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神谷でケーソン据え付けへ 由良港防波堤の整備事業進む 〈2022年1月22日〉

2022年01月22日 08時30分00秒 | 記事


間もなく据え付けとなるケーソン。消波ブロック(右手前)も製造が進む


 近い将来発生するとされる東海・東南海・南海地震に備え、由良港で防波堤整備事業が進められている。県が減災対策として港内2カ所に防波堤を設置。平成24年度から着手し、日高町柏側は設置が完了、現在、由良町神谷側で取り組み、近くケーソン4函を据え付ける。工事は予定通り進んでおり令和6年度の事業完了を目指す。

 県は3連動地震(マグニチュード8・7)が発生した場合、由良港には地震発生後約35分で第一波が来襲すると想定。津波による浸水の低減や地域経済の被害を抑え、早期の復旧・復興をはかるため防波堤の整備を決定、平成24年度に国の採択を受けた。
 防波堤は、日高町柏側(ムロノキ鼻)が延長100メートル、由良町神谷側((株)駒井ハルテック和歌山工場の南側)が延長350メートル。台形状の土台を作り、その上に本体のケーソン(鉄筋コンクリート製)を置き、上部にコンクリートを流す。防波堤の設置水深は17メートル。
 日高町柏側は平成29年5月に着工し、ケーソン(幅9・3メートル、高さ12・5メートル、長さ17・3メートル)4函、消波ブロック、根固方塊、被覆石などを設置し令和2年10月に完了。
 現在進めている由良町神谷側もケーソン、消波ブロック、根固方塊、被覆石などを設置する計画で、ケーソンは全体で25函あり、このうち4函(いずれも幅5・9メートル、高さ8・5メートル、長さ11・3メートル)を据え付ける。パーツは陸上で製造し海上へ運び設置される。事業費は全体で67億円(概算)。
 防波堤の整備により津波による浸水深が約1メートル低減、3メートル以上の浸水区域が約22ヘクタールから約6ヘクタールと約73%低減される。去る16日未明に南太平洋トンガの火山噴火の影響で日本でも津波が発生、御坊市で90センチの津波が観測されたばかりで、津波への警戒が強まる。
 南海トラフ巨大地震がいつ発生しても不思議ではない状況から、自治体では防災対策に力を入れており、防波堤の早期完成が待たれる。
 現在、稼働している工事の施工は、消波ブロック製造が(株)池本組(池本栄太郎代表取締役・由良町里)、ケーソンやブロック据え付けは淺川・南洋特定建設工事共同企業体(池内茂雄・(株)淺川組取締役社長=和歌山市=、森鎌保・(株)南洋開発代表取締役=御坊市=)。


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