「足元を見る」というように、人の第一印象を左右することもある足元。靴は身だしなみの貴重なアイテムだが、県内に靴磨き専門店はほとんどなく、お気に入りの革靴が長年靴箱に眠っていることも多く、そんな大切な靴の輝きを再び取り戻させる。ビジネスシューズのほか、ブーツやスニーカーなどもOK。家庭でもできる靴磨き方法もアドバイス。開店後も出張靴磨き、預かり業務も行う。
 皮製品全般をケア、修理。県内には皮製品をリペアするところもほとんどなく、使用したいものの皮が色あせたり、ひび割れしたりして困っている人も少なくない。夫から結婚記念日に贈られたヴィトンのバック、彼氏からの誕生日プレゼントのグッチの財布、亡き母からもらったカルティエの時計。皮製品には大切な人との思い出が詰まった物も多く、そんなかけがえのない品が復活。いずれも作業による状態確認をしてもらいながらリペア。ソファーも対応する。
 野尻さんは「革靴はいつまでも履くことができるが、手入れは欠かせない。多くの皆さんにお気に入りの革靴を長くはき続けてほしい。足元は人の生活習慣を表すので、足元を美しくする習慣を発信、そんな文化を広めていければ」と話している。問い合わせはSTILL SHINE(電話090・8388・3747)(メールstillshine.jent@gmail.com)(インスタstillshine2021)。


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