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円通寺(日高川町)の豊嶋住職の寒行 〈2022年1月20日〉

2022年01月20日 08時30分00秒 | 記事


寒行を行う豊嶋住職


 日高川町玄子、浄土宗円通寺の豊嶋英雄住職(67)は、毎年恒例の寒行を行っている。寒の入りの5日(6日の年もある)から寒の明けの2月2日まで行っており今年で41年目。雨や雪など悪天候の夜も休むことなく、川辺地区を中心に念仏を唱えながら歩く。27歳の時からはじめ5年前には1000回を超えた。

 今年はここ数年に比べて寒さが厳しく、雪が舞ったり冷たい雨に打たれる夜も。「年齢のせいか、昨年のことを忘れてしまっているのであまり寒さは感じない」と笑う。川辺大橋を歩いていたところ、天候が急変、突如雨が降り出し、稲光を目にする恐怖を感じた夜もあったが、ひたすら念仏を唱え続けた。60代半ばを過ぎひざの調子も芳しくなく、昨年の修行終了後には「来年はできないかも知れない」と不安に陥り、今年の修行開始直前になってもその不安は払しょくできなかった。年々の体力減退は否めないが、始まってしまえばいつも通り。網代笠に墨染めの衣、手は手甲(てっこう)、足には脚絆(きゃはん)という姿で「南無阿弥陀仏」を唱えながら巡る。そんな豊嶋住職に地域住民や通りすがりの人らが浄財を預ける。昨秋、今年の寒行を待ちきれずに浄財を預けにきた人もいた。預かった浄財は町の社会福祉協議会や被災地、難民支援を行っているユニセフやUNHCRなどに寄付している。
「何気なく暮らしている普段の1日は短いが、寒行期間中の1日は長く、生かされているという喜びを実感する。そんな貴重な期間だけにもっともっと厳しい寒さを待っている。来年、再来年とやれるところまでずっと続けていきたい」と話している。


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